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Phase 1 生まれ変わってもブラック会社に勤めていた迷宮探索者の憂鬱
第1話 迷宮探索者ロキ
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朝日で明るくなった部屋の中、目が覚める。
重い瞼を開けスマホで時間を確認すると、いつものように目覚まし時計がなる5分前だった。
朝の出社前の時間は貴重だ。
すぐに起きるとTVをつけ、朝のニュースを聞きながら昨日の帰りにコンビニで買ってきた朝食のパンを食べる。
いつものルーティーン。
寝巻のスウェットからスーツに着替える。
ウエストが緩い。
ベルトを一番絞めつけても、それでもゆとりがある。
このベルトを買った時には、ベルトホールの真ん中で合わせたはずなのに。
仕方なく金具を外し、ハサミでベルトを切ってちょうどよい長さに調整する。
痩せたな……。
玄関横の姿見で自分の体形を確認する。
そりゃあそうか、朝はコンビニ、昼だけ会社で食事するが、その後は夜まで働きっぱなしで夕食を取る暇もない。
一日二食しか食べていないが、仕事は休憩を取る暇もないくらい忙しい……、栄養が足りていないのだ。
そんなことよりベルトの調整で時間を取られてしまった、電車に乗り遅れてはいけない。
俺は急いでネクタイを締めると、カバンを手に部屋の扉を開けた。
★★★★★★★★
変な夢だった……。
俺は目覚めた部屋を、改めて確認する。
そこはいつもの自分の部屋。
夢で見たのは、見たことないものであふれる部屋だった。
空想にしてはやけにリアルで、不思議な世界の夢だった。
最近この手の夢をよく見る。
そのせいで熟睡した気になれず、なんだか疲れが取れない。
いや、夢のせいでない。ただ疲れが溜まりすぎているのだ。
今日までおよそ一か月間、休みもなく迷宮に潜り続けているせいだ。働きすぎなだけだろう。
次の探索を終えたら久しぶりの休暇の予定だ。その日は一日中寝てすごそう。
寝起きでぼーっとしてるんじゃない。現実に戻ろう。
俺の名前はロキ、迷宮探索者だ。
★★★★★★★★
ロキは、15歳でこの迷宮都市に出てきて、今年で20歳になる。つまり探索者歴は5年だ。
迷宮探索歴5年というと、すでにA級探索者として迷宮最深部の探索をしている者もいる。
だがロキは未だにD級探索者であり、中層の探索がやっとというレベルだ。
これを出世が遅いと言う者もいる。だがロキはそうは思ってはいない。
5年の間に、大きな成果を挙げられず引退していった者や迷宮の中で帰らぬ者となった者、そんな志半ばで去って行った同業者をロキは数多く見てきた。
そんな者たちと比べ、ロキは大きな後遺症を持つ怪我をすることもなく、実力をつけてきている。
迷宮探索は命がけであり、たった一度の失敗で挫折しなくてはならないことがある。
ロキはこの5年間を、そんな失敗をすることがないよう無理せず堅実にやってきたのだ。
知識を得て経験を得て、獲得した金以上の実力という財産を手に入れた。
ロキの5年間は決して無駄ではない。
そんな迷宮探索者ロキは、今日もパーティを組み迷宮を探索していた。
★★★★★★★★
今回のパーティでの探索は、非常に順調だった。
重戦士のノエル、弓士のチェイン、魔法使いのパーシィ、そして戦士であり初級攻撃魔法使いであり斥候でもある何でも屋の俺、ロキ。
それぞれ中堅と呼ばれるレベルの探索者であり、今回の探索はそれぞれの最高階層更新となった。
俺が斥候をしながらダンジョンを進む。罠があれば回避、敵を発見したら突破するか迂回するかを判断する。
戦闘に突入すればまずはパーシィの魔法で先制攻撃をし、ノエルが最前へ出て盾役をこなす。
俺はノエルとともに前衛として戦い、チェインが後ろから支援、時々パーシィにも追加で魔法攻撃を与えてもらう。
そんな戦い方で、ここ30階層までほぼ無傷で進んできた。
まさに快進撃だ。今ならどこまでも進んでゆける気がする。
だが油断してはいけない。こういう調子が良い時ほど撤退の判断を誤ってしまうものだ。
判断ミスによって命を落とす者も少なくない。特に階層更新したばかりの時ほど慎重にいかなくてはいけない。
慎重に慎重にと言いながら、結局何の問題が起きることもなく、俺たちはあっさりと30階層のボス部屋前までたどり着いてしまった。
ダンジョンには、一定の階層ごとに「階層主」がいる。
その階層主を討伐しないとその次の階層へゆくことができないが、そうは言っても階層主討伐はそんな容易な話ではない。
そのためここでメンバーと、階層主に挑戦すべきかどうかを話し合う必要があった。
「まさかこんな簡単に、ここまで来れるとは思わなかったな」
そうつぶやいたのはノエル。
兜の面あてを上げて覗き見える顔の表情からは、程よい疲労感が見えた。
「ウチの会社にしちゃ、今回のこのパーティはバランスが取れてましたもんね」
最年少のチェインが、俺の顔を見ながら言った。
「ああ、本当に今回はメンバーに恵まれた。特にロキ、本当にお前は何でもできるんだな。そんなにできるんならもっといろんなパーティから引っ張りだこだと思うんだが、未だにD級探索者だなんて信じられないよ」
冷静で普段あまり感情を表に出さないパーシィは、そう語る顔に笑みを浮かべていた。
今回の探索に手ごたえを感じているのだろう。
「俺も自分じゃ原因が分からないからD級なんだろ。まあ死にたくないから慎重すぎることと、上司から嫌われてるのが大きな原因だと思うけど」
両手を広げながら俺がそう言うと、仲間たちから笑いが漏れた。
「確かに上司に恵まれてないっていうのはあるな。まったくろくな組織じゃねえよな、ウチのレギオンは」
「かと言って僕たちに特殊な力があるわけじゃないですし、他のレギオンに行って今さら一からやり直すのも辛いですよ。独立できるほどの自力があれば別ですけど」
「しがみつくしかねえってのが現実だろうな」
三人が俺の境遇を憐れむのと同時に、自分たちの立場にも重ね合わせる。
そうなのだ。迷宮探索者という職業は、一見自由なようで、そこらの勤め人とあまり変わらない。
むしろ命を懸けている分、リスクが高いだろう。
大金を稼いで成り上がろうと迷宮探索者を目指す者は多いが、実際はうまくいかない者の方が多いのだ。
「そんなことより、どうする?」
そう言って俺は、親指でボス部屋の入り口を指さす。
今はなすべきは会社の話ではなく、階層主に挑戦するかどうかだ。
「30階層の階層主は何だっけ?」
「30階層の階層主はジャイアントトロール。弱点は後頭部と炎系魔法。無尽蔵なくらいに体力があるから持久戦になるのを覚悟しなきゃいけない」
パーシィの質問に、俺は淡々と答える。
ここらはこのクワノール迷宮において中層と呼ばれている。迷宮探索の最前線である深層と違い、すでにいくつもの探索者が通り過ぎて行った階層であり、その情報はよく知れ渡っている。
迷宮探索において情報のあるなしは命綱ともなるため、俺は探索前の下調べは怠らない。
まさか今日ここまでたどり着くとは思わなかったが、この階層主のこともあらかじめ調べてある。
とにかく体力戦だ。パーシィの火炎魔法が急所に当たるほど時間短縮できるだろう。それほど魔力を使わずにここまでたどり着けたのだから、はっきり言って負ける要素はないはずだ。
「今日はここで引き返した方がいいと思うやつはいるか?」
パーシィのその質問に、頷くものは一人もいない。
「そういうことでいいな?じゃあいつまでも話してても仕方ない。行くぞ。俺はとにかく火炎魔法を打てばいいんだな?」
「数打てばいいわけじゃない。的確に急所を狙うことを意識してくれ」
「わかった」
全員の意思統一がなされたところで、俺たちはボス部屋の入り口をくぐる。ここに入ったら、一定時間が経つか階層主を倒すかしないと部屋から出ることはできない。その覚悟を決めボス部屋に入ると、そこには想像していた階層主の姿はなかった。
「あれ?ジャイアントトロールは?」
部屋を見回す。そこは障害物のない広い円形の部屋だった。魔物が隠れることができるような場所はない。ボスどころかボスが連れていることがある仲間の魔物の姿もなかった。
「あれ?ボス部屋じゃなかったのか?」
何かの間違いかと思った次の瞬間、部屋の中央の地面が波を打ったように見えた。
すぐに全員が戦闘態勢に入る。
波を打ったのは地面ではなく、地面に広がっていた砂で、それはうねりながら集まり、一つの塊となってゆく。
「なんだありゃ?」
「ジャイアントトロールじゃない?」
だんだんと形を成してゆくそれは、ヒト型の形となっていった。
重い瞼を開けスマホで時間を確認すると、いつものように目覚まし時計がなる5分前だった。
朝の出社前の時間は貴重だ。
すぐに起きるとTVをつけ、朝のニュースを聞きながら昨日の帰りにコンビニで買ってきた朝食のパンを食べる。
いつものルーティーン。
寝巻のスウェットからスーツに着替える。
ウエストが緩い。
ベルトを一番絞めつけても、それでもゆとりがある。
このベルトを買った時には、ベルトホールの真ん中で合わせたはずなのに。
仕方なく金具を外し、ハサミでベルトを切ってちょうどよい長さに調整する。
痩せたな……。
玄関横の姿見で自分の体形を確認する。
そりゃあそうか、朝はコンビニ、昼だけ会社で食事するが、その後は夜まで働きっぱなしで夕食を取る暇もない。
一日二食しか食べていないが、仕事は休憩を取る暇もないくらい忙しい……、栄養が足りていないのだ。
そんなことよりベルトの調整で時間を取られてしまった、電車に乗り遅れてはいけない。
俺は急いでネクタイを締めると、カバンを手に部屋の扉を開けた。
★★★★★★★★
変な夢だった……。
俺は目覚めた部屋を、改めて確認する。
そこはいつもの自分の部屋。
夢で見たのは、見たことないものであふれる部屋だった。
空想にしてはやけにリアルで、不思議な世界の夢だった。
最近この手の夢をよく見る。
そのせいで熟睡した気になれず、なんだか疲れが取れない。
いや、夢のせいでない。ただ疲れが溜まりすぎているのだ。
今日までおよそ一か月間、休みもなく迷宮に潜り続けているせいだ。働きすぎなだけだろう。
次の探索を終えたら久しぶりの休暇の予定だ。その日は一日中寝てすごそう。
寝起きでぼーっとしてるんじゃない。現実に戻ろう。
俺の名前はロキ、迷宮探索者だ。
★★★★★★★★
ロキは、15歳でこの迷宮都市に出てきて、今年で20歳になる。つまり探索者歴は5年だ。
迷宮探索歴5年というと、すでにA級探索者として迷宮最深部の探索をしている者もいる。
だがロキは未だにD級探索者であり、中層の探索がやっとというレベルだ。
これを出世が遅いと言う者もいる。だがロキはそうは思ってはいない。
5年の間に、大きな成果を挙げられず引退していった者や迷宮の中で帰らぬ者となった者、そんな志半ばで去って行った同業者をロキは数多く見てきた。
そんな者たちと比べ、ロキは大きな後遺症を持つ怪我をすることもなく、実力をつけてきている。
迷宮探索は命がけであり、たった一度の失敗で挫折しなくてはならないことがある。
ロキはこの5年間を、そんな失敗をすることがないよう無理せず堅実にやってきたのだ。
知識を得て経験を得て、獲得した金以上の実力という財産を手に入れた。
ロキの5年間は決して無駄ではない。
そんな迷宮探索者ロキは、今日もパーティを組み迷宮を探索していた。
★★★★★★★★
今回のパーティでの探索は、非常に順調だった。
重戦士のノエル、弓士のチェイン、魔法使いのパーシィ、そして戦士であり初級攻撃魔法使いであり斥候でもある何でも屋の俺、ロキ。
それぞれ中堅と呼ばれるレベルの探索者であり、今回の探索はそれぞれの最高階層更新となった。
俺が斥候をしながらダンジョンを進む。罠があれば回避、敵を発見したら突破するか迂回するかを判断する。
戦闘に突入すればまずはパーシィの魔法で先制攻撃をし、ノエルが最前へ出て盾役をこなす。
俺はノエルとともに前衛として戦い、チェインが後ろから支援、時々パーシィにも追加で魔法攻撃を与えてもらう。
そんな戦い方で、ここ30階層までほぼ無傷で進んできた。
まさに快進撃だ。今ならどこまでも進んでゆける気がする。
だが油断してはいけない。こういう調子が良い時ほど撤退の判断を誤ってしまうものだ。
判断ミスによって命を落とす者も少なくない。特に階層更新したばかりの時ほど慎重にいかなくてはいけない。
慎重に慎重にと言いながら、結局何の問題が起きることもなく、俺たちはあっさりと30階層のボス部屋前までたどり着いてしまった。
ダンジョンには、一定の階層ごとに「階層主」がいる。
その階層主を討伐しないとその次の階層へゆくことができないが、そうは言っても階層主討伐はそんな容易な話ではない。
そのためここでメンバーと、階層主に挑戦すべきかどうかを話し合う必要があった。
「まさかこんな簡単に、ここまで来れるとは思わなかったな」
そうつぶやいたのはノエル。
兜の面あてを上げて覗き見える顔の表情からは、程よい疲労感が見えた。
「ウチの会社にしちゃ、今回のこのパーティはバランスが取れてましたもんね」
最年少のチェインが、俺の顔を見ながら言った。
「ああ、本当に今回はメンバーに恵まれた。特にロキ、本当にお前は何でもできるんだな。そんなにできるんならもっといろんなパーティから引っ張りだこだと思うんだが、未だにD級探索者だなんて信じられないよ」
冷静で普段あまり感情を表に出さないパーシィは、そう語る顔に笑みを浮かべていた。
今回の探索に手ごたえを感じているのだろう。
「俺も自分じゃ原因が分からないからD級なんだろ。まあ死にたくないから慎重すぎることと、上司から嫌われてるのが大きな原因だと思うけど」
両手を広げながら俺がそう言うと、仲間たちから笑いが漏れた。
「確かに上司に恵まれてないっていうのはあるな。まったくろくな組織じゃねえよな、ウチのレギオンは」
「かと言って僕たちに特殊な力があるわけじゃないですし、他のレギオンに行って今さら一からやり直すのも辛いですよ。独立できるほどの自力があれば別ですけど」
「しがみつくしかねえってのが現実だろうな」
三人が俺の境遇を憐れむのと同時に、自分たちの立場にも重ね合わせる。
そうなのだ。迷宮探索者という職業は、一見自由なようで、そこらの勤め人とあまり変わらない。
むしろ命を懸けている分、リスクが高いだろう。
大金を稼いで成り上がろうと迷宮探索者を目指す者は多いが、実際はうまくいかない者の方が多いのだ。
「そんなことより、どうする?」
そう言って俺は、親指でボス部屋の入り口を指さす。
今はなすべきは会社の話ではなく、階層主に挑戦するかどうかだ。
「30階層の階層主は何だっけ?」
「30階層の階層主はジャイアントトロール。弱点は後頭部と炎系魔法。無尽蔵なくらいに体力があるから持久戦になるのを覚悟しなきゃいけない」
パーシィの質問に、俺は淡々と答える。
ここらはこのクワノール迷宮において中層と呼ばれている。迷宮探索の最前線である深層と違い、すでにいくつもの探索者が通り過ぎて行った階層であり、その情報はよく知れ渡っている。
迷宮探索において情報のあるなしは命綱ともなるため、俺は探索前の下調べは怠らない。
まさか今日ここまでたどり着くとは思わなかったが、この階層主のこともあらかじめ調べてある。
とにかく体力戦だ。パーシィの火炎魔法が急所に当たるほど時間短縮できるだろう。それほど魔力を使わずにここまでたどり着けたのだから、はっきり言って負ける要素はないはずだ。
「今日はここで引き返した方がいいと思うやつはいるか?」
パーシィのその質問に、頷くものは一人もいない。
「そういうことでいいな?じゃあいつまでも話してても仕方ない。行くぞ。俺はとにかく火炎魔法を打てばいいんだな?」
「数打てばいいわけじゃない。的確に急所を狙うことを意識してくれ」
「わかった」
全員の意思統一がなされたところで、俺たちはボス部屋の入り口をくぐる。ここに入ったら、一定時間が経つか階層主を倒すかしないと部屋から出ることはできない。その覚悟を決めボス部屋に入ると、そこには想像していた階層主の姿はなかった。
「あれ?ジャイアントトロールは?」
部屋を見回す。そこは障害物のない広い円形の部屋だった。魔物が隠れることができるような場所はない。ボスどころかボスが連れていることがある仲間の魔物の姿もなかった。
「あれ?ボス部屋じゃなかったのか?」
何かの間違いかと思った次の瞬間、部屋の中央の地面が波を打ったように見えた。
すぐに全員が戦闘態勢に入る。
波を打ったのは地面ではなく、地面に広がっていた砂で、それはうねりながら集まり、一つの塊となってゆく。
「なんだありゃ?」
「ジャイアントトロールじゃない?」
だんだんと形を成してゆくそれは、ヒト型の形となっていった。
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