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外伝 ~エルサ編~ 夢の続き
第02話 魔獣襲撃
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訓練場から里に向けて歩き出すこと三〇分が過ぎ、エルサたちはもう少しで到着する距離までやって来た。
すると、数人の男たちが大声で叫びながら走ってきた。
「おーい、引き返すんだ!」
「おいおい、そんなに息を切らしてどうしたのよ!」
カロリーナがその様子を訝しんだ。
「魔獣たちが襲ってきたんだ!」
「何! それは本当なの、イルツンク!」
魔獣たちが襲ってきたという話を聞いて、子供たちも騒然となった。
「ああ、それで俺たちは子供たちを避難させるためにやって来たんだ」
「避難ってそんなに数がいるの? 魔獣といってもフォレストウルフやオークぐらいなら里の戦士たちだけで問題ないでしょ」
魔獣が里を襲ってくることは、日常茶飯事でそれほど珍しくもない。
そのため、かなり慌てた様子のイルツンクに、カロリーナは念押しして確かめずにはいられなかった。
「ち、違うんだ! ウッドエルフの奴らがハンドレッドセンティピードを連れてきやがったんだよ! もう、防壁も破られて他の戦士たちが女子供を逃がす時間を稼いでいる。族長と巫女様も応戦中だ」
「ちょっ、エルサ!」
両親が戦っていると聞いたエルサはいてもたってもいられず、駆け出した。
「カロリーナ!」
「私はエルサを連れ戻してくる。イルツンクたちは子供たちを安全な場所へ!」
他の子供たちをイルツンクに託し、カロリーナは急いでエルサのあとを追う。
「エルサっ、待ちなさい!」
後ろから呼び止められる声が聞こえるが、エルサは気にせず加速する。
本来であれば、いくら加速したところでカロリーナに捕まるのは時間の問題だが、今回はそうはならなかった。
必死で叫ぶカロリーナの声はどんどん小さくなり、やがて聞こえなくなった。
両親の危機を知ったことで今のエルサは、火事場の馬鹿力のような信じられない速度で木々をすり抜けるように駆けていた。
藪の葉や小枝が当たり、エルサの褐色の腕や足に小さな傷ができ、血が滲んでいたが、そんなの構いなしだった。
「パパ、ママ……無事でいて、お願い!」
エルサがその場所に駆け付けたからと言って何かをできる訳では無い。
ハンドレッドセンティピード――ジェネラル級の人型魔獣と同じく伝説級魔獣に分類される昆虫型魔獣で、見た目は数百本の手足が生えた全長二、三〇メートルほどの巨大なムカデ。
普段は大人しいのだが、興奮状態になると狂暴さが増す。
雑食であるが動物の肉を好むため、マンイーターに次ぐ凶悪な魔獣とされている。
その魔獣が里で暴れていると聞き、エルサは両親の安否が心配でたまらなくなったのだ。
エルサは、感情のままに先を急ぐ。
里に近付くに連れ、悲鳴や怒号といいた戦闘音がエルサの耳にも届いた。
「もう少し……」
するとエルサは、木に登りはじめた。
二〇メートルほど登ると、そのまま隣の木へと飛び移り、里の方へと接近する。
エルサは、気が急っている割に今日教わったばかりのことを実践しようとしていた。
先ずは、高いところから敵を観察し、すきを窺う。
子供なのに無意識に最善の行動を取れるのは、やはり期待されるだけの才能があるのだろう。
エルサは、里の防壁近くまで来ると、ようやくそこで足を止めた。
「なんて大きさなの!」
里の入口から少し先に行った場所で、全てを薙ぎ倒すように暴れ狂っているハンドレッドセンティピードの巨体を目の当たりにして驚愕した。
注意すべき魔獣として昔から特徴を聞いていたが、話で聞くのと実際に己の目で見るのとではあまりにも違いがあった。
里の中で暴れまわっているハンドレッドセンティピードは、少なくとも四〇メートルは有りそうだった。
その黒く光る巨体を真っ赤な足で器用に支えながら、応戦するダークエルフの戦士たちの攻撃を躱したり、攻撃魔法が当たるのもお構いなしに体当たりを繰り返していた。
里の木々は倒れ、火魔法が引火したのか、いたるところから火の手が上がっている。
「た、確か火魔法が効果的なのよね。でも……」
その凶悪な魔獣の弱点を思い出すも、火魔法をあまり派手に撃ちすぎても延焼の恐れがあるため、エルサは逡巡した。
実際、その火魔法のせいで戦闘区域の家々や木々は、燃え盛っていた。
「サンダーレイン!」
「今だー、今のうちに足の数を減らすんだあああー!」
遠くの方からアメリアが電撃魔法を放ち、その効果で麻痺して硬直したのを確認したベルンハルトは、攻撃の指示を飛ばしていた。
その声がエルサの耳にも聞こえてきた。
「ママ! パパ!」
エルサは、二人の無事を確認して嬉しくなった。
エルサも何かしなくてはと思ったが、ハンドレッドセンティピードにダークエルフの戦士たちが群がっているのを見て止めた。
ただ、ダークエルフは、近接戦闘が得意ではない。
更に動きを止めるために不慣れな剣を持ち、足を狙って切り込むも、固い外皮に阻まれほとんどの戦士が苦労しているように見えた。
「ああ、危ない!」
電撃魔法の痺れ効果が解け、足元に群がる戦士たちを鬱陶しそうにハンドレッドセンティピードが反撃を開始した。
ある者は鋭利なその足で踏み抜かれ、ある者は鋭い牙の餌食になった。
噛みつかれたダークエルフはそのまま噛み砕かれ、グシャモキャっと食べられてしまった。
そのあまりの悲惨な光景にエルサは、目を瞑った。
そのあとも激しい攻防が続いたが、一向にその巨体が倒れる気配はなかった。
むしろ、ダークエルフたちの魔力が尽き、応戦できなくなっていく。
エルサを追って里に向かっていたカロリーナも、いつの間にその戦線に加わっていた。
本来、エルサを連れ戻す予定だったが、木の上で見守るようにしていたため、エルサよりも目の前の惨状を打開すべく、そうカロリーナは、決断したようだ。
無情にも一人増えた位で戦局を左右するには及ばなかった。
「ああ、どうしよー」
エルサは眼下に広がる惨状を見ながらも木の上で慌てふためく。
どうしようも何もエルサにできることは何もない。
それでも、両親や里の者のことが気がかりで、ずっとその場から動けずにいた。
ハンドレッドセンティピードが思い切り暴れるものだから、倒れた木々や倒壊した建物の下敷きになってしまった者たちの救助が思うように進まず、ダークエルフの戦士たちも逃げるに逃げれないのであった。
そして、悲劇が起きた。
前衛の兵士が減ってしまったせいで、魔法の準備をしているアメリアが無防備となり、その殺戮魔獣は呪文詠唱をしているアメリアを視界に捉え、次の攻撃目標に定め前進しはじめた。
「アメリアあああー!」
その行動に気が付いたベルンハルトであったが、距離が離れていたせいで間に合わなかった。
そして、詠唱に集中していたアメリアも反応が遅れ、回避行動を取ることさえできなった。
ハンドレッドセンティピードの体当たりをまともに受けたアメリアは、数十メートル吹き飛ばされ、地面に叩きつけられるように数度バウンドし、ピクリとも動かなくなった。
「ママあああー!」
それを目の当たりにしたエルサが、アメリアの元へ急ぐ。
「おい! しかっりしろっ、アメリア!」
エルサがアメリアの元にたどり着いたときには、ベルンハルトがアメリアを抱え込み必死に名を呼んでいたが、反応が無いようだった。
アメリアの四肢は、有り得ない方向に折れ曲がっており、口から吐血していた。
青みを帯びた白銀の瞳には、生気がなくうつろ気だった。
その姿を見てエルサは茫然としながらもアメリアを呼んだ。
「ま、ママ……?」
「なっ、エルサ! 何でお前がここにいるんだ!」
そのエルサの呟きとも取れる小さな声に気付いたベルンハルトが叫ぶ。
その余りの形相にエルサはたじろいでしまう。
「ああー、くそ! どうして来たんだ!」
いつも優しく快活に笑う父の姿はそこにはなかった。
エルサは、はじめて見るベルンハルトの様子に怖くなり、今の状況を完全に忘れてしまっていた。
「エルサっ、そっちはだめだ!」
ベルンハルトの制止の言葉を無視し、エルサはその場から走り去ろうとした。
が、
ハンドレッドセンティピードが美味しそうな子供を見逃す訳もなく、エルサの方へ向かう。
ハンドレッドセンティピードが数メートに迫ってようやくその存在に気が付いたエルサだったが、遅かった。
何者かに覆い被さられたと思ったら、その直ぐあとに衝撃がエルサを襲い、彼女はそのまま意識を失ってしまった。
すると、数人の男たちが大声で叫びながら走ってきた。
「おーい、引き返すんだ!」
「おいおい、そんなに息を切らしてどうしたのよ!」
カロリーナがその様子を訝しんだ。
「魔獣たちが襲ってきたんだ!」
「何! それは本当なの、イルツンク!」
魔獣たちが襲ってきたという話を聞いて、子供たちも騒然となった。
「ああ、それで俺たちは子供たちを避難させるためにやって来たんだ」
「避難ってそんなに数がいるの? 魔獣といってもフォレストウルフやオークぐらいなら里の戦士たちだけで問題ないでしょ」
魔獣が里を襲ってくることは、日常茶飯事でそれほど珍しくもない。
そのため、かなり慌てた様子のイルツンクに、カロリーナは念押しして確かめずにはいられなかった。
「ち、違うんだ! ウッドエルフの奴らがハンドレッドセンティピードを連れてきやがったんだよ! もう、防壁も破られて他の戦士たちが女子供を逃がす時間を稼いでいる。族長と巫女様も応戦中だ」
「ちょっ、エルサ!」
両親が戦っていると聞いたエルサはいてもたってもいられず、駆け出した。
「カロリーナ!」
「私はエルサを連れ戻してくる。イルツンクたちは子供たちを安全な場所へ!」
他の子供たちをイルツンクに託し、カロリーナは急いでエルサのあとを追う。
「エルサっ、待ちなさい!」
後ろから呼び止められる声が聞こえるが、エルサは気にせず加速する。
本来であれば、いくら加速したところでカロリーナに捕まるのは時間の問題だが、今回はそうはならなかった。
必死で叫ぶカロリーナの声はどんどん小さくなり、やがて聞こえなくなった。
両親の危機を知ったことで今のエルサは、火事場の馬鹿力のような信じられない速度で木々をすり抜けるように駆けていた。
藪の葉や小枝が当たり、エルサの褐色の腕や足に小さな傷ができ、血が滲んでいたが、そんなの構いなしだった。
「パパ、ママ……無事でいて、お願い!」
エルサがその場所に駆け付けたからと言って何かをできる訳では無い。
ハンドレッドセンティピード――ジェネラル級の人型魔獣と同じく伝説級魔獣に分類される昆虫型魔獣で、見た目は数百本の手足が生えた全長二、三〇メートルほどの巨大なムカデ。
普段は大人しいのだが、興奮状態になると狂暴さが増す。
雑食であるが動物の肉を好むため、マンイーターに次ぐ凶悪な魔獣とされている。
その魔獣が里で暴れていると聞き、エルサは両親の安否が心配でたまらなくなったのだ。
エルサは、感情のままに先を急ぐ。
里に近付くに連れ、悲鳴や怒号といいた戦闘音がエルサの耳にも届いた。
「もう少し……」
するとエルサは、木に登りはじめた。
二〇メートルほど登ると、そのまま隣の木へと飛び移り、里の方へと接近する。
エルサは、気が急っている割に今日教わったばかりのことを実践しようとしていた。
先ずは、高いところから敵を観察し、すきを窺う。
子供なのに無意識に最善の行動を取れるのは、やはり期待されるだけの才能があるのだろう。
エルサは、里の防壁近くまで来ると、ようやくそこで足を止めた。
「なんて大きさなの!」
里の入口から少し先に行った場所で、全てを薙ぎ倒すように暴れ狂っているハンドレッドセンティピードの巨体を目の当たりにして驚愕した。
注意すべき魔獣として昔から特徴を聞いていたが、話で聞くのと実際に己の目で見るのとではあまりにも違いがあった。
里の中で暴れまわっているハンドレッドセンティピードは、少なくとも四〇メートルは有りそうだった。
その黒く光る巨体を真っ赤な足で器用に支えながら、応戦するダークエルフの戦士たちの攻撃を躱したり、攻撃魔法が当たるのもお構いなしに体当たりを繰り返していた。
里の木々は倒れ、火魔法が引火したのか、いたるところから火の手が上がっている。
「た、確か火魔法が効果的なのよね。でも……」
その凶悪な魔獣の弱点を思い出すも、火魔法をあまり派手に撃ちすぎても延焼の恐れがあるため、エルサは逡巡した。
実際、その火魔法のせいで戦闘区域の家々や木々は、燃え盛っていた。
「サンダーレイン!」
「今だー、今のうちに足の数を減らすんだあああー!」
遠くの方からアメリアが電撃魔法を放ち、その効果で麻痺して硬直したのを確認したベルンハルトは、攻撃の指示を飛ばしていた。
その声がエルサの耳にも聞こえてきた。
「ママ! パパ!」
エルサは、二人の無事を確認して嬉しくなった。
エルサも何かしなくてはと思ったが、ハンドレッドセンティピードにダークエルフの戦士たちが群がっているのを見て止めた。
ただ、ダークエルフは、近接戦闘が得意ではない。
更に動きを止めるために不慣れな剣を持ち、足を狙って切り込むも、固い外皮に阻まれほとんどの戦士が苦労しているように見えた。
「ああ、危ない!」
電撃魔法の痺れ効果が解け、足元に群がる戦士たちを鬱陶しそうにハンドレッドセンティピードが反撃を開始した。
ある者は鋭利なその足で踏み抜かれ、ある者は鋭い牙の餌食になった。
噛みつかれたダークエルフはそのまま噛み砕かれ、グシャモキャっと食べられてしまった。
そのあまりの悲惨な光景にエルサは、目を瞑った。
そのあとも激しい攻防が続いたが、一向にその巨体が倒れる気配はなかった。
むしろ、ダークエルフたちの魔力が尽き、応戦できなくなっていく。
エルサを追って里に向かっていたカロリーナも、いつの間にその戦線に加わっていた。
本来、エルサを連れ戻す予定だったが、木の上で見守るようにしていたため、エルサよりも目の前の惨状を打開すべく、そうカロリーナは、決断したようだ。
無情にも一人増えた位で戦局を左右するには及ばなかった。
「ああ、どうしよー」
エルサは眼下に広がる惨状を見ながらも木の上で慌てふためく。
どうしようも何もエルサにできることは何もない。
それでも、両親や里の者のことが気がかりで、ずっとその場から動けずにいた。
ハンドレッドセンティピードが思い切り暴れるものだから、倒れた木々や倒壊した建物の下敷きになってしまった者たちの救助が思うように進まず、ダークエルフの戦士たちも逃げるに逃げれないのであった。
そして、悲劇が起きた。
前衛の兵士が減ってしまったせいで、魔法の準備をしているアメリアが無防備となり、その殺戮魔獣は呪文詠唱をしているアメリアを視界に捉え、次の攻撃目標に定め前進しはじめた。
「アメリアあああー!」
その行動に気が付いたベルンハルトであったが、距離が離れていたせいで間に合わなかった。
そして、詠唱に集中していたアメリアも反応が遅れ、回避行動を取ることさえできなった。
ハンドレッドセンティピードの体当たりをまともに受けたアメリアは、数十メートル吹き飛ばされ、地面に叩きつけられるように数度バウンドし、ピクリとも動かなくなった。
「ママあああー!」
それを目の当たりにしたエルサが、アメリアの元へ急ぐ。
「おい! しかっりしろっ、アメリア!」
エルサがアメリアの元にたどり着いたときには、ベルンハルトがアメリアを抱え込み必死に名を呼んでいたが、反応が無いようだった。
アメリアの四肢は、有り得ない方向に折れ曲がっており、口から吐血していた。
青みを帯びた白銀の瞳には、生気がなくうつろ気だった。
その姿を見てエルサは茫然としながらもアメリアを呼んだ。
「ま、ママ……?」
「なっ、エルサ! 何でお前がここにいるんだ!」
そのエルサの呟きとも取れる小さな声に気付いたベルンハルトが叫ぶ。
その余りの形相にエルサはたじろいでしまう。
「ああー、くそ! どうして来たんだ!」
いつも優しく快活に笑う父の姿はそこにはなかった。
エルサは、はじめて見るベルンハルトの様子に怖くなり、今の状況を完全に忘れてしまっていた。
「エルサっ、そっちはだめだ!」
ベルンハルトの制止の言葉を無視し、エルサはその場から走り去ろうとした。
が、
ハンドレッドセンティピードが美味しそうな子供を見逃す訳もなく、エルサの方へ向かう。
ハンドレッドセンティピードが数メートに迫ってようやくその存在に気が付いたエルサだったが、遅かった。
何者かに覆い被さられたと思ったら、その直ぐあとに衝撃がエルサを襲い、彼女はそのまま意識を失ってしまった。
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