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三章 最後の一人 日本からの転移者アキラ
ザインの街でデート ※後半微エロ
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「秋良さん、ここって……」
俺は驚いて辺りを見回した。
そこは、今まで訪れたどことも違う、不思議な、どこか日本や中国に通じるような雰囲気の街だった。
俺達が立っているのは、夜だというのに人通りの多い歓楽街のような場所。
提灯のような街路灯が等間隔に立っていて、道をほんのりと明るく照らしている。
行き交う人々はやっぱり、この世界の人らしく金や赤や青のカラフルな髪色をしていて、俺達みたいな黒髪の人間はいなかったけど、着ている服はぞろりとしていて着物とか、中国の昔の宮廷で着られていた服に似ていた。男女共に帯ではないが、幅の広い飾り紐で腰の辺りを縛っている。
秋良さんは驚いている俺を見て、嬉しそうに言った。
「この街、すごくアジアっぽいだろ?俺も1年この世界にいるからさ、地図見て色々行ってみたんだ。そしたらここ、ザインって街なんだけどさ、主食が米で文化もどことなく日本っぽい感じで気に入って何度か来てるんだよ」
さっきのレグルスとも意外と近いらしい。
「それじゃ、行こうか幸人。ここはこの街の歓楽街みたいな所だからさ、面白い店もたくさんあるよ」
そう言って俺の手を握った。
「え?あの、秋良さん」
戸惑っていると秋良さんはニコッと笑う。
「この方がデートっぽいだろ?」
「は、はあ」
日本にいた頃は当然秋良さんと手なんか繋いだ事なかったから、初めて繋ぐ秋良さんの暖かくて大きな手に、少し、くすぐったいような、恥ずかしいような、変な気持ちがした。
秋良さんに手を繋がれたまま、ザインの歓楽街を歩く。不思議な気分だ。日本のあの汚い街の歓楽街で爛れた人生を送っていた俺が、異世界の歓楽街で秋良さんと手を繋いで歩いてるとか。
けど。
「なあ、この人形ってキモ可愛くないか?」
「……キモしかないですよ、秋良さん」
どう見ても呪いの人形にしか見えないそれを、俺に見せながら笑う秋良さんにつられて、俺は呆れ半分、おかしさ半分で笑った。
こういうの、悪くないな。
久しぶりに、純粋に楽しかった。
まるで、あんな過去なんかなかった世界線に生まれて、普通に学生をやって、先輩と一緒にお祭りにでも来ているみたいに。
「そろそろお腹空いたんじゃないか?」
「あ、そうですね」
秋良さんの言葉に、俺は急に空腹を感じた。
「だよな。うん、いい所に連れて行ってやるよ。ほら、こっち」
秋良さんの案内で歓楽街の奥まった所に行くと、石造りの大きくて横に長い建物があった。
誘われるまま中に入ると、そこが旅館のような所なんだと分かる。
「部屋を取っておいたんだ。見たら驚くよ」
秋良さんが楽しそうに言って、黒い、黒檀のような扉を開けると、中はバリ島とかそういう所を連想させるアジアンテイストな内装になっていた。
竹のような細い艶のある木がたくさん使われていて、雰囲気のあるいい部屋だ。
部屋の奥にはフレームの付いたベッドがあり、薄いベールが掛かっている。そして部屋の中には強い花の匂いが漂っていた。
この香り、秋良さんに貰ったフィブリスの花と同じだ。
そう思った通り、部屋の真ん中のテーブルに大きな花瓶があって、そこにたくさんのフィブリスが飾られていた。
「うわ、凄い。いい部屋ですね」
まるで新婚旅行みたいだ、と言いそうになってぐっと詰まる。
「いやいや、こっちだよ本命は。ほら!見てみろよこれ!」
「えっ!?それ、まさか」
秋良さんが部屋の中を横切って奥の扉を開けると、そこは中庭に通じていて、タイル張りのプールのようなものからは、暖かな湯気が立ち昇っていた。
「これ、ひょっとしてお風呂ですか!?」
俺が驚いて走り寄ると、秋良さんは俺の反応に満足そうに笑った。
「そう!なんと露天風呂なんだよ。それも貸し切りにしたから、明日まで入り放題だ!タイル張りっていうのがちょっと、情緒がないけどなー。この世界にも風呂があるって最初見た時は驚いたよ」
「すごい……俺、ちょっと感動しました」
この世界に来てからずっとシャワーだったし、汚れはスキルで綺麗に出来るとは言え、暖かいお湯に浸かって体を緩めたいな、とは少し思っていた。
「今から食事が運ばれてくるから、終わったら入ろう」
秋良さんの言葉に頷く。
食事は米や魚、肉、野菜がバランスよく使われていて、とても美味しかった。日本食とまでは行かないけど、近いものが食べられて満足だ。
やっぱり、ずっとパンしか食べられないというのは少々きつい。
「俺、もう充分満足したって感じです。街歩きも楽しかったし。秋良さん、ほんとにありがとうございます」
そう言うと秋良さんは笑った。
「何言ってるんだよ、まだこれからだろ?ほら、風呂入ろうぜ」
「あ、そうですね」
秋良さんは、着ていた服を手早く脱いで、全裸で中庭に出て行った。
「うわぁ、気持ちいいー!」
ばしゃばしゃという水音と、ざぶん、と秋良さんが湯船に浸かる音がする。
俺も行こう、と服に手を掛けて、ふいにこの後何があるのかを思い出してしまった。
「……っ」
つい本当に、気の置けない先輩と旅行にでも来ていた気になっていたけど、こうなると裸になるのも恥ずかしい。
「おーい、幸人早く来いよー」
「は、はい」
秋良さんに呼ばれて、俺はええい、と全部脱いで外へ出た。秋良さんはちょうどこっちに背中を向けて湯船に浸かっていたから、ちょっと安心した。
体を洗ってから秋良さんの隣に浸かる。久しぶりの、たっぷりの暖かいお湯に体が蕩けそうだ。
「ああ……気持ちいい……」
思わず声が出てしまうと、秋良さんが笑う。
「だよなー。やっぱ日本人は風呂ないと辛いよ」
しばらくそのまま二人で風呂を味わう。
そういえば、こんな風に一緒に風呂に入るなんてのも、初めての事だ。
少し気になってしまって、ちらっと秋良さんの方を見た。
「星が綺麗だなー」と言いながら夜空を見上げる端正な横顔、濡れた髪が張り付いた鎖骨から下は、ほんのりとした照明しかないのと、お湯で揺らいではっきりと見えないが、引き締まって綺麗な体をしている。
以前だったら男の裸なんて見ても、何とも思わなかった。だけど、ヒューゴやロシュと関係を持つようになって、しかもこれから……という今、俺は秋良さんの事を妙に意識し始めてしまっていた。
秋良さんはどう思っているのか分からないけど、俺みたいに緊張する事もなく、普通にリラックスして楽しんでいるように見える。
「幸人、体洗ってやるよ」
「え、いや、いいですよ、そんな」
ふいにこっちを振り向かれて、ドキッとしてしまった。じっと見てたの、気付かれてないよな?
「いいから、今日は俺に色々奉仕させてよ」
そう言われて、断り切れない。
「わ、わかりました、お願いします」
湯船を出て洗い場に座ると、秋良さんが石鹸をタオルで泡立てて背中を洗い始める。
「幸人の体、綺麗だなー。ムダ毛なんかも全然ないじゃん」
「あー、なんか元々薄かったんですよね……」
「へえ、いいな。俺は脱毛通ったよ。痛かったなぁ、あれ」
言いながら、タオルを動かす秋良さんの手が、胸の方にも回って来る。
「えっ!?前もですか!?」
ぎょっとして顔だけで振り返ると、秋良さんは少し悪戯っぽい顔で笑っていた。
「そりゃあ、サービスだもん。ちゃんと全身洗ってあげないとねー。ほら、いいから、はい前向いてて」
「……」
秋良さんは後ろから手を回して、真面目に胸から腹を洗ってくれていた、けど……俺はドキドキして来て、それどころじゃなくなっていた。
手を回しているから、後ろにいる秋良さんの距離が近い。体温をすぐ傍に感じて、しかもタオルが乳首を掠めたりして、何も知らなかったあの頃とは違う。
一回どこかでスイッチが入ってしまうと、もうやばい。俺の体はすぐに反応するんだって。
「足の方はこのままじゃ洗いにくいな」
そう言って秋良さんが前に回って来ようとしたので、俺は慌てて止めた。
「いやっ、もう足はいいです。自分でやります」
「えー、遠慮なんてしなくていいって」
ま、まずい。
「いや、あの、遠慮じゃなくて」
「……あ」
秋良さんが俺の股の間の変化に気付いて、止まった。
「す、すみません、ただ洗って貰ってただけなのに、勝手に反応しちゃって」
あ、ああ。恥ずかしい。
でも秋良さんはそこをじっと見つめた後、妙に嬉しそうな声で言った。
「そうかぁ、俺の手付きでそんなになってくれたんだ?じゃあもっとサービスしないとな」
「えっ、あ、秋良さん!?」
俺は仰天した。
秋良さんが、俺の前にしゃがみこんで、それを口に咥え込んだからだ。
う、嘘だろ!?
秋良さんは目を伏せて、一心不乱に刺激を与えて来る。
「あっ、ぅうっく」
何てことさせてるんだ、と思うのに、凄く気持ち良くて、声が漏れるのを懸命に堪えながら言った。
「だ、ダメです、秋良さんに、そんな事……させられません」
「んーでも、俺も幸人のこと気持ち良くさせたいし、気持ち良くなってくれてるの見たら嬉しいんだけど」
「で、でも……ぁあっ」
口を離したものの今度は手で扱かれ、にちゅ、ぬちゅと響く音がますます俺を昂らせて、もう理性を保っていられなくなる。
いつものように、ただ快感に酔って、声を漏らしてしまう。
「はぁ、はぁっ、んっ、いい……」
秋良さんも息を呑んだような気配がした。そしてまた手から口での奉仕に戻る。
「あ、ああっ、あきらさ、んっ、だめ、イク―――――!」
思わず俺は秋良さんの頭を抱え込んで、ぎゅううっと抱き締めていた。
秋良さんはされるがままで、ハッと気付いた俺は、秋良さんの頭を上げさせて謝った。
「すっ、すみません!俺、何てことを……秋良さん、すぐ吐き出して下さい!」
「いや、大丈夫。スキルで綺麗にしたから。それよりさ」
秋良さんはそう言うと、俺の目を見つめながらゆっくりと立ち上がった。
「ベッドに行こうよ。俺も―――――今のでこんなになっちゃったし」
俺の眼前に、秋良さんの昂ったものが晒されていた。
俺は驚いて辺りを見回した。
そこは、今まで訪れたどことも違う、不思議な、どこか日本や中国に通じるような雰囲気の街だった。
俺達が立っているのは、夜だというのに人通りの多い歓楽街のような場所。
提灯のような街路灯が等間隔に立っていて、道をほんのりと明るく照らしている。
行き交う人々はやっぱり、この世界の人らしく金や赤や青のカラフルな髪色をしていて、俺達みたいな黒髪の人間はいなかったけど、着ている服はぞろりとしていて着物とか、中国の昔の宮廷で着られていた服に似ていた。男女共に帯ではないが、幅の広い飾り紐で腰の辺りを縛っている。
秋良さんは驚いている俺を見て、嬉しそうに言った。
「この街、すごくアジアっぽいだろ?俺も1年この世界にいるからさ、地図見て色々行ってみたんだ。そしたらここ、ザインって街なんだけどさ、主食が米で文化もどことなく日本っぽい感じで気に入って何度か来てるんだよ」
さっきのレグルスとも意外と近いらしい。
「それじゃ、行こうか幸人。ここはこの街の歓楽街みたいな所だからさ、面白い店もたくさんあるよ」
そう言って俺の手を握った。
「え?あの、秋良さん」
戸惑っていると秋良さんはニコッと笑う。
「この方がデートっぽいだろ?」
「は、はあ」
日本にいた頃は当然秋良さんと手なんか繋いだ事なかったから、初めて繋ぐ秋良さんの暖かくて大きな手に、少し、くすぐったいような、恥ずかしいような、変な気持ちがした。
秋良さんに手を繋がれたまま、ザインの歓楽街を歩く。不思議な気分だ。日本のあの汚い街の歓楽街で爛れた人生を送っていた俺が、異世界の歓楽街で秋良さんと手を繋いで歩いてるとか。
けど。
「なあ、この人形ってキモ可愛くないか?」
「……キモしかないですよ、秋良さん」
どう見ても呪いの人形にしか見えないそれを、俺に見せながら笑う秋良さんにつられて、俺は呆れ半分、おかしさ半分で笑った。
こういうの、悪くないな。
久しぶりに、純粋に楽しかった。
まるで、あんな過去なんかなかった世界線に生まれて、普通に学生をやって、先輩と一緒にお祭りにでも来ているみたいに。
「そろそろお腹空いたんじゃないか?」
「あ、そうですね」
秋良さんの言葉に、俺は急に空腹を感じた。
「だよな。うん、いい所に連れて行ってやるよ。ほら、こっち」
秋良さんの案内で歓楽街の奥まった所に行くと、石造りの大きくて横に長い建物があった。
誘われるまま中に入ると、そこが旅館のような所なんだと分かる。
「部屋を取っておいたんだ。見たら驚くよ」
秋良さんが楽しそうに言って、黒い、黒檀のような扉を開けると、中はバリ島とかそういう所を連想させるアジアンテイストな内装になっていた。
竹のような細い艶のある木がたくさん使われていて、雰囲気のあるいい部屋だ。
部屋の奥にはフレームの付いたベッドがあり、薄いベールが掛かっている。そして部屋の中には強い花の匂いが漂っていた。
この香り、秋良さんに貰ったフィブリスの花と同じだ。
そう思った通り、部屋の真ん中のテーブルに大きな花瓶があって、そこにたくさんのフィブリスが飾られていた。
「うわ、凄い。いい部屋ですね」
まるで新婚旅行みたいだ、と言いそうになってぐっと詰まる。
「いやいや、こっちだよ本命は。ほら!見てみろよこれ!」
「えっ!?それ、まさか」
秋良さんが部屋の中を横切って奥の扉を開けると、そこは中庭に通じていて、タイル張りのプールのようなものからは、暖かな湯気が立ち昇っていた。
「これ、ひょっとしてお風呂ですか!?」
俺が驚いて走り寄ると、秋良さんは俺の反応に満足そうに笑った。
「そう!なんと露天風呂なんだよ。それも貸し切りにしたから、明日まで入り放題だ!タイル張りっていうのがちょっと、情緒がないけどなー。この世界にも風呂があるって最初見た時は驚いたよ」
「すごい……俺、ちょっと感動しました」
この世界に来てからずっとシャワーだったし、汚れはスキルで綺麗に出来るとは言え、暖かいお湯に浸かって体を緩めたいな、とは少し思っていた。
「今から食事が運ばれてくるから、終わったら入ろう」
秋良さんの言葉に頷く。
食事は米や魚、肉、野菜がバランスよく使われていて、とても美味しかった。日本食とまでは行かないけど、近いものが食べられて満足だ。
やっぱり、ずっとパンしか食べられないというのは少々きつい。
「俺、もう充分満足したって感じです。街歩きも楽しかったし。秋良さん、ほんとにありがとうございます」
そう言うと秋良さんは笑った。
「何言ってるんだよ、まだこれからだろ?ほら、風呂入ろうぜ」
「あ、そうですね」
秋良さんは、着ていた服を手早く脱いで、全裸で中庭に出て行った。
「うわぁ、気持ちいいー!」
ばしゃばしゃという水音と、ざぶん、と秋良さんが湯船に浸かる音がする。
俺も行こう、と服に手を掛けて、ふいにこの後何があるのかを思い出してしまった。
「……っ」
つい本当に、気の置けない先輩と旅行にでも来ていた気になっていたけど、こうなると裸になるのも恥ずかしい。
「おーい、幸人早く来いよー」
「は、はい」
秋良さんに呼ばれて、俺はええい、と全部脱いで外へ出た。秋良さんはちょうどこっちに背中を向けて湯船に浸かっていたから、ちょっと安心した。
体を洗ってから秋良さんの隣に浸かる。久しぶりの、たっぷりの暖かいお湯に体が蕩けそうだ。
「ああ……気持ちいい……」
思わず声が出てしまうと、秋良さんが笑う。
「だよなー。やっぱ日本人は風呂ないと辛いよ」
しばらくそのまま二人で風呂を味わう。
そういえば、こんな風に一緒に風呂に入るなんてのも、初めての事だ。
少し気になってしまって、ちらっと秋良さんの方を見た。
「星が綺麗だなー」と言いながら夜空を見上げる端正な横顔、濡れた髪が張り付いた鎖骨から下は、ほんのりとした照明しかないのと、お湯で揺らいではっきりと見えないが、引き締まって綺麗な体をしている。
以前だったら男の裸なんて見ても、何とも思わなかった。だけど、ヒューゴやロシュと関係を持つようになって、しかもこれから……という今、俺は秋良さんの事を妙に意識し始めてしまっていた。
秋良さんはどう思っているのか分からないけど、俺みたいに緊張する事もなく、普通にリラックスして楽しんでいるように見える。
「幸人、体洗ってやるよ」
「え、いや、いいですよ、そんな」
ふいにこっちを振り向かれて、ドキッとしてしまった。じっと見てたの、気付かれてないよな?
「いいから、今日は俺に色々奉仕させてよ」
そう言われて、断り切れない。
「わ、わかりました、お願いします」
湯船を出て洗い場に座ると、秋良さんが石鹸をタオルで泡立てて背中を洗い始める。
「幸人の体、綺麗だなー。ムダ毛なんかも全然ないじゃん」
「あー、なんか元々薄かったんですよね……」
「へえ、いいな。俺は脱毛通ったよ。痛かったなぁ、あれ」
言いながら、タオルを動かす秋良さんの手が、胸の方にも回って来る。
「えっ!?前もですか!?」
ぎょっとして顔だけで振り返ると、秋良さんは少し悪戯っぽい顔で笑っていた。
「そりゃあ、サービスだもん。ちゃんと全身洗ってあげないとねー。ほら、いいから、はい前向いてて」
「……」
秋良さんは後ろから手を回して、真面目に胸から腹を洗ってくれていた、けど……俺はドキドキして来て、それどころじゃなくなっていた。
手を回しているから、後ろにいる秋良さんの距離が近い。体温をすぐ傍に感じて、しかもタオルが乳首を掠めたりして、何も知らなかったあの頃とは違う。
一回どこかでスイッチが入ってしまうと、もうやばい。俺の体はすぐに反応するんだって。
「足の方はこのままじゃ洗いにくいな」
そう言って秋良さんが前に回って来ようとしたので、俺は慌てて止めた。
「いやっ、もう足はいいです。自分でやります」
「えー、遠慮なんてしなくていいって」
ま、まずい。
「いや、あの、遠慮じゃなくて」
「……あ」
秋良さんが俺の股の間の変化に気付いて、止まった。
「す、すみません、ただ洗って貰ってただけなのに、勝手に反応しちゃって」
あ、ああ。恥ずかしい。
でも秋良さんはそこをじっと見つめた後、妙に嬉しそうな声で言った。
「そうかぁ、俺の手付きでそんなになってくれたんだ?じゃあもっとサービスしないとな」
「えっ、あ、秋良さん!?」
俺は仰天した。
秋良さんが、俺の前にしゃがみこんで、それを口に咥え込んだからだ。
う、嘘だろ!?
秋良さんは目を伏せて、一心不乱に刺激を与えて来る。
「あっ、ぅうっく」
何てことさせてるんだ、と思うのに、凄く気持ち良くて、声が漏れるのを懸命に堪えながら言った。
「だ、ダメです、秋良さんに、そんな事……させられません」
「んーでも、俺も幸人のこと気持ち良くさせたいし、気持ち良くなってくれてるの見たら嬉しいんだけど」
「で、でも……ぁあっ」
口を離したものの今度は手で扱かれ、にちゅ、ぬちゅと響く音がますます俺を昂らせて、もう理性を保っていられなくなる。
いつものように、ただ快感に酔って、声を漏らしてしまう。
「はぁ、はぁっ、んっ、いい……」
秋良さんも息を呑んだような気配がした。そしてまた手から口での奉仕に戻る。
「あ、ああっ、あきらさ、んっ、だめ、イク―――――!」
思わず俺は秋良さんの頭を抱え込んで、ぎゅううっと抱き締めていた。
秋良さんはされるがままで、ハッと気付いた俺は、秋良さんの頭を上げさせて謝った。
「すっ、すみません!俺、何てことを……秋良さん、すぐ吐き出して下さい!」
「いや、大丈夫。スキルで綺麗にしたから。それよりさ」
秋良さんはそう言うと、俺の目を見つめながらゆっくりと立ち上がった。
「ベッドに行こうよ。俺も―――――今のでこんなになっちゃったし」
俺の眼前に、秋良さんの昂ったものが晒されていた。
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