先生、おねがい。

あん

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 「ん……」


 抵抗したとは言え、本当は嫌ではなくて。正直な身体は、与えられた快感を素直に受け入れた。

 昨日知ったばかりの、先生とのキス。

 チュと吸い付いては離れ、また重なる唇。

 何度も繰り返すのに、飽きることなんかなくて、ずっとしていたいと思うのは、俺がはしたないからなのだろうか。


 「……んっ」


 絡まり合う指から感じる先生の体温。

 唇を落とされるたびにピクッとしてしまう俺の指を、先生が握り返してくれると、すごく幸せになる。


 「……心……」

 「はぁ……ん……ん」

 「心……かわい……」


 反対の手で耳を触られると、とろとろになるくらい気持ち良くて、俺の理性は徐々に壊れていく。

 けれど、俺はそのことに気付かないほど、先生から与えられるキスに夢中だった。


 「……ん……ふぁ」

 「心……」

 「せんせ……んぅ……」


 何度も角度を変えて、愛情をたっぷりもらう。それはこれ以上ないほど幸せなことなのに、欲張りな俺はこの先を求めてしまう。

 この先、というのは具体的には分からなくて。

 でももっと欲しくて。


 (なんか……なんだろ……俺、お腹空いてるのかな……)


 舐めたい。

 なんて変なことが頭によぎる。先生の唇は柔らかくて気持ち良いから、もっと触れたいって思ってしまった。

 もっともっと、先生の近くにいきたい。


 (い、良いかな……)


  冷静に考えるとキスの最中に……最中でなくても、人の唇を舐めるなんて、おかしいことこの上ない。いつもの俺だったら全力で止めると思う。

 けれど、すでに頭が働かない俺に、そんな正常な判断が出来るわけもなく。


 (舐め、たい……)


 俺は欲に抗えず、ドキドキと心臓を高鳴らせながら、ペロと先生の唇に舌を這わせた。

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