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第1章 さぁ冒険を始めよう!
第5話 パーティー戦
しおりを挟む初めてパーティー組むことになりました。
《サード》に行くためにはソロじゃキツイからと言うことでクレドール護衛を兼ねてパーティーを組むことにした。
「クレドール!大剣はどうなった?」
実は昨日のボスのレアドロップ品である『狂人の大剣』の強化をお願いしたのだ。
「おう、一応強化したけどこれ超扱いむずくないか?」
___________
《狂喜の大剣》 攻撃力345
効果:狂化発動、筋力倍加(狂気)、頑丈弱化
狂人にだけ扱う事を許された両刃の紅大剣。斬るたびに突飛した刃が血を欲して震える。
*狂化:状態異常〘狂気〙弱になり、時間経過で攻撃力と共に状態異常が悪化していく。
筋力倍加(狂気):〘狂気〙状態になったとき、筋力の数値が2倍になる。
頑丈弱化:頑丈にマイナス補正がかかる。
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「まぁこのぐらいならどうにかなると思う。ありがとうクレドール!」
「おうよ!もちろん依頼分の金から引かせてもらうけどな!」
軽く振る。見た目に反してそこまで重くなく、意外と振りやすい。
「ヒヒヒッ様になってるな!」
「ありがと。で残りの依頼人って誰なんだ?」
「一応全員がココの客だ。」
ちょうどその時にドアが開く。
「お邪魔します」
「お~じゃま~」
入ってきたのは2人組の男女だった。歳は同じぐらいだと思う。男の方はなんか癖のある感じっぽいが、女の方は普通に一般人ぽい。男は剣を、女は杖を持ってるので相性的には悪くないと思う。
「はいどーも少し遅れました~」
黒髪、黒目、黒いコート、黒いズボン最後に黒い鞘の直剣と黒ずくめの人が出てきた。ノリ良いっぽいけど……
少し長めの髪からは理性的な目がちらりと見えた。……なんかカッコイイ
「…す、すいません遅れました。」
最後に入ってきたのは灰色のフード付きコートに身を包んだ少女だった。身長は150あるかないかぐらいだろうか。声や動作からしてかなり気弱なタイプなんだろう。
パンと音をたてるようにクレドールが手を叩く。
「さぁみんな来てくれてありがとう!まずは俺から自己紹介をさせてもらうよ。クレドールだ。得物は一応バトルアックスだけど、火魔法も使えるから。よろしく!はい次、ルナちゃん」
なかなかいい切り出しだと思う。思うけどなんで僕をちゃん付けにするんだろう…
「ルナです。投げナイフと大剣、水魔法を使います。基本ソロですがいい友好関係を築いていきたいので、ぜひよろしくお願いします。」
パチパチパチパチ
「ちょい待って、俺の時拍手なかったよね!?」
無視する一同。結構みんなノリよくない?
「ナギサです。見ての通り魔法使いスタイルで風魔法が主に使っていきます。ポーションを売っているので暇だったら後日買いに来てください。よろしくお願いします。」
パチパチパチパチ
…なんかクレドールが涙目になってる気がする。
「ボクはナギサ姉さんの弟のハルキどうぞよろしく~。一応両手剣で戦いまーす。」
パチパチパチパチ
「イズキってよんでくれ。剣主体の近距離特化なんでどーぞよろしく!」
パチパチパチパチ
「あ、あのッ夜月です。え、えーと…一応双剣です。……よ、よろしくお願いします。」
パチパチパチパチ
……。
何このカワイイイキモノ
ナデナデしたい……
「夜月さんとイズキ、ハルキくんが前衛で残りが後衛かな…まぁ前衛がやばくなったらルナちゃんが前衛に回ればいいかな。」
まぁ妥当な所だよね~
……『狂喜の大剣』を使ってみたかったけど
「じゃあ行こっか!」
パンと手を叩いて立ち上がった。
♢ ♧ ♡ ♤
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《マッド•ミドルガルズ》Lv30
HP780 MP520
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なるほど一人じゃこれは無理がある。HPもMPも今までのボスより全然高い。土を潜る大蛇といったところか。ただデカイので攻撃の的になりやすいのが欠点だが…
「じゃあ行こう」
武器を構える。そして夜月とイズキが走り出す。どうやら三人でローテーションを回すらしい。
二人とも異様だった。
とても人間とは思えないぐらいの動きをしている。夜月さんはコマのように回転して攻撃しながら避けてるし、イズキさんは余計な動きがない。とてもギリギリに、でも1ダメージも喰らわないようにしてるのだ。凄すぎる。
二人とも【限界突破】を取っているのはわかるが、プレイヤーとしての技術がすごいのだろう。【限界突破】を取ってる僕でも絶対に無理だろう。というか戦い方がまず違う。
「…これ出番ないんじゃね?」
ハルキのため息混じりの声が聞こえる。同じ思いだが一応遠距離からの攻撃ができるのでサポートとしてやるつもりだ。ホントは危なくなった時に怯ませるのが僕の役目なのだが……
【投擲】用のナイフを出して、『武技』を使う。
狙うは頭、急所である。
「『鴉』」
黒く閃くナイフはまるで閃光のように飛んでいく。吸い込まれるように頭にぶつかり、ダメージを与えたと同時に小さなスタン状態になる。
そのわずかなスキを逃さず、二人の『剣技』が閃く。
「……『双龍の舞』」
「『ソラノカナタ』」
ズドンバリバリ
「ギャアアアッッ!!」
……凄すぎじゃないですか?
強すぎですね。夜月さんとか切り刻み過ぎてもう光しか見えないんだけど…
というか【剣技】のレベルが高すぎだと思います。まだ一週間しか立ってないんですけど……あとヘビさんがかわいそうです。
つーか僕達の仕事なくない?
もうHP半分ぐらいしか無いんですけど……
他の人も立ったまま呆然としているし…
やることもないからまだ手に出したことのないスキルを使ってみようと思う。
まずは【祈り】。
恐らく幸運系統の隠しパラメーターが上がるんだろうけどこれ使うひまなかったしね~。
片膝をつき、手を握り合わせる。他の人たちがなにやってるんだみたいな目で見てるけど無視して続ける。そうして3分ぐらい経った時、ステータスの状態が『幸運up状態(小)』と表記された。恐らくドロップ品などに影響があるのだろうが、これソロにはあんま意味ないような気がする。
……【手品】は完璧ジョーク系のやつだが、まー暇だったんで取りました。
……
いやまぁね、他に取るのなかったし…
一番最初にできるのは『等価交換』らしい。コルと魔力を使って薔薇を生みだすとか……
やってみようか……
手を握り、【手品】を発動させる。
そして手を開く。
そこには薔薇の花束が添えられていた。結構デカイ
……なんかキザっぽい。
消費したのは200コルぐらいだったけど魔力の消費量が結構あったから気をつけないと…
ってこんなことしてる間に4ぶんの1まで減っていた。凄すぎないじゃないですか…
「マジこのまま行ったら全部二人に任せちゃうからせめて囮ぐらいやろう」
クレドールの言葉にみんなが頷く。
「じゃ、僕が引きつけるんで…」
2本のナイフを取り出して【ペン回し】を発動させる。
「『シャイネール』」
手のひらと手の甲、腕周りに回す技だ。それを両手に2連続させる。しかもこの技、失敗する確率と器用度の上がる補正がほぼ同じなので、1回目が成功すればほぼ半永久的に回り続ける。【ペン回し】はヘイト増加系スキルの中ではあまり有効では無いが両手でやる事によってヘイト率を2倍にしている。と言っても慣れないと失敗したりするが…
学校で練習した成果だ。
少しすると大蛇がコチラを意識しだし、カマ首を持ち上げる。
残りHPは10分の1しかなかったので全員で叩きのめすことにした。
僕がナイフを投げた瞬間にみんなが走り出す。
「風魔法『風波の衝刃』
風の巨大な塊が大蛇に当たり悲鳴と共に転倒する。そのスキをついてみんなの武技が発動する。
僕も大剣を抜いて、『狂気発動』させる。少し体が締め付けられるような錯覚を覚えるが無視して『武技』を発動させる。『筋力倍加』により大剣を楽に振り回せるようになる。
「『狂鬼乱演舞』」
切り刻み、叩き切り、切り口を広げる。体力の半分を使って行う〘狂気〙時専用の技だ。
様々なエフェクトが飛び散り、大蛇は悲鳴をあげて倒れる。そのまま光の礫となって消え去った。
それはソロで戦う時よりも盛大に光を帯びていた気がした。
♢ ♧ ♡ ♤
「みんなありがとう。無事第三の街《サード》についたよ!また依頼するかもだからその時よろしく~じゃかいさ~ん!でイズキ、ちょっと付き合えよ!」
「え~メンド~。まぁ暇だしいいけど」
クレドールが閉めて解散ということになったがまだ4半ぐらいなので結構時間が余る。
「じゃ~ボク達はどうする?どっか行く?」
「ま~暇だしね。僕は良いけど…」
「わ、私も大丈夫です!」
「そうね。ワタシも暇だし大丈夫よ」
「んじゃ~どっか行きますか…ん~たしか有名なカフェがあったような気がするからそこに行こうぜ……(これぞハーレムか)」
「「「…………………………」」」
(((聞こえてるんですけど)))
「……ねぇハルキ、やっぱ帰りましょ。あとでお話があるから」
「え?何?どうして?姉さん顔怖いよ?ねぇ?待って待って引きずらないで待ってッ!!ボクのハーレムがぁぁぁああ!?」
「「…………………」」
……何とも言えない
「…適当に回ろっか」
「は、はい!」
二人残された僕と夜月さんは取り敢えず新たな街《サード》を周ることにした。
…
……
…………。
……アレ?これってデート?
___________
ルナ
Lv17
持ち金:216500コル
HP:259/259
MP:278/295
筋力:285
速度:339
頑丈:225
魔力:287
器用:362
体力:251
スキル:【千里眼Lv15】【投擲Lv17】【剣術Lv14】【魔力Lv12】【水魔法Lv12】【ペンまわしLv17】【軽業Lv11】【限界突破Lv11】【祈りLv2】【手品Lv2】
___________
応援ありがとうございます!
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