93 / 145
3巻【四】
4 えっ?
しおりを挟む
「B組、全員その場で紐をぴんと張れ。もっと力を入れて、ポールが倒れるんじゃないかと思うくらいに力を入れるんだ」
朔也も皆も後ろへ下がりながらリボンをぎゅうっと引っ張った。中央の教師陣が全方位から引っ張られるポールを支える。
「固定されたポールにこうやって編んでいくのが通常のメイポールだが、本番はポールを支える先生たちはいない。全員の紐を引っ張る力でポールを立たせる」
思わず朔也の口から「えっ?」という声が出た。クラスメイト全員が驚いたように顔を見合わせる。
「B組、これから中央の先生たちが手を放す。全員で引っ張り合ってポールを倒さないようにしてみろ」
教師の言葉に全員が慌てたように更にぎゅっとリボンを引っ張った。だが、中央の教師たちがポールから手を放した瞬間、ぐらりとポールが斜めになり呆気なく倒れる。急いでリボンを上に引っ張り、体育館の床に激突することだけは避けられた。
「これを倒れないようにする……?」
誰かの声に「マジかよ」という声がかぶさった。教師がそこへ「交互に交差して踊りながら引っ張るんだぞ」と追い打ちをかけてくる。
「交差するときは音楽に合わせてだ。全員で息を合わせないと倒れる。斜めになったら、どこかの力が強く、反対側の力が弱い。ポールの先を見て傾きを確認しつつ、紐を引っ張って調整しながら踊るんだ」
今度は「ええー⁉」と大きな声があちらこちらからあがった。他のクラスもどよめいている。
「回りながらでしょ? どこかの力が強いとか弱いとか、次に進んだら自分の位置が変わっちゃうのに」
「これ、ダンスっていうより競技だろ」
指示されてゆっくりとポールを床に倒し、B組は再び寝かされたポールの前に並んで座った。二色のリボンがランダムに広がっており、今できなかった難しいことをやるのだという事実を眼前に突きつけられる。
教師は「このダンスは三年ごとに行っている我が校伝統のダンスだ」と言った。
「だが、できなかったクラスはいない。絶対にできるようになる」
すると隣のクラスのベテラン教師が「その通り」と頷いた。
「この学校に何十年といるが、本番に倒れたクラスは見たことがない」
再び皆がざわつく。朔也もぽかんとした。今、全員で倒れないように引っ張ったのにすぐに倒れた。立ち止まっていたのに、だ。それを、踊りながら、位置を変えながらポールを支えなければならない。
その後、皆で炎天下の校庭に出た。既に二本のポールが並べて寝かせてあり、体育館から運んだポールも並べる。A組が紫と白、朔也たちB組がオレンジと白、C組がピンクと白だ。土のグラウンドにポールを立てると、体育館よりは根元が滑りにくいことが分かった。
先ほどB組がやったように、全生徒がリボンを持つ。互い違いに向き合い、ジグザグに交差する練習をする。一周したところで中央の教師がポールから離れると、全てのポールが倒れた。他のクラスもその難しさを実感したらしく、「うそだろ」といった声が暑さの中に溶けていく。
日差しがじりじりと肌を刺して、朔也は流れる汗を手で拭った。これ、できるようになるんだろうか。どうしたらいいのか全く分からない。
リボンを解くと、そのあと何回か編み込む練習をした。リボンを上下させる感覚や、交差するときに外側内側とジグザグに移動する動きはなんとなく掴めた。それなのに、ポールを支える教師が離れると全クラスのポールが倒れてしまう。風に飛ばされる土埃の中、途方に暮れる生徒たちの様子が見え隠れする。
「メイポールでは、前半は担任と体育教師が支えたポールの周りでダンスを踊る。その後、後半に紐を持ったダンスに移る。最後のポーズを決めるときは紐を放していい。担任と他の体育教師が再びポールを支える。何十分間も紐で支え続けるわけじゃないから、そんなに構えなくても大丈夫だぞ。それでは熱中症に気をつけて、教室に戻って水分補給をしてくれ」
教師の言葉に従って校舎内へ戻り、男子の更衣室となっている化学実験室へ行く。朔也はボディシートを出して汗の浮いた腕を拭いた。
「あれ、本当にできるのか?」
シュー。制汗スプレーの音の中、一人が呟く。それに対して三クラスの生徒それぞれが「分かんねえ」と戸惑う表情になった。爽やかなにおいも混ざるとなんだか空気が濁る。朔也は汗に濡れたシャツを脱いで新しいTシャツを被ると、家から凍らせて持ってきたペットボトルを傾けた。中の氷は殆ど溶けてしまったが、しゃりしゃりする感覚が残っていて体の内側からすっきりしていく。
「倒れたクラスはないって先生は言ってたよな」
「それがプレッシャーだろ。絶対に倒せねえ」
「担任の顔に泥を塗るしな。あのクラスが初めて倒したクラスだって言われる」
「正直女子のリボンの下をくぐるのは難しくねえか。背丈の壁はあるだろ」
一人が検索したらしく、「メイポールって女子だけで踊る学校が多いみたいだな」とスマホを見ながら呟いた。更に皆がざわつく。男女の対立が起こりそうな空気を察し、朔也は慌てて「でもさ」と声をかけた。
「女子だけでやったって、小さい子と大きい子の差はあるし。女子だけでもそういう難しいことは出てくるんじゃない?」
朔也はちらっと副委員長を見た。ちょっとだけおどけてみせる。
「おれ、水野のリボンの下をくぐるの、やりにくかったし」
すると即座に「朔はそうなるだろ!」と副委員長が突っ込んだ。笑いが起こり、少しだけ空気が緩む。内心ほっとしたところに、副委員長が肩をすくめた。
「俺は朔を通そうとしてリボンをあげるのに必死だったぜ。女子はそういう気持ちになるだろ」
「それを乗り越えてクラスで一体感を作ろうってことだよな。この学年が倒れた学年だって思われないように、全クラスがそういう気持ちにならないと」
ようやく前向きになる発言が出てきた。朔也は制服のボタンを留めながら「頑張ろうよ」と口端をあげた。
「体育祭までまだ二ヶ月あるし、きっとできるようになるって」
そうだなと頷き合う男子の様子にほっとする。朔也たちが自教室に戻ると、女子たちが「男子が来た」とこちらを見た。
「メイポール、難しくない? あれも話し合ってやらないとできないんじゃないかって女子で言ってたんだけど」
男子たちが顔を見合わせると、「席に座って」と委員長が促した。ガタガタと椅子の脚が音を立て、自席に着く。委員長は教壇のところに立って皆を見回した。
「今日は出席番号の偶数奇数でオレンジと白のチームに分かれたでしょ。でも、このクラスって偶数のほうが男子が多いんだよね。そうすると、時計回りに動く力と反時計回りに動く力にどうしても差が出ると思うの」
その指摘に男子たちが「なるほど」と感心したように頷く。副委員長が皆を見回した。
「出席番号じゃなくて、力で分配しようぜ。男女均等になるように」
「じゃあ残りの時間で全員をグループ分けしちゃおう」
委員長の言葉に中村が前に出た。クラス全員の名前を書き出し、体格も加味してオレンジと白へ分配する。すると朔也は変わらずオレンジになったが、同じ偶数のグループだった山宮は白のチームに入った。それらを書き込んだ名票を体育委員が受け取る。
「来週も頑張ろう」
委員長が明るい顔で締めくくる。チョークで書かれた中村の字を朔也もじっと見つめた。今日は自分から発言して上手くいった。やってみよう。きっとおれにだってできることがある。朔也はぐっとこぶしを握り締めた。
朔也も皆も後ろへ下がりながらリボンをぎゅうっと引っ張った。中央の教師陣が全方位から引っ張られるポールを支える。
「固定されたポールにこうやって編んでいくのが通常のメイポールだが、本番はポールを支える先生たちはいない。全員の紐を引っ張る力でポールを立たせる」
思わず朔也の口から「えっ?」という声が出た。クラスメイト全員が驚いたように顔を見合わせる。
「B組、これから中央の先生たちが手を放す。全員で引っ張り合ってポールを倒さないようにしてみろ」
教師の言葉に全員が慌てたように更にぎゅっとリボンを引っ張った。だが、中央の教師たちがポールから手を放した瞬間、ぐらりとポールが斜めになり呆気なく倒れる。急いでリボンを上に引っ張り、体育館の床に激突することだけは避けられた。
「これを倒れないようにする……?」
誰かの声に「マジかよ」という声がかぶさった。教師がそこへ「交互に交差して踊りながら引っ張るんだぞ」と追い打ちをかけてくる。
「交差するときは音楽に合わせてだ。全員で息を合わせないと倒れる。斜めになったら、どこかの力が強く、反対側の力が弱い。ポールの先を見て傾きを確認しつつ、紐を引っ張って調整しながら踊るんだ」
今度は「ええー⁉」と大きな声があちらこちらからあがった。他のクラスもどよめいている。
「回りながらでしょ? どこかの力が強いとか弱いとか、次に進んだら自分の位置が変わっちゃうのに」
「これ、ダンスっていうより競技だろ」
指示されてゆっくりとポールを床に倒し、B組は再び寝かされたポールの前に並んで座った。二色のリボンがランダムに広がっており、今できなかった難しいことをやるのだという事実を眼前に突きつけられる。
教師は「このダンスは三年ごとに行っている我が校伝統のダンスだ」と言った。
「だが、できなかったクラスはいない。絶対にできるようになる」
すると隣のクラスのベテラン教師が「その通り」と頷いた。
「この学校に何十年といるが、本番に倒れたクラスは見たことがない」
再び皆がざわつく。朔也もぽかんとした。今、全員で倒れないように引っ張ったのにすぐに倒れた。立ち止まっていたのに、だ。それを、踊りながら、位置を変えながらポールを支えなければならない。
その後、皆で炎天下の校庭に出た。既に二本のポールが並べて寝かせてあり、体育館から運んだポールも並べる。A組が紫と白、朔也たちB組がオレンジと白、C組がピンクと白だ。土のグラウンドにポールを立てると、体育館よりは根元が滑りにくいことが分かった。
先ほどB組がやったように、全生徒がリボンを持つ。互い違いに向き合い、ジグザグに交差する練習をする。一周したところで中央の教師がポールから離れると、全てのポールが倒れた。他のクラスもその難しさを実感したらしく、「うそだろ」といった声が暑さの中に溶けていく。
日差しがじりじりと肌を刺して、朔也は流れる汗を手で拭った。これ、できるようになるんだろうか。どうしたらいいのか全く分からない。
リボンを解くと、そのあと何回か編み込む練習をした。リボンを上下させる感覚や、交差するときに外側内側とジグザグに移動する動きはなんとなく掴めた。それなのに、ポールを支える教師が離れると全クラスのポールが倒れてしまう。風に飛ばされる土埃の中、途方に暮れる生徒たちの様子が見え隠れする。
「メイポールでは、前半は担任と体育教師が支えたポールの周りでダンスを踊る。その後、後半に紐を持ったダンスに移る。最後のポーズを決めるときは紐を放していい。担任と他の体育教師が再びポールを支える。何十分間も紐で支え続けるわけじゃないから、そんなに構えなくても大丈夫だぞ。それでは熱中症に気をつけて、教室に戻って水分補給をしてくれ」
教師の言葉に従って校舎内へ戻り、男子の更衣室となっている化学実験室へ行く。朔也はボディシートを出して汗の浮いた腕を拭いた。
「あれ、本当にできるのか?」
シュー。制汗スプレーの音の中、一人が呟く。それに対して三クラスの生徒それぞれが「分かんねえ」と戸惑う表情になった。爽やかなにおいも混ざるとなんだか空気が濁る。朔也は汗に濡れたシャツを脱いで新しいTシャツを被ると、家から凍らせて持ってきたペットボトルを傾けた。中の氷は殆ど溶けてしまったが、しゃりしゃりする感覚が残っていて体の内側からすっきりしていく。
「倒れたクラスはないって先生は言ってたよな」
「それがプレッシャーだろ。絶対に倒せねえ」
「担任の顔に泥を塗るしな。あのクラスが初めて倒したクラスだって言われる」
「正直女子のリボンの下をくぐるのは難しくねえか。背丈の壁はあるだろ」
一人が検索したらしく、「メイポールって女子だけで踊る学校が多いみたいだな」とスマホを見ながら呟いた。更に皆がざわつく。男女の対立が起こりそうな空気を察し、朔也は慌てて「でもさ」と声をかけた。
「女子だけでやったって、小さい子と大きい子の差はあるし。女子だけでもそういう難しいことは出てくるんじゃない?」
朔也はちらっと副委員長を見た。ちょっとだけおどけてみせる。
「おれ、水野のリボンの下をくぐるの、やりにくかったし」
すると即座に「朔はそうなるだろ!」と副委員長が突っ込んだ。笑いが起こり、少しだけ空気が緩む。内心ほっとしたところに、副委員長が肩をすくめた。
「俺は朔を通そうとしてリボンをあげるのに必死だったぜ。女子はそういう気持ちになるだろ」
「それを乗り越えてクラスで一体感を作ろうってことだよな。この学年が倒れた学年だって思われないように、全クラスがそういう気持ちにならないと」
ようやく前向きになる発言が出てきた。朔也は制服のボタンを留めながら「頑張ろうよ」と口端をあげた。
「体育祭までまだ二ヶ月あるし、きっとできるようになるって」
そうだなと頷き合う男子の様子にほっとする。朔也たちが自教室に戻ると、女子たちが「男子が来た」とこちらを見た。
「メイポール、難しくない? あれも話し合ってやらないとできないんじゃないかって女子で言ってたんだけど」
男子たちが顔を見合わせると、「席に座って」と委員長が促した。ガタガタと椅子の脚が音を立て、自席に着く。委員長は教壇のところに立って皆を見回した。
「今日は出席番号の偶数奇数でオレンジと白のチームに分かれたでしょ。でも、このクラスって偶数のほうが男子が多いんだよね。そうすると、時計回りに動く力と反時計回りに動く力にどうしても差が出ると思うの」
その指摘に男子たちが「なるほど」と感心したように頷く。副委員長が皆を見回した。
「出席番号じゃなくて、力で分配しようぜ。男女均等になるように」
「じゃあ残りの時間で全員をグループ分けしちゃおう」
委員長の言葉に中村が前に出た。クラス全員の名前を書き出し、体格も加味してオレンジと白へ分配する。すると朔也は変わらずオレンジになったが、同じ偶数のグループだった山宮は白のチームに入った。それらを書き込んだ名票を体育委員が受け取る。
「来週も頑張ろう」
委員長が明るい顔で締めくくる。チョークで書かれた中村の字を朔也もじっと見つめた。今日は自分から発言して上手くいった。やってみよう。きっとおれにだってできることがある。朔也はぐっとこぶしを握り締めた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
学園の天使は今日も嘘を吐く
まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」
家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。

告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。

王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。


【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

婚約破棄された王子は地の果てに眠る
白井由貴
BL
婚約破棄された黒髪黒目の忌み子王子が最期の時を迎えるお話。
そして彼を取り巻く人々の想いのお話。
■□■
R5.12.17 文字数が5万字を超えそうだったので「短編」から「長編」に変更しました。
■□■
※タイトルの通り死にネタです。
※BLとして書いてますが、CP表現はほぼありません。
※ムーンライトノベルズ様にも掲載しています。

真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる