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第Ⅲ章。「光と闇がまじわるとき」

12、知られてはならない本3

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--知られてはならない本3--

ロイアナは、ふとエンビの部屋を覗いた。
(エンビは、農作業に出かけたか。
 机に本がる。
 立派な本だ。
 闇の種族から借りた薬草の本のつづきかな。
 どれどれ)
ロイアナは、部屋に入り。本の題名を読んだ。
「宇宙のはじまりより前にある法則(魔法)」
(神の生業せいぎょうについて書かれているのかな?)
「宇宙のはじまりより以前には、神、仏、人間の区別はない。
 全てのものは、等しい。…」
(わなわなわな 大変なことだ
 エンビが闇の種族に惑わされている。
 神は偉大なもの。
 同じわけがない)
(大変だ!これは大変だぞ!
(マイァシさまに報告せねばならない)
ロイアナは、本を持って、運ぶ船の石碑へ走った。
そして、石碑の前に本を置き、座して心で唱えた。
(神々よ 大変なことが起こっています。
 どうか、お答えください)
暫くして、返事が返って来た。
(どうしたと言うのか?)
マイァシは、冷静にたずねた。
(闇の種族が、私たちをたぶらかそうとしています。
 息子に、このような本を与えました)
そして、ロイアナは、本を前に差し出した。
マィアシは、石碑の前にある本に手を伸ばし、
そっとこちらの世界に引き込んだ。
(宇宙のはじまりより前にある法則(魔法)
 題からして如何いかがわしいな)
そして、開いた。
すると一文が、目に飛び込んだ。
(宇宙のはじまりより以前には、神、仏、人間の区別はない。
 全てのものは、等しい。…

なに なにぃ なにぃ)
マィアシは、怒りに震えた。
「神と人間が同等だと!
 己は、そう思っているのか?」
「めっそうもございません。
 でも、息子がたぶらかされています。
 闇の種族に、
 闇の種族と親しくしています」
ロイアナは、あわててつくろった。
(これは、一大事だ。
 イリノイスさまと対応を検討せねばならない)
マイァシは、大変な事態になったと思い込んだ。

「わかった。明日、また、来るように
 沙汰さたは、そのとき話す」

石碑せきひの会話は、終わった。
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