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今度誰かと付き合う時は、もうちょっとケツのこと調べとけよな!
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堀越とそんな健全な高校生みたいなデートをしたり、大学で普通の友達みたいに喋ったり、バイトに精を出したり、夜、悶々として寝られなくて一人で励んだり、しているうちに、やっと。やっと、やっと約束の1ヵ月が終わる日が来た。
堀越は約束通り、ずっと俺に手を出しては来なかった。最初のクズぶりからしたら、別人みたいな変わりようだ。
まあけっこうな回数、勃起してたけどな。隠してたけど、同じ男である俺には、モロバレだ。だって、俺もいっつも同じタイミングで勃ってたからな!
ああ、辛かった。
あの時の俺、なんで1ヶ月なんかにしたんだよ。
せめて半月とか、10日にしておいてくれればよかったのに。
まあ、あの時は先輩に遊ばれてたって分かったショックで、堀越のことも信じられなくなってたからしょうがないけど・・・
だけど、そんな辛い日々も終わりだ。今日この日をもってな!
「分かってるよな。今日だからな」
昼間、構内で堀越と会った時に思わず念押ししたら、堀越は苦笑していた。
「分かってるって。お前のバイト終わったら迎えに行くから。俺んちで返事聞かせてくれるんだよな」
「そーだよ。シャンパンでも用意しといてくれよな」
そう言ったら堀越は、困った顔をして笑った。
「お前、梅酒一杯で寝るほど弱いじゃん。飲めんの?」
「そーだけど、気分だよ、気分!」
「分かったよ、それじゃまた夜な」
手を振って歩いていく堀越を見ながら思う。
俺との約束、ちゃんと守ってくれてありがと。
俺もうとっくにお前のこと・・・
いいや、夜、ちゃんと伝えるからな。
夕方になり、俺は意気揚々とバイトに出掛けた。
あー、もう夜が楽しみでしょうがない。いや、別にやっとヤれるから、とかそんなことだけで楽しみにしてるわけじゃねーからな。
ロッカールームでいそいそと制服に着替えていたら、ガチャッとドアが開いた。
シフトが同じだった勇樹かな?と振り向いたら、そこには陸人先輩が立っていた。
今日シフト被らない筈なのに。
「おはよう璃央」
「お、はようございます・・・先輩、どうしたんですか?」
最初の頃に一回顔を合わせた時以来だ。
ちょっと気まずいけど、もう過去の人というか、遠い存在に感じたことに内心ホッとする。
「勇樹に頼まれてシフト入れ替わったんだ」
「ああ、そうなんですか」
「っていうのは嘘で」
陸人先輩はそう言うと急に俺の傍に近寄って来た。
「俺の方から勇樹に頼んでシフト入れ替えて貰ったんだ。何でか分かる?」
「え?いや、全然分かりませんけど」
マジで何が言いたいんだ?
距離が近くてちょっと後ろに下がったら、その分先輩は近付いて来る。
「やっぱさ、俺、璃央のこと好きだって気付いてさ。浮気したことは許すから、仲直りしようよ。璃央、まだ俺のこと好きだろ」
「は、はぁああああ!?」
思わず大きな声を上げてしまった。
「何、言ってんだよ!?好きなわけ、ねーだろ!あんなこと言っといて!俺のこと遊びだったくせによ!ざけんな!」
ムカついてそう言ったのに、先輩は全然動じてない。
「放っておいたから怒ってる?ごめんね。この前はあんなこと言ったけどさ、やっぱ璃央が一番可愛いって分かったんだよ、俺。だからさ、今日バイト終わったら部屋行っていい?」
平然とそんなことを言う陸人先輩が信じられなくて、俺は口を開けたり閉じたりしてたけど、勤務時間が過ぎていることに気付いて、
「とにかく俺はアンタのことなんてもう、何とも思ってねーし、部屋になんか絶対来るなよな!」とだけ言って、キッチンに入った。先輩はホールだから仕事中に顔を合わせることもない。そのことに心からホッとした。
それにしても何、考えてんだあいつ?
顔がいいからって、何でも自分の思い通りになると思ってんじゃねーよ!
どうせ、ヤりたくなっただけだろーが!
思い出すとムカついたけど、忙しくなって来てその内どうでも良くなった。
そして22時。やっとバイト終わりの時間になった。
「お疲れさまでしたー!」
「田中君お疲れ」
店長の声を背中に聞きながらダッシュでロッカールームに入って、着替える。
そして裏口から外へ出たところで、後ろから腕を掴まれた。
「璃央、待ってよ。俺も一緒に行くから」
振り向くと陸人先輩がいつもの人のいい笑顔を浮かべて立っていた。
「ちょっ・・・は、離せよ!?」
店の近くだから小声で言って、腕を振り払おうとしたけど、ガタイの違いからなかなか振り払えない。
クソッ、こいつこんな力強かったのか?
「ここじゃ何だから、もう少し離れよう」
そんなことを言って、陸人先輩は俺のことを引っ張って行く。
「やめろ!さっきも言ったけど、俺もうアンタのことなんか好きでも何でもねーし、もう二度とアンタとはヤらねーし、付き合うとかもありえねーから!」
そう言う間にもどんどん引っ張られて、暗がりの方へ連れて行かれる。
掴まれた腕が痛ぇ。やっぱこいつ、俺の痛みなんかどうでもいいんだな。
「何言ってるんだよ璃央。あんなに俺のこと好きだって言ってたくせに。俺に捨てられたと思って怒ってるんだろ。だからほら、今から可愛がってやるって言ってるじゃん」
グイッと引っ張られて抱きすくめられると、あの頃好きだった陸人先輩の匂いがした。
でも、もう違う。この匂いには俺はもう、安心したり好きだって思ったりしない。
「ほら、こうされるの好きだったろ、お前」
「やっ、やめっ」
腰を掴まれて、陸人先輩が自分の股間を押し付けて来た。ぐりぐりと固いものが当たって、ゾッとする。
こいつもう勃ってる。やっぱり、ヤリ目じゃねーかよ。こいつこんなクソクズだったのか・・・
その時、俺の体が後ろに引かれて、ふわりと抱き留められた。
この匂い、
「堀越!」
何だよ、おせーよ!と思ったけど、正直ホッとした。陸人のやつ、俺より力強くてヤバかった。
「何やってんの?あんたさ、嫌がってんの、分かんねぇわけ?」
陸人先輩の前に立って、俺を自分の背中に庇いながら冷たい声で堀越が言う。
「ああ?何だよお前、人のことに首突っ込んでくるなよな・・・ってお前、璃央とキスしてた奴じゃん」
俺を引き離す時に堀越に突き飛ばされた陸人先輩は、肩をさすりながらこっちを睨んでいたけど、堀越の顔を見て思い出したらしい。
「へぇ、なんだよ。あれからもずっとこいつとヤッてたんだ。ふーん。お前、やっぱ具合良かったんだろ。俺もあれから色んなやつ試したけど、やっぱり璃央が一番良かったって思ったもんな」
俺は陸人先輩の言葉に絶句した。
「俺が言うのも何だけど・・・璃央、こいつ、クソクズ野郎じゃねえ?」
堀越が俺に言った言葉はスルーして、陸人先輩はまだ喋り続けた。
「お前さ、ちょっとだけ璃央貸してよ。な、璃央、前みたいに優しくするから、俺と行こ」
その時、堀越が足を上げて、陸人先輩の股間を蹴り上げた。
「―――――――――ッッツ!!?」
声もなく、崩れ落ちる陸人先輩。
うわっ、えっぐ・・・見てるだけでこっちまで痛くなってくるわ・・・
「ほら、璃央。言うことあんだろ。センパイにさ」
ニヤリと俺を振り返る堀越に、俺は一瞬茫然としていたけど、我に返って地面で悶絶してる先輩に向き直った。
「陸人さん。あんたのこと確かに好きだったけど、今はマジで何とも思ってない。今俺が好きなのは・・・こいつだから。俺と同じくらい、俺のこと好きだって思ってくれるこいつとしか、俺はヤんねーから。だから、もう二度と話しかけたり部屋になんか来んなよ!」
ふう。
先輩は脂汗を流しながらイケメン顔を歪ませて悶絶してて、俺の言ったこと、あんまり聞いてないと思うけど、すっきりした。
「じゃ行こうか、堀越」
「ああ、もういいのか?」
「うん―――あ、もう一つだけあった」
歩き出していた俺は振り返ると、言った。
「陸人さん、あとさ。あんたとのエッチで俺、一回もイケてなかったから。今度誰かと付き合う時は、もうちょっとケツのこと調べとけよな!そんで、一人だけ先にイッてんじゃねーぞ!じゃあな!」
転がってる陸人先輩は涙目で何も言わなかったけど、俺は今度こそ言いたいこと全部言えてさっぱりした。
堀越は約束通り、ずっと俺に手を出しては来なかった。最初のクズぶりからしたら、別人みたいな変わりようだ。
まあけっこうな回数、勃起してたけどな。隠してたけど、同じ男である俺には、モロバレだ。だって、俺もいっつも同じタイミングで勃ってたからな!
ああ、辛かった。
あの時の俺、なんで1ヶ月なんかにしたんだよ。
せめて半月とか、10日にしておいてくれればよかったのに。
まあ、あの時は先輩に遊ばれてたって分かったショックで、堀越のことも信じられなくなってたからしょうがないけど・・・
だけど、そんな辛い日々も終わりだ。今日この日をもってな!
「分かってるよな。今日だからな」
昼間、構内で堀越と会った時に思わず念押ししたら、堀越は苦笑していた。
「分かってるって。お前のバイト終わったら迎えに行くから。俺んちで返事聞かせてくれるんだよな」
「そーだよ。シャンパンでも用意しといてくれよな」
そう言ったら堀越は、困った顔をして笑った。
「お前、梅酒一杯で寝るほど弱いじゃん。飲めんの?」
「そーだけど、気分だよ、気分!」
「分かったよ、それじゃまた夜な」
手を振って歩いていく堀越を見ながら思う。
俺との約束、ちゃんと守ってくれてありがと。
俺もうとっくにお前のこと・・・
いいや、夜、ちゃんと伝えるからな。
夕方になり、俺は意気揚々とバイトに出掛けた。
あー、もう夜が楽しみでしょうがない。いや、別にやっとヤれるから、とかそんなことだけで楽しみにしてるわけじゃねーからな。
ロッカールームでいそいそと制服に着替えていたら、ガチャッとドアが開いた。
シフトが同じだった勇樹かな?と振り向いたら、そこには陸人先輩が立っていた。
今日シフト被らない筈なのに。
「おはよう璃央」
「お、はようございます・・・先輩、どうしたんですか?」
最初の頃に一回顔を合わせた時以来だ。
ちょっと気まずいけど、もう過去の人というか、遠い存在に感じたことに内心ホッとする。
「勇樹に頼まれてシフト入れ替わったんだ」
「ああ、そうなんですか」
「っていうのは嘘で」
陸人先輩はそう言うと急に俺の傍に近寄って来た。
「俺の方から勇樹に頼んでシフト入れ替えて貰ったんだ。何でか分かる?」
「え?いや、全然分かりませんけど」
マジで何が言いたいんだ?
距離が近くてちょっと後ろに下がったら、その分先輩は近付いて来る。
「やっぱさ、俺、璃央のこと好きだって気付いてさ。浮気したことは許すから、仲直りしようよ。璃央、まだ俺のこと好きだろ」
「は、はぁああああ!?」
思わず大きな声を上げてしまった。
「何、言ってんだよ!?好きなわけ、ねーだろ!あんなこと言っといて!俺のこと遊びだったくせによ!ざけんな!」
ムカついてそう言ったのに、先輩は全然動じてない。
「放っておいたから怒ってる?ごめんね。この前はあんなこと言ったけどさ、やっぱ璃央が一番可愛いって分かったんだよ、俺。だからさ、今日バイト終わったら部屋行っていい?」
平然とそんなことを言う陸人先輩が信じられなくて、俺は口を開けたり閉じたりしてたけど、勤務時間が過ぎていることに気付いて、
「とにかく俺はアンタのことなんてもう、何とも思ってねーし、部屋になんか絶対来るなよな!」とだけ言って、キッチンに入った。先輩はホールだから仕事中に顔を合わせることもない。そのことに心からホッとした。
それにしても何、考えてんだあいつ?
顔がいいからって、何でも自分の思い通りになると思ってんじゃねーよ!
どうせ、ヤりたくなっただけだろーが!
思い出すとムカついたけど、忙しくなって来てその内どうでも良くなった。
そして22時。やっとバイト終わりの時間になった。
「お疲れさまでしたー!」
「田中君お疲れ」
店長の声を背中に聞きながらダッシュでロッカールームに入って、着替える。
そして裏口から外へ出たところで、後ろから腕を掴まれた。
「璃央、待ってよ。俺も一緒に行くから」
振り向くと陸人先輩がいつもの人のいい笑顔を浮かべて立っていた。
「ちょっ・・・は、離せよ!?」
店の近くだから小声で言って、腕を振り払おうとしたけど、ガタイの違いからなかなか振り払えない。
クソッ、こいつこんな力強かったのか?
「ここじゃ何だから、もう少し離れよう」
そんなことを言って、陸人先輩は俺のことを引っ張って行く。
「やめろ!さっきも言ったけど、俺もうアンタのことなんか好きでも何でもねーし、もう二度とアンタとはヤらねーし、付き合うとかもありえねーから!」
そう言う間にもどんどん引っ張られて、暗がりの方へ連れて行かれる。
掴まれた腕が痛ぇ。やっぱこいつ、俺の痛みなんかどうでもいいんだな。
「何言ってるんだよ璃央。あんなに俺のこと好きだって言ってたくせに。俺に捨てられたと思って怒ってるんだろ。だからほら、今から可愛がってやるって言ってるじゃん」
グイッと引っ張られて抱きすくめられると、あの頃好きだった陸人先輩の匂いがした。
でも、もう違う。この匂いには俺はもう、安心したり好きだって思ったりしない。
「ほら、こうされるの好きだったろ、お前」
「やっ、やめっ」
腰を掴まれて、陸人先輩が自分の股間を押し付けて来た。ぐりぐりと固いものが当たって、ゾッとする。
こいつもう勃ってる。やっぱり、ヤリ目じゃねーかよ。こいつこんなクソクズだったのか・・・
その時、俺の体が後ろに引かれて、ふわりと抱き留められた。
この匂い、
「堀越!」
何だよ、おせーよ!と思ったけど、正直ホッとした。陸人のやつ、俺より力強くてヤバかった。
「何やってんの?あんたさ、嫌がってんの、分かんねぇわけ?」
陸人先輩の前に立って、俺を自分の背中に庇いながら冷たい声で堀越が言う。
「ああ?何だよお前、人のことに首突っ込んでくるなよな・・・ってお前、璃央とキスしてた奴じゃん」
俺を引き離す時に堀越に突き飛ばされた陸人先輩は、肩をさすりながらこっちを睨んでいたけど、堀越の顔を見て思い出したらしい。
「へぇ、なんだよ。あれからもずっとこいつとヤッてたんだ。ふーん。お前、やっぱ具合良かったんだろ。俺もあれから色んなやつ試したけど、やっぱり璃央が一番良かったって思ったもんな」
俺は陸人先輩の言葉に絶句した。
「俺が言うのも何だけど・・・璃央、こいつ、クソクズ野郎じゃねえ?」
堀越が俺に言った言葉はスルーして、陸人先輩はまだ喋り続けた。
「お前さ、ちょっとだけ璃央貸してよ。な、璃央、前みたいに優しくするから、俺と行こ」
その時、堀越が足を上げて、陸人先輩の股間を蹴り上げた。
「―――――――――ッッツ!!?」
声もなく、崩れ落ちる陸人先輩。
うわっ、えっぐ・・・見てるだけでこっちまで痛くなってくるわ・・・
「ほら、璃央。言うことあんだろ。センパイにさ」
ニヤリと俺を振り返る堀越に、俺は一瞬茫然としていたけど、我に返って地面で悶絶してる先輩に向き直った。
「陸人さん。あんたのこと確かに好きだったけど、今はマジで何とも思ってない。今俺が好きなのは・・・こいつだから。俺と同じくらい、俺のこと好きだって思ってくれるこいつとしか、俺はヤんねーから。だから、もう二度と話しかけたり部屋になんか来んなよ!」
ふう。
先輩は脂汗を流しながらイケメン顔を歪ませて悶絶してて、俺の言ったこと、あんまり聞いてないと思うけど、すっきりした。
「じゃ行こうか、堀越」
「ああ、もういいのか?」
「うん―――あ、もう一つだけあった」
歩き出していた俺は振り返ると、言った。
「陸人さん、あとさ。あんたとのエッチで俺、一回もイケてなかったから。今度誰かと付き合う時は、もうちょっとケツのこと調べとけよな!そんで、一人だけ先にイッてんじゃねーぞ!じゃあな!」
転がってる陸人先輩は涙目で何も言わなかったけど、俺は今度こそ言いたいこと全部言えてさっぱりした。
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