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第2章。「魔族の誤解」
5、魔族の誤解⑨⑩-ミディアム③-闇の門-
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--魔族の誤解⑨ミディアム③--
三人は、そそり立つ岩壁の前に立った。
その壁は、地底から呼び出されたかのように土に生えていた。
先はとがり、それが、一面の土地からむき出し、周りを囲んでいる。
正面に岩と岩との切れ目が有る。
暗く先は見えない。
その暗黒は人を受け入れないと言うよりも、
全てを闇に飲み込むように3人を包んでくる。
裕也は、それを拒否できない。
「入りますか?」二人に尋ねた。
「そうですね」メンディアとエジェは答えた。
裕也はジーンズのポケットからオイルライターを取り出した。
「カチ ジュポ」炎がともる。
空気が重い。
岩の切れ目は、そこが始まりであることを示す。
(終わりじゃない。始まりなんだ)
(たぶん、ここから闇と光の歴史が始まったのね)
足の下は砂ではなく固い。
風の音がする。
出口。
「ヒュー」
ライターが消える。
彼らは、目が慣れてくる。
3人は岩の切れ目を出ていた。
「何なのここは?」エジェは驚いた。
荒らされることなく、整然と石の墓標が並んでいる。
円を描き、中心に向かって放射状に道があった。
中心は少し高く柱らしきものが突き出ている。
(守られてきた)
(そう力によって)
(封じ込められたのよ)
(神によって)
3人は、いろいろな思いが交錯した。
ここは、闇の門(ミディアム)。
神に閉ざされた死と生をつなぐ門。
(追いやられた?)
その場所は、余りにも整然と整っていた。
--魔物の誤解⑩-闇の門-
墓石は、良く見ると、ただ石である。
歪に欠けてた石もある。
形は様々だ。
ただ、規則正しい間隔で整列してあった。
中心に行くほど大きく古く成っていく。
3人は中央についた。
中央に置かれている石は、美しく磨かれていた。
この石だけは、規則正しい5角形の形をしている。
「やっぱり守られてるのよ」エジェは発言した。
「確かに荒らされてない」メンディアもその言葉に付け足した。
裕也は、遺跡を良く見て言った。
「文字が刻まれてるね。
なんか古い文字。
エジェ。読める?」
エジェは、読んだ。
「古の文字。
でも、読める。
アクティスとサンディアの主の街」
裕也は、驚いた。
(サンディア!
俺が合体した俺の守護神の名前)
エジェは、遺跡の下をよく見て言った。
「石板がある」
砂に石板が隠れている。
エジェは、その砂を払った。
遺跡の五角柱の根元には、緑の石版があり、その緑石板には木の蔓が描かれていた。
その蔓は中央から四方に伸びている。
メンディアは、慌てて言った。
「あ!
私の家に代々伝わる本の印に似てる。
この蔓は、力の流れを現すのよ。」
エジェは、それを聞いて驚いて言った。
「うそ!
私の家にも有るよ。
その紋章の本」
二人は目を見詰め合った。
裕也が遮るように言う。
「手型が二つ」
緑石盤の中央には手の型をした窪みが2たつ並んでいた。
「左手だね両方」
「二人とも左手を置いてみて」
エジェは左側、メンディアは右側に並んだ。
「裕也の手についた位置がいいね」
二人は手を置いた。
「エジェ。夢で何か唱えた?」
「分からない」エジェは答えた。
3人は考えていたが思いつかない。
(なにも起こらない?)と思ったとき。
突然。
蔓から青光と白光が流れ出す。
5角柱の正面でぶつかる。
光の炎は中央で噴出す。
やがて、真ん中で5角柱に吸い込まれていく。
青白い光の炎りは次第におさまり。
光を失い。深い闇が開く。
三人は、そそり立つ岩壁の前に立った。
その壁は、地底から呼び出されたかのように土に生えていた。
先はとがり、それが、一面の土地からむき出し、周りを囲んでいる。
正面に岩と岩との切れ目が有る。
暗く先は見えない。
その暗黒は人を受け入れないと言うよりも、
全てを闇に飲み込むように3人を包んでくる。
裕也は、それを拒否できない。
「入りますか?」二人に尋ねた。
「そうですね」メンディアとエジェは答えた。
裕也はジーンズのポケットからオイルライターを取り出した。
「カチ ジュポ」炎がともる。
空気が重い。
岩の切れ目は、そこが始まりであることを示す。
(終わりじゃない。始まりなんだ)
(たぶん、ここから闇と光の歴史が始まったのね)
足の下は砂ではなく固い。
風の音がする。
出口。
「ヒュー」
ライターが消える。
彼らは、目が慣れてくる。
3人は岩の切れ目を出ていた。
「何なのここは?」エジェは驚いた。
荒らされることなく、整然と石の墓標が並んでいる。
円を描き、中心に向かって放射状に道があった。
中心は少し高く柱らしきものが突き出ている。
(守られてきた)
(そう力によって)
(封じ込められたのよ)
(神によって)
3人は、いろいろな思いが交錯した。
ここは、闇の門(ミディアム)。
神に閉ざされた死と生をつなぐ門。
(追いやられた?)
その場所は、余りにも整然と整っていた。
--魔物の誤解⑩-闇の門-
墓石は、良く見ると、ただ石である。
歪に欠けてた石もある。
形は様々だ。
ただ、規則正しい間隔で整列してあった。
中心に行くほど大きく古く成っていく。
3人は中央についた。
中央に置かれている石は、美しく磨かれていた。
この石だけは、規則正しい5角形の形をしている。
「やっぱり守られてるのよ」エジェは発言した。
「確かに荒らされてない」メンディアもその言葉に付け足した。
裕也は、遺跡を良く見て言った。
「文字が刻まれてるね。
なんか古い文字。
エジェ。読める?」
エジェは、読んだ。
「古の文字。
でも、読める。
アクティスとサンディアの主の街」
裕也は、驚いた。
(サンディア!
俺が合体した俺の守護神の名前)
エジェは、遺跡の下をよく見て言った。
「石板がある」
砂に石板が隠れている。
エジェは、その砂を払った。
遺跡の五角柱の根元には、緑の石版があり、その緑石板には木の蔓が描かれていた。
その蔓は中央から四方に伸びている。
メンディアは、慌てて言った。
「あ!
私の家に代々伝わる本の印に似てる。
この蔓は、力の流れを現すのよ。」
エジェは、それを聞いて驚いて言った。
「うそ!
私の家にも有るよ。
その紋章の本」
二人は目を見詰め合った。
裕也が遮るように言う。
「手型が二つ」
緑石盤の中央には手の型をした窪みが2たつ並んでいた。
「左手だね両方」
「二人とも左手を置いてみて」
エジェは左側、メンディアは右側に並んだ。
「裕也の手についた位置がいいね」
二人は手を置いた。
「エジェ。夢で何か唱えた?」
「分からない」エジェは答えた。
3人は考えていたが思いつかない。
(なにも起こらない?)と思ったとき。
突然。
蔓から青光と白光が流れ出す。
5角柱の正面でぶつかる。
光の炎は中央で噴出す。
やがて、真ん中で5角柱に吸い込まれていく。
青白い光の炎りは次第におさまり。
光を失い。深い闇が開く。
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