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異界を渡るマレビト
マレビト①
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何とか状況を整理しようと思ってアキラ先輩に話を聞いたけれど、くわしいことは放課後話すよって部室を出されちゃった。
まあ、朝のHRももう少しで始まるところだったし仕方ないか。
「おはよ、昨日よりは元気ありそうだね」
「カンナ、おはよう。昨日はありがとね」
カンナにも心配かけちゃったし、もう少し色々ハッキリしたらちゃんと話そう。
今日は少し元気を取り戻せたから、いつも通りに授業を受けた。
そして、放課後になったらすぐに部室へ向かう。
鏡が光ったこととか、お母さんの病気をなくせるとか。
どういうことなのか聞かないと。
走って部室がある方へと廊下の角を曲がる。
するとちょうど反対側から曲がってきた男子生徒とぶつかっちゃった。
「んぶっ!」
「うわっと!」
ちゃんと見ておけば良かったってぶつかった鼻をおさえながら反省する。
「っ!? ら、ラナちゃっ――」
聞き覚えのある声に顔をあげると、そこには顔を真っ赤にしたスバル先輩がいた。
いきなりぶつかっちゃったから緊張しちゃったっぽい。
「あ、ごめんなさいスバル先輩」
ぶつかったのと、不意打ちで接触しちゃったのと二重の意味であやまる。
スバル先輩、いまだに私が突然近づくと赤くなって固まっちゃうんだよね。
あるていどは後輩として親しくなったと思ってるんだけど、スバル先輩が女の子に慣れるってことはなさそう。
「っ……いや、大丈夫だよ。羽のように軽いラナちゃんにぶつかられたくらいじゃあ俺はビクともしないからね」
あ、いつものキザったらしいスバル先輩になった。
ある意味会話が成立するからこっちの方が助かるなぁ。
「今日は部活休みだって。アキ、なんか用事あるみたいだったぜ?」
「そうなんですか? でも私アキラ先輩に話を聞きたくて」
困ったなって思った私を見て、スバル先輩は「ああ」って納得の声を上げた。
「じゃあラナちゃんとの用事があるってことだったんだな。そっかぁ、ラナちゃんが……」
そのままめずらしくジッと見られて首を傾げるスバル先輩。
なんとなくだけど、スバル先輩はなにか知ってる感じだった。
「えっと、私がどうしたんでしょうか?」
「ん-、まあアキに話聞けば分かるよ」
ニッコリ笑ったスバル先輩は、私からはなれる前に頭をポンポンと軽く叩いた。
変わった先輩だけど、イケメンにそんなことをされてちょっとキュンとしちゃったよ。
「大変だろうけど、頑張れよ。明日にでも話聞かせてくれよな」
「はぁ……」
何が大変なのか分からなくてあいまいな返事になっちゃう。
「じゃあ、健闘を祈ってるぜ」
そのままカッコつけて去って行くスバル先輩の背中を見ながら私は心の中で叫んだ。
健闘って、私何をさせられるの!?
***
スバル先輩の言葉に首をひねりながら部室に向かう私。
何をするのか分からないけれど、とにかくアキラ先輩に話を聞かないことには始まらないよね。
コンコン
「あ、ラナさん? ちょっと待ってて」
いつものように中に入ってってうながしてくれるのかと思ったけれど、返ってきたのは待機しててって言葉。
言われた通り待っていると、ガラッと開いたドアからカバンを持ったアキラ先輩が出てきた。
「お待たせ、じゃあ行こうか」
「え? 行くってどこにですか?」
部室で話をするんじゃないの?
「ん? 言ってなかったっけ? 俺んちだよ。行こう」
「え? ええぇ!?」
突然の展開についていけない。
いくら何でも急すぎるよ!
説明プリーズ!!
まあ、朝のHRももう少しで始まるところだったし仕方ないか。
「おはよ、昨日よりは元気ありそうだね」
「カンナ、おはよう。昨日はありがとね」
カンナにも心配かけちゃったし、もう少し色々ハッキリしたらちゃんと話そう。
今日は少し元気を取り戻せたから、いつも通りに授業を受けた。
そして、放課後になったらすぐに部室へ向かう。
鏡が光ったこととか、お母さんの病気をなくせるとか。
どういうことなのか聞かないと。
走って部室がある方へと廊下の角を曲がる。
するとちょうど反対側から曲がってきた男子生徒とぶつかっちゃった。
「んぶっ!」
「うわっと!」
ちゃんと見ておけば良かったってぶつかった鼻をおさえながら反省する。
「っ!? ら、ラナちゃっ――」
聞き覚えのある声に顔をあげると、そこには顔を真っ赤にしたスバル先輩がいた。
いきなりぶつかっちゃったから緊張しちゃったっぽい。
「あ、ごめんなさいスバル先輩」
ぶつかったのと、不意打ちで接触しちゃったのと二重の意味であやまる。
スバル先輩、いまだに私が突然近づくと赤くなって固まっちゃうんだよね。
あるていどは後輩として親しくなったと思ってるんだけど、スバル先輩が女の子に慣れるってことはなさそう。
「っ……いや、大丈夫だよ。羽のように軽いラナちゃんにぶつかられたくらいじゃあ俺はビクともしないからね」
あ、いつものキザったらしいスバル先輩になった。
ある意味会話が成立するからこっちの方が助かるなぁ。
「今日は部活休みだって。アキ、なんか用事あるみたいだったぜ?」
「そうなんですか? でも私アキラ先輩に話を聞きたくて」
困ったなって思った私を見て、スバル先輩は「ああ」って納得の声を上げた。
「じゃあラナちゃんとの用事があるってことだったんだな。そっかぁ、ラナちゃんが……」
そのままめずらしくジッと見られて首を傾げるスバル先輩。
なんとなくだけど、スバル先輩はなにか知ってる感じだった。
「えっと、私がどうしたんでしょうか?」
「ん-、まあアキに話聞けば分かるよ」
ニッコリ笑ったスバル先輩は、私からはなれる前に頭をポンポンと軽く叩いた。
変わった先輩だけど、イケメンにそんなことをされてちょっとキュンとしちゃったよ。
「大変だろうけど、頑張れよ。明日にでも話聞かせてくれよな」
「はぁ……」
何が大変なのか分からなくてあいまいな返事になっちゃう。
「じゃあ、健闘を祈ってるぜ」
そのままカッコつけて去って行くスバル先輩の背中を見ながら私は心の中で叫んだ。
健闘って、私何をさせられるの!?
***
スバル先輩の言葉に首をひねりながら部室に向かう私。
何をするのか分からないけれど、とにかくアキラ先輩に話を聞かないことには始まらないよね。
コンコン
「あ、ラナさん? ちょっと待ってて」
いつものように中に入ってってうながしてくれるのかと思ったけれど、返ってきたのは待機しててって言葉。
言われた通り待っていると、ガラッと開いたドアからカバンを持ったアキラ先輩が出てきた。
「お待たせ、じゃあ行こうか」
「え? 行くってどこにですか?」
部室で話をするんじゃないの?
「ん? 言ってなかったっけ? 俺んちだよ。行こう」
「え? ええぇ!?」
突然の展開についていけない。
いくら何でも急すぎるよ!
説明プリーズ!!
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