13 / 14
13 自分で生きていけるな
しおりを挟む
「リーシャ、、君、、歩けたのか、、、。」
私が屋敷を出ると、呆然とリーシャを見つめるアレックスがいた。リーシャは慌ててしゃがみ込むと、アレックスに手を伸ばした。
「違うの!!本当は歩けないんだけど、火事だって言うから、、、!」
その言い訳は苦しいよ、リーシャ。あんたはアレックスにずっと嘘をついていたんだ。アレックスだって、流石に怒り狂うからね、、て、あれ?
不思議なことにアレックスは満面の笑みを浮かべていた。
「歩けるようになったのか!!リーシャ!!」
アレックスはリーシャと目線を合わせた。リーシャは愕然とした顔でアレックスを見ている。
「本当に嬉しいよ!!良かったなぁ!リーシャ!!」
私は頭を抱えた。アレックスはどれだけお人好しなんだ、、、。もう、リーシャも後に引けなくなったようで、正直に白状した。
「え、ええ。最近、少しずつ歩けるようになってきたの。」
本当に最近か?怪しいけどね。
「これでようやく、リーシャも自分で生きていけるな、、、。」
リーシャがアレックスに縋りついた。
「い、いえっ!!貴方がいないと生きていけないわ!アレックス!!今は必死だったから歩けたけど、まだすごく痛いの!!」
この期に及んでこの女は、、、。
「いい加減にしなさい。リーシャ。いつまでアレックスを縛り付ける気?私はあんたが、勢いよく走ってくのをちゃんと見てたんだからね。」
「うるさいっっ!」
◇◇◇
嘘がバレたこの女は、結局痛い目を見ることになった。アレックスは穏便に宮殿を出て行って貰うとしたのだが、王室がリーシャに激怒したのだ。
これまではリーシャは、アレックスを救って足が動かないことを口実に、王室のお金で豪遊していた。リーシャは実は最初から、歩けない状態にはなっていなかった。だが、アレックスに責任を負わせて自分が一番の存在になるためにずっと嘘をついていたのだ。
王室はリーシャに今までリーシャを養ってきたお金を請求した上で、リーシャを屋敷から追い出したのだ。無一文で宮殿を追い出されたリーシャがどうなったのかは、よく知らない。噂では、貧困のあまり体を売ってどこかの風俗にいると聞いたけど、実際のところはどうなんだろうね。
◇◇◇
私が屋敷を出ると、呆然とリーシャを見つめるアレックスがいた。リーシャは慌ててしゃがみ込むと、アレックスに手を伸ばした。
「違うの!!本当は歩けないんだけど、火事だって言うから、、、!」
その言い訳は苦しいよ、リーシャ。あんたはアレックスにずっと嘘をついていたんだ。アレックスだって、流石に怒り狂うからね、、て、あれ?
不思議なことにアレックスは満面の笑みを浮かべていた。
「歩けるようになったのか!!リーシャ!!」
アレックスはリーシャと目線を合わせた。リーシャは愕然とした顔でアレックスを見ている。
「本当に嬉しいよ!!良かったなぁ!リーシャ!!」
私は頭を抱えた。アレックスはどれだけお人好しなんだ、、、。もう、リーシャも後に引けなくなったようで、正直に白状した。
「え、ええ。最近、少しずつ歩けるようになってきたの。」
本当に最近か?怪しいけどね。
「これでようやく、リーシャも自分で生きていけるな、、、。」
リーシャがアレックスに縋りついた。
「い、いえっ!!貴方がいないと生きていけないわ!アレックス!!今は必死だったから歩けたけど、まだすごく痛いの!!」
この期に及んでこの女は、、、。
「いい加減にしなさい。リーシャ。いつまでアレックスを縛り付ける気?私はあんたが、勢いよく走ってくのをちゃんと見てたんだからね。」
「うるさいっっ!」
◇◇◇
嘘がバレたこの女は、結局痛い目を見ることになった。アレックスは穏便に宮殿を出て行って貰うとしたのだが、王室がリーシャに激怒したのだ。
これまではリーシャは、アレックスを救って足が動かないことを口実に、王室のお金で豪遊していた。リーシャは実は最初から、歩けない状態にはなっていなかった。だが、アレックスに責任を負わせて自分が一番の存在になるためにずっと嘘をついていたのだ。
王室はリーシャに今までリーシャを養ってきたお金を請求した上で、リーシャを屋敷から追い出したのだ。無一文で宮殿を追い出されたリーシャがどうなったのかは、よく知らない。噂では、貧困のあまり体を売ってどこかの風俗にいると聞いたけど、実際のところはどうなんだろうね。
◇◇◇
38
お気に入りに追加
593
あなたにおすすめの小説
私を捨てるんですか? いいですよ、別に。元々あなたのことなんて、好きじゃありませんので【完結】
小平ニコ
恋愛
「ローラリア、すまないが、他に好きな人ができた。おまえとはここまでだ」
突然そんなことを言い出したブライアンに、私はごく自然な態度で「はあ、そうなんですか」とだけ答えた。……怒りも、悲しみも、ほんの少しの嫉妬心もない。だって元々、ブライアンのことなんて、好きでも何でもなかったから。
落ち着き払った私の態度が気に入らないのか、ブライアンは苛立ち、その日のうちに婚約破棄は成立する。しかし、ブライアンは分かっていなかった、自分のとった行動が、どんな結末を招くかを……
せっかく家の借金を返したのに、妹に婚約者を奪われて追放されました。でも、気にしなくていいみたいです。私には頼れる公爵様がいらっしゃいますから
甘海そら
恋愛
ヤルス伯爵家の長女、セリアには商才があった。
であれば、ヤルス家の借金を見事に返済し、いよいよ婚礼を間近にする。
だが、
「セリア。君には悪いと思っているが、私は運命の人を見つけたのだよ」
婚約者であるはずのクワイフからそう告げられる。
そのクワイフの隣には、妹であるヨカが目を細めて笑っていた。
気がつけば、セリアは全てを失っていた。
今までの功績は何故か妹のものになり、婚約者もまた妹のものとなった。
さらには、あらぬ悪名を着せられ、屋敷から追放される憂き目にも会う。
失意のどん底に陥ることになる。
ただ、そんな時だった。
セリアの目の前に、かつての親友が現れた。
大国シュリナの雄。
ユーガルド公爵家が当主、ケネス・トルゴー。
彼が仏頂面で手を差し伸べてくれば、彼女の運命は大きく変化していく。
【完】愛していますよ。だから幸せになってくださいね!
さこの
恋愛
「僕の事愛してる?」
「はい、愛しています」
「ごめん。僕は……婚約が決まりそうなんだ、何度も何度も説得しようと試みたけれど、本当にごめん」
「はい。その件はお聞きしました。どうかお幸せになってください」
「え……?」
「さようなら、どうかお元気で」
愛しているから身を引きます。
*全22話【執筆済み】です( .ˬ.)"
ホットランキング入りありがとうございます
2021/09/12
※頂いた感想欄にはネタバレが含まれていますので、ご覧の際にはお気をつけください!
2021/09/20
王女ですが、冤罪で婚約破棄を迫られています
杉本凪咲
恋愛
婚約破棄させてもらう。
パーティー会場でそう告げたのは、私の愛する彼。
どうやら、私が彼の浮気相手をいじめていたらしい。
しかし、本当にそんなことを言っていいのかしら。
私はこの国の王女だというのに……。
聖人な婚約者は、困っている女性達を側室にするようです。人助けは結構ですが、私は嫌なので婚約破棄してください
香木あかり
恋愛
私の婚約者であるフィリップ・シルゲンは、聖人と称されるほど優しく親切で慈悲深いお方です。
ある日、フィリップは五人の女性を引き連れてこう言いました。
「彼女達は、様々な理由で自分の家で暮らせなくなった娘達でね。落ち着くまで僕の家で居候しているんだ」
「でも、もうすぐ僕は君と結婚するだろう?だから、彼女達を正式に側室として迎え入れようと思うんだ。君にも伝えておこうと思ってね」
いくら聖人のように優しいからって、困っている女性を側室に置きまくるのは……どう考えてもおかしいでしょう?
え?おかしいって思っているのは、私だけなのですか?
周囲の人が彼の行動を絶賛しても、私には受け入れられません。
何としても逃げ出さなくては。
入籍まであと一ヶ月。それまでに婚約破棄してみせましょう!
※ゆる設定、コメディ色強めです
※複数サイトで掲載中
真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる