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第二章 遭遇【精霊の樹海編】

第13話 危機一髪

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 エルサのファイアストームで黒焦げになったゴブリンソルジャーの死骸を越えたあたりで、ゴブリンジェネラルは、コウヘイたちの様子を窺うようにその歩みを止めた。

 ゴブリンジェネラルの手には、引きずるほどの大きな斧があった。
 未だ太々しい笑みを浮かべているが、強者の余裕といった感じだろう。

 必ず勝てるというほどの自信はないが、先ほどコウヘイが抱いた不安は、見事エルサのおかげで解消されていた――――

 エルサとイルマが、ジッと見ていることに気付き、僕はそちらを向く。

「エルサ、ありがとう。イルマも……ごめん」

 エルサのおかげで正気に戻ることができた。
 エルサは、僕の変化に気付きニコリと微笑みを浮かべた。
 イルマは、ただただ困惑気味だった。

「良いのじゃ。それよりも、ほれ。態々待ってくれているようじゃぞ」

 イルマに言われ、再びゴブリンジェネラルへ向き直った。

 すると、イルマが拘束魔法の詠唱を開始した。

「全てを照らす光の精霊よ。その神聖にして厳かな光を具現化し――」

 二人を信じて僕は、身体強化の魔法を唱える。

「パワーブースト、プロテクション、アクセラレータ!」

 言下、ゴブリンジェネラルへと突撃を開始した。

 そして、イルマの詠唱が完成する。

「そこな不届き者を拘束するのじゃ。フィジカルリストレイン!」

 僕の後ろから、激しい光が押し寄せ、ゴブリンジェネラルを包み込んだ。

 そのゴブリンジェネラルは、一瞬、目を覆うような仕草をしようとして、不敵な笑みから驚愕の表情へと変化させた。

「これで動きを封じたぞ。そのまま殴るのじゃ」

 イルマの声に、チラリと振り向くと、両腕を前に突き出していた。
 その両腕も同じく輝いていた。

 これがさっき言っていた拘束魔法か。

 ゴブリンジェネラルの身体は、後光がさしたように神々しく光り輝いていた。
 指一本動かせないのだろう。
 狼狽えるように忙しくなく眼球を動かし、状況把握を試みようとしていた。

「それじゃあ、遠慮なくっ」

 僕は、身体強化した状態で、思いっきりメイスをゴブリンジェネラルの横っ腹に叩き込む。

「いってー!」

 パワーブーストとプロテクションを掛けているはずなのに、手が痺れるほどの衝撃を受けた。
 鉄の鎧を着こんでおり、生身の部分が少ないため仕方なく鎧ごと殴ったけど、もしかしたらゴブリンジェネラルも身体強化をしているのかもしれない。

 魔獣は、上位種であればあるほど色々な魔法を使用する。
 だから、ゴブリンジェネラルもそうに違いないと思った。

 顔を狙いたいけど、身の丈が三メートル以上もあるため、ギリギリのところでメイスが届かない。
 ジャンプすれば届くけど、もっと効率の良い方法がある。

「エルサっ、魔法で顔を狙って! 僕は腕や足を集中的に攻撃する」
「わかった!」

 エルサのファイアボルトやらウィンドカッターが、ゴブリンジェネラルの顔に殺到する。

 それを受けて呻き声をあげるゴブリンジェネラル。

「これは時間の問題かな」

 ひたすらタコ殴りにするという地味な戦闘? が五分ほど続き、痛みに苦しむ咆哮にも似た叫び声が広間に響いた。

 すると……

「おいおい、マジかよ……」

 何かが弾けるような音がして、ゴブリンジェネラルを包んでいた光が霧散した。

「何! 破っただとっ」
「えっ、これって有効時間あるの! うわあっ」

 ゴブリンジェネラルが、右手の斧を振り下ろし、攻撃してきた。
 それを必死に飛び退き、躱す。

「いやっ、わしの魔力が続く限り解けないはずじゃっ!」

 どうやら、拘束魔法を力ずくで破ったようだった。

 イルマが再び詠唱を開始して、

「フィジカルリストレイン!」

 拘束魔法を発動するも、

「なっ、レジストしたじゃと!」

 ゴブリンジェネラルを同じく光が包み込むも、その光は集束したのちに、霧散してしまった。

「くそっ、仕方ない!」

 それからは殴り合いの応酬だった。

 斧攻撃をラウンドシールドで芯をずらして受け、相手の体勢を崩し、ちまちまメイスで殴り続ける。
 時折蹴り攻撃をしてくるので、それに注意をしながら。

 エルサの魔法攻撃が上手い具合に集中力を乱しており、ゴブリンジェネラルは、時折、鬱陶しそうにしていた。

 ゴブリンジェネラルの本音としては、エルサを先に倒したいのだろう。
 先ほどから、視線が僕ではなく、後方へ向けられ、そちらへ向かおうとしていた。

 が、僕がそれをさせない。

 先ほどまで、ゴブリンジェネラルにビビっていた僕は、バカみたいだった。

 ゴブリンジェネラルの攻撃は、今まで出会た魔獣より素早く重かった。
 でも、避けられない速度でも、耐えられない強さではなかった。

 ミスリルランク魔獣といえども、あの中級魔族の攻撃からしたら全然だった。

「いける、これならいけるぞっ」

 どちらが先に力尽きるかのギリギリの戦いなのは間違いなかった。
 それでも、負ける気はしなかった。

 そう思った矢先――

「な、何だ!」

 ガクッと身体が重くなるのを感じた。
 どうやら、僕の魔力が切れたようだった。

「くそっ、こんなときに!」

 拘束魔法が効かなくなり、身体強化魔法の付与をイルマにしてもらっていたけど、沼にはまったように、身体の動きが鈍くなったのを感じた。
 もしかしたら、僕自身の身体強化魔法の方が効果が良かったのかもしれない。

「あと、もう少しだというのに」

 ゴブリンジェネラルとの戦闘は、三〇分ほど続いていた。

 鉄の鎧は、いたるところをべこべこにその形を変形させ、鎧の体を成しておらず、当のゴブリンジェネラルは、大きく肩で息をしている。

「エルサっ、攻撃魔法は良いから僕に身体強化の魔法をかけてくれ!」

 どれくらい効果があるかわからないけど、今はこの身体の動きの差が、色々と命取りになる。

 攻撃が当たるか当たらないかのギリギリの戦闘の中で、それは重要だった。

 が、

「ごめーん、わたしもほとんど残ってない。マジックポーションも使い切った」

 エルサが無情な事実を伝えてくる。

「じゃ、じゃあ回復に努めてくれ!」

 今は、エルサの魔力が回復するのを待つしかない。
 トラウマのせいで、イルマから魔力を吸収しなかったことが仇となった。

 たかが魔獣調査と、高を括っていたツケがでてしまった。

「おっと、危ない危ない」

 寸でのところで、頭上から振り下ろされた斧を躱す。

 空を切った斧が地面を抉るように割った衝撃で、地面の欠片が飛び跳ねる。

 ゴブリンジェネラルは、僕の動きが鈍重になったことに気付いたのか、ここぞとばかりに、斧を振るう手を激しくさせてきた。

 イルマも苦手といいつつも、マジックアロー等の魔法で支援してくれている。
 しかし、有効打にはなっていない。

 僕のスキルはかなり有能だけど、戦闘中に回復する手段が少なすぎる。

 今からでもイルマの魔力を吸収しに行くか?
 いや、ゴブリンジェネラルが待ってはくれないだろう。

 頭の中で必死に模索しながら、ゴブリンジェネラルと打ち合いを続ける。

 すると、

「コウヘイ! 奥から何かくる!」
「えっ」

 休んでいたエルサが声をあげて、僕たちが来た入口と反対側の通路を指差した。

「おいおい、こんなことってあっていいの?」

 そこから現れた魔獣を目にして、驚いた。

「最高じゃないか!」

 嬉しさのあまり、僕はそう叫んだ。

 他の冒険者からしたら、新手の出現は最悪なことだろう。
 しかし、そこから現れたのは、存在を疑っていたゴブリンシャーマンだった。

 寝坊助にもほどがあるけど、僕からしたら本当に最高のタイミングだった。

 ゴブリンシャーマンは、僕たちの姿を確認し早速魔法詠唱を開始した。
 ゴブリンジェネラルも勝ち誇った顔をしていた。

 これから起きる悲劇を理解できずに――

 ゴブリンシャーマンのファイアボルトがエルサたちへ襲い掛かる。

「そっちじゃない、っよ」

 僕は、大気中の魔力から吸収した微かな魔力を振り絞り、脚だけにアクセラレータを行使し、素早くそのファイアボルトに身を投げた。

 ゴブリンシャーマンは、その様子に呆気に取られていた。
 それでも、僕が無傷なことに気付き、直ぐにファイアボルトを撃ってきた。

「あは、あははは。良いぞーもっと、もっとだー」

 半ば狂ったように僕はそう叫び、ファイアボルトを吸収する。

 僕に魔法が効いていないのに、学習能力がないのか一〇発ほど撃ち続けて、ようやく魔法攻撃が止んだ。

 ゴブリンシャーマンが何やら鳴き、逃げるように身を翻したので、

「何だ、もう終わりか。ならっ、サンダーボルト!」

 大気を割くような轟音を轟かせ、目にも止まらぬ速さのサンダーボルトを受けたゴブリンシャーマンは、電撃に焼かれ、そのまま物言わぬ屍となった。

「あっ、良いこと思いついた」

 ゴブリンシャーマンが感電する様を見て、武器に魔法の効果を及ぼせないかと考えた。

 定着に魔法石が必要だけど、魔法効果を付与したマジックアイテムがあるんだ。

 それに、身体強化魔法のプロテクションが鎧にも効果を及ぼすことから、攻撃魔法で同じことができたっておかしくない。

 だから、電撃魔法をメイスにエンチャントできるのでは? と考えたのだ。

「何で今まで思いつかなかったんだろう」

 それからは、今までの苦労が何だったのかと呆れるほに簡単だった。

 電撃魔法をエンチャントしたメイスで殴るだけで、面白いようにゴブリンジェネラルが鳴き叫び、次第に身体から煙を出し、どうっと倒れたのだった。

 近付いて足の裏で揺さぶったけど、うんともすんとも言わなかった。

「あっ」

 ゴブリンジェネラルが死んだのを確認した途端、僕は、そのまま糸が切れたように崩れた。

「なんじゃ、うおぉ……」

 近くに来ていたイルマが慌てて支えてくれようとしたけど、体格差のせいで一緒に倒れ込んでしまった。

「ご、ごめん、暫くこのままで」

 はからずも膝枕をする姿で――

「あーイルマずるいー」
「何がずるいんじゃ、何なら代わるか?」
「えっ、良いのー?」

 それを見たエルサが、イルマと代わり膝枕をしてくれた。

 青みを帯びた銀色の双眸が、僕を覗き込んだ。

「魔力切れなら、わたしも大分回復したから……もう一回、する?」

 何を? とは聞かない。

 思わず、エルサの控えめだけど、ぽってりとした艶のある小さな唇に視線が行き、顔が熱くなるのを感じた。

 その視線に気付いたエルサは、頬を紅潮させてから顔を近付けてくる。

「だ、大丈夫。僕は魔力切れ関係ないし。ずっと戦いっぱなしで脚から力が抜けただけだから……」
「そう……」

 慌ててそう言い顔を背けた僕に、残念そうに眉根を顰めたエルサは、そっぽを向く。

「ああじれったいのう。そこは気にせずぶちゅーっとすればよかろうに」

 その様子を見ていたイルマがそう茶化してくるけど、僕たちは何も言わない。

「それはそうと、さっきのアレは何じゃ? まるでコウヘイが魔王のようじゃったぞ」
「あ、あれは……」

 ゴブリンシャーマンのファイアボルトを受けていときのことだ。

 思い出しただけで恥ずかしくなり、顔が赤くなった僕は、

「し、仕方ないじゃないか。それだけ魔力が必要だったんだよ。アレは煽る意味で、べつに魔王のつもりじゃない。それに、あのおかげでゴブリンジェネラルを倒せたんだし勘弁してよ」

 と、あれでも結構必死だったと言い訳をした。

「はは、冗談じゃよ。しかし、どうやって戻ろうかのう」

 ゴブリンジェネラルを倒した後も入口は塞がれたままだった。
 そして、ゴブリンシャーマンが出てきた先へ進める唯一の道も、ゴブリンジェネラルを倒したとき塞がれてしまった。

「とりあえず、ゴブリンジェネラルとゴブリンシャーマンを回収しておいて」

 身体を動かせない僕は、そうイルマにお願いした。

 これで報告を済ませれば依頼達成だろう。

 本来の異変は、魔物の力が強まっていることだったはずだけど、ゴブリンジェネラルもその一部と考え良いのだろうか。

 エルサの太ももの柔らかい感触に頭を預けながら僕は、これからのことを考える。

 間違いなく今回の依頼達成で、アイアンランクからカッパーランクへと昇格できると思う。
 それに、ゴブリンジェネラルを倒したことが広まれば、きっとその話が葵先輩にも届くかもしれない。

 というか届いてほしい。

 平穏に過ごしながらランクを上げていくつもりだったけど、既に平穏に事を進めるのは無理な話だった。
 それに、ミスリルランクといわれるゴブリンジェネラルを倒したことで、大分自自信が付いた。

 もう、「ゼロの騎士」なんて誰にも言わせない!

 僕がそう決心し、イルマが倒した魔獣の回収を終えて僕の元へ近付いてきた、そのときだった。

 辺りを眩い光が支配し、思わず僕は目を覆った。

「な、何だ?」
「コウヘイ、落ち着くのじゃ。地面を見てみよ」

 突然のことにも拘わらず、イルマは平然としていた。

 身を起こした僕は、言われるがまま地面を見た。

「ま、魔法陣?」

 広間全体を覆うように直系三〇メートルほどの金色に輝く魔法陣が光り輝いていた。

「うむ、これは転移魔法陣じゃな」
「何だって!」

 それを聞いた僕は狼狽えた。
 一方、イルマは落ち着いており、僕とエルサの手を握ってきた。

「どこに飛ばされるかはわからぬ。じゃが、こうしていれば一緒にいられるはずじゃ」
「そ、それより、何でそんなに――」

 何でそんない落ち着いていられるのさ、と言おうとして言えなかった。

 ――――転移魔法陣により、三人はその広間から姿を消した。

 金色に輝く魔法陣が消えると、出入り口を塞いでいた壁は消え、その広間には、コウヘイたちの代わりにゴブリンシャーマンとゴブリンたちが姿を現した。

 そして、耳障りで下品な鳴き声が、その広間に響き渡るのだった。
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