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異界を渡るマレビト
異世界②
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「あれ? 眼鏡なくなった? でもちゃんと見えるな?」
不思議そうに眼鏡のあった辺りをさわるアキラ先輩。
そう、今のアキラ先輩はイケメンの素顔をさらけ出したままの状態だった。
しかもいつもはぴょんぴょんはねている髪が後ろに撫でつけるような形に整えられていて、普段のモサッと感がまるでない。
兵士っぽい格好でちょっと男らしさもあるせいか、今まで見た中で一番カッコ良かった。
ちょっ、ちょっと待って。
もしかしなくても、帰るまでずっとこの格好なんだよね?
このいまだに慣れるどころかさらに緊張しちゃいそうな格好のアキラ先輩と一緒にいるの?
も、持ちそうにないんだけど!?
すでにバクバクと鼓動が大きくなってきてるのに、無理に決まってる!
早くもギブアップしそうな気分でいたら、切れ長な焦げ茶の目が私に向けられた。
「ラナさん、その服装も似合ってるね」
「っ!」
その顔で自然とそんなこと言っちゃダメです!
何ですか!?
天然タラシですか!?
もはや言葉も出せなくて心の中で叫びまくる。
「でも……何だか普通の一般人が着ているものとは違うね?」
「え? あ、そういえば」
不思議そうに首を傾げて道を行く人たちと私を見比べるアキラ先輩。
同じく見比べて疑問に思った私はやっと普通に話すことが出来た。
……まだ心臓はドキドキなってるけどね。
「アキラ先輩も兵士っぽい格好で一般人とは違う感じですけど……」
「たしかに。なにか特殊な職業タイプなのかもしれないね」
考えてもわからないし、そのうちわかるよねってことで服装の話は終わりにした。
「それで、これからどうするんですか? お母さんを救うにはこの時代で病気の原因になったことを突き止めて回避しなきゃならないんですよね?」
確認すると、アキラ先輩は大きくうなずいた。
「ああ、そうだよ。そのためにはまずこの世界でラナさんのお母さんの前世となる人を探さなきゃならない」
「あ……」
また世界って言った。
この時代で、じゃないの?
「近くにはいるはずなんだ。その人と会えれば鏡が教えてくれるんだけど……」
「あ、あの!」
さっきから覚えていた言葉の違和感。
ミチさんが言ってた“異界”や、今いるここを国や時代じゃなくて“世界”って言うアキラ先輩。
なんだかおかしいと思っていたそれを聞こうと思った。
でも、ちゃんと聞く前に近くで大きな音が響く。
ドガァァァン!
ブオォォォ!
何かが壊れる音と、何か大きな動物の鳴き声みたいな音。
その音だけで緊迫した状況が伝わってくる。
「なんだ!?」
「魔物だ! しかも大型のやつ!」
「なんだよ! 警備兵は何してやがる!」
道行く人も騒然となって色々言ってる。
その言葉が分かることも不思議だったけど、それ以上に聞こえてきた言葉が不思議だった。
警備兵は、まあわかる。
でも魔物って?
珍しい動物を見てそう言ってるのかな?
ゾウか何かでも出たのかなって思って見ていたら、「こっちに来るぞ!」っていう悲鳴みたいな声が聞こえる。
このままここにいるのは危ないかな?って思っているうちにその魔物とやらの姿が見えた。
「え……?」
なに、あれ?
ブオォォォ!
大きな鳴き声に耳を塞ぎたくなる。
その生き物は思った通りゾウに似ていた。
でも、長い鼻はあってももう一つの特徴である大きな耳はなくて……。
なにより明らかに私の知っているゾウの倍近い大きさだった。
不思議そうに眼鏡のあった辺りをさわるアキラ先輩。
そう、今のアキラ先輩はイケメンの素顔をさらけ出したままの状態だった。
しかもいつもはぴょんぴょんはねている髪が後ろに撫でつけるような形に整えられていて、普段のモサッと感がまるでない。
兵士っぽい格好でちょっと男らしさもあるせいか、今まで見た中で一番カッコ良かった。
ちょっ、ちょっと待って。
もしかしなくても、帰るまでずっとこの格好なんだよね?
このいまだに慣れるどころかさらに緊張しちゃいそうな格好のアキラ先輩と一緒にいるの?
も、持ちそうにないんだけど!?
すでにバクバクと鼓動が大きくなってきてるのに、無理に決まってる!
早くもギブアップしそうな気分でいたら、切れ長な焦げ茶の目が私に向けられた。
「ラナさん、その服装も似合ってるね」
「っ!」
その顔で自然とそんなこと言っちゃダメです!
何ですか!?
天然タラシですか!?
もはや言葉も出せなくて心の中で叫びまくる。
「でも……何だか普通の一般人が着ているものとは違うね?」
「え? あ、そういえば」
不思議そうに首を傾げて道を行く人たちと私を見比べるアキラ先輩。
同じく見比べて疑問に思った私はやっと普通に話すことが出来た。
……まだ心臓はドキドキなってるけどね。
「アキラ先輩も兵士っぽい格好で一般人とは違う感じですけど……」
「たしかに。なにか特殊な職業タイプなのかもしれないね」
考えてもわからないし、そのうちわかるよねってことで服装の話は終わりにした。
「それで、これからどうするんですか? お母さんを救うにはこの時代で病気の原因になったことを突き止めて回避しなきゃならないんですよね?」
確認すると、アキラ先輩は大きくうなずいた。
「ああ、そうだよ。そのためにはまずこの世界でラナさんのお母さんの前世となる人を探さなきゃならない」
「あ……」
また世界って言った。
この時代で、じゃないの?
「近くにはいるはずなんだ。その人と会えれば鏡が教えてくれるんだけど……」
「あ、あの!」
さっきから覚えていた言葉の違和感。
ミチさんが言ってた“異界”や、今いるここを国や時代じゃなくて“世界”って言うアキラ先輩。
なんだかおかしいと思っていたそれを聞こうと思った。
でも、ちゃんと聞く前に近くで大きな音が響く。
ドガァァァン!
ブオォォォ!
何かが壊れる音と、何か大きな動物の鳴き声みたいな音。
その音だけで緊迫した状況が伝わってくる。
「なんだ!?」
「魔物だ! しかも大型のやつ!」
「なんだよ! 警備兵は何してやがる!」
道行く人も騒然となって色々言ってる。
その言葉が分かることも不思議だったけど、それ以上に聞こえてきた言葉が不思議だった。
警備兵は、まあわかる。
でも魔物って?
珍しい動物を見てそう言ってるのかな?
ゾウか何かでも出たのかなって思って見ていたら、「こっちに来るぞ!」っていう悲鳴みたいな声が聞こえる。
このままここにいるのは危ないかな?って思っているうちにその魔物とやらの姿が見えた。
「え……?」
なに、あれ?
ブオォォォ!
大きな鳴き声に耳を塞ぎたくなる。
その生き物は思った通りゾウに似ていた。
でも、長い鼻はあってももう一つの特徴である大きな耳はなくて……。
なにより明らかに私の知っているゾウの倍近い大きさだった。
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