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クォーツバード
誘惑の魔女(視点混合)
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それは私も同じだけど
「君が唱えているのは人間のルールでしょう。君の一族がはじまるずっと以前から、この森は誰のものでもなく存在していた」
これだって個人的な価値観の押しつけに過ぎないが
「君たちが捕食者の1人としてこの子を狙うのは勝手だけど、命を失い物になるまで、この子は誰の物でもない」
まだ命あるものを勝手に所有して、自由を奪うことは許せなかった。ただ彼らが「そのとおりだ」と納得するとは、私も期待していなかった。
予想どおり、彼らは静まるどころか激昂して
「村人風情が偉そうな口を利くな! 怪我をしたくなかったら引っ込んでいろ!」
強引に私たちからピィを奪おうとする彼らに
「『眠れ』」
私が魔法を使えないのは魔力が無いからだ。しかし今はカイルのおかげで、魔力があるので魔法が使えた。
けれど4人に向けた眠りの魔法は
「ハッ、それがお前の強気の理由かよ。ただのゴロツキならともかく、俺たちは学校で座学だけでなく戦闘の訓練も受けているんだ」
「状態異常対策くらいしているに決まっているだろ」
彼らはそう言いながら、服の下に隠していたアクセサリーを見せつけた。
剣や杖を持っているのは見えていたが、こんな子どもも来るような森で、無力な小鳥を狩るために状態異常対策をしているとは思わなかった。
態度と違って慎重、というより憶病なのかもしれない。
しかし人は弱い者ほど群れ、数を増すほど強気になるので
【カイル視点】
「呪符も使わずに状態異常をかけようとしたってことは、アンタは闇属性なんだな。噂には聞いていたけど、実際に見るのははじめてだ」
お兄さんたちは残忍な笑みで、アニスを腕に抱え込みながら
「本で読んだぞ。闇属性の女は、男の精液を魔力に変換するんだってな」
「今の魔法を使うために、どれだけの男を咥え込んで来たんだよ」
「俺たちのも咥えさせてやろうか?」
酷い言葉で彼女を嬲った。俺はとても見ていられず
「やめろ! アニスを放せ!」
思わず剣を抜きかけたけど
「勝手に動くな! じゃないと、この女の服を破くぞ!」
お兄さんはそう言って、アニスの服に手をかけた。大勢の男の前で、女の人を脱がそうとするなんて大変な暴挙だ。
でもコイツラは少しも悪びれず
「そうだ。いい子だな。この女が大事なら大人しくその鳥を俺たちに寄越しな。お前の大事なお姉さんを素っ裸にされたくなきゃな」
こんな卑劣な手段を平気で使うコイツラは、本人たちの言葉を信じるなら貴族なのだと言う。それも魔法学校で、高等教育を受ける身だと。
命の重さも人への労わりも知らないで、貴族ってなんだろう? 教養ってなんだろう?
俺はすごく腹が立った。絶対にコイツラに従いたくなかった。
だけど俺が攻撃したら、アニスが辱められる。でもピィを差し出すわけにはいかない。
どちらも選べず、動けずにいると
「ふっ」
この状況を笑ったのは、俺でもコイツらでもなくて
「な、なんだ!? 何がおかしいんだよ!?」
「俺たちは本気だぞ!?」
男に羽交い絞めにされながら、なぜかアニスは皮肉に笑って
「闇属性の女相手に、ずいぶん可愛い脅しだと思っただけだよ」
たまに見せる荒んだ表情に、心が騒ぐような微笑を浮かべて
「なんなら自分で脱いで差し上げましょうか? 君たちのようないいところのお坊ちゃんは、逆に女の裸を見る機会が少ないだろうしね」
そう言って本当に服を脱ぎはじめた。アニスの行動に、コイツらも狼狽えて
「へっ!? えっ!? 本気か、この女!?」
「あ、アニス!? 何しているの、やめて!」
でもアニスは俺が止めるのも聞かず、躊躇なく服を脱いでいく。黒いローブと同色のワンピースを次々と脱ぎ落として、あっという間に下着姿になった。
今アニスが身に着けているのは、薄手のスリップとパンツだけ。薄い布地は昼の光に透けて、その下の曲線や凹凸を、ぼんやり浮かび上がらせていた。
「こ、コイツ、マジで脱いでいる……」
「女のくせにいかれてんのか……?」
否定的な言葉とは裏腹に、男たちは顔を赤くしてアニスの体に見入っている。
(やだやだ。アニス、脱がないで)
止めたかったけど、異様な雰囲気に飲まれたように声が出なかった。
俺の願いとは裏腹に、アニスはスリップの肩ひもをゆっくりと落とした。もう少しで大きな胸が零れそうになった瞬間。
「『魅了』」
普段は黒いアニスの瞳が紫に変わり、同色の光が散る。それと同時に4人も居た男たちは、1人を残して一斉に膝をついた。
「なっ!? 皆、どうしたんだ!?」
リーダー格の領主の息子が慌てふためく。俺も一瞬何が起こったのか分からなかったけど
「君が唱えているのは人間のルールでしょう。君の一族がはじまるずっと以前から、この森は誰のものでもなく存在していた」
これだって個人的な価値観の押しつけに過ぎないが
「君たちが捕食者の1人としてこの子を狙うのは勝手だけど、命を失い物になるまで、この子は誰の物でもない」
まだ命あるものを勝手に所有して、自由を奪うことは許せなかった。ただ彼らが「そのとおりだ」と納得するとは、私も期待していなかった。
予想どおり、彼らは静まるどころか激昂して
「村人風情が偉そうな口を利くな! 怪我をしたくなかったら引っ込んでいろ!」
強引に私たちからピィを奪おうとする彼らに
「『眠れ』」
私が魔法を使えないのは魔力が無いからだ。しかし今はカイルのおかげで、魔力があるので魔法が使えた。
けれど4人に向けた眠りの魔法は
「ハッ、それがお前の強気の理由かよ。ただのゴロツキならともかく、俺たちは学校で座学だけでなく戦闘の訓練も受けているんだ」
「状態異常対策くらいしているに決まっているだろ」
彼らはそう言いながら、服の下に隠していたアクセサリーを見せつけた。
剣や杖を持っているのは見えていたが、こんな子どもも来るような森で、無力な小鳥を狩るために状態異常対策をしているとは思わなかった。
態度と違って慎重、というより憶病なのかもしれない。
しかし人は弱い者ほど群れ、数を増すほど強気になるので
【カイル視点】
「呪符も使わずに状態異常をかけようとしたってことは、アンタは闇属性なんだな。噂には聞いていたけど、実際に見るのははじめてだ」
お兄さんたちは残忍な笑みで、アニスを腕に抱え込みながら
「本で読んだぞ。闇属性の女は、男の精液を魔力に変換するんだってな」
「今の魔法を使うために、どれだけの男を咥え込んで来たんだよ」
「俺たちのも咥えさせてやろうか?」
酷い言葉で彼女を嬲った。俺はとても見ていられず
「やめろ! アニスを放せ!」
思わず剣を抜きかけたけど
「勝手に動くな! じゃないと、この女の服を破くぞ!」
お兄さんはそう言って、アニスの服に手をかけた。大勢の男の前で、女の人を脱がそうとするなんて大変な暴挙だ。
でもコイツラは少しも悪びれず
「そうだ。いい子だな。この女が大事なら大人しくその鳥を俺たちに寄越しな。お前の大事なお姉さんを素っ裸にされたくなきゃな」
こんな卑劣な手段を平気で使うコイツラは、本人たちの言葉を信じるなら貴族なのだと言う。それも魔法学校で、高等教育を受ける身だと。
命の重さも人への労わりも知らないで、貴族ってなんだろう? 教養ってなんだろう?
俺はすごく腹が立った。絶対にコイツラに従いたくなかった。
だけど俺が攻撃したら、アニスが辱められる。でもピィを差し出すわけにはいかない。
どちらも選べず、動けずにいると
「ふっ」
この状況を笑ったのは、俺でもコイツらでもなくて
「な、なんだ!? 何がおかしいんだよ!?」
「俺たちは本気だぞ!?」
男に羽交い絞めにされながら、なぜかアニスは皮肉に笑って
「闇属性の女相手に、ずいぶん可愛い脅しだと思っただけだよ」
たまに見せる荒んだ表情に、心が騒ぐような微笑を浮かべて
「なんなら自分で脱いで差し上げましょうか? 君たちのようないいところのお坊ちゃんは、逆に女の裸を見る機会が少ないだろうしね」
そう言って本当に服を脱ぎはじめた。アニスの行動に、コイツらも狼狽えて
「へっ!? えっ!? 本気か、この女!?」
「あ、アニス!? 何しているの、やめて!」
でもアニスは俺が止めるのも聞かず、躊躇なく服を脱いでいく。黒いローブと同色のワンピースを次々と脱ぎ落として、あっという間に下着姿になった。
今アニスが身に着けているのは、薄手のスリップとパンツだけ。薄い布地は昼の光に透けて、その下の曲線や凹凸を、ぼんやり浮かび上がらせていた。
「こ、コイツ、マジで脱いでいる……」
「女のくせにいかれてんのか……?」
否定的な言葉とは裏腹に、男たちは顔を赤くしてアニスの体に見入っている。
(やだやだ。アニス、脱がないで)
止めたかったけど、異様な雰囲気に飲まれたように声が出なかった。
俺の願いとは裏腹に、アニスはスリップの肩ひもをゆっくりと落とした。もう少しで大きな胸が零れそうになった瞬間。
「『魅了』」
普段は黒いアニスの瞳が紫に変わり、同色の光が散る。それと同時に4人も居た男たちは、1人を残して一斉に膝をついた。
「なっ!? 皆、どうしたんだ!?」
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