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201-R18
しおりを挟む「心の中、あったかい……」
少し掠れた声に、俺はゆっくりと目を開けた。
「ほんと……?」
「本当に」
「きもち、い……?」
「気持ち良いよ」
(嬉しい……)
先生に気持ち良いって思ってもらえてる。そう思うと、胸がキュンキュンと高鳴って。ほっぺを緩める俺に、先生が優しく微笑んだ。それがまた、俺の胸をきゅうっと締め付ける。
「慣れるまでこうしてよっか」
先生は身体を密着させて、キスを落としてくれる。俺は目を瞑って、その綺麗な唇を受け入れた。
「んぁ……ん、んぅ……」
「心……」
「ん……せん、せ……」
角度を変えながら何度も唇を重ねて、熱い舌を絡め合う。合間に呼び合う名前は、熱く甘く耳の奥に響き、全身で喜びを感じ取る。そうしているうちに、徐々に身体に変化が起こっていった。
「心、腰動いてる……」
「んぅ……だって……」
もどかしい。中にいる先生を、もっと感じたい。そう思うと、勝手に腰が動いてしまう。はしたないことだって分かってるのに、どうしても我慢が出来ない。
「大丈夫そう……?」
「ん……だいじょ、ぶ、だから……俺の中、先生ので、いっぱいにして……?」
つい漏れ出てしまった本音。
「……っ」
「あっ」
瞬間、腰がググッとおし進められ、それと同時に、熱くて硬いのが奥まで侵入して、身体がビクッと跳ねた。
「あっ、ああっ……おくっ……おくまでっ……」
「ごめん……可愛すぎ……」
色気たっぷりに囁いた先生が、俺のモノに手を伸ばす。
「あっ、そこっ……」
「動くよ……」
「はぁっ……あっ、ん」
ユサッユサッと揺らされる身体。ゆっくりとした律動と前から与えられる快感が合わさって、頭がぐちゃぐちゃになっちゃいそう。
(……ううん)
なっちゃいそう、じゃなくて、もうなってる。もう、全身がとろとろに蕩けちゃって、目の前の先生のことしか考えられなくなってる。
「あんっ、せんせっ……あっ」
「名前、呼んで……心」
「あっ、ひろくっ……ひろっ、くんっ……」
先生が腰を動かすたびにクチュクチュって音が響くのが、酷く淫らで。今日はまだ一回も出していない俺は、今すぐにでも達してしまいそうだった。
「なんかっ、きちゃうっ……あっ、きちゃっ」
「……は……イク、って言うんだよ」
「い、くっ……?んあっ、いくっ……いっちゃうっ」
「……っ、可愛い……」
「ああんっ!」
グリッと先生のモノで前立腺を刺激された瞬間、ビクビクッと身体が震える。自身からは白濁が溢れ出て、先生の筋肉のついた綺麗なお腹を汚してしまっていた。
「はぁっ……はっ」
「……っ」
(気持ち、いい……)
荒い息を繰り返して、余韻に浸っていると、先生も切なそうに顔を歪め、俺の中で震えているのが伝わってきた。
(先生も、いってるの……?)
本当に俺で気持ち良くなってくれたんだ。そう思うと、すごく安心して、嬉しくて。愛おしいという感情が溢れて、どうしようもない。
(好き……)
抱きしめたい。そんなことを思って手を伸ばすと、ズルッと中のモノを抜いた先生が、逆に俺の身体を強く抱きしめた。
「は……心……」
熱い息が耳にかかる。
「せん、せ……?」
「……て、……とう……」
「え……?」
上手く聞き取れなくて聞き返す。すると、先生はもっと腕の力を強めて、今度ははっきりと耳元で囁いた。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
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