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最強の剣
一足飛びのブーツ
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決死の覚悟を固める主従に、フィーロは冷めた調子で
「盛り上がっているところ悪いが、俺はただ方法を話しただけだ。君たちに協力するとは一言も言ってない」
「えっ!?」
「しかしあなたの主人は我々に協力してくれるつもりのようですが」
こちらを見るリュシオンさんに、私も「うんうん」と頷いて
「命の危険があると知りながら、放っておくなんてできないよ。ここで会ったのも何かの縁だし、助けてあげようよ」
けれど私の頼みに、フィーロは肩を竦めて
「そりゃ我が君は善の人だから、困っている人を見捨てるなんてできないだろうさ。しかしさっき言ったとおり、この作戦の成功率は五分五分だ。もし戦闘になれば、我が君の命も危うい。だからいざという時の保険が欲しい」
「保険とは?」
続きを促すリュシオンさんに、フィーロはニッコリ笑って
「君たちも不思議な道具を持っているだろう? 万が一、転移者に目を付けられないように、王から持ち出すように頼まれた国宝のことだ」
「あ、あのブーツのことですか?」
アルメリア姫には心当たりがあるようだ。
「あのブーツって?」
説明を求める私に、姫ではなくフィーロが
「『一足飛びのブーツ』と言って、目的地を言いながらジャンプするだけで、瞬時に移動できる魔法のブーツだ。作戦遂行中は、それを我が君に貸して欲しい。いざという時、我が君だけは修羅場から逃れられるように」
「そんな。これはエーデルワールの国宝。王の許可無く貸し出すわけには……」
難色を示すリュシオンさんに、フィーロは強気の態度で
「こっちだって、その国宝に相当する魔法の指輪を貸すんだ。しかも君たちの作戦が失敗すれば、回収できなくなるかもしれない。命の危険と魔法の指輪の喪失。いくら我が君がお人よしだからって、そんなリスクを無条件で背負えと?」
「それは確かに、そうですが……」
顔を曇らせるリュシオンさんたちを見て
「フィーロ。条件なんて言わないで、タダで助けてあげようよ」
けれどフィーロは私の言うことを、なんでも聞く道具じゃない。
私なんかよりずっと頭がいいからこそ、譲れない一線があるようで
「我が君。再三言っているが、これは命の危険があることなんだ。俺は彼らを助けること自体は賛成だ。ただ君の安全だけは、絶対に確保しなきゃいけない」
命を護るためだと言われると、何も言えなくなった。
「分かりました。確かになんの保障も無く、無関係の人を巻き込むなんて許されぬ話。父はわたくしが必ず説得します。ですからその代わりに、悪魔の指輪とフィロソフィス殿のお知恵をお貸しください」
アルメリア姫が承諾すると、フィーロもニコッとして
「よし。話がまとまったなら、今日は休んで明日にでもエーデルワールに行こう」
「明日にでもって……まだ2日は船に乗っていなければならないのに」
私もリュシオンさんと同じ疑問を抱いたけど、フィーロによれば
「さっき話しただろう? それは一瞬で目的地に行けるブーツだ。所有者と手を繋いだ状態なら、さらに2人移動できる」
「まぁ、すごい! ただ誰の足にもフィットして、靴底が減らないだけのブーツじゃ無かったのですね!」
手を叩いて喜ぶアルメリア姫に、フィーロは白い目で
「逆によくそれしか効果が無いと思っていたブーツを国宝にしたな……」
話が済んだ後も、私はアルメリア姫たちの部屋に留まり、しばし雑談をした。
私はアルメリア姫と出会ってから、密かに気になっていることがあった。
それは彼女が身に着けている黒鉄に、青い宝石が嵌まった手甲のようなもの。
優雅な彼女には不似合いな武具のような装飾品。
「もしかして、それも何か大事なものなんですか?」
私の問いに、彼女は「ええ」と手甲を撫でながら
「これは今は亡き守護竜の忘れ形見です。転移者によると守護竜はこと切れた瞬間、眩しい光とともに消えてしまった。後にはこの手甲だけが残されていたと」
ちなみに転移者は最初『竜が装備をドロップした』と喜んだそうだ。
しかしカッコいい見た目に反して、装備してもなんの効果も無かった。
だから竜を殺したと騒ぐエーデルワール王家に、遺体の代わりに渡したという。
「我々はこれを守護竜の遺体として墓所を作り安置していたのですが、アルメリア様が自国を離れることになったので、陛下がお守りにと持たせてくださったのです」
わざわざ装備品のような形になったのに、本当になんの効果も無いのかな?
ちょっと引っ掛かったのでフィーロに尋ねるも
「それは単なる守護竜の遺品さ。でも世話になったと思うなら、大事にしておくといいだろうな」
フィーロの言葉に、アルメリア姫は竜の手甲を撫でながら
「もちろん。かの竜は長きに渡り我が国を守護してくださいました。その恩はかの竜が亡くなっても消えません。我が国が続く限り、優しく賢い竜が居たと言う伝説とともに大切に祀りますわ」
そのためにも早くエーデルワールに平和が戻るように私も願った。
翌日。
お金は乗船時に払ってあるので、私たちは勝手に船を降りることにした。
いきなり乗客が居なくなったら、船員さんたちを心配させてしまうかもしれない。
かと言って、魔法の道具について説明するわけにもいかない。
だから、やっぱり無断で移動することになった。
フィーロは一足飛びのブーツの使用について
「一足飛びのブーツは、使用者が行ったことのある場所にしか移動できない。だから今回は、姫か竜騎士殿か履いてくれ」
「じゃあ、わたくしが履きますわ。魔法のアイテムを使うなんて面白そう」
好奇心旺盛なアルメリア姫がウキウキとブーツに手を伸ばすと
「アルメリア様」
リュシオンさんが、その手を止める。
はじめて使う道具だし、アルメリア姫に何かあったらと心配なのかな?
様子を見守る私の前で
「なんですの、リュシオン? ハッ、まさかあなた……」
何かに気づいた様子のアルメリア姫に、リュシオンさんは少し恥ずかしそうに顔を歪めながら
「俺も魔法のブーツを履いてみたい……」
まさかの主張にアルメリア姫は呆れ顔で
「あなた、もう20歳でしょう。ファンタジーは卒業なさい」
「アルメリア様だってウキウキだったでしょう! 王族だからってアルメリア様だけズルいですよ!」
まさか王女と騎士の間で、一足飛びのブーツの取り合いが起きてしまうとは。
でも神の宝のような魔法の道具は、この世界でも珍しい。
リュシオンさんが使ってみたいと思うのは当然かもしれない。
どちらかに我慢させるのは可哀想なので
「あの、エーデルワールには最後に行けばいいんですから、2人で交代で使ったらどうでしょうか?」
私の提案に、2人はパッと顔を明るくして
「そうですね! 何もすぐに帰る必要はありませんし!」
「本来の予定よりも、ずいぶん早く帰れますものね!」
無事に解決して良かったなぁと喜ぶ私たちに、フィーロは薄ら笑いで
「家族が殺されかかっているのに2人とも余裕だな。まぁ、処刑まではまだ猶予があるから、確かに寄り道する時間はあるが」
「盛り上がっているところ悪いが、俺はただ方法を話しただけだ。君たちに協力するとは一言も言ってない」
「えっ!?」
「しかしあなたの主人は我々に協力してくれるつもりのようですが」
こちらを見るリュシオンさんに、私も「うんうん」と頷いて
「命の危険があると知りながら、放っておくなんてできないよ。ここで会ったのも何かの縁だし、助けてあげようよ」
けれど私の頼みに、フィーロは肩を竦めて
「そりゃ我が君は善の人だから、困っている人を見捨てるなんてできないだろうさ。しかしさっき言ったとおり、この作戦の成功率は五分五分だ。もし戦闘になれば、我が君の命も危うい。だからいざという時の保険が欲しい」
「保険とは?」
続きを促すリュシオンさんに、フィーロはニッコリ笑って
「君たちも不思議な道具を持っているだろう? 万が一、転移者に目を付けられないように、王から持ち出すように頼まれた国宝のことだ」
「あ、あのブーツのことですか?」
アルメリア姫には心当たりがあるようだ。
「あのブーツって?」
説明を求める私に、姫ではなくフィーロが
「『一足飛びのブーツ』と言って、目的地を言いながらジャンプするだけで、瞬時に移動できる魔法のブーツだ。作戦遂行中は、それを我が君に貸して欲しい。いざという時、我が君だけは修羅場から逃れられるように」
「そんな。これはエーデルワールの国宝。王の許可無く貸し出すわけには……」
難色を示すリュシオンさんに、フィーロは強気の態度で
「こっちだって、その国宝に相当する魔法の指輪を貸すんだ。しかも君たちの作戦が失敗すれば、回収できなくなるかもしれない。命の危険と魔法の指輪の喪失。いくら我が君がお人よしだからって、そんなリスクを無条件で背負えと?」
「それは確かに、そうですが……」
顔を曇らせるリュシオンさんたちを見て
「フィーロ。条件なんて言わないで、タダで助けてあげようよ」
けれどフィーロは私の言うことを、なんでも聞く道具じゃない。
私なんかよりずっと頭がいいからこそ、譲れない一線があるようで
「我が君。再三言っているが、これは命の危険があることなんだ。俺は彼らを助けること自体は賛成だ。ただ君の安全だけは、絶対に確保しなきゃいけない」
命を護るためだと言われると、何も言えなくなった。
「分かりました。確かになんの保障も無く、無関係の人を巻き込むなんて許されぬ話。父はわたくしが必ず説得します。ですからその代わりに、悪魔の指輪とフィロソフィス殿のお知恵をお貸しください」
アルメリア姫が承諾すると、フィーロもニコッとして
「よし。話がまとまったなら、今日は休んで明日にでもエーデルワールに行こう」
「明日にでもって……まだ2日は船に乗っていなければならないのに」
私もリュシオンさんと同じ疑問を抱いたけど、フィーロによれば
「さっき話しただろう? それは一瞬で目的地に行けるブーツだ。所有者と手を繋いだ状態なら、さらに2人移動できる」
「まぁ、すごい! ただ誰の足にもフィットして、靴底が減らないだけのブーツじゃ無かったのですね!」
手を叩いて喜ぶアルメリア姫に、フィーロは白い目で
「逆によくそれしか効果が無いと思っていたブーツを国宝にしたな……」
話が済んだ後も、私はアルメリア姫たちの部屋に留まり、しばし雑談をした。
私はアルメリア姫と出会ってから、密かに気になっていることがあった。
それは彼女が身に着けている黒鉄に、青い宝石が嵌まった手甲のようなもの。
優雅な彼女には不似合いな武具のような装飾品。
「もしかして、それも何か大事なものなんですか?」
私の問いに、彼女は「ええ」と手甲を撫でながら
「これは今は亡き守護竜の忘れ形見です。転移者によると守護竜はこと切れた瞬間、眩しい光とともに消えてしまった。後にはこの手甲だけが残されていたと」
ちなみに転移者は最初『竜が装備をドロップした』と喜んだそうだ。
しかしカッコいい見た目に反して、装備してもなんの効果も無かった。
だから竜を殺したと騒ぐエーデルワール王家に、遺体の代わりに渡したという。
「我々はこれを守護竜の遺体として墓所を作り安置していたのですが、アルメリア様が自国を離れることになったので、陛下がお守りにと持たせてくださったのです」
わざわざ装備品のような形になったのに、本当になんの効果も無いのかな?
ちょっと引っ掛かったのでフィーロに尋ねるも
「それは単なる守護竜の遺品さ。でも世話になったと思うなら、大事にしておくといいだろうな」
フィーロの言葉に、アルメリア姫は竜の手甲を撫でながら
「もちろん。かの竜は長きに渡り我が国を守護してくださいました。その恩はかの竜が亡くなっても消えません。我が国が続く限り、優しく賢い竜が居たと言う伝説とともに大切に祀りますわ」
そのためにも早くエーデルワールに平和が戻るように私も願った。
翌日。
お金は乗船時に払ってあるので、私たちは勝手に船を降りることにした。
いきなり乗客が居なくなったら、船員さんたちを心配させてしまうかもしれない。
かと言って、魔法の道具について説明するわけにもいかない。
だから、やっぱり無断で移動することになった。
フィーロは一足飛びのブーツの使用について
「一足飛びのブーツは、使用者が行ったことのある場所にしか移動できない。だから今回は、姫か竜騎士殿か履いてくれ」
「じゃあ、わたくしが履きますわ。魔法のアイテムを使うなんて面白そう」
好奇心旺盛なアルメリア姫がウキウキとブーツに手を伸ばすと
「アルメリア様」
リュシオンさんが、その手を止める。
はじめて使う道具だし、アルメリア姫に何かあったらと心配なのかな?
様子を見守る私の前で
「なんですの、リュシオン? ハッ、まさかあなた……」
何かに気づいた様子のアルメリア姫に、リュシオンさんは少し恥ずかしそうに顔を歪めながら
「俺も魔法のブーツを履いてみたい……」
まさかの主張にアルメリア姫は呆れ顔で
「あなた、もう20歳でしょう。ファンタジーは卒業なさい」
「アルメリア様だってウキウキだったでしょう! 王族だからってアルメリア様だけズルいですよ!」
まさか王女と騎士の間で、一足飛びのブーツの取り合いが起きてしまうとは。
でも神の宝のような魔法の道具は、この世界でも珍しい。
リュシオンさんが使ってみたいと思うのは当然かもしれない。
どちらかに我慢させるのは可哀想なので
「あの、エーデルワールには最後に行けばいいんですから、2人で交代で使ったらどうでしょうか?」
私の提案に、2人はパッと顔を明るくして
「そうですね! 何もすぐに帰る必要はありませんし!」
「本来の予定よりも、ずいぶん早く帰れますものね!」
無事に解決して良かったなぁと喜ぶ私たちに、フィーロは薄ら笑いで
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