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迷いの森の攻防

一度では済まなかった(性描写有り)

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 これ以上、行為を続けられたらどうなるか分からなくて怖い。しかしカイルはやめてくれず、やがてよだれを垂らす熱い肉棒を入り口に押し当てると

「あっ、か、カイル……」

 優しげな顔に似合わず凶悪なサイズのものが、ズブズブと侵入して来る。いつもなら苦痛と絶望を与えるそれが、今はただ気持ち良い。それがかえって不安で、つい彼の名を呼ぶと

「名前で呼んでくれて嬉しいです」

 カイルはふにゃっと幸せそうに笑って

「俺の子どもを産んでください」

 一気に奥まで突き入れた。その一撃で私はまたイってしまったが、カイルは息を詰めて締め付けに耐えると

「魔女さんの中、きゅうきゅう俺のを締め付けてすごい。搾り取られそう……」

 カイルの言うとおり、私の中は硬くて太いものにピッタリ吸い付いて、搾り取ろうとするようにうねっていた。その動きが私にも快感を与えて堪らなくなる。

 ゆるゆると腰を動かされると、そのたび新しい快感に襲われて

「あっ、ああっ。カイルっ、カイルっ」

 彼の背中に縋りながら喘ぐと

「はい、俺も気持ちいいです。好きです、魔女さん」

 カイルは正常位で繋がりながら、唇だけではなく頬や額に何度も口づけて

「ずっと前から、こうしたかった気がする……」

 ギュッと抱きしめられた瞬間、驚きのせいか別の理由か私はまた達してしまい、今度はカイルも精を放った。

 妊娠を恐れて咄嗟に腰を引くのではなく、逆に孕ませようとグッと押し付ける動きに、子宮がキュンと疼いてしまう。

 セックスは数え切れないほどして来たが、快楽を感じたのは今日がはじめてだ。それなのに何度もイかされたせいで、ぐったりしていたが

「えっ? カイル?」

 カイルは私の体を抱き起こすと、自分の膝に座らせるようにして

「ちょっ、~っ!?」

 まだ硬いままのそれで、今度は下から貫かれる。イったばかりでよわよわになったそこは、また容易く絶頂させられた。

「待って! 本当に待って! まだイッているから……!」

 激しすぎる快感から逃れようとするも、カイルはしっかりと私を抱え直して、下から突き上げ続けながら

「俺はまだ足りません。もっと魔女さんが欲しい」
「あっ、ああっ、やぁあっ」

 カイルの『おかわり』は一度では済まなかった。彼の職業と最中の言動からして、性交の経験があったとは思えない。

 けれどカイルは戦闘においても「こうしたらどうかな?」と、どんどん技や魔法を改良する子だった。要するに閃きと向上心が旺盛なのだ。

 それがセックスでも遺憾 いかんなく発揮されてしまい

「突く角度が違うと反応も変わるんだ」

 など新たな体位を見出して、色んな角度から突いて来た。さらに優しい性格ゆえに、人の顔色や声音の変化に敏感なので

「魔女さんはここを、こうされるのが好きなんですか?」

 性的に弱いところをどんどん暴かれて、初回から地獄を見せられた。

 人は肉体的・精神的に耐えがたい苦痛を受けると気絶する。そういうブラックアウトなら何度か経験したが、人は度を越した快感でも気絶できるのだと、今日はじめて知った。

 ほとんどの男は女が気絶すれば、流石に行為をやめる。少なくとも目が覚めた時に、まだその場に居ることは無かった。

 しかしカイルの場合は

「魔女さん、大丈夫ですか?」

 私の気絶にビックリしたらしく、光魔法で回復してくださった。気絶も人体が必要と判断してしていることだから、慌てて起こさないで、しばらくソッとして欲しい。

「だ、大丈夫じゃない……なんでこんなことに」

 まだ裸で彼の腕に抱かれていることに怯えながら返す。するとカイルは少し悲しそうな顔で

「……その様子だと俺が恋しいとか、子どもが欲しいと言ってくれたのは嘘だったんですか? だとしたらなんで、そんな危ないことを?」

 まず子どもの頃の彼は優しかったので、強引に抱かれるなんて想像もしなかった。加えて

「あなたは同情で私の世話を焼いているんだと思っていたので。結婚を迫れば逃げるかなと」

 実は一目惚れしていたなら、事前に教えて欲しかった。厳密に言うと一目惚れではなく、思い出せないだけで消えたわけではない記憶が、無意識に影響しているのだろうが。

 私の返答に、カイルはちょっと怖い目になって

「残念ですが、俺の気持ちはさっき言ったとおりですし、魔女さんは嘘のつもりでも言動には責任が生じますから。「嘘でした」で逃げられると思わないでください」
「逃げられないとしたら私はいったい……?」

 震えながら問い返すと、カイルはニコッとして

「昨日、魔女さんが言ったとおりですよ? 毎晩俺のものを欲しがって、ずっと一緒に居て、俺の子どもを産んでください。男の子と女の子を2人ずつ」

 ここで孕めと言わんばかりに下腹部を撫でて来る彼に、私はいよいよ恐怖して

「多い! と言うか私は闇属性で、中出しされても魔力に変換しちゃうから、多分子どもは産めないかと」
「いいですよ。もし産めなければそれでも。子どもが欲しいから結婚したいわけじゃなくて、魔女さんとの子どもなら欲しいと思っただけですから」

 カイルは穏やかに言い切ると、怖いくらい真剣な顔で

「だから子どもが産めないなんて理由で、俺を拒めると思わないでください」

 私をギュッと抱きしめながら

「もう今この時から、あなたは俺の妻ですから。絶対にずっと放しません」

 その日は流石に、それ以上抱かれることは無かった。その代わり私を抱きしめる腕が、朝まで離れることも無かった。
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