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デートしませんか?

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「ユーリ。


 そいつを連れ出してくれない?」



アイナ様は、

顔を顰めて

僕、ユーリに言った。



なんともなんとも、

愉快な現場を見たものだ。



僕は暴れる王子レンを

羽交い締めにして、

アイナ様の家から引きずり出した。


「ありがと、


 ユーリ。」


お安い御用ですよ、アイナ様。





-------------------------------------------



「アイナとの

 婚約破棄を

 取り消そうと思うんだが。」


酒に酔って、

へべれけになったレンは、

僕、ユーリにそう言った。





「えっと?

 婚約破棄を取り消すって言った?」


そんなこと、

できるわけないだろ馬鹿が。



「そうだ。」

レンは、

真っ赤になった顔を

コクリと振ってうなずいた。



待て待て。

落ち着け落ち着け。


「っと、

 ナミさんのことは?


 てゆうか 

 アイナ様には


 婚約破棄取り消しについて

 聞いたのか?」


ナミさんと婚約すると決めたのも、

危うくアイナ様が国外追放されそうになったのも、

つい一月前のことだ。




「ナミは、、


 もういいかな。



 煩くなってきた。


 アイナにはまだ言っていないが、、」




ナミがうるさいのは最初からだ、

という言葉をなんとか飲み込む。




「婚約破棄して、


 もう一度アイナ様と婚約なんて、


 そんな上手くいくとは


 思えないけど。」




レンがガバっと

顔をあげた。



「上手く行くさ!


 アイナは、俺のことが好きなんだ!


 それにあいつは


 王妃になりたいに決まってる。」



声がでかい。

このうぬぼれ野郎め。




だが、

確かに

アイナ様は

王妃になるために

沢山努力されてきた。



再び王妃になれるとわかったら、、?



僕は、腹が立って

レンの頭をバシッと

叩いた。




「なにすんだよ?」



「すまん、


 机と間違えた。」



「そうか。」


どうせこの酔っぱらいは、

明日になったらなにも覚えてないだろう。




「父上も、


 それが良いと言っていた。」




「国王にももう伝えたのか?!」



「あぁ、

 明日アイナのとこにも、


 通達がいくだろう。」






------------------------------------------





「ふざけるんじゃないわよ、


 自惚れ王子が!」















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