不思議なハートの力

ひろの助

文字の大きさ
上 下
54 / 56
第Ⅵ章。「光の神イクタス」

13、-大阪大会決勝前-

しおりを挟む
不思議なハートの力00076-大阪大会決勝前-

--喜ぶ朋子、神海の本意ほんいは?--

話は進む。残るは、大阪大会決勝のみとなった。
1時間の休憩きゅうけいに入る。

朋子と真菜美は、1階の会場に降り、神海にった。
朋子は、無邪気むじゃきに喜ぶ。
「次は、決勝。決勝。決勝」
手を胸の前で神海に向け、笑顔を表している。
神海は、れくさそうである。
「それ、ハイタッチのつもり?」
「うん。そう」
神海は、しぶしぶ両手を胸の前に出して手のひらを朋子に向けた。
「絶対、優勝だね」
「バチ」
手が勢いよくわさりった。
真菜美は、何故なぜか拍手はくしゅしてる。
(私てなぜここにいるの?おまけさんかなぁ)
真菜美は、自身じしんを不思議がった。
(もう。決勝を勝って優勝か?)筆者の声です。
(もう。優勝でもしたつもりか?)
神海に心の声が聞こえる。(まさか神海に筆者の声が聞こえたか?)
(イクタスさん?)神海は、尋ねる。これは、ただの小説の話です。
(そうだ。必ず優勝するのだ。
 そして朋子の心をうばえ)
イクタスは、めいじる。
(そんなために俺は戦っているのではない。
 世界を導くリーダになる過程の通過点にすぎない。
 心技体の証だ)
神海は、無性に腹が立った。
女性は、大切にする。
だが、女性のために戦うわけではない。
自身のために戦っている。
(とにかく闇の命を消滅させる。
 俺が加勢する意味を忘れたか?)
イクタスは、なおも言った。
(俺は、人形ではない)
神海は、前からイクタスのやり方が気に入らなかった。
(お前は、光の神の一族だ。
 選ばれたのだ)
イクタスは、思い出させるかのように話しかける。
(イクタス。お前は、車の事故を装い、人を殺しかけた。
 でも、人は殺せない。
 それが、現実のルールだ)
神海は、腹を立てた。
(まあいい。アクテイスを消し去る。
 とにかく真菜美の心の力を弱めるのだ)
そして、イクタスは最後に付け加える。
(真菜美から朋子をうばえ。
 そこに弱さが出る)…(そこに…)…
イクタスの声が繰返し神海の心に響いた。

神海は、朋子が少し気になっていた。
真菜美と違って性格のきつさがない。
無邪気むじゃきで暖かく柔らかい。
「神海君。どうしたの?」
朋子は、うごかずにぶつぶつ口を動かしている神海を心配になった。
神海は、(はっと)して意識を戻した。
そして、微笑ほほえみ話しかける。
果物くだものでも食べる?」
朋子は、安心した。
神海は、普通の顔つきに戻っっていた。
執事しつじ片隅かたすみで神海の方を注視している。
「果物を持ってきて」
神海は、大声を出した。
しばらくして、執事が、冷えた果物を持ってくる。
朋子はいさんで果物の中からイチゴを一つ取って食べる。
「冷たくて美味しい」
朋子と神海は、仲良く食べた。
真菜美もお裾分おすそわけを受けた。
(決勝戦は、勝つだろうか?
 このまま、何も起こらなければいいけど)
気をゆるめると真菜美を不安がおそいかかってくる。
真菜美にはそんな感じがした。

つづく。 次回(決勝、陸運戦(光と闇の第二回戦))
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

第一機動部隊

桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。 祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

処理中です...