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Phase 1 生まれ変わってもブラック会社に勤めていた迷宮探索者の憂鬱
第9話 仕事ができないくせにプライドだけは高い先輩ほど扱いづらいものはない
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「おまえ何のつもりだ?偉そうに命令するんじゃねえ!リーダーは俺だぞ!」
「……」
戦闘が終わった迷宮の中、恰幅の良い戦士の男が俺に絡んでくる。
俺は黙ったまま何も言い返さない。
この図体のでかいデブ、アドンは俺に歩み寄り、その大きな体格で威圧してくる。
「まあまあアドン氏!こんなやつに構って時間を取られるのは自分が損ですぞ。探索を続けましょう」
背の低いデブ……灰色のローブを着た魔法使いダミアンが、俺たちの間に入って、大きいデブをたしなめた。
「ダミアンさんがそこまで言うならしかたないな。ふん、ロキ!ダミアンさんに感謝するんだな」
新人研修の翌日、俺はまたダンジョン探索にもぐっていた。
休暇の申請をしたのだが、承認をもらえなかったからだ。
そうして今回組むことになった三人。
大きいデブ(戦士)アドンと、小さいデブ(魔法使い)ダミアン。
そしてさっきから後ろで黙ったままぼーっと突っ立っている痩せた目つきの悪い男、レンジャーのフーゴ。
全員が40代の中年で、階級は三人とも俺の一つ上のC級探索者だ。迷宮探索者歴だけは無駄に長い。
今回のこのパーティー……結論から先に言うと、最悪だ。
組むのは今回が初めてだが、レギオン内で噂は聞いていた。ものすごく"使えない"と……。
★★★★★★★★
――昨日の新人研修のアクシデントのせいで、今日も朝から上司のゲイズの機嫌が悪かった。こちらが昨日の代わりの休みをよこせと言っても、ふざけるなの一点張りなのだ。
そんな調子だから、今日は多分何を言っても駄目だろうと、俺は諦めることにした。
まあ、ゲイズは気分屋だ。迷宮でそれなりに財宝を稼いでくればすぐに機嫌がよくなる。その後でもう一度休暇の申請をすれば大丈夫だろう。
……と、思っていました。今朝までは。
先日俺は30階層を突破したが、今日は単純にそのまま31階層の探索をするつもりはない。
31階層以下では対毒装備が必要となることが分かっているからだ。
30階層までの攻略には必要がなかったため、今俺の手元に対毒装備はない。
装備はレギオンで斡旋してもらうこともできるが、深層探索者には安価で優先的に配ってもらえるアイテムも、俺のような中堅には高値で販売されている。
そのため装備分の金額を稼ぐよりも、直接迷宮で入手した方が圧倒的に効率がいい。
そこで今回俺は、対毒装備がドロップしやすい11階層へといったん戻り、11階層=洞穴階層の探索をすることにした。
レギオンに探索希望階層の申請をすると、同等の階層の探索を希望しているメンバーとパーティーを組むことになる。
そうしてレギオンから斡旋されたのが、図体がでかいだけの戦士アドン、魔法の才能がない魔法使いダミアン、何を考えているのか分からないレンジャーのフーゴ。レギオン内でも悪名高いポンコツ中年三人組だった。
前回のメンバーたちも同じ階層の探索を希望しているはずだが、この使えない先輩たちと組まされたことについては上司の悪意を感じざるを得ない。
昨日のアクシデントに対する報復だろう。
ゲイズの野郎、やることが陰湿すぎて、怒りを通り越して呆れてしまう。
使えない先輩たちは、そんな自覚は全くないらしく、顔合わせの時から異常なまでの先輩風を吹かせていた。
「おまえがロキか。名前は聞いてるぞ。チッ、こんな万年D級の野郎と組まされるとはついてねえな」
「そういえばアドン氏、聞きましたか?こいつ先日30階層を突破したらしいですぞ。もしかしてC級に上がれるかと思って調子に乗っているのかもしれませんな」
「なんですと!くそっ!どうせ他のメンバーに寄生して、ちゃっかり先に進んだだけに決まってる。そういうやつに限って、実力がないくせに調子にのるんだ!」
俺に聞こえる距離で俺の悪口を始めやがって……。
その後もグチグチと俺のことをバカにする話題で盛り上がる二人と、何もしゃべらない一人。
まあそのうち終わるだろうと、俺は我慢することにした。
その間に昨日折ってしまった細剣の代わりの武器を、レギオンでレンタルする。
武器のレンタル料は基本的に返却するときに返ってくるのだが、昨日のレイピアは折ってしまったため代金の返却がない。持ち合わせがないためあまり高価な武器はレンタルできず悩んでいると、事務員からある武器を紹介された。
「これは?」
刀身に合わせて作られている反った鞘に入った細い剣。抜いて見なくても、その名は分かった。
「カタナ・ブレードか!」
「ゲイズさんから、ロキさんが昨日レイピアを折ってしまったから代わりにこれを安く貸してやれと言われまして」
この国では溶けた金属を鋳型に流し込んで作るいわゆる鋳造の剣が主流だが、この極東の小国で使われているというカタナ・ブレードは熱した鉄をハンマーで叩いて作る鍛造によって作られた剣だ。
鋳造の剣よりも剛性にも靭性にも優れている。
俺はそのカタナを使ってみたい欲求と安いレンタル料に釣られ、しっかりと確認もせずにレンタルしてしまった。
よくよく考えてみれば、ゲイズがそんな気の利いたことをするわけがなかった。
迷宮に潜ってから剣を鞘から抜いて分かったのだが、刀身はやせ細って針金のようであった。
おそらく使い古して何十篇も何百篇も研いで使ってきたのだろう。刺身包丁よりも細く、まるで刺突剣のようであった。
荒く扱えばすぐに折れてしまいそうだ。
まあ仕方ない。所詮11階層だ。これくらいの剣でも一日くらいなんとかなるだろう。
★★★★★★★★
ポンコツパーティーで11階層を進行中、先頭を歩く斥候のフーゴの様子がおかしくなった。
「あれ?」
いや、俺もこの階層は何度も探索してるから、分かってはいた。
こいつ、道に迷ってやがる。
このパーティーではレンジャーであるフーゴが索敵の担当なのだが、慣れているせいか地図も持ってきていないようだし、そのくせ勘が悪いのか道に迷いやがった。
デブ二人はそのことに気づかず無駄話を続けているし、なんだよこいつら。
「おかしいなあ……」
ぞっとするセリフを吐くフーゴを注意したいところだが、俺は黙って頭の中にあるこの階層の地図と今の場所を照らし合わせる。
おそらくここまではリマップは起きていない。俺の記憶ではこの先は川があって行き止まりだ。迂回しなくてはいけないはず。
するとまもなくしてやはり水の流れる音が聞こえてきて、そして視界に川が現れた時にやっとフーゴが自分のミスを認める発言をした。
「あ……、間違えた」
全員が立ち止まる。そしてアドンが口を開く。
「まあ間違えたものは仕方がない、俺もなんかおかしいなと思っていたんだ。だがこういう時は斥候に任せないといけないしな」
「そうですな。斥候の案内に逆らっていたら、先に進めないですし」
ちびデブも大デブに同意する。
斥候は重要な役目だ。なのにこんなずさんな案内をされては、パーティー全員が危険にさらされる可能性がある。だから俺はこういう場合はしっかりと注意すべきだと思うが、こいつらは馴れ合いがひどいようだ。
それならそれで俺も特に口をはさむのはやめておこう。自分の身は自分で守るしかない。
「それじゃあさっきの分かれ道を反対に進むか」
「いや、そっちも確か行き止まりだ。さらにもう一つ前の分かれ道まで戻ろう」
俺がアドバイスを出すと、大デブはこちらを見て大きく目を見開いた。
「なんだてめえ!知ってたのか?なら何で先に言わねえ!てめえのせいで余計な時間をつぶしちまったじゃねえか!」
「はあ?余計な時間をつぶしたのは、道を間違えたそいつのせいだろ?俺だって久しぶりだからはっきり道を覚えてたわけじゃねえよ。それにおまえだっておかしいって気づいたのに何も言わなかったんだろ?その上で斥候に任せるべきだって今話してたじゃねえか!」
「そういうことを言ってるんじゃねえ!おまえD級のくせに生意気なんだよ!俺はお前が子供のころから迷宮に潜ってるんだよ!」
「は?」
ちょっと何を言ってるのか意味が分からなかった。
このデブは俺の話している内容が理解できないのかな?
俺が呆れて黙っていると、アドンは先に歩き出した。
「もういい、行くぞ!二つ前の分かれ道まで戻れば良いんだな?今度道を間違えた時は先に言えよ!」
なぜか斥候のフーゴが、ダミアンと一緒にアドンの後ろに付いて歩いてゆく。
斥候のお前が先頭を歩かなきゃダメだろう?
それに道を間違えたことを一言も謝罪していないぞ?
……殴りたい。
デブも殴りたい。
だがここは堪えよう。
こいつらと喧嘩しても、それこそ時間の無駄だ。
少しでも稼いで帰らないと、それこそ永遠に休暇がもらえなくなるのだから……。
「……」
戦闘が終わった迷宮の中、恰幅の良い戦士の男が俺に絡んでくる。
俺は黙ったまま何も言い返さない。
この図体のでかいデブ、アドンは俺に歩み寄り、その大きな体格で威圧してくる。
「まあまあアドン氏!こんなやつに構って時間を取られるのは自分が損ですぞ。探索を続けましょう」
背の低いデブ……灰色のローブを着た魔法使いダミアンが、俺たちの間に入って、大きいデブをたしなめた。
「ダミアンさんがそこまで言うならしかたないな。ふん、ロキ!ダミアンさんに感謝するんだな」
新人研修の翌日、俺はまたダンジョン探索にもぐっていた。
休暇の申請をしたのだが、承認をもらえなかったからだ。
そうして今回組むことになった三人。
大きいデブ(戦士)アドンと、小さいデブ(魔法使い)ダミアン。
そしてさっきから後ろで黙ったままぼーっと突っ立っている痩せた目つきの悪い男、レンジャーのフーゴ。
全員が40代の中年で、階級は三人とも俺の一つ上のC級探索者だ。迷宮探索者歴だけは無駄に長い。
今回のこのパーティー……結論から先に言うと、最悪だ。
組むのは今回が初めてだが、レギオン内で噂は聞いていた。ものすごく"使えない"と……。
★★★★★★★★
――昨日の新人研修のアクシデントのせいで、今日も朝から上司のゲイズの機嫌が悪かった。こちらが昨日の代わりの休みをよこせと言っても、ふざけるなの一点張りなのだ。
そんな調子だから、今日は多分何を言っても駄目だろうと、俺は諦めることにした。
まあ、ゲイズは気分屋だ。迷宮でそれなりに財宝を稼いでくればすぐに機嫌がよくなる。その後でもう一度休暇の申請をすれば大丈夫だろう。
……と、思っていました。今朝までは。
先日俺は30階層を突破したが、今日は単純にそのまま31階層の探索をするつもりはない。
31階層以下では対毒装備が必要となることが分かっているからだ。
30階層までの攻略には必要がなかったため、今俺の手元に対毒装備はない。
装備はレギオンで斡旋してもらうこともできるが、深層探索者には安価で優先的に配ってもらえるアイテムも、俺のような中堅には高値で販売されている。
そのため装備分の金額を稼ぐよりも、直接迷宮で入手した方が圧倒的に効率がいい。
そこで今回俺は、対毒装備がドロップしやすい11階層へといったん戻り、11階層=洞穴階層の探索をすることにした。
レギオンに探索希望階層の申請をすると、同等の階層の探索を希望しているメンバーとパーティーを組むことになる。
そうしてレギオンから斡旋されたのが、図体がでかいだけの戦士アドン、魔法の才能がない魔法使いダミアン、何を考えているのか分からないレンジャーのフーゴ。レギオン内でも悪名高いポンコツ中年三人組だった。
前回のメンバーたちも同じ階層の探索を希望しているはずだが、この使えない先輩たちと組まされたことについては上司の悪意を感じざるを得ない。
昨日のアクシデントに対する報復だろう。
ゲイズの野郎、やることが陰湿すぎて、怒りを通り越して呆れてしまう。
使えない先輩たちは、そんな自覚は全くないらしく、顔合わせの時から異常なまでの先輩風を吹かせていた。
「おまえがロキか。名前は聞いてるぞ。チッ、こんな万年D級の野郎と組まされるとはついてねえな」
「そういえばアドン氏、聞きましたか?こいつ先日30階層を突破したらしいですぞ。もしかしてC級に上がれるかと思って調子に乗っているのかもしれませんな」
「なんですと!くそっ!どうせ他のメンバーに寄生して、ちゃっかり先に進んだだけに決まってる。そういうやつに限って、実力がないくせに調子にのるんだ!」
俺に聞こえる距離で俺の悪口を始めやがって……。
その後もグチグチと俺のことをバカにする話題で盛り上がる二人と、何もしゃべらない一人。
まあそのうち終わるだろうと、俺は我慢することにした。
その間に昨日折ってしまった細剣の代わりの武器を、レギオンでレンタルする。
武器のレンタル料は基本的に返却するときに返ってくるのだが、昨日のレイピアは折ってしまったため代金の返却がない。持ち合わせがないためあまり高価な武器はレンタルできず悩んでいると、事務員からある武器を紹介された。
「これは?」
刀身に合わせて作られている反った鞘に入った細い剣。抜いて見なくても、その名は分かった。
「カタナ・ブレードか!」
「ゲイズさんから、ロキさんが昨日レイピアを折ってしまったから代わりにこれを安く貸してやれと言われまして」
この国では溶けた金属を鋳型に流し込んで作るいわゆる鋳造の剣が主流だが、この極東の小国で使われているというカタナ・ブレードは熱した鉄をハンマーで叩いて作る鍛造によって作られた剣だ。
鋳造の剣よりも剛性にも靭性にも優れている。
俺はそのカタナを使ってみたい欲求と安いレンタル料に釣られ、しっかりと確認もせずにレンタルしてしまった。
よくよく考えてみれば、ゲイズがそんな気の利いたことをするわけがなかった。
迷宮に潜ってから剣を鞘から抜いて分かったのだが、刀身はやせ細って針金のようであった。
おそらく使い古して何十篇も何百篇も研いで使ってきたのだろう。刺身包丁よりも細く、まるで刺突剣のようであった。
荒く扱えばすぐに折れてしまいそうだ。
まあ仕方ない。所詮11階層だ。これくらいの剣でも一日くらいなんとかなるだろう。
★★★★★★★★
ポンコツパーティーで11階層を進行中、先頭を歩く斥候のフーゴの様子がおかしくなった。
「あれ?」
いや、俺もこの階層は何度も探索してるから、分かってはいた。
こいつ、道に迷ってやがる。
このパーティーではレンジャーであるフーゴが索敵の担当なのだが、慣れているせいか地図も持ってきていないようだし、そのくせ勘が悪いのか道に迷いやがった。
デブ二人はそのことに気づかず無駄話を続けているし、なんだよこいつら。
「おかしいなあ……」
ぞっとするセリフを吐くフーゴを注意したいところだが、俺は黙って頭の中にあるこの階層の地図と今の場所を照らし合わせる。
おそらくここまではリマップは起きていない。俺の記憶ではこの先は川があって行き止まりだ。迂回しなくてはいけないはず。
するとまもなくしてやはり水の流れる音が聞こえてきて、そして視界に川が現れた時にやっとフーゴが自分のミスを認める発言をした。
「あ……、間違えた」
全員が立ち止まる。そしてアドンが口を開く。
「まあ間違えたものは仕方がない、俺もなんかおかしいなと思っていたんだ。だがこういう時は斥候に任せないといけないしな」
「そうですな。斥候の案内に逆らっていたら、先に進めないですし」
ちびデブも大デブに同意する。
斥候は重要な役目だ。なのにこんなずさんな案内をされては、パーティー全員が危険にさらされる可能性がある。だから俺はこういう場合はしっかりと注意すべきだと思うが、こいつらは馴れ合いがひどいようだ。
それならそれで俺も特に口をはさむのはやめておこう。自分の身は自分で守るしかない。
「それじゃあさっきの分かれ道を反対に進むか」
「いや、そっちも確か行き止まりだ。さらにもう一つ前の分かれ道まで戻ろう」
俺がアドバイスを出すと、大デブはこちらを見て大きく目を見開いた。
「なんだてめえ!知ってたのか?なら何で先に言わねえ!てめえのせいで余計な時間をつぶしちまったじゃねえか!」
「はあ?余計な時間をつぶしたのは、道を間違えたそいつのせいだろ?俺だって久しぶりだからはっきり道を覚えてたわけじゃねえよ。それにおまえだっておかしいって気づいたのに何も言わなかったんだろ?その上で斥候に任せるべきだって今話してたじゃねえか!」
「そういうことを言ってるんじゃねえ!おまえD級のくせに生意気なんだよ!俺はお前が子供のころから迷宮に潜ってるんだよ!」
「は?」
ちょっと何を言ってるのか意味が分からなかった。
このデブは俺の話している内容が理解できないのかな?
俺が呆れて黙っていると、アドンは先に歩き出した。
「もういい、行くぞ!二つ前の分かれ道まで戻れば良いんだな?今度道を間違えた時は先に言えよ!」
なぜか斥候のフーゴが、ダミアンと一緒にアドンの後ろに付いて歩いてゆく。
斥候のお前が先頭を歩かなきゃダメだろう?
それに道を間違えたことを一言も謝罪していないぞ?
……殴りたい。
デブも殴りたい。
だがここは堪えよう。
こいつらと喧嘩しても、それこそ時間の無駄だ。
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