16 / 94
第14章 近親憎悪
しおりを挟む
吉之助は、間部から内藤家の家老宛の書状を渡され、彼の周到さ故に、ひとつの疑問が浮かんだ。
「間部様、ひとつ伺ってよろしいでしょうか」
「何でしょう?」
「つまり、殿や間部様の命を受けて動く、その、兄君の、西田春之丞様のような方は他にいないのでしょうか」
「何かご懸念が?」
「お話を聞くと、この件、殿のご信用にかかわる大変なお役目ではありませんか。もし、我らの他に動いている者があるとすれば、承知しておいた方がよいかと。何かの拍子に同士討ちにでもなっては大変ですから」
「なるほど。しかし、心配ご無用。ご懸念のような者はおりません」
「一人も?」
「いません。だからこそ、お二人が甲斐から呼ばれたのです」
「しかし、国元では、間部様が何人もの隠密を放って領内を監視しているともっぱらの評判でした。先年、藩庁における公金横領が発覚したのも彼等の働きであったと」
「確かに、甲府へは私の部下を定期的に行かせています。しかし、隠密などではありません。普通の役人です。不正の調査については、種も仕掛けもない。日頃から藩庁の業務記録と会計帳簿を丹念に見ていれば分かることです」
「へえ」と、竜之進が心底感心した顔になる。
「ふっ、隠密ですか。そんなものを使えるなら苦労はしません」
そう吐き捨てた間部。吉之助は、初めて彼に人間らしい感情の動きを見た。
間部は、ひとつ大きなため息を吐くと、いつもの無表情に戻り、甲府藩と自分たちの主君が置かれている特殊な地位について説明してくれた。
曰く、藩主・松平綱豊は、形式的には一大名だが、将軍の家族という立場にある。御三家に匹敵する官位を与えられ、参勤交代や手伝い普請などの負担も免除されている。その一方、勝手に江戸を離れることは許されず、常に公儀の監視下にある。
古今東西、専制君主にとって、親族は最も頼りになる味方だが、同時に、最も警戒すべき脅威でもあるのだ。
「許可なく隠密団など組織すれば、大変なことになります」
さらに、甲府藩は、藩士の半数以上を幕臣の出向組と幕臣の親族が占め、人事面でも公儀の影響を強く受けざるを得ない、という。
「当藩において一番難しいのは、秘密保持です。幕臣の出向組や元幕臣の家臣にも信用に足る者はいます。しかし、本人はともかく、背後関係まで考えると、殿が心底信頼し、ご自身の手足として動かせる藩士を探すのは、非常に難しい。また、いたとしても、殿は、家臣に板挟みを強いるような用い方をよしとなさいません。それ故、私の兄に動いてもらっていたのです。将来、家臣一人一人に、真の主が誰であるか、選択を迫る局面が来るかもしれません。しかし、それまでは、慎重の上にも慎重を期さねばならないのです」
間部は淡々と話しているが、内容としてはかなり際どい。吉之助は、重ねて尋ねた。
「せっかくなので伺いますが、殿と公方様が不仲であるという噂、あれは本当ですか」
「はい」と、間部は予想以上にはっきり答えた。
「しかし、不仲という表現は正確ではありません。公方様が一方的に殿を嫌っておられるのです」
「なぜ?」
「今の公方様は、本来、将軍職に就くはずのない御方でした」
間部の容赦ない物言いに吉之助と竜之進は顔を見合わせた。間部は構わず続ける。
「すなわち、四代将軍の家綱公に御世継がいれば、無論、出番はありません。そして、御世継がいない場合、次は、三代家光公のご次男、つまり、我が殿の父君である綱重公が継ぐはずでした。綱重公の跡目は当然、殿です。本来、家光公の四男である公方様に出番はなかった。しかし、綱重公が家綱公よりも先に亡くなったことで順番が狂いました」
「もう一人、幼少時に亡くなったご三男もいたわけでしょ。二重三重の棚ぼた将軍、か」
「おいおい、竜さん。さすがにそれは」
「いや。公方様ご自身がそうお考えなのです。しかも、家綱公は、弟の公方様より甥である殿に期待をかけ、いずれ殿をご養子として迎えた上、将軍職をお譲りになるおつもりだったのです」
「ほう」
「その証拠に、家綱公の命により、殿のご正室には、公方様のご正室よりさらに高貴な姫君が都から迎えられました。しかし、家綱公のご逝去が急過ぎました」
「棚ぼたとは言え、そこまで期待されてなかったとすると、公方様もいっそ気の毒だな」と竜之進。
「いずれにせよ、そういう経緯で、公方様は殿を嫌っておられます。何かにつけ遠ざけようとなさいます。甲府藩の本邸は、元々外桜田のお城の真ん前(現代の日比谷公園)にありました。それを取り上げ、浜屋敷に移るように命じたのも公方様です。表向きは、京都からいらした高貴な姫君にゆっくりお過ごしいただくため、とのことですが」
「あからさま過ぎるなぁ」と、竜之進が呆れ顔になる。この若者、いちいち反応が素直だ。
「しかし、公方様の思いとは逆に、公方様に御世継ぎたる男子がいない現在、将軍職を本来の筋目である我が殿へ返せという声が、譜代衆の間で大きくなっています。それがまた公方様のお気に障るようで・・・」
「悪循環ですね」と吉之助。
「はい。問題は、公方様のお側に、あの者、柳沢出羽守、様がいるということです」
「具体的に何か。まさか、殿の御身に危険でも・・・」
そこで竜之進がたまらず止めた。
「吉之助さん、その辺にしときましょう。日が暮れちまう。とにかく、言われた通り、絵師を一人、ここに連れて来ればいいんでしょ。まずはやり遂げることだ。殿や間部様だって、私らが使えないとなれば、別口を探さないといけないでしょうし。ですよね」
「その通りです」と、真顔で頷く間部。
「そうか、そうだな。よし、行こう!」
「おう!」
吉之助と竜之進は、揃って勢いよく立ち上がった。英一蝶脱出作戦。それが、吉之助の江戸での初任務となった。時に、元禄十年(一六九七年)二月五日のことである。
「間部様、ひとつ伺ってよろしいでしょうか」
「何でしょう?」
「つまり、殿や間部様の命を受けて動く、その、兄君の、西田春之丞様のような方は他にいないのでしょうか」
「何かご懸念が?」
「お話を聞くと、この件、殿のご信用にかかわる大変なお役目ではありませんか。もし、我らの他に動いている者があるとすれば、承知しておいた方がよいかと。何かの拍子に同士討ちにでもなっては大変ですから」
「なるほど。しかし、心配ご無用。ご懸念のような者はおりません」
「一人も?」
「いません。だからこそ、お二人が甲斐から呼ばれたのです」
「しかし、国元では、間部様が何人もの隠密を放って領内を監視しているともっぱらの評判でした。先年、藩庁における公金横領が発覚したのも彼等の働きであったと」
「確かに、甲府へは私の部下を定期的に行かせています。しかし、隠密などではありません。普通の役人です。不正の調査については、種も仕掛けもない。日頃から藩庁の業務記録と会計帳簿を丹念に見ていれば分かることです」
「へえ」と、竜之進が心底感心した顔になる。
「ふっ、隠密ですか。そんなものを使えるなら苦労はしません」
そう吐き捨てた間部。吉之助は、初めて彼に人間らしい感情の動きを見た。
間部は、ひとつ大きなため息を吐くと、いつもの無表情に戻り、甲府藩と自分たちの主君が置かれている特殊な地位について説明してくれた。
曰く、藩主・松平綱豊は、形式的には一大名だが、将軍の家族という立場にある。御三家に匹敵する官位を与えられ、参勤交代や手伝い普請などの負担も免除されている。その一方、勝手に江戸を離れることは許されず、常に公儀の監視下にある。
古今東西、専制君主にとって、親族は最も頼りになる味方だが、同時に、最も警戒すべき脅威でもあるのだ。
「許可なく隠密団など組織すれば、大変なことになります」
さらに、甲府藩は、藩士の半数以上を幕臣の出向組と幕臣の親族が占め、人事面でも公儀の影響を強く受けざるを得ない、という。
「当藩において一番難しいのは、秘密保持です。幕臣の出向組や元幕臣の家臣にも信用に足る者はいます。しかし、本人はともかく、背後関係まで考えると、殿が心底信頼し、ご自身の手足として動かせる藩士を探すのは、非常に難しい。また、いたとしても、殿は、家臣に板挟みを強いるような用い方をよしとなさいません。それ故、私の兄に動いてもらっていたのです。将来、家臣一人一人に、真の主が誰であるか、選択を迫る局面が来るかもしれません。しかし、それまでは、慎重の上にも慎重を期さねばならないのです」
間部は淡々と話しているが、内容としてはかなり際どい。吉之助は、重ねて尋ねた。
「せっかくなので伺いますが、殿と公方様が不仲であるという噂、あれは本当ですか」
「はい」と、間部は予想以上にはっきり答えた。
「しかし、不仲という表現は正確ではありません。公方様が一方的に殿を嫌っておられるのです」
「なぜ?」
「今の公方様は、本来、将軍職に就くはずのない御方でした」
間部の容赦ない物言いに吉之助と竜之進は顔を見合わせた。間部は構わず続ける。
「すなわち、四代将軍の家綱公に御世継がいれば、無論、出番はありません。そして、御世継がいない場合、次は、三代家光公のご次男、つまり、我が殿の父君である綱重公が継ぐはずでした。綱重公の跡目は当然、殿です。本来、家光公の四男である公方様に出番はなかった。しかし、綱重公が家綱公よりも先に亡くなったことで順番が狂いました」
「もう一人、幼少時に亡くなったご三男もいたわけでしょ。二重三重の棚ぼた将軍、か」
「おいおい、竜さん。さすがにそれは」
「いや。公方様ご自身がそうお考えなのです。しかも、家綱公は、弟の公方様より甥である殿に期待をかけ、いずれ殿をご養子として迎えた上、将軍職をお譲りになるおつもりだったのです」
「ほう」
「その証拠に、家綱公の命により、殿のご正室には、公方様のご正室よりさらに高貴な姫君が都から迎えられました。しかし、家綱公のご逝去が急過ぎました」
「棚ぼたとは言え、そこまで期待されてなかったとすると、公方様もいっそ気の毒だな」と竜之進。
「いずれにせよ、そういう経緯で、公方様は殿を嫌っておられます。何かにつけ遠ざけようとなさいます。甲府藩の本邸は、元々外桜田のお城の真ん前(現代の日比谷公園)にありました。それを取り上げ、浜屋敷に移るように命じたのも公方様です。表向きは、京都からいらした高貴な姫君にゆっくりお過ごしいただくため、とのことですが」
「あからさま過ぎるなぁ」と、竜之進が呆れ顔になる。この若者、いちいち反応が素直だ。
「しかし、公方様の思いとは逆に、公方様に御世継ぎたる男子がいない現在、将軍職を本来の筋目である我が殿へ返せという声が、譜代衆の間で大きくなっています。それがまた公方様のお気に障るようで・・・」
「悪循環ですね」と吉之助。
「はい。問題は、公方様のお側に、あの者、柳沢出羽守、様がいるということです」
「具体的に何か。まさか、殿の御身に危険でも・・・」
そこで竜之進がたまらず止めた。
「吉之助さん、その辺にしときましょう。日が暮れちまう。とにかく、言われた通り、絵師を一人、ここに連れて来ればいいんでしょ。まずはやり遂げることだ。殿や間部様だって、私らが使えないとなれば、別口を探さないといけないでしょうし。ですよね」
「その通りです」と、真顔で頷く間部。
「そうか、そうだな。よし、行こう!」
「おう!」
吉之助と竜之進は、揃って勢いよく立ち上がった。英一蝶脱出作戦。それが、吉之助の江戸での初任務となった。時に、元禄十年(一六九七年)二月五日のことである。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
融女寛好 腹切り融川の後始末
仁獅寺永雪
歴史・時代
江戸後期の文化八年(一八一一年)、幕府奥絵師が急死する。悲報を受けた若き天才女絵師が、根結いの垂髪を揺らして江戸の町を駆け抜ける。彼女は、事件の謎を解き、恩師の名誉と一門の将来を守ることが出来るのか。
「良工の手段、俗目の知るところにあらず」
師が遺したこの言葉の真の意味は?
これは、男社会の江戸画壇にあって、百人を超す門弟を持ち、今にも残る堂々たる足跡を残した実在の女絵師の若き日の物語。最後までお楽しみいただければ幸いです。
南町奉行所お耳役貞永正太郎の捕物帳
勇内一人
歴史・時代
第9回歴史・時代小説大賞奨励賞受賞作品に2024年6月1日より新章「材木商桧木屋お七の訴え」を追加しています(続きではなく途中からなので、わかりづらいかもしれません)
南町奉行所吟味方与力の貞永平一郎の一人息子、正太郎はお多福風邪にかかり両耳の聴覚を失ってしまう。父の跡目を継げない彼は吟味方書物役見習いとして南町奉行所に勤めている。ある時から聞こえない正太郎の耳が死者の声を拾うようになる。それは犯人や証言に不服がある場合、殺された本人が異議を唱える声だった。声を頼りに事件を再捜査すると、思わぬ真実が発覚していく。やがて、平一郎が喧嘩の巻き添えで殺され、正太郎の耳に亡き父の声が届く。
表紙はパブリックドメインQ 著作権フリー絵画:小原古邨 「月と蝙蝠」を使用しております。
2024年10月17日〜エブリスタにも公開を始めました。

【完結】風天の虎 ――車丹波、北の関ヶ原
糸冬
歴史・時代
車丹波守斯忠。「猛虎」の諱で知られる戦国武将である。
慶長五年(一六〇〇年)二月、徳川家康が上杉征伐に向けて策動する中、斯忠は反徳川派の急先鋒として、主君・佐竹義宣から追放の憂き目に遭う。
しかし一念発起した斯忠は、異母弟にして養子の車善七郎と共に数百の手勢を集めて会津に乗り込み、上杉家の筆頭家老・直江兼続が指揮する「組外衆」に加わり働くことになる。
目指すは徳川家康の首級ただ一つ。
しかし、その思いとは裏腹に、最初に与えられた役目は神指城の普請場での土運びであった……。
その名と生き様から、「国民的映画の主人公のモデル」とも噂される男が身を投じた、「もう一つの関ヶ原」の物語。

キャサリンのマーマレード
空原海
歴史・時代
ヘンリーはその日、初めてマーマレードなるデザートを食べた。
それは兄アーサーの妃キャサリンが、彼女の生国スペインから、イングランドへと持ち込んだレシピだった。
のちに6人の妻を娶り、そのうち2人の妻を処刑し、己によく仕えた忠臣も邪魔になれば処刑しまくったイングランド王ヘンリー8世が、まだ第2王子に過ぎず、兄嫁キャサリンに憧憬を抱いていた頃のお話です。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
三国志 群像譚 ~瞳の奥の天地~ 家族愛の三国志大河
墨笑
歴史・時代
『家族愛と人の心』『個性と社会性』をテーマにした三国志の大河小説です。
三国志を知らない方も楽しんでいただけるよう意識して書きました。
全体の文量はかなり多いのですが、半分以上は様々な人物を中心にした短編・中編の集まりです。
本編がちょっと長いので、お試しで読まれる方は後ろの方の短編・中編から読んでいただいても良いと思います。
おすすめは『小覇王の暗殺者(ep.216)』『呂布の娘の嫁入り噺(ep.239)』『段煨(ep.285)』あたりです。
本編では蜀において諸葛亮孔明に次ぐ官職を務めた許靖という人物を取り上げています。
戦乱に翻弄され、中国各地を放浪する波乱万丈の人生を送りました。
歴史ものとはいえ軽めに書いていますので、歴史が苦手、三国志を知らないという方でもぜひお気軽にお読みください。
※人名が分かりづらくなるのを避けるため、アザナは一切使わないことにしました。ご了承ください。
※切りのいい時には完結設定になっていますが、三国志小説の執筆は私のライフワークです。生きている限り話を追加し続けていくつもりですので、ブックマークしておいていただけると幸いです。

江戸情話 てる吉の女観音道
藤原 てるてる
歴史・時代
この物語の主人公は、越後の百姓の倅である。
本当は跡を継いで百姓をするところ、父の後釜に邪険にされ家を出たのであった。
江戸に出て、深川で飛脚をして渡世を送っている。
歳は十九、取り柄はすけべ魂である。女体道から女観音道へ至る物語である。
慶応元年五月、あと何年かしたら明治という激動期である。
その頃は、奇妙な踊りが流行るは、辻斬りがあるはで庶民はてんやわんや。
これは、次に来る、新しい世を感じていたのではないのか。
日本の性文化が、最も乱れ咲きしていたと思われるころの話。
このてる吉は、飛脚であちこち街中をまわって、女を見ては喜んでいる。
生来の女好きではあるが、遊び狂っているうちに、ある思いに至ったのである。
女は観音様なのに、救われていない女衆が多すぎるのではないのか。
遊女たちの流した涙、流せなかった涙、声に出せない叫びを知った。
これは、なんとかならないものか。何か、出来ないかと。
……(オラが、遊女屋をやればええでねえか)
てる吉は、そう思ったのである。
生きるのに、本当に困窮しとる女から来てもらう。
歳、容姿、人となり、借金の過多、子連れなど、なんちゃない。
いつまでも、居てくれていい。みんなが付いているから。
女衆が、安寧に過ごせる場を作ろうと思った。
そこで置屋で知り合った土佐の女衒に弟子入りし、女体道のイロハを教わる。
あてがって来る闇の女らに、研がれまくられるという、ありがた修行を重ねる。
相模の国に女仕入れに行かされ、三人連れ帰り、褒美に小判を頂き元手を得る。
四ツ谷の岡場所の外れに、掘っ立て小屋みたいな置屋を作る。
なんとか四人集めて来て、さあ、これからだという時に……
てる吉は、闇に消えたのであった。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる