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エピローグ・あの日の続き
何度でも君を見つけて
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私は彼の顔を見られず、視線を逸らしながら
「……ゴメン。でもそういうわけだから、私のことは諦めて。君を騙して記憶を奪いながら、今さらのうのうと結ばれるなんて許されないから」
これで全て終わりだ。後は立ち去るだけと、きびすを返そうとしたが
「許されないって誰に?」
とんちんかんなカイルの一言に、私は目を丸くしながら
「誰ってカイルだよ。その目、私を恨んでいるんでしょう? 見たことがない顔をしているもん……」
悪意と暴力にはしょっちゅう晒されて来たが、自分に好意的な人の怒りには慣れていない。
そのせいで怯えながら返すと、カイルは「うん」とハッキリ怒りを認めつつも
「この間の子どもを産ませて発言といい、どこまで俺の気持ちを弄ぶんだろうって、すごく腹が立っている。絶対に許さない」
「だったら……」
やっぱり私たちの縁は、これで終わりだ。
しかし再び立ち去ろうとする私に
「今まで悲しい想いをさせた分、これからはずっと一緒に居てくれなきゃ許さない」
カイルは私を捕まえて引き寄せると
「二度と俺の前から消えないで」
そのままきつく抱きしめた。思いもよらない行動に、私は目を白黒させながら
「ど、どういうこと?」
困惑する私に、カイルはやはり怒った顔で
「今言ったとおりだよ! こんな酷いことをしたアニスには、もう俺を拒む権利無いから! アニスは俺と結婚して! ずっと幸せに暮らして!」
顏と声は怒っているのに、言っている内容がおかしい。なぜ彼は自分を騙し記憶を奪った女を、キレながらも幸せにしようとするのだろう?
ここまで来ても私には、カイルの気持ちが不可解で
「な、なんで? なんで君はこんな酷い女を、絶対に諦めないの?」
他に誰も選べないほど無価値な男ならともかく、カイルは性格、容姿、能力ともに最上級だ。
子どもの頃も村の女の子たちにモテていたし、大人になってからも、すれ違う女性の多くが好意の視線を向けた。
カイルなら誰でも、とまでは言わないが、多くの選択肢がある。
それなのに、どうしてこんな出来損ないで不実な女を選ぶのか?
私の疑問に、カイルは切なげに顔を歪めて
「俺はアニスが自分に都合がいいから好きなわけじゃない。報われなくても噛み合わなくても、何があっても諦められないほど強く想えるのは君だけなんだ」
「君じゃなきゃダメなんだ」と、いっそう強く私を抱き締めると
「例え嘘でも、君はエニシアの花を受け取ってくれたでしょう? もう俺たちは消えない約束で結ばれているから、仮にまた記憶を奪って逃げても、何度でも君を見つけて絶対に好きになる」
先ほどまでと違って少し冗談っぽい声。彼は腕の中の私を見下ろすと
「だから諦めて。俺と結婚して、アニス」
子どもの頃と変わらない晴れやかな笑顔で言った。自分の直感を心から信じる曇りなき眼差しで。
カイルはどこまでも信じているんだ。私が自分の運命だと。
自分がゴミのように思える私には、こちらから好きな人に手を伸ばすことがどうしてもできない。
けれど私たちは、もう消えない約束で結ばれているそうだ。
だから私がどれだけもがいて、彼を拒絶し、記憶まで奪おうと、約束は消えない。
この今は何も無い花畑にも、春になればまた一面のエニシアが咲くように。
カイルは何度でも姿を消した私を見つけ、抱きしめるのだろう。
それが分かったら悲しみとは違う涙が、静かに目から溢れた。気づけば、あの頃よりずっと広く逞しくなった背中に腕を回していた。
それから私たちは、しばらく無言で抱き合った。これで両想いのつもりだったが、カイルだって人間だ。自分の気持ちは保証できても、相手の心まで分かるはずがなく
「……俺たち、これで本当に両想いだと思っていいんだよね?」
さっきまでの強気が嘘のように、少し情けない顔で尋ねて来た。
彼は何度も言葉にしてくれたのに、私だけ言わないのはズルいと
「君が好きだよ。私は嘘吐きだから、信じがたいだろうけど」
本音を話すのは苦手なので少しつっかえながらも
「君が全て思い出しても、まだ私を望んでくれるなら、私も君の花冠が欲しい」
遠回しに結婚の意思を告げると、カイルは泣きそうな顔で「わぁぁ……」と歓喜して
「良かった。良かった……」
再び固く抱き締められて、顔は見えないけど、今度こそ彼が泣いているのが分かって
「……何度も拒絶して、泣かせてゴメン」
カイルの背中を撫でながら謝ると、彼は「ううん」と首を振りながら
「アニスもきっと辛かったんだって、分かるからいいよ」
……ああ、優しいな。記憶を思い出して昔の口調に戻ったのも相まって、ようやくカイルと再会した気がする。
「でも、ちょっと残念」
顔をあげて「何が?」と問うと、彼はやや苦笑いで
「だって俺も大人になったし、本当ならすぐにでも結婚式を挙げられるのに。今はエニシアの花冠を作れないから」
可愛げのある女性なら「あなたと結婚できるなら、他に何も要らないわ」とか言うのかもしれない。でもエニシアの花冠は私にとっても憧れで、要らないとは言えず
「……すぐじゃなくていいよ」
私の返事に、首を傾げるカイルに
「君が作ってくれた花冠を被れる日を、今度は私がずっと待っている」
けっきょく花冠を要求している辺り、あまり健気な発言でも無かった。それでもカイルは嬉しそうに「アニス」と目を細めると、エニシアの花畑があった場所を指して
「俺、君を忘れていた間も、なぜかよくここに来て花冠を作っていたんだ。前はそんな趣味無かったのに。多分アニスにあげる約束を、無意識に覚えていたんだと思う」
光が弾けるような眩しい笑顔で
「だから俺、花冠作り、すごく上手くなったんだよ。アニスにいちばん綺麗な花冠を作ってあげるから、楽しみにしていてね」
私たちはまたエニシアの花が咲き乱れる頃に、ここに来ようと約束した。
いずれ必ず訪れる約束の時を楽しみに、私たちは今度こそ花畑を後にした。
「……ゴメン。でもそういうわけだから、私のことは諦めて。君を騙して記憶を奪いながら、今さらのうのうと結ばれるなんて許されないから」
これで全て終わりだ。後は立ち去るだけと、きびすを返そうとしたが
「許されないって誰に?」
とんちんかんなカイルの一言に、私は目を丸くしながら
「誰ってカイルだよ。その目、私を恨んでいるんでしょう? 見たことがない顔をしているもん……」
悪意と暴力にはしょっちゅう晒されて来たが、自分に好意的な人の怒りには慣れていない。
そのせいで怯えながら返すと、カイルは「うん」とハッキリ怒りを認めつつも
「この間の子どもを産ませて発言といい、どこまで俺の気持ちを弄ぶんだろうって、すごく腹が立っている。絶対に許さない」
「だったら……」
やっぱり私たちの縁は、これで終わりだ。
しかし再び立ち去ろうとする私に
「今まで悲しい想いをさせた分、これからはずっと一緒に居てくれなきゃ許さない」
カイルは私を捕まえて引き寄せると
「二度と俺の前から消えないで」
そのままきつく抱きしめた。思いもよらない行動に、私は目を白黒させながら
「ど、どういうこと?」
困惑する私に、カイルはやはり怒った顔で
「今言ったとおりだよ! こんな酷いことをしたアニスには、もう俺を拒む権利無いから! アニスは俺と結婚して! ずっと幸せに暮らして!」
顏と声は怒っているのに、言っている内容がおかしい。なぜ彼は自分を騙し記憶を奪った女を、キレながらも幸せにしようとするのだろう?
ここまで来ても私には、カイルの気持ちが不可解で
「な、なんで? なんで君はこんな酷い女を、絶対に諦めないの?」
他に誰も選べないほど無価値な男ならともかく、カイルは性格、容姿、能力ともに最上級だ。
子どもの頃も村の女の子たちにモテていたし、大人になってからも、すれ違う女性の多くが好意の視線を向けた。
カイルなら誰でも、とまでは言わないが、多くの選択肢がある。
それなのに、どうしてこんな出来損ないで不実な女を選ぶのか?
私の疑問に、カイルは切なげに顔を歪めて
「俺はアニスが自分に都合がいいから好きなわけじゃない。報われなくても噛み合わなくても、何があっても諦められないほど強く想えるのは君だけなんだ」
「君じゃなきゃダメなんだ」と、いっそう強く私を抱き締めると
「例え嘘でも、君はエニシアの花を受け取ってくれたでしょう? もう俺たちは消えない約束で結ばれているから、仮にまた記憶を奪って逃げても、何度でも君を見つけて絶対に好きになる」
先ほどまでと違って少し冗談っぽい声。彼は腕の中の私を見下ろすと
「だから諦めて。俺と結婚して、アニス」
子どもの頃と変わらない晴れやかな笑顔で言った。自分の直感を心から信じる曇りなき眼差しで。
カイルはどこまでも信じているんだ。私が自分の運命だと。
自分がゴミのように思える私には、こちらから好きな人に手を伸ばすことがどうしてもできない。
けれど私たちは、もう消えない約束で結ばれているそうだ。
だから私がどれだけもがいて、彼を拒絶し、記憶まで奪おうと、約束は消えない。
この今は何も無い花畑にも、春になればまた一面のエニシアが咲くように。
カイルは何度でも姿を消した私を見つけ、抱きしめるのだろう。
それが分かったら悲しみとは違う涙が、静かに目から溢れた。気づけば、あの頃よりずっと広く逞しくなった背中に腕を回していた。
それから私たちは、しばらく無言で抱き合った。これで両想いのつもりだったが、カイルだって人間だ。自分の気持ちは保証できても、相手の心まで分かるはずがなく
「……俺たち、これで本当に両想いだと思っていいんだよね?」
さっきまでの強気が嘘のように、少し情けない顔で尋ねて来た。
彼は何度も言葉にしてくれたのに、私だけ言わないのはズルいと
「君が好きだよ。私は嘘吐きだから、信じがたいだろうけど」
本音を話すのは苦手なので少しつっかえながらも
「君が全て思い出しても、まだ私を望んでくれるなら、私も君の花冠が欲しい」
遠回しに結婚の意思を告げると、カイルは泣きそうな顔で「わぁぁ……」と歓喜して
「良かった。良かった……」
再び固く抱き締められて、顔は見えないけど、今度こそ彼が泣いているのが分かって
「……何度も拒絶して、泣かせてゴメン」
カイルの背中を撫でながら謝ると、彼は「ううん」と首を振りながら
「アニスもきっと辛かったんだって、分かるからいいよ」
……ああ、優しいな。記憶を思い出して昔の口調に戻ったのも相まって、ようやくカイルと再会した気がする。
「でも、ちょっと残念」
顔をあげて「何が?」と問うと、彼はやや苦笑いで
「だって俺も大人になったし、本当ならすぐにでも結婚式を挙げられるのに。今はエニシアの花冠を作れないから」
可愛げのある女性なら「あなたと結婚できるなら、他に何も要らないわ」とか言うのかもしれない。でもエニシアの花冠は私にとっても憧れで、要らないとは言えず
「……すぐじゃなくていいよ」
私の返事に、首を傾げるカイルに
「君が作ってくれた花冠を被れる日を、今度は私がずっと待っている」
けっきょく花冠を要求している辺り、あまり健気な発言でも無かった。それでもカイルは嬉しそうに「アニス」と目を細めると、エニシアの花畑があった場所を指して
「俺、君を忘れていた間も、なぜかよくここに来て花冠を作っていたんだ。前はそんな趣味無かったのに。多分アニスにあげる約束を、無意識に覚えていたんだと思う」
光が弾けるような眩しい笑顔で
「だから俺、花冠作り、すごく上手くなったんだよ。アニスにいちばん綺麗な花冠を作ってあげるから、楽しみにしていてね」
私たちはまたエニシアの花が咲き乱れる頃に、ここに来ようと約束した。
いずれ必ず訪れる約束の時を楽しみに、私たちは今度こそ花畑を後にした。
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