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最強メイド!誕生のお話。
第10話 甘い血
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週末は、家にこもっている二人に護衛としてつく必要はないから、私は紫苑くんとたっぷり遊んだ。
どこへ行っても「ののねーちゃん!」ってついて来てくれて可愛いったらもう!
でも、その分また月曜日に泣かれそうで怖いけど。
あの泣き顔を見ちゃうとついつい護衛任務も放り投げて一緒に居ようね!って言いたくなっちゃうんだよね。
いやいやダメダメ。
任務放り出しちゃあダメでしょ私!
というわけで、案の定また泣かれてしまった月曜日は鋼の精神を駆使して紫苑くんと別れた。
紫苑くんも今年で四歳。今は慣らし期間みたいなものだけど幼稚園に通ってる。
「紫苑は本当に君を気に入ってるみたいだね」
車の中で柊さんがそんな感想をこぼした。
感心している様にも聞こえるけれど、表情が変わらないからやっぱり何を考えているのか分からないよ。
「けっ! まったく、どうやってたぶらかしたんだか」
「たぶらかしたって……」
とにかく私に対しては反発する精神なのか、杏くんは悪口ばっかり。
何だか変に突っかかってくる小学校のときの同級生みたいだなって思いながら、私はオトナの対応で受け流す。
「たぶらかした覚えはないよ。でも紫苑くんは可愛いし、なついてくれて嬉しいな」
「なっ……」
そうすると杏くんはこれ以上突っかかって来なくなった。
ふんだ。
ハンターになるための訓練で、精神的な部分もおばあちゃんにすっごくきたえられたからね!
そう簡単にケンカ買ったりはしないんだから。
なんて、内心得意げになってることが知られたらまだまだ甘いってしかられそうだけど。
でも今は厳しいおばあちゃんはいないんだし、ちょっと得意になるくらいは良いよね?
そうして本格的な護衛任務がはじまったんだけれど、まあ基本的には普通に学園生活を過ごすだけ。
できるだけ杏くんから目を離さないようにはするけれど、私も普通に授業に参加するから常に張りつくわけにもいかないもんね。
だから学園ではほとんど香澄ちゃんと一緒に過ごした。
たまに梶くんがちょっかい出しにくる感じかな?
杏くんの方から私に近づいて来ることはないし。
「じゃあまた明日ね!」
「また明日。護衛任務がんばってね~」
授業も全部終わって放課後。
早速教室を出て行く杏くんを追いかけるように香澄ちゃんに別れを告げると、軽くパタパタと手を振られた。
「お? 常盤もう行ったのか? いつも早いなぁ」
教室を出る直前に梶くんが私に気づいて声をかけてくる。
でも急いでいた私は早口で答えた。
「そうなんだよね。だから私も急がなきゃ。じゃあね!」
「おう! また明日な、のんちゃん」
片手を上げてあいさつしてくれた梶くんはすぐに他の女子に話しかける。
早くもクラスになじんでいた梶くん。
あだ名でいきなり呼ばれるから初めは引いちゃうけど、逆にそれが距離を縮める助けになってるみたい。
っと、早く杏くん追いかけなきゃ。
杏くんを見失っちゃうと思った私は廊下に飛び出した。
何とか杏くんに追いついて、帰りの車が停めてあるところまで護衛につく。
ろくに会話もしないままだったけれど、ちゃんと家に帰る杏くんをお見送り出来た。
さ、次は生徒会室に向かって柊さんの護衛だ。
初めて行く場所だし、上級生が多い生徒会室に行くのは緊張するけれどこれも任務のため!
気合入れて頑張ろう!
と、決意したんだけど……。
「あなた、突っ立ってるだけならこれホチキスで止めてくれない?」
「あ、はい……」
役員の女の先輩にそんな指示を出されて、拒否も出来ず手伝いをする私。
いや、ちょっとは予想してたんだよ?
護衛って言ってもクラスの人も信じてくれなかったし、ただそばにいるだけなんでしょ?って思われてるかもって。
でもここまであからさまにお手伝い要員《よういん》としてしか見られていないってなると思うところはある訳で……。
「なんだ? そんな不満そうな顔をするなら出て行ってくれて構わないんだぞ? この部屋には役員しかいないんだ。護衛なんて必要ないだろ」
副会長の男の先輩にはそんな風にハッキリきびしいことを言われる。
「いえ、お手伝いします」
だから私はお手伝いするしかなくなる。
危険なんかないって先輩は言うけれど、いつ何が起こるかなんて誰にも分からないから。
何かあってからだと遅いから、柊さんから目を離すわけにはいかないんだ。
だからって全面的に生徒会役員の先輩たちとやり合うわけにもいかないから、私がお手伝いをするしかない。
不満はあるけれど、仕方ないか。
私は周りに見えないように小さくあきらめのため息を吐いた。
「じゃあ今日はこれで終わりかな? みんなありがとう」
柊さんが今日の仕事の終了を宣言すると、みんなは解散する。
最後に柊さんと私だけが残って、片づけや戸締りなど最終チェックをしていたときだった。
「あ、いてっ」
「え? どうしたんですか?」
どこかにぶつけたのか引っかけたのか、右手を押さえている柊さんを見て近づく。
「ちょっと棚の金具に引っ掛けただけだよ。でも、ああ……血が出て来ちゃったな」
言いながら引っ掛けたらしいところを見る彼がわずかに顔をしかめる。
次の瞬間、ふわりと甘い匂いがした。
なんだろう? と誘《さそ》われるように柊さんの右手を見る。
親指のつけ根辺りにある、絆創膏《ばんそうこう》でも貼れば大丈夫な程度の傷。
そこにぷっくりと盛り上がった赤い液体を見て、私は考えるより先に動いていた。
甘くて、美味しそうな匂い……。
その香りに誘われるように、私は柊さんの手に顔を近づける。
「望乃さん? 何を――」
戸惑う声が聞こえたけれど、そんなの気にしていられなかった。
今はただ、この美味しそうな血を味わってみたいとしか思えなくて……。
パクッと、その傷を覆《おお》うようにして血を舐めた。
ああ、とっても美味しい。
ハチミツとは違うけれど、何かの蜜《みつ》のような甘さ。
とっても幸せになれるような美味しさに、とろけてしまいそうになった。
「望乃さん!」
もう一度強く呼ばれてハッとする。
すぐに離れたけれど、やらかしてしまった後だからどう対応すればいいのか分からない。
「す、すみません!」
とりあえず謝って様子を見ると、張りつけたような王子様スマイルか無表情しかしない柊さんの顔が物凄く真っ赤になっていた。
現実逃避も兼《か》ねて、珍しいなーなんて思ったけれどそれどころじゃない。
どうやら私になめられて恥ずかしがってるみたいだから、今のうちに誤魔化さないと!
「ごめんなさい、なんかついなめたら治らないかなーって思っちゃって!」
早口でまくし立てると、私はすぐに部屋のドアに向かう。
「さ、そろそろお迎えの車も来ているでしょうし、帰りましょう!」
このまま誤魔化されてほしいなと思いながら、私はドアノブに手を掛けた。
でもカチャッとドアを開けようとしたところで後ろから手を突かれバタンと閉じられてしまう。
後ろから覆いかぶさられているような格好。
「ちょっと、待って」
静かに、でもハッキリとした声に私は柊さんが誤魔化されてくれなかったことを知った。
ど、どどどどうしよう⁉
心臓がドックンドックンと大きく鳴って、怖くて後ろを見れない。
そうしていると耳元に顔を寄せてきたのか、すぐそばから柊さんの低い声が聞こえた。
「ねえ、君は何者? 人の血をなめるなんて、普通はしない。それにさ、なんか傷が治ってるんだけど……これってどういうことなのかな?」
「っ⁉」
そうだ、ヴァンパイアは吸血した後傷口をなめるとその傷を治してしまうんだった!
牙を立てて吸血した場合は傷が深いからか痕《あと》が残っちゃうらしいけれど、今みたいなちょっとした傷ならキレイに治っちゃう。
っていうか、今のってやっぱり私吸血しちゃったってこと?
もしかして吸血衝動? 流石にちょっと早くない⁉
まだまだしばらく来ることはないだろうと思っていた吸血衝動に戸惑って、私は上手く誤魔化すことも説明することも出来なかった。
「あ、あの! とりあえず帰りませんか⁉ 運転手さん待たせちゃいます!」
とりあえず今だけでも逃れたいと思った私はそんな提案をする。
実際に待たせてしまっているだろうし、あまり遅いと心配させてしまうから。
それでも今説明しろと言われそうな気がしてビクビクしていると。
「……はぁ、分かったよ。でも後で説明してもらうから」
そうして、私を覆っていた影が離れて行く。
ホッとして柊さんを見ると、いつになく真剣な目とかち合った。
「夕食後、僕の部屋に来て。来なかったら僕が君の部屋に行くからね?」
「わ、分かりました」
うなずいたことで今は解放してくれるらしい。
一時的とはいえ、なんとかこの場はしのげたみたいでホッとした。
どこへ行っても「ののねーちゃん!」ってついて来てくれて可愛いったらもう!
でも、その分また月曜日に泣かれそうで怖いけど。
あの泣き顔を見ちゃうとついつい護衛任務も放り投げて一緒に居ようね!って言いたくなっちゃうんだよね。
いやいやダメダメ。
任務放り出しちゃあダメでしょ私!
というわけで、案の定また泣かれてしまった月曜日は鋼の精神を駆使して紫苑くんと別れた。
紫苑くんも今年で四歳。今は慣らし期間みたいなものだけど幼稚園に通ってる。
「紫苑は本当に君を気に入ってるみたいだね」
車の中で柊さんがそんな感想をこぼした。
感心している様にも聞こえるけれど、表情が変わらないからやっぱり何を考えているのか分からないよ。
「けっ! まったく、どうやってたぶらかしたんだか」
「たぶらかしたって……」
とにかく私に対しては反発する精神なのか、杏くんは悪口ばっかり。
何だか変に突っかかってくる小学校のときの同級生みたいだなって思いながら、私はオトナの対応で受け流す。
「たぶらかした覚えはないよ。でも紫苑くんは可愛いし、なついてくれて嬉しいな」
「なっ……」
そうすると杏くんはこれ以上突っかかって来なくなった。
ふんだ。
ハンターになるための訓練で、精神的な部分もおばあちゃんにすっごくきたえられたからね!
そう簡単にケンカ買ったりはしないんだから。
なんて、内心得意げになってることが知られたらまだまだ甘いってしかられそうだけど。
でも今は厳しいおばあちゃんはいないんだし、ちょっと得意になるくらいは良いよね?
そうして本格的な護衛任務がはじまったんだけれど、まあ基本的には普通に学園生活を過ごすだけ。
できるだけ杏くんから目を離さないようにはするけれど、私も普通に授業に参加するから常に張りつくわけにもいかないもんね。
だから学園ではほとんど香澄ちゃんと一緒に過ごした。
たまに梶くんがちょっかい出しにくる感じかな?
杏くんの方から私に近づいて来ることはないし。
「じゃあまた明日ね!」
「また明日。護衛任務がんばってね~」
授業も全部終わって放課後。
早速教室を出て行く杏くんを追いかけるように香澄ちゃんに別れを告げると、軽くパタパタと手を振られた。
「お? 常盤もう行ったのか? いつも早いなぁ」
教室を出る直前に梶くんが私に気づいて声をかけてくる。
でも急いでいた私は早口で答えた。
「そうなんだよね。だから私も急がなきゃ。じゃあね!」
「おう! また明日な、のんちゃん」
片手を上げてあいさつしてくれた梶くんはすぐに他の女子に話しかける。
早くもクラスになじんでいた梶くん。
あだ名でいきなり呼ばれるから初めは引いちゃうけど、逆にそれが距離を縮める助けになってるみたい。
っと、早く杏くん追いかけなきゃ。
杏くんを見失っちゃうと思った私は廊下に飛び出した。
何とか杏くんに追いついて、帰りの車が停めてあるところまで護衛につく。
ろくに会話もしないままだったけれど、ちゃんと家に帰る杏くんをお見送り出来た。
さ、次は生徒会室に向かって柊さんの護衛だ。
初めて行く場所だし、上級生が多い生徒会室に行くのは緊張するけれどこれも任務のため!
気合入れて頑張ろう!
と、決意したんだけど……。
「あなた、突っ立ってるだけならこれホチキスで止めてくれない?」
「あ、はい……」
役員の女の先輩にそんな指示を出されて、拒否も出来ず手伝いをする私。
いや、ちょっとは予想してたんだよ?
護衛って言ってもクラスの人も信じてくれなかったし、ただそばにいるだけなんでしょ?って思われてるかもって。
でもここまであからさまにお手伝い要員《よういん》としてしか見られていないってなると思うところはある訳で……。
「なんだ? そんな不満そうな顔をするなら出て行ってくれて構わないんだぞ? この部屋には役員しかいないんだ。護衛なんて必要ないだろ」
副会長の男の先輩にはそんな風にハッキリきびしいことを言われる。
「いえ、お手伝いします」
だから私はお手伝いするしかなくなる。
危険なんかないって先輩は言うけれど、いつ何が起こるかなんて誰にも分からないから。
何かあってからだと遅いから、柊さんから目を離すわけにはいかないんだ。
だからって全面的に生徒会役員の先輩たちとやり合うわけにもいかないから、私がお手伝いをするしかない。
不満はあるけれど、仕方ないか。
私は周りに見えないように小さくあきらめのため息を吐いた。
「じゃあ今日はこれで終わりかな? みんなありがとう」
柊さんが今日の仕事の終了を宣言すると、みんなは解散する。
最後に柊さんと私だけが残って、片づけや戸締りなど最終チェックをしていたときだった。
「あ、いてっ」
「え? どうしたんですか?」
どこかにぶつけたのか引っかけたのか、右手を押さえている柊さんを見て近づく。
「ちょっと棚の金具に引っ掛けただけだよ。でも、ああ……血が出て来ちゃったな」
言いながら引っ掛けたらしいところを見る彼がわずかに顔をしかめる。
次の瞬間、ふわりと甘い匂いがした。
なんだろう? と誘《さそ》われるように柊さんの右手を見る。
親指のつけ根辺りにある、絆創膏《ばんそうこう》でも貼れば大丈夫な程度の傷。
そこにぷっくりと盛り上がった赤い液体を見て、私は考えるより先に動いていた。
甘くて、美味しそうな匂い……。
その香りに誘われるように、私は柊さんの手に顔を近づける。
「望乃さん? 何を――」
戸惑う声が聞こえたけれど、そんなの気にしていられなかった。
今はただ、この美味しそうな血を味わってみたいとしか思えなくて……。
パクッと、その傷を覆《おお》うようにして血を舐めた。
ああ、とっても美味しい。
ハチミツとは違うけれど、何かの蜜《みつ》のような甘さ。
とっても幸せになれるような美味しさに、とろけてしまいそうになった。
「望乃さん!」
もう一度強く呼ばれてハッとする。
すぐに離れたけれど、やらかしてしまった後だからどう対応すればいいのか分からない。
「す、すみません!」
とりあえず謝って様子を見ると、張りつけたような王子様スマイルか無表情しかしない柊さんの顔が物凄く真っ赤になっていた。
現実逃避も兼《か》ねて、珍しいなーなんて思ったけれどそれどころじゃない。
どうやら私になめられて恥ずかしがってるみたいだから、今のうちに誤魔化さないと!
「ごめんなさい、なんかついなめたら治らないかなーって思っちゃって!」
早口でまくし立てると、私はすぐに部屋のドアに向かう。
「さ、そろそろお迎えの車も来ているでしょうし、帰りましょう!」
このまま誤魔化されてほしいなと思いながら、私はドアノブに手を掛けた。
でもカチャッとドアを開けようとしたところで後ろから手を突かれバタンと閉じられてしまう。
後ろから覆いかぶさられているような格好。
「ちょっと、待って」
静かに、でもハッキリとした声に私は柊さんが誤魔化されてくれなかったことを知った。
ど、どどどどうしよう⁉
心臓がドックンドックンと大きく鳴って、怖くて後ろを見れない。
そうしていると耳元に顔を寄せてきたのか、すぐそばから柊さんの低い声が聞こえた。
「ねえ、君は何者? 人の血をなめるなんて、普通はしない。それにさ、なんか傷が治ってるんだけど……これってどういうことなのかな?」
「っ⁉」
そうだ、ヴァンパイアは吸血した後傷口をなめるとその傷を治してしまうんだった!
牙を立てて吸血した場合は傷が深いからか痕《あと》が残っちゃうらしいけれど、今みたいなちょっとした傷ならキレイに治っちゃう。
っていうか、今のってやっぱり私吸血しちゃったってこと?
もしかして吸血衝動? 流石にちょっと早くない⁉
まだまだしばらく来ることはないだろうと思っていた吸血衝動に戸惑って、私は上手く誤魔化すことも説明することも出来なかった。
「あ、あの! とりあえず帰りませんか⁉ 運転手さん待たせちゃいます!」
とりあえず今だけでも逃れたいと思った私はそんな提案をする。
実際に待たせてしまっているだろうし、あまり遅いと心配させてしまうから。
それでも今説明しろと言われそうな気がしてビクビクしていると。
「……はぁ、分かったよ。でも後で説明してもらうから」
そうして、私を覆っていた影が離れて行く。
ホッとして柊さんを見ると、いつになく真剣な目とかち合った。
「夕食後、僕の部屋に来て。来なかったら僕が君の部屋に行くからね?」
「わ、分かりました」
うなずいたことで今は解放してくれるらしい。
一時的とはいえ、なんとかこの場はしのげたみたいでホッとした。
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