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7 誕生日おめでとう!
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誕生日当日。プレゼントを右手に持った私の手は少し汗ばんでいた。
「お、、、!アレックス、こんにちは!」
私は屋敷の入り口に現れたアレックスに手を振った。
「メル!!今日もかわいいね!ん?なんか、今日、いつもと髪型違う、、、?」
「そ、そうかな?」
いつもは無造作に後ろにくくっている髪を、今日は下ろしていた。なぜ?いや、そんなのなんとなくに決まってるじゃん!なんも意味なんか無いし!!
「アレックス、おめでとう!」
「ん?」
アレックスが首をかしげた。え?今日、アレックスの誕生日じゃ無かったの、、、?
「あの、、、誕生日、、、じゃない?」
「ああ!確かに言われてみればそうだね。大人になるとすっかり忘れてしまうものだなぁ。」
忘れてしまうものだなぁ、じゃないんだよ。この無頓着野郎!私は手の後ろに隠したプレゼントをぎゅっと握った。
「ありがとう。メルに祝って貰えるなんて、これ以上嬉しいことはない。最高の誕生日プレゼントだよ!!」
アレックスはにこにこと笑った。そんなこと言われたら、プレゼントを出しづらいじゃないか!あー!もういい!!
「はいっ!!」
私は小さな袋に入ったプレゼントをアレックスに差し出した。
「こ、、、これは、、、?」
アレックスは無表情で固まった。
「プレゼント!!大したものじゃないけど!!」
「な、な、なんてことだ!!!」
◇◇◇
その後のアレックスのやかましさったら無かった。私のプレゼントをひたすら眺めたあと、東宮殿中の人にそのプレゼントを見せて回っていた。
恥ずかしいからやめてと何度言っても、あの馬鹿男の耳には入らなかったみたいだ。
その一ヶ月後の私の誕生日がありえないくらい豪華になったのは、言うまでもなかった。
私がアレックスに渡したプレゼントが何かって?
「そんなに喜ぶなら、もっと違うものにすればよかったかな?」
私がアレックスに尋ねると、アレックスはそのプレゼントをぎゅっと握りしめて私を威嚇した。
「絶対、、、!これは返さないからな!!これがいいんだ!!メルが俺にくれたお守りだぞ??!」
そう。私がアレックスに渡したのは手作りのお守り。騎士として様々な場所に行くアレックスが、危険な目にあいませんようにと願いを込めた。
「よろこんでくれて、良かったわ。」
誰かに、誕生日プレゼントを渡すのも悪くないって思う、今日このごろなのだった。
◇◇◇
「お、、、!アレックス、こんにちは!」
私は屋敷の入り口に現れたアレックスに手を振った。
「メル!!今日もかわいいね!ん?なんか、今日、いつもと髪型違う、、、?」
「そ、そうかな?」
いつもは無造作に後ろにくくっている髪を、今日は下ろしていた。なぜ?いや、そんなのなんとなくに決まってるじゃん!なんも意味なんか無いし!!
「アレックス、おめでとう!」
「ん?」
アレックスが首をかしげた。え?今日、アレックスの誕生日じゃ無かったの、、、?
「あの、、、誕生日、、、じゃない?」
「ああ!確かに言われてみればそうだね。大人になるとすっかり忘れてしまうものだなぁ。」
忘れてしまうものだなぁ、じゃないんだよ。この無頓着野郎!私は手の後ろに隠したプレゼントをぎゅっと握った。
「ありがとう。メルに祝って貰えるなんて、これ以上嬉しいことはない。最高の誕生日プレゼントだよ!!」
アレックスはにこにこと笑った。そんなこと言われたら、プレゼントを出しづらいじゃないか!あー!もういい!!
「はいっ!!」
私は小さな袋に入ったプレゼントをアレックスに差し出した。
「こ、、、これは、、、?」
アレックスは無表情で固まった。
「プレゼント!!大したものじゃないけど!!」
「な、な、なんてことだ!!!」
◇◇◇
その後のアレックスのやかましさったら無かった。私のプレゼントをひたすら眺めたあと、東宮殿中の人にそのプレゼントを見せて回っていた。
恥ずかしいからやめてと何度言っても、あの馬鹿男の耳には入らなかったみたいだ。
その一ヶ月後の私の誕生日がありえないくらい豪華になったのは、言うまでもなかった。
私がアレックスに渡したプレゼントが何かって?
「そんなに喜ぶなら、もっと違うものにすればよかったかな?」
私がアレックスに尋ねると、アレックスはそのプレゼントをぎゅっと握りしめて私を威嚇した。
「絶対、、、!これは返さないからな!!これがいいんだ!!メルが俺にくれたお守りだぞ??!」
そう。私がアレックスに渡したのは手作りのお守り。騎士として様々な場所に行くアレックスが、危険な目にあいませんようにと願いを込めた。
「よろこんでくれて、良かったわ。」
誰かに、誕生日プレゼントを渡すのも悪くないって思う、今日このごろなのだった。
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