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孤児だからって舐めんじゃないわよ。

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「浮気して

 
 他に好きな人ができたから、

  
 この家を出ていけ??!」



私、ティナは

信じられない思いで

婚約者のアイザを見つめた。

 


アイザはC国の第2王子である。


隣国E国の王族の娘であるティナは

一ヶ月前にアイザのところにやってきた。




きっかけはアイザがティナに

一目惚れしたことだ。




それにも関わらず、

アイザは

他の女と浮気し、

あまつさえ私に家から出ていけ

と言う。



なぜこの男は、

私にこんな無礼をできるのか。



「冗談じゃないわよ!!


 貴方が私を好きになったから


 この国に来たんでしょう??!



 せめて謝罪の一つでも


 したらどうなのよ?!」




私は、アイザを睨みつけた。




「お前、、」

アイザはティナを

睨みつけた。


 

お前ですって?

いつから貴方は

そんなに偉くなったの?



「孤児のくせに、

 俺によくそんな口が聞けたな。」



アイザは言った。



あぁ、貴方知らなかったの?


私は、確かに

お父さんの血の繋がった娘じゃない。


捨てられているのを

偶然助けてもらった孤児である。



「だから?


 孤児だからなんだっていうのよ?」




あぁ、もう失敗したわ。




見た目が良いからって

選ぶんじゃなかった。





血の繋がり程度で


人を判断する人なんて最低。



「嘘ついてたんだから、


 浮気したっていいだろ?!」



この開き直り野郎め!



「いいの?


 私に


 そんな口きいて。 


 後で、後悔するわよ?」


私とアイザは、

腕を組んで

睨み合った。


「孤児のくせに、


 何ができるんだよ?」


孤児、て言葉

嫌い。




「私は孤児じゃないわ!


 E国王族の、


 お父さんの娘よ!!」




「俺にとっては、

 ただの孤児を押し付けられたんだ!



 さっさと出て言ってくれ!!」



言われなくても!!



私は

荷物も持たずに

アイザの家を飛び出した。



今に見てな!


--------------------------------------




「てことが、


 あったんですよ!!


 お父様!!」




私は父親のキックに

アイザのことを愚痴っていた。



「なぬっっ!!」



父は、

顔を真っ赤にして怒っている。



孤児だから、

なんて理由で

私が愛されていないとでも

思ったの?  




「あの国への資金援助、



 やめような。」  




「うん!


 あの国はだめよ。


 もう、ほんと、


 ぼんくらだったわ!」



「石油も止めれるよ?」

と、お父様。




そこまではしなくてもいいから。


「そこまではしなくてもいいわ。



 その代わり、


 一つ頼み事があるの。」



--------------------------------------



「アイザ!!」



俺、アイザは

父である国王に呼び出されていた。




父はカンカンに怒っている。



「アイザ!


 お前、


 E国王女のティナ様に


 無礼を働いただろ!!」



あの孤児の女か。




「構わないです。


 あいつは孤児の娘だったんですから。」




「お前のせいで、


 E国からの財政援助が、


 無くなった!



 我が国にとって、


 それがどれだけ重要だったと


 思っている!!」



俺は唇を噛んだ。


だが、


なぜ俺が、

孤児の女と結婚しなくては


いけないんだ。




「E国の王は


 条件次第で、

 水を止めると言っている。」




「その条件はなんですか??」




「もしも、お前が一年間


 孤児院で孤児たちの生活の


 手伝いをしっかりできたら、



 水は止めないと、


 おっしゃっている。」






--------------------------------------




「一応、アイザは
  

 孤児院で働きだしたみたいだよ。」


父、キックは

私に微笑んで言った。



「これで良かったのかい?」



私はうなずいた。



これで、

彼も少しは

変わってくれるかもしれないし。



「まぁ、だめなら、


 水止めちゃいましょ?」




まぁ、結局

アイザは孤児院の

ボランティアをサボり、

一週間水を止められることになるのだが、、、。
















 




























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