狩野岑信 元禄二刀流絵巻

仁獅寺永雪

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第82章 紀州の蜜柑

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 甲府藩主・松平綱豊を将軍世嗣として擁立する。大勢はその様に決したが、正式発表は大地震の発生により延期となっている。
 そして、元禄十七年(一七〇四年)の三月に改元が行われ、宝永時代が幕を開けた。いよいよ機は熟したと思えるわけだが、まだ抵抗勢力が残っていた。たったひとつ。しかし、これが大物であった。

 初代将軍・徳川家康は、将軍家、尾張家、紀伊家を御三家と定めた。それが三代家光のとき、将軍家は別格として外され、代わりに水戸家が入った。通常、御三家は政に関与しない決まりだが、将軍継嗣については、徳川宗家の当主を決めることでもあり、彼等の意向を無視することは出来ない。

 まず水戸家。この家は元々紀伊家の分家で最初から将軍を出す資格がない。キングメーカーに徹する家であり、圧倒的なカリスマ性を持つ先代の黄門光圀が熱心な綱豊支持者であったため、今もその路線に変わりはない。

 一方、尾張家は自ら将軍職を狙える。意欲も満々。家康の定めた家督相続のルールによれば、将軍家に嗣子なきときは尾張、紀伊が継ぐとされ、順番もまず尾張、次いで紀伊なのである。ただ、尾張家では壮年の当主を亡くしたばかり。新藩主は少年に過ぎず、今回は諦めざるを得ない。そうなると、他の候補を推すことになるわけだが、尾張が紀伊の下風に立つことをよしとするわけはなく、よって、消極的ではあるが、綱豊支持に回っている。

 残るは紀伊家である。

 紀州藩第三代藩主・徳川綱教は働き盛りの四十歳。文武に秀でた好人物。その上、彼には決定的に有利な点があった。当代の将軍たる徳川綱吉の愛娘・鶴姫を正室としているのだ。

 四代家綱が子のないまま没した際、本来であれば、そこで尾張か紀伊に移ってもよかった。しかし、弟という近親者がある以上、その者が継ぐべきとの主張が大勢を占め、綱吉は五代将軍になれた。

 綱吉自身がその理屈で将軍職を継いでいる以上、綱吉は黙って綱豊を後継者とすればよい。しかし、綱吉・桂昌院の母子は過去の経緯から綱豊を嫌っている。そのことは周知の事実であったから、たとえ水戸や譜代衆の多くが綱豊を推していたとしても、紀州後継を前提に動いている者も少なくなかった。

 ところが、肝心の鶴姫が病に倒れてしまった。鶴姫は嫁いだ後も一年の半分は城内の二之丸御殿で過ごしていたが、倒れたのは赤坂の紀州藩上屋敷であった。綱吉と桂昌院は揃って半狂乱となり、全国の社寺に病気平癒の加持祈祷を命じた。無論、紀州藩も看病に全力を尽くしたが、薬石効なく、鶴姫は儚くなった。

 綱吉のショックは大きく、隠居して出家するとまで言い出す始末。それを桂昌院が泣いて止めたという。ただ、この母子の綱豊嫌いは筋金入りらしく、その後も紀州後継を諦めず、事あるごとに綱豊自らが辞退を申し出るように促した。
 しかし、今度は当の綱教自身がしばしば病臥するようになる。心身ともに疲れ果てたのであろう。定例の登城日にさえ姿を見せなくなり、紀州の目は急速にしぼんだ。ただ、期待が大きければ失望も大きい。紀州藩の内部には不穏な空気が生じていたのである。

 そして、宝永元年(一七〇四年)も秋の深まってきた頃、その日、吉之助が間部に頼まれた使者の務めを果たして浜屋敷に戻ると、正門の門番所で何やら揉めていた。

 大きな木箱を背負った若侍が門番を怒鳴りつけている。
「やい、通せ! 通さぬか。俺を誰だと心得る」
「誰なんだ?」
「聞いて驚くな。権中納言・徳川綱教が弟・主税頭頼方とは俺のことだ!」
 門番も負けてない。
「馬鹿を言え。綱教公と申さば御三家紀州藩のご当主ではないか。その弟君が供も連れず、一人でのこのこ歩いて来るか」

「おい、どうかしたのか」
「これは狩野様。不審者です。こ奴、あろうことか紀州様のご一門を騙り、お殿様に会いに来た、などと」

「殿に?」
 吉之助はさっと上から下まで若侍を見た。若竹色の着物に縞の入った藍の袴。悪くない。しかし、他家を訪れるのに羽織も着ずに・・・。

「甲府藩士・狩野吉之助と申します。ちらと耳に入りましたが、紀伊中納言様の弟君とのこと。何か証立てるものをお持ちですか」
「なに? 証拠? そうだな。おお、これを見よ」

 若侍は、ぐっと胸を張ると同時に腰を前に突き出した。大小二本の刀、どちらも黒漆の武骨な拵えだが、鍔だけが違う。精巧な彫金細工が施され、家紋が透かし彫りで入っている。まごうことなき三つ葉葵の紋所。

 年齢は二十歳そこそこか。背は高くない。しかし、引き締まった体躯に浅黒い肌。健康そのもの。高い鼻梁と、三国志の英雄・劉備玄徳を思わせる程の大きな耳。徳川一門の中で当てはまる人物と言えば確かに・・・。

「従四位下右近衛権少将兼主税頭・松平頼方様とお見受けしますが、間違いございませんか」
「端からそう言っておろうが」

 前紀州藩主・徳川光貞の四男で、現藩主・綱教の弟。すでに分家し、越前葛野藩三万石を与えられている。

「失礼いたしました。ご案内いたします」
「待て! その前にこの無礼者を・・・」

「門番に落ち度はございません。事前の連絡もなしに訪れた者を、貴人の名を出されただけですんなり通していては屋敷の安全が保てません。それとも、紀州藩のお屋敷では、そんなザルのような警備をなさっているのですか」
「む」
「それより、お背中の荷物をお持ち致しましょう」

 主税頭頼方が背を覆うほどの大きな箱を地面に下ろす。吉之助は、「失礼します」と言ってそれを肩に担いだ。
「随分重いですが、これは何でしょうか」
「紀州の蜜柑だ。昨日国元から届いた。美味いぞ。甲州殿への土産だ。渡してくれ」

 紀州藩主には弟が二人。どちらもすでに分家して大名となっているが、領地は元々紀州藩の飛び領地だったところで、管理は引き続き紀州藩が行っている。従って、弟たちは今も紀州藩上屋敷で暮らしている、はずだ。

 つまり、この箱を赤坂から背負ってきたのか。何とまあ、元気な殿様がいたものだ。

 用人・間部詮房をはじめ重役たちは揃って留守であったので、吉之助は近習頭を通して綱豊に報告。会うというので、主税頭頼方を黒書院に案内した。黒書院は主に大名が私的な会合に使う部屋である。ほどなく綱豊が現れた。客の風体も告げておいたので、綱豊も普段着のままだ。

 丸顔の綱豊が呆れて言う。
「誠に頼方殿だな。一人で来たと聞いたが」
「おお、その通り。足がある。行きたいところがあれば何処へでも行くさ。それはそうと、甲州殿、久しぶりでござる」
「うむ。そなたは相変わらず元気そうだが、大納言様は如何かな?」

 大納言様とは、頼方の父で紀州藩二代目藩主・徳川光貞のこと。水戸の光圀もすでに亡く、唯一人残っている神君家康の孫だ。豪放な気性で逸話も多い。ただ、すでに家督を嫡男の綱教に譲り、表舞台から退いて久しい。

「父上も老いた。あれは長くないな」
「その言い方はなかろう」と、綱豊が苦笑する。

「いや、父上はもう八十近い。いつ死んでも不満はあるまい。問題は兄上だ」
 そこで主税頭頼方がじりっと膝を前に進めた。吉之助は部屋の一番後ろに控えているが、頼方の背に何やら不穏な気配を感じ、いざとなれば飛び掛かれるよう、彼も少し前のめりになった。

「甲州殿。俺はまどろっこしい駆け引きは好まん。出来もせん。従って、単刀直入に訊く。我が兄に毒を盛ったのか」

 この馬鹿、何を言い出す?!

 綱豊が言葉を発する前に、後方から吉之助が吼えた。
「主税頭様、お言葉が過ぎましょう!」

 対して頼方、これもきっと振り返って怒鳴った。
「黙れ下郎! 神君の血を引く者同士の会話に割って入るとは何事か。分を弁えよ!」

 睨み合う二人を呆れた目で見る綱豊、軽くため息を吐く。
「頼方殿、こちらを向かれよ。今の物言いは感心せんぞ」
「むむっ」
「身内よりも家臣を大事にせよ、というのが神君の教えではなかったか。己が信じ用いている家臣を下郎呼ばわりする者と話など出来ぬ。一門の年長者として言う。率直と無礼は違う。勇猛と粗野も違う。気を付けられよ」

「む、これは一本取られた。俺はまだまだ未熟なのだ。お陰で父上兄上によく叱られる。おい、そこの大男。詫びる。許せ」
「ははっ」
 吉之助は謝罪を受け入れる意味を込めて平伏した。その時、上段の脇の襖がすっと開いた。側近の平松時子を従えた正室・近衛熙子の登場である。

 熙子が綱豊の横に座る。
「こちらは、中納言様ご正室・近衛熙子様でございます」
「紀伊家四男・主税頭頼方でござる」

 綱豊から説明された熙子が色をなす。
「何ですって?! 殿が紀州殿に毒を。主税頭殿、それはあなたご自身のお考えですか」
「い、いや。そ、それは・・・。し、しかし、この一年で嫂である鶴姫様が亡くなり、兄まで倒れ、今の状況は甲州殿に都合が好過ぎる。故に、我が家中では多くの者がそう考えておる。うん、そう考えても不思議はないと存ずる」

 熙子の鳳眼には、怒りよりも蔑みが見えた。
「御三家の一角を占める紀伊家が、そのような世迷言を申す家臣で溢れる愚かな家であったとは、呆れて物も言えませんね」
「な、なに!?」
「そもそも我が殿が紀州殿に毒を盛る必要などない。次の将軍は殿以外にないからです」
「そ、それはどういう・・・」

「よろしいですか。わたくしが関東に嫁ぐ際、四代将軍の家綱殿が父(関白・近衛基煕)に約束いたしました。将来必ず、わたくしの夫を将軍職に就けると。これは朝廷と幕府の約定。五代将軍を決める際は殿がまだお若かったため綱吉殿に譲りましたが、此度は違う。関東は此度こそ約束を守らねばならぬのです」

「証拠はおありか」
「ええ。実家に家綱殿自筆の文が」
 これには綱豊も顔色を変えた。
「お、お照、それは誠か。予も初耳だぞ。本当にそんなものが・・・」

「ございます。されど殿、わたくしはそんな文に頼らず、殿には、殿ご自身の手で将軍職を掴み取って欲しいのです。征夷大将軍は武士の棟梁。それくらいの気概と手腕なくして、何で帝と民を守ることが出来ましょうか」

 熙子のその言葉を聞いて、主税頭頼方は一瞬呆けたような表情になった。次いで、激しく何度も頷いた。
「偉い! まったくだ。まったくその通りだ。甲州殿。俺はな、次期将軍には我が兄・綱教こそ相応しいと思っている。上様の婿であることなど関係ない。兄自身の器量を見てそう言っている。しかし、兄は病の床にあり、恐らくもう助からん。次兄はすでに亡く、三兄が継ぐことになるだろう。頼職の兄は人はいいが、とても将軍の器ではない」

「綱教殿の病はそこまで・・・」
「残念だがな。ご正室のおっしゃる通り、将軍は武士の棟梁だ。甲州殿、あなたには覚悟があるのか。全国の武士の先頭に立ち、火の玉となって重責を全うする覚悟が」

「言われるまでもない」
 綱豊が表情を引き締めて静かにそう言うと、横の熙子も大きく頷いた。

「うぅむ、そうか。それでは仕方ない。徳川一門が将軍の座を巡って相争うなど、醜態も醜態。それこそ神君に顔向けできん。よかろう。紀州は藩を挙げて甲州を支持しよう。約束する」

 藩主の弟とは言え、彼に紀州五十五万石を代表する権限があるのか。藩内をまとめるだけの人望があるのか。甲府藩の面々には分からない。しかし、何となくそう思わせるだけの迫力が、この若者にはあった。

 そこに竜之進が小走りで来て廊下に片膝を付いた。
「申し上げます。主税頭様をお迎えするためと、紀伊家より人が参っております」

 玄関に向けて長い廊下を三人の男が歩いている。先頭は主税頭頼方、後ろに吉之助と竜之進。
「主税頭様、突き当りを左にお願いします」
「おう。ところで、大きいの。甲州殿はいい人だな」 
「は?」
「いや、面と向かって毒を盛ったのかと問うたことより、家臣のお前を下郎と怒鳴ったことを怒っていた」
「はい。誠、よいご主君であらせられます」

 吉之助と竜之進は顔を見合わせて頷く。見るべきところを見、聞くべきことを聞いている。乱暴者ではあるが、馬鹿ではないようだ。

「うむ。しかし、それ以上にあの正室が素晴らしい。いや、いい女だなぁ。やはり天子の血を引く姫は違うな。ああ、残念だ。実に残念だ。俺があと十年早く生まれておればなぁ。あの正室も、六代将軍の座も、甲州なんぞに渡しはしなかったものを。そう思わんか」

 答えようがない。吉竜両名、再度顔を見合わせた。前言撤回。こ奴はやはり馬鹿だ。事もあろうに何を言い出す。あんたは紀州の四番目だろ。たとえ十年早く生まれたとしても・・・。

 二人は知らない。この若者が、後に第五代紀州藩主を経て第八代征夷大将軍となることを。江戸幕府中興の祖として深くその名を歴史に刻み込むことを。

 玄関まで来ると、前の広場に二十人ほどが控えていた。そして、その中から枯れ木のように細い老武士が駆け寄ってきた。
「若殿!」
「おお、爺」
「おお爺ではございません。勝手な行動は慎むよう、殿も大殿もいつも・・・」
「うるさいなぁ。それより喜べ、両家のわだかまりは解けた」
「な、何ですと。ともかく、ともかく帰りましょう。さ、あちらへ。お駕籠にお乗り下され」
「駕籠? あんな窮屈なものに乗れるか。馬引け、馬!」
「馬鹿なことを。馬などおりません」
「いない? ならいい。歩く、歩いて帰る!」
「あっ、若殿、お待ちを。お待ち下され。田中、山井、追うのじゃ。決してお側を離れるな。屋敷までお守りいたせ!」

 挨拶もなくドタバタと去って行く紀伊家の一行を呆然と見送る吉之助と竜之進。
「ああぁ、行っちゃいましたね。あの年寄りは傅でしょうか。大変だ」
「はは、まったく。しかし、これで本決まりだ。いよいよだ。いよいよ殿の天下が来る」
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