【短編】愛人の家から帰ってこない婚約者と婚約破棄したいのですが、、、。婚約者の家族に苛められ、家事を全て押し付けられています。

愛人の家からほとんど帰ってこない婚約者は婚約破棄を望む私に言った。

「お前など、好きになるわけないだろう?お前には死ぬまでこの家のために働いてもらう。」

幼馴染であり婚約者のアストラ・ノックスは私にそう言った。

「嫌よ。」

「だがお前に帰る場所などないだろう?」

アストラは薄笑いを浮かべた。確かに私は、もう二度と帰ってくるなと、何度も念押しされて実家を出てきた。

「俺はお前の親から、お前を安値で買ったのさ。」

アストラの言葉は真実であった。私が何度、帰りたいと手紙を書いても、両親から連絡が返ってくることはなかった。

私の名前はリュカ。フラノ国没落貴族の娘。お金が無いことで、昔から苛められてきた。アストラは学生時代、私を虐めていた男達のリーダーだった。

「リュカ!!まだ晩御飯ができないの?!」

今日も義理の母は私を怒鳴りつける。
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