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二章 人気者の先輩たち
白狐の山里先輩
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丁度焼却炉のところでゴミを捨て終えたところだった。
「キー!」
何かに気づいたようにコタちゃんがポケットから抜け出して跳ねて行ってしまう。
「え? コタちゃん!? どうしたの!?」
突然の行動に驚いたけれど、放っておくことは出来ない。
わたしはゴミ箱をいったんその場に置いてコタちゃんを追いかけた。
向かった先は校舎裏。
裏にある山の木々がたくさんある場所に男子生徒が倒れているのが見えた。
コタちゃんはその人のそばに行って「キーキー」と鳴いている。
「大丈夫ですか!?」
慌てて声をかけてみるけれど反応はない。
膝をついてうつぶせに倒れているその人をよくよく見ると、みんなが繊細で儚げと評する山里先輩だった。
サラサラの金の髪に白い肌。
そして今は閉じられているけれど、澄んだ泉を思わせる薄いブルーの瞳がキレイだとよく聞く。
「えっと……山里先輩?」
確かに繊細で儚げだなぁと納得しつつも名前を呼ぶ。
でもやっぱり反応が全くない。
何度か名を呼んでも反応しないし彼の白い肌も相まって、まさか死んでないよね!? と心配になってくる。
一体どうすれば!? って気が動転してしまったわたしはつい《感情の球》を見た。
そして驚く。
彼の《感情の球》がとても綺麗な純白色をしていたから。
赤ちゃんですらここまでの白さはない。
でも、とりあえず《感情の球》が出たってことは生きてるってことだからホッとした。
すぐに《感情の球》を見るのをやめて、体を揺すってみる。
「山里先輩、大丈夫ですか?」
そう声をかけながら、普通に呼吸を確認すれば良かったんじゃないかな? って気づいた。
わたし、動転しすぎ。
「う、うう……」
少し揺すってみるとやっと反応があった。
「キー!」
コタちゃんも嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねている。
山里先輩の瞼がゆっくり開き、薄い青の目がわたしを映した。
「ん……キミは……?」
「あ、わたし一年の瀬里美沙都って言います。大丈夫ですか? どうしてこんなところで倒れてるんですか?」
「ああ、ちょっと霊力切れを起こしたみたいだ」
そう言いながら寝返りを打って仰向けになる山里先輩。
起き上がるほどの力はないのか、何だかまだ辛そうに見える。
「霊力切れ?」
聞いたことのない言葉を不思議に思うと、彼は説明してくれた。
「ああ、僕はちょっと他のあやかしと違ってね、親がいるわけじゃなく、山の神の霊力を受けて生まれたんだ」
あやかしの親から生まれたわけじゃなくて、山の神の霊力を受けて神の使いとして生まれたんだって。
里に来てからも人間と同じく親がいるのが当たり前な感じだったから、そんなあやかしもいるんだとすごく驚いた。
「だから山の神が眠っている今はもらえる霊力が少なくて……こうやってよく霊力切れをおこして倒れちゃうんだ」
「……それは、大変ですね」
霊力切れっていうのがどんなものなのかはよく分からなかったけれど、こんな風によく倒れてしまうのは困ると思う。
今だって、コタちゃんが見つけてくれなかったらしばらく倒れたままだっただろうから。
「いつもは風雅が助けてくれるんだけど……」
「風雅先輩、ですか?」
「ああ。風雅は山の神に直接霊力を与えられたあやかしだから、霊力が山の神のものと似ているんだ」
だから倒れたら少し霊力を分けてもらうんだと話してくれる。
「へぇ……」
そういうことも出来るんだ。
風雅先輩って色んなことが出来るんだなぁ。って感心する。
「だから風雅以外に助けてもらえたのは初めてなんだよ。えっと、瀬里さんだっけ? キミの霊力は僕と相性がいいのかな? キミが近くにいると動けるようになってくるみたいだ」
「そういうのもあるんですか?」
「あるみたいだね。初めてだからよくは分からないけれど」
そう言ってホワホワと和むような笑顔を浮かべる山里先輩に、わたしは協力を申し出る。
「なら、山里先輩が動けるようにお手伝いします。ここから動けないんじゃあ困りますよね? どうすればいいですか?」
「いいの? ありがとう、助かるよ。……額に手を当ててくれればいいから」
「えっと……こうですか?」
山里先輩の綺麗な顔に触れるのはちょっと気が引けたけれど、協力を申し出た手前やらないわけにもいかない。
ちょっと恥ずかしかったけれど、熱を測るときみたいに彼の額に手を当てた。
「ああ、楽になってくる……もうちょっと、このままで」
そうして言われるままにしばらくそうしていた。
***
「那岐? ここにいたのか。っていうか、美沙都?」
どれくらいたったのか。
多分十分か十五分くらいだと思うけれど、まだ動けないのかな? と思いながら山里先輩の額に触れたままでいると風雅先輩が現れた。
「ん? ああ、風雅。来てくれたんだね」
「ああ、三年生から那岐が見当たらないって聞いたから、またどこかで霊力切れ起こしてるんじゃないかと思って……」
そう言って近づいてきた風雅先輩はわたしが山里先輩の額に手を当てているのを見て眉を寄せる。
「……てか、何やってんの?」
「いや、彼女の霊力とは相性がいいみたいでさ。こうしてもらうと楽だったから」
「……ふーん」
山里先輩の説明に納得しつつも、風雅先輩は不満そうだった。
わたしが助けちゃダメだったのかな?
風雅先輩が今何を思っているのか気になって《感情の球》を見たい気持ちになるけれど、そう勝手に見るわけにもいかないし……。
内心葛藤していると、わたしの近くに来た風雅先輩に腕を引かれる。
そのまま立たされると、何故か手をつながれた。
え? え? 何? 何で手をつないでるの?
分からないけれど、風雅先輩の温かい体温が手のひらから伝わってきて、ドキドキしてしまう。
でも風雅先輩は平気な顔で山里先輩と話をしていた。
わたしはこんなにもドキドキして動揺しているのに。
「じゃあもう立てるだろ?」
「えー? 立てるけど……まだちょっと足りない感じなんだよな」
山里先輩は立ち上がり、さり気ない仕草でわたしのもう片方の手を握る。
「へ?」
「だから、もう少しこうさせて?」
と、繋いだ手を持ち上げた。
「繋がなくてもいいだろ? 霊力は俺が分けてやるから」
イラついた様子の風雅先輩に戸惑う。
わたしと会うときの風雅先輩はいつも優しい笑顔を向けてくれるから、こんなふうに怒っているところは初めて見た。
ハラハラするけれど、どうすればいいのかもわからない。
「でも可愛い女の子からもらえるならそっちの方がいいしー」
「ふざけんな。早くその手離さないと今後助けてやらないからな?」
「うわっ、そこまで!?……分かったよ」
しぶしぶといった感じで山里先輩はわたしから手を離す。
その空いた手にコタちゃんが乗ってきた。
そのままスルスルと上ってきて肩に移動する。
フワフワな毛が気持ちいいなぁ。
思わずスリスリしていると、山里先輩がコタちゃんを見て驚きの表情を浮かべた。
「木霊がこんなに懐くなんて……山の祠から離れてるってだけでも珍しいのに……」
「そうなんですか?」
わたしの疑問には風雅先輩が答えてくれる。
「まあ、祠の近くが一番山の神の霊力を感じられるからな。木霊は山の神の霊力を直接吸収して生きてるって言っただろ?」
「ああ、そういえば」
確かにそんなことを言っていたっけ。
祠って、初めて風雅先輩と会ったあの池のあるところだよね?
コタちゃんともあそこで会ったから、多分あってると思う。
「木霊も懐くくらいの霊力かぁ……やっぱり僕も気に入っちゃいそうだなぁ」
そう言った山里先輩は無害そうなホワホワした笑みを浮かべた。
「瀬里さん、可愛いし優しいし。好きになっちゃうかも」
「へ!?」
かっ可愛いって!?
う、ううん。
それは多分わたしが小さいからだよね。
で、でも好きって……。
「えっと、それはどういう意味の?」
確認するけれど、山里先輩に答えをもらえる前に手を引かれて風雅先輩の背中側に移動させられた。
さっきから風雅先輩の行動の意味が分からなくて戸惑う。
《感情の球》を見て少しでも何を考えているのか知りたいと思いつつ、むやみに見るわけには……とためらっていた。
「那岐、ダメだ」
背中の方に来たから表情が見えない。
ちょっと硬い声のようにも聞こえるけれど……。
「へぇ……風雅が女の子に触れてるの珍しいなって思ってたけど……瀬里さんが最近噂になってる風雅のお気に入りの子なんだ?」
山里先輩の表情も見えないけれど、のほほんとした声の中にも楽しそうな様子が感じとれた。
「うーん。風雅の邪魔はしたくないけど、簡単に諦めたくもないなぁ……どうしよう?」
「いや、諦めろよ」
悩んでいる山里先輩に風雅先輩は淡々と言い放つ。
わたしは今がどんな状況なのかもよく分からなくて困り果てていた。
えっと……何だかわたしを取り合っている、みたいな状況に思えるんだけど……。
まさかそんなわけないよね?
そう思いつつも、いまだに離されていない風雅先輩の手が温かくて……ドキドキする鼓動が収まってくれなかった。
「キー!」
何かに気づいたようにコタちゃんがポケットから抜け出して跳ねて行ってしまう。
「え? コタちゃん!? どうしたの!?」
突然の行動に驚いたけれど、放っておくことは出来ない。
わたしはゴミ箱をいったんその場に置いてコタちゃんを追いかけた。
向かった先は校舎裏。
裏にある山の木々がたくさんある場所に男子生徒が倒れているのが見えた。
コタちゃんはその人のそばに行って「キーキー」と鳴いている。
「大丈夫ですか!?」
慌てて声をかけてみるけれど反応はない。
膝をついてうつぶせに倒れているその人をよくよく見ると、みんなが繊細で儚げと評する山里先輩だった。
サラサラの金の髪に白い肌。
そして今は閉じられているけれど、澄んだ泉を思わせる薄いブルーの瞳がキレイだとよく聞く。
「えっと……山里先輩?」
確かに繊細で儚げだなぁと納得しつつも名前を呼ぶ。
でもやっぱり反応が全くない。
何度か名を呼んでも反応しないし彼の白い肌も相まって、まさか死んでないよね!? と心配になってくる。
一体どうすれば!? って気が動転してしまったわたしはつい《感情の球》を見た。
そして驚く。
彼の《感情の球》がとても綺麗な純白色をしていたから。
赤ちゃんですらここまでの白さはない。
でも、とりあえず《感情の球》が出たってことは生きてるってことだからホッとした。
すぐに《感情の球》を見るのをやめて、体を揺すってみる。
「山里先輩、大丈夫ですか?」
そう声をかけながら、普通に呼吸を確認すれば良かったんじゃないかな? って気づいた。
わたし、動転しすぎ。
「う、うう……」
少し揺すってみるとやっと反応があった。
「キー!」
コタちゃんも嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねている。
山里先輩の瞼がゆっくり開き、薄い青の目がわたしを映した。
「ん……キミは……?」
「あ、わたし一年の瀬里美沙都って言います。大丈夫ですか? どうしてこんなところで倒れてるんですか?」
「ああ、ちょっと霊力切れを起こしたみたいだ」
そう言いながら寝返りを打って仰向けになる山里先輩。
起き上がるほどの力はないのか、何だかまだ辛そうに見える。
「霊力切れ?」
聞いたことのない言葉を不思議に思うと、彼は説明してくれた。
「ああ、僕はちょっと他のあやかしと違ってね、親がいるわけじゃなく、山の神の霊力を受けて生まれたんだ」
あやかしの親から生まれたわけじゃなくて、山の神の霊力を受けて神の使いとして生まれたんだって。
里に来てからも人間と同じく親がいるのが当たり前な感じだったから、そんなあやかしもいるんだとすごく驚いた。
「だから山の神が眠っている今はもらえる霊力が少なくて……こうやってよく霊力切れをおこして倒れちゃうんだ」
「……それは、大変ですね」
霊力切れっていうのがどんなものなのかはよく分からなかったけれど、こんな風によく倒れてしまうのは困ると思う。
今だって、コタちゃんが見つけてくれなかったらしばらく倒れたままだっただろうから。
「いつもは風雅が助けてくれるんだけど……」
「風雅先輩、ですか?」
「ああ。風雅は山の神に直接霊力を与えられたあやかしだから、霊力が山の神のものと似ているんだ」
だから倒れたら少し霊力を分けてもらうんだと話してくれる。
「へぇ……」
そういうことも出来るんだ。
風雅先輩って色んなことが出来るんだなぁ。って感心する。
「だから風雅以外に助けてもらえたのは初めてなんだよ。えっと、瀬里さんだっけ? キミの霊力は僕と相性がいいのかな? キミが近くにいると動けるようになってくるみたいだ」
「そういうのもあるんですか?」
「あるみたいだね。初めてだからよくは分からないけれど」
そう言ってホワホワと和むような笑顔を浮かべる山里先輩に、わたしは協力を申し出る。
「なら、山里先輩が動けるようにお手伝いします。ここから動けないんじゃあ困りますよね? どうすればいいですか?」
「いいの? ありがとう、助かるよ。……額に手を当ててくれればいいから」
「えっと……こうですか?」
山里先輩の綺麗な顔に触れるのはちょっと気が引けたけれど、協力を申し出た手前やらないわけにもいかない。
ちょっと恥ずかしかったけれど、熱を測るときみたいに彼の額に手を当てた。
「ああ、楽になってくる……もうちょっと、このままで」
そうして言われるままにしばらくそうしていた。
***
「那岐? ここにいたのか。っていうか、美沙都?」
どれくらいたったのか。
多分十分か十五分くらいだと思うけれど、まだ動けないのかな? と思いながら山里先輩の額に触れたままでいると風雅先輩が現れた。
「ん? ああ、風雅。来てくれたんだね」
「ああ、三年生から那岐が見当たらないって聞いたから、またどこかで霊力切れ起こしてるんじゃないかと思って……」
そう言って近づいてきた風雅先輩はわたしが山里先輩の額に手を当てているのを見て眉を寄せる。
「……てか、何やってんの?」
「いや、彼女の霊力とは相性がいいみたいでさ。こうしてもらうと楽だったから」
「……ふーん」
山里先輩の説明に納得しつつも、風雅先輩は不満そうだった。
わたしが助けちゃダメだったのかな?
風雅先輩が今何を思っているのか気になって《感情の球》を見たい気持ちになるけれど、そう勝手に見るわけにもいかないし……。
内心葛藤していると、わたしの近くに来た風雅先輩に腕を引かれる。
そのまま立たされると、何故か手をつながれた。
え? え? 何? 何で手をつないでるの?
分からないけれど、風雅先輩の温かい体温が手のひらから伝わってきて、ドキドキしてしまう。
でも風雅先輩は平気な顔で山里先輩と話をしていた。
わたしはこんなにもドキドキして動揺しているのに。
「じゃあもう立てるだろ?」
「えー? 立てるけど……まだちょっと足りない感じなんだよな」
山里先輩は立ち上がり、さり気ない仕草でわたしのもう片方の手を握る。
「へ?」
「だから、もう少しこうさせて?」
と、繋いだ手を持ち上げた。
「繋がなくてもいいだろ? 霊力は俺が分けてやるから」
イラついた様子の風雅先輩に戸惑う。
わたしと会うときの風雅先輩はいつも優しい笑顔を向けてくれるから、こんなふうに怒っているところは初めて見た。
ハラハラするけれど、どうすればいいのかもわからない。
「でも可愛い女の子からもらえるならそっちの方がいいしー」
「ふざけんな。早くその手離さないと今後助けてやらないからな?」
「うわっ、そこまで!?……分かったよ」
しぶしぶといった感じで山里先輩はわたしから手を離す。
その空いた手にコタちゃんが乗ってきた。
そのままスルスルと上ってきて肩に移動する。
フワフワな毛が気持ちいいなぁ。
思わずスリスリしていると、山里先輩がコタちゃんを見て驚きの表情を浮かべた。
「木霊がこんなに懐くなんて……山の祠から離れてるってだけでも珍しいのに……」
「そうなんですか?」
わたしの疑問には風雅先輩が答えてくれる。
「まあ、祠の近くが一番山の神の霊力を感じられるからな。木霊は山の神の霊力を直接吸収して生きてるって言っただろ?」
「ああ、そういえば」
確かにそんなことを言っていたっけ。
祠って、初めて風雅先輩と会ったあの池のあるところだよね?
コタちゃんともあそこで会ったから、多分あってると思う。
「木霊も懐くくらいの霊力かぁ……やっぱり僕も気に入っちゃいそうだなぁ」
そう言った山里先輩は無害そうなホワホワした笑みを浮かべた。
「瀬里さん、可愛いし優しいし。好きになっちゃうかも」
「へ!?」
かっ可愛いって!?
う、ううん。
それは多分わたしが小さいからだよね。
で、でも好きって……。
「えっと、それはどういう意味の?」
確認するけれど、山里先輩に答えをもらえる前に手を引かれて風雅先輩の背中側に移動させられた。
さっきから風雅先輩の行動の意味が分からなくて戸惑う。
《感情の球》を見て少しでも何を考えているのか知りたいと思いつつ、むやみに見るわけには……とためらっていた。
「那岐、ダメだ」
背中の方に来たから表情が見えない。
ちょっと硬い声のようにも聞こえるけれど……。
「へぇ……風雅が女の子に触れてるの珍しいなって思ってたけど……瀬里さんが最近噂になってる風雅のお気に入りの子なんだ?」
山里先輩の表情も見えないけれど、のほほんとした声の中にも楽しそうな様子が感じとれた。
「うーん。風雅の邪魔はしたくないけど、簡単に諦めたくもないなぁ……どうしよう?」
「いや、諦めろよ」
悩んでいる山里先輩に風雅先輩は淡々と言い放つ。
わたしは今がどんな状況なのかもよく分からなくて困り果てていた。
えっと……何だかわたしを取り合っている、みたいな状況に思えるんだけど……。
まさかそんなわけないよね?
そう思いつつも、いまだに離されていない風雅先輩の手が温かくて……ドキドキする鼓動が収まってくれなかった。
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