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第21章 鳳眼の賢女
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近衛熙子。字面がすでに詩的である。彼女は後に、天上の英知と呼ぶに相応しい、大きな決断を下すことで歴史に名を残すことになる。
その熙子が上段之間に姿を現したとき、吉之助の目には、何やら人の形をした白い光が入ってきたように見えた。光の具合もあろうが、彼女が茶屋染めの帷子(夏用の白地の麻の着物)を着ていたからだろう。最高級の麻はしなやかで光沢に富む。よく見れば、藍染で大きな朝顔がいくつも入っている。
そして、提帯に腰巻用の小袖。提帯に小袖を掛けて腰に巻く着方は、上流婦人の夏の正装である。これは見ようによっては、腰の少し上から翼が生えているようにも見える。茶色地の小袖には金糸銀糸でびっしりと細かな文様が刺繍されているから、黄金の翼と言うべきか。
彼女が松平綱豊の正室となるために江戸に来たのは延宝七年(一六七九年)。すでに十八年経っている。三十路をとうに過ぎているはずだが、その容色に衰えはない。豪華な装いがピタリとはまり、正に画に描いたようである。
熙子は、すっと夫の横に座った。気付けば、家臣一同すでに平伏している。吉之助はつい絵師としての目で観察してしまい、頭を下げるのが遅れた。慌てて額を畳に付けた。
「お照、如何した?」と綱豊。
「はい。時子から、殿が将軍家に代わって鶴御成を催すことになったと伺いました。何という名誉でしょう。嬉しくて、つい出て来てしまいました。どうぞ、お話を続けて下さいませ」
「名誉? そう思うか」
「勿論です。皆、面を上げなさい。話を続けるのです」
熙子は、綱豊より五寸(約十五センチメートル)ほど背が低いようだが、勝山髷と呼ばれる立体的で優美な髪形にしているため、二人のバランスは至極よい。
絵師が貴人の肖像画を描く場合、美点は三割増し、欠点は三割減くらいに表現するのが相場だ。しかし、熙子にそんな気遣いは必要ない。見たまま写し取れば、それがそのまま完璧な美となるだろう。
ただ、普通の美人顔と異なる点がひとつある。目である。熙子の目は、所謂、鳳眼であった。
鳳眼とは、伝説の霊鳥・鳳凰の目の如く、目尻がこめかみ辺りまで伸びた切れ長の目のことをいう。貴人の相の一特徴とされる。ただ、きつい印象になることもあって、特に女性の場合、本人が気に病んでいることもあるが、熙子にその心配はないようだ。天空を飛翔する鳳凰の如く、両の目を輝かせ、堂々と皆を見下ろしている。
「何ですって、仮病で引き籠る? 誰ですか、そのような愚かなことを殿に吹き込んだのは。間部、そなたか」
「い、いえ。決して・・・」
間部があまりに勢いよく平伏するものだから、その後方に控える吉之助も思わず頭を下げた。竜之進も同様だ。
そこで、「御前様。それがしでござる」と、新井白石が胸を張って名乗り出た。
「白石殿か。博識なそなたとも思えぬ愚策。諸国遊歴から戻ったばかりで、疲れているのでしょう」
「左様なことはございません。御前様、どうか私の存念をお聞き下さい」
「いいでしょう」
白石は、鶴御成をすることで綱豊が被る不利益を熙子に縷々説明した。しかし、熙子は、納得するどころか、さらに不機嫌さを増したように見えた。
「つまり、血の穢れを避けるため、ということですか。何かと思えば、馬鹿らしい」
「お、お照、な、何と?」
狼狽える綱豊に構わず、熙子は続ける。
「試みに尋ねます。白石殿、そなたは、綱吉殿の穢れ嫌いについて、どう思っているのですか」
「少々行き過ぎの感はありますが、方向性は正しいと存じます。武断政治から文治政治への切り替えは時代の流れ。それを確かなものにするため、東照大権現を祖とする将軍家は、諸大名とは別格の神聖な存在であると世の人々に認識させなければなりません」
「では、将軍は、城中でどのような祭祀を行っているのですか」
「祭祀、でございますか。確か、公方様は毎朝、城中の仏殿にて歴代将軍の御霊に拝礼を・・・」
「それはただの先祖供養に過ぎぬ。祭祀とは、帝が宮中でなさっている如く、この国とこの国に暮らす全ての民のために神々に祈るもの。全くもって他者のための祈りです。故に尊い。その尊い祈りを神々にお聞き届けいただけるよう、帝は常にご身辺を清浄に保っておられるのです。祭祀もしないのに穢れを厭うなど、聞いて呆れる」
「し、しかし・・・」
「それとも何か。綱吉殿は、いずれ将軍職を辞し、自ら天子たらんとでも考えているのか」
「ま、まさか。お照、それはない。絶対にない!」と、綱豊が珍しく大きな声を出した。
「ふふ、そうだとよいのですが」
「議論の余地はない。そもそも東照神君が将軍職を望んだは、私利私欲にあらず。徳川の力をもって太平を確固たるものとし、宸襟を安んじ奉るためである。神君のそのお志は、我ら子孫にとって絶対の法である。そこは譲れぬ」
「よくぞ申されました。さすが我が夫。されど、昨今の将軍家には、様々、不安を感じざるを得ません。畏き辺りもご同様かと。鶴の献上を再びお求めになったのも、それ故のことでございましょう」
近衛家は、平安時代以来、貴族社会の頂点を占める藤原北家の嫡流であり、五摂家の筆頭である。熙子は、関白・近衛基煕の長女として生まれた。しかし、それだけではない。祖父の近衛信尋は元々後陽成天皇の皇子であり、母は後水尾天皇の皇女であった。つまり、父系母系ともに天皇の血を引く特別な姫君なのだ。
幼い頃、彼女は祖父である後水尾上皇とその后・東福門院和子(二代将軍秀忠の娘)、さらに伯母にあたる明正天皇に愛され、宮中にも頻繁に出入りしていた。熙子の美しさと聡明さを天照大神に例え、「照姫」と最初に呼んだのは、この方々である。
熙子は、どこからどう見ても完璧な公卿の姫だが、それは彼女の演技によるところが大きい。内に秘める無限の好奇心と冒険心、それこそが、彼女の本質であった。
熙子が十三歳のとき、幕府から将軍の甥の正室にと望まれた。その際、両親は勿論、朝廷全体が反対した。未来の国母たる姫を関東にやるなど言語道断、と。そんな中、唯一人、異なる考えを持つ者がいた。当の熙子である。
聞けば、実子のない将軍(四代家綱)は、自分の夫になるその甥を後継者と決めているらしい。無論、自分なら光明皇后をも超える最高の皇后になるだろう。しかし、今の時代、将軍の御台所になった方が、天下万民のため、役に立てるに違いない。何より、面白そうだ。東夷が作りし江戸の町とは、どのような所であろうか。
根っからのお転婆姫なのだ。それから約二十年、彼女の本質は何ら変わっていない。
熙子が、さらに話を続ける。
「かつて、綱吉殿と同じように、武を厭い、鷹狩を禁止した将軍がいました。鎌倉幕府第三代将軍・源実朝です。しかし、実朝はそれにより御家人たちの信を失い、源氏将軍は三代で絶えた。その例から、徳川将軍も五代で終わりではないか。朝廷はそれを案じているのです。徳川が武家の棟梁たる責務を果たせぬなら、次の者を探さねばならぬ。斬れぬ刀は要りません。猟をせぬ犬も要らぬ。そう思いませんか」
熙子の威に打たれ、皆が一斉に平伏。何と大それたことを。吉之助は、あまりのことに一瞬呆然とし、またも遅れた。
しまった、と思ったところで、上段から見下ろす熙子と目が合った。強い光を放つ両の鳳眼に見据えられ、慌てて額を畳にこすり付けた。
その熙子が上段之間に姿を現したとき、吉之助の目には、何やら人の形をした白い光が入ってきたように見えた。光の具合もあろうが、彼女が茶屋染めの帷子(夏用の白地の麻の着物)を着ていたからだろう。最高級の麻はしなやかで光沢に富む。よく見れば、藍染で大きな朝顔がいくつも入っている。
そして、提帯に腰巻用の小袖。提帯に小袖を掛けて腰に巻く着方は、上流婦人の夏の正装である。これは見ようによっては、腰の少し上から翼が生えているようにも見える。茶色地の小袖には金糸銀糸でびっしりと細かな文様が刺繍されているから、黄金の翼と言うべきか。
彼女が松平綱豊の正室となるために江戸に来たのは延宝七年(一六七九年)。すでに十八年経っている。三十路をとうに過ぎているはずだが、その容色に衰えはない。豪華な装いがピタリとはまり、正に画に描いたようである。
熙子は、すっと夫の横に座った。気付けば、家臣一同すでに平伏している。吉之助はつい絵師としての目で観察してしまい、頭を下げるのが遅れた。慌てて額を畳に付けた。
「お照、如何した?」と綱豊。
「はい。時子から、殿が将軍家に代わって鶴御成を催すことになったと伺いました。何という名誉でしょう。嬉しくて、つい出て来てしまいました。どうぞ、お話を続けて下さいませ」
「名誉? そう思うか」
「勿論です。皆、面を上げなさい。話を続けるのです」
熙子は、綱豊より五寸(約十五センチメートル)ほど背が低いようだが、勝山髷と呼ばれる立体的で優美な髪形にしているため、二人のバランスは至極よい。
絵師が貴人の肖像画を描く場合、美点は三割増し、欠点は三割減くらいに表現するのが相場だ。しかし、熙子にそんな気遣いは必要ない。見たまま写し取れば、それがそのまま完璧な美となるだろう。
ただ、普通の美人顔と異なる点がひとつある。目である。熙子の目は、所謂、鳳眼であった。
鳳眼とは、伝説の霊鳥・鳳凰の目の如く、目尻がこめかみ辺りまで伸びた切れ長の目のことをいう。貴人の相の一特徴とされる。ただ、きつい印象になることもあって、特に女性の場合、本人が気に病んでいることもあるが、熙子にその心配はないようだ。天空を飛翔する鳳凰の如く、両の目を輝かせ、堂々と皆を見下ろしている。
「何ですって、仮病で引き籠る? 誰ですか、そのような愚かなことを殿に吹き込んだのは。間部、そなたか」
「い、いえ。決して・・・」
間部があまりに勢いよく平伏するものだから、その後方に控える吉之助も思わず頭を下げた。竜之進も同様だ。
そこで、「御前様。それがしでござる」と、新井白石が胸を張って名乗り出た。
「白石殿か。博識なそなたとも思えぬ愚策。諸国遊歴から戻ったばかりで、疲れているのでしょう」
「左様なことはございません。御前様、どうか私の存念をお聞き下さい」
「いいでしょう」
白石は、鶴御成をすることで綱豊が被る不利益を熙子に縷々説明した。しかし、熙子は、納得するどころか、さらに不機嫌さを増したように見えた。
「つまり、血の穢れを避けるため、ということですか。何かと思えば、馬鹿らしい」
「お、お照、な、何と?」
狼狽える綱豊に構わず、熙子は続ける。
「試みに尋ねます。白石殿、そなたは、綱吉殿の穢れ嫌いについて、どう思っているのですか」
「少々行き過ぎの感はありますが、方向性は正しいと存じます。武断政治から文治政治への切り替えは時代の流れ。それを確かなものにするため、東照大権現を祖とする将軍家は、諸大名とは別格の神聖な存在であると世の人々に認識させなければなりません」
「では、将軍は、城中でどのような祭祀を行っているのですか」
「祭祀、でございますか。確か、公方様は毎朝、城中の仏殿にて歴代将軍の御霊に拝礼を・・・」
「それはただの先祖供養に過ぎぬ。祭祀とは、帝が宮中でなさっている如く、この国とこの国に暮らす全ての民のために神々に祈るもの。全くもって他者のための祈りです。故に尊い。その尊い祈りを神々にお聞き届けいただけるよう、帝は常にご身辺を清浄に保っておられるのです。祭祀もしないのに穢れを厭うなど、聞いて呆れる」
「し、しかし・・・」
「それとも何か。綱吉殿は、いずれ将軍職を辞し、自ら天子たらんとでも考えているのか」
「ま、まさか。お照、それはない。絶対にない!」と、綱豊が珍しく大きな声を出した。
「ふふ、そうだとよいのですが」
「議論の余地はない。そもそも東照神君が将軍職を望んだは、私利私欲にあらず。徳川の力をもって太平を確固たるものとし、宸襟を安んじ奉るためである。神君のそのお志は、我ら子孫にとって絶対の法である。そこは譲れぬ」
「よくぞ申されました。さすが我が夫。されど、昨今の将軍家には、様々、不安を感じざるを得ません。畏き辺りもご同様かと。鶴の献上を再びお求めになったのも、それ故のことでございましょう」
近衛家は、平安時代以来、貴族社会の頂点を占める藤原北家の嫡流であり、五摂家の筆頭である。熙子は、関白・近衛基煕の長女として生まれた。しかし、それだけではない。祖父の近衛信尋は元々後陽成天皇の皇子であり、母は後水尾天皇の皇女であった。つまり、父系母系ともに天皇の血を引く特別な姫君なのだ。
幼い頃、彼女は祖父である後水尾上皇とその后・東福門院和子(二代将軍秀忠の娘)、さらに伯母にあたる明正天皇に愛され、宮中にも頻繁に出入りしていた。熙子の美しさと聡明さを天照大神に例え、「照姫」と最初に呼んだのは、この方々である。
熙子は、どこからどう見ても完璧な公卿の姫だが、それは彼女の演技によるところが大きい。内に秘める無限の好奇心と冒険心、それこそが、彼女の本質であった。
熙子が十三歳のとき、幕府から将軍の甥の正室にと望まれた。その際、両親は勿論、朝廷全体が反対した。未来の国母たる姫を関東にやるなど言語道断、と。そんな中、唯一人、異なる考えを持つ者がいた。当の熙子である。
聞けば、実子のない将軍(四代家綱)は、自分の夫になるその甥を後継者と決めているらしい。無論、自分なら光明皇后をも超える最高の皇后になるだろう。しかし、今の時代、将軍の御台所になった方が、天下万民のため、役に立てるに違いない。何より、面白そうだ。東夷が作りし江戸の町とは、どのような所であろうか。
根っからのお転婆姫なのだ。それから約二十年、彼女の本質は何ら変わっていない。
熙子が、さらに話を続ける。
「かつて、綱吉殿と同じように、武を厭い、鷹狩を禁止した将軍がいました。鎌倉幕府第三代将軍・源実朝です。しかし、実朝はそれにより御家人たちの信を失い、源氏将軍は三代で絶えた。その例から、徳川将軍も五代で終わりではないか。朝廷はそれを案じているのです。徳川が武家の棟梁たる責務を果たせぬなら、次の者を探さねばならぬ。斬れぬ刀は要りません。猟をせぬ犬も要らぬ。そう思いませんか」
熙子の威に打たれ、皆が一斉に平伏。何と大それたことを。吉之助は、あまりのことに一瞬呆然とし、またも遅れた。
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