上 下
50 / 54
第Ⅴ章。「光と闇」

2、闇は母(005)次元移動

しおりを挟む
--闇は母(005)次元移動--

サンディアは、木から降りた。
そして、平地の安定した場所を選び、
妖精と意識を合わせた。
なぜ、平地に降りたかと言うと、
頭をイメージで一杯にすると運動の神経ががれ、
木から落ちる心配があるからである。

頭の中にイメージが流れる。
確かに、可愛いらしい女性が暗闇の中に横たわっている。
少し小柄だが、優しいがしんの強い顔立ちをしている。
両手を胸の真ん中で交差さし、足を折りたたんで丸まっている。
サンディアは、次元を移動した。
そして、女性のとなりに体を横たわらせた。
そして、そっと声をかける。
「アクティスさん。起きてください。
 むかえにきました。」
アクティスは、少しまぶたを開けた。
ぼやけた目に男性の姿が映る。
男性の周りは明るいが顔がぼやけて見える。
「御用件は何ですか?」
アクティスは、寝ぼけていた。
自分が、光の神(イリノイス)から逃れ、
この亜空間あくうかんに飛ばされたことを忘れている。
「私は、サンディアと言います。
 あなたを現実の世界にお連れしに参りました。」
「あ。そうだ私。帰らなくちゃ。
 お爺さんのいる場所に」
「アクティス。もうお爺さんは死んだよ」元子の妖精は言った。
「じゃ。帰るところはないの?」
「あるよ。サンディアの家」元子の妖精はねばり強く言う。
「まず。僕の家に行き。
 そこで、腹ごしらえをしてから考えましょう」
サンディアは、興味を持ってもらおうと自慢の料理の話を持ち出した。
「今日の夕食は、緑の葉物と赤いボヤゲの根を千切りにして、
 鳥のもも肉を食べやすい大きさ切り、
 それにジョガの汁をかけ、大鍋で炒めた野菜と鳥もものジョガ炒めです。
 スープは、その鳥の骨を鍋で煮込み出汁だしを取り、
 卵を落とします。鳥の骨と卵のスープです。
 それと焼き立ての小麦パン。
 どう。美味しそうでしょう。
 食べにいらしゃいませんか?」
アクティスは、頭の中で想像した。
(料理はどんな色にまとまるのだろう。
 ジョガて聞いたことがない。
 どんな味だろう?酸っぱいのかな?甘いのかな?)
口の中に唾液だえきが一杯出てきた。
それを「ゴクン」と飲み込んだ。
「食べに行きます」
アクティスは、目を見開き、手をサンディアに差し出した。
サンディアは、その手をしっかり掴んだ。
そして、引き寄せた。
アクティスとサンディアの姿は、暗闇くらやみから消えた。
「いっちゃったね」
「うん。うん」元子の妖精は、寂しげに呟いた。後に甘い香りがした。

つづく。 次回(闇は母(006)交わる生い立ち)

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

処理中です...