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急速に過保護になる子どもと完全拒絶お姉さん
悪事の翌日
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よほどおっぱいがお気に召したらしく、カイル君はあれからさらに2度射精した。
カイル君の魔力は私の期待以上に質がよく、しかも膨大だった。
そのおかげで私は生まれてはじめて魔力がフルに満たされた。
この魔力をずっと溜めておければいいのだが、魔力とは要するに生命力だ。
例えば子どもは飛んだり走ったり無駄に動き回るが、あれは余剰な生命力の無意識の発散だ。
大人でも元気があり余っているとジッとしていられず、ほどよく疲れるまで家事・仕事・趣味などで余分なエネルギーを放出しようとする。
このように人は一定以上の生命力を溜めておけない。活動と休息を繰り返して、エネルギーを一定に保とうとする。
だから私がせっかく得た魔力も、どんなに留めようとがんばっても、なんらかの活動に変換される。
しかも人は元気いっぱいの状態では眠れないので、活動によって魔力を減らさなければ『不眠』による『疲労』を癒やすためにジワジワと削られる。
こんな膨大なエネルギーを浪費するのはもったいなさすぎる。
クォーツがあれば溜められるんだけどな。
クォーツとは宝石に似た結晶だ。しかし鉱物と違って山や川ではなく、生物の体内にあり、魔力を生成・蓄積している。
クォーツの大きさは持ち主の魔力の量に比例する。魔力が少ないほどクォーツも小さく、多いほど大きくなる。
クォーツは水晶のように透明な結晶だが、蓄積した魔力の属性に応じて様々な色に変わる。
命が絶たれると同時に、魂が解放されるがごとく、クォーツから魔力が抜け落ち空っぽになる。
空っぽになったクォーツは、魔力を蓄積するために使われる。魔法アイテム作りに必須の素材だ。
動物や一般人からは結晶化するほどのクォーツは取れない。
魔物を殺せば大なり小なり空っぽのクォーツが手に入る。
しかし生き物を殺すのは可哀想だ。
自分で手を下さなくても、クォーツを欲するなら殺したも同然だ。それでも自分の手で命を摘むことには、やはり抵抗がある。
街に行けばクォーツを買えるが、クォーツを買えるほどのお金が貯まる頃には、この魔力は尽きているだろう。
大きなクォーツに魔力を溜めてちびちび使えれば、精液を採集する頻度が減って助かるのだが、そううまくはいかないようだ。
せめて不眠という最悪な形で魔力を浪費しないように、その日は徹夜で『沈黙』を応用した防音札を作った。
カイル君のおかげで魔力がフル充填された翌日。
徹夜で防音札を作っていた割に、私は朝になっても元気だった。
ただこの元気は余剰な魔力が体力に変換されたせいだ。
せっかくのエネルギーが刻一刻と無意味に流れていっていると思うと、気分は全く優れない。
けれど、やはり体調的には
「驚いた。いつも顔色が冴えないのに、今日はとても肌艶がいいね?」
朝食の席に現れた私を見て、神父様は目を丸くした。
神父様の指摘どおり、今朝の私は軽く別人だった。
水気を失ったパサパサの黒髪と肌は艶々と潤い、眼つきこそ暗いものの、目の下の隈も消えた。
顔立ちは変わらないが、元の生きる屍状態とは雲泥の差だ。若い女は健康であるだけで、そこそこ美しい。
ただこの大変身は人の体液を魔力に変換する闇属性ならではの変化だ。
私が吸っているのは血ではなく精液だが、今回は11歳の少年を毒牙にかけてしまった。
闇属性がどうこうだけじゃなく、倫理的にもマズいので
「ここに来てから栄養のある食事を毎日食べているので。昨日は特によく眠れたし、そのせいかと」
よく眠れたどころか徹夜したくせに、しれっと嘘を吐く。
肌艶がよくなりそうな一般的な理由をあげると、幸い神父様は納得してくれた。
けれど何がきっかけで私が闇属性であるとバレるか分からない。それに村には他の人たちの目もある。
昨日夜なべしたおかげで、結構な数の防音札を作れた。これを部屋の壁などに貼ると、音を遮断できる。
騒音トラブルに悩んでいる人は多いので、意外とこれがいちばん売れ行きがよく悪用される危険も少ない。
これを売れば、私がここに来る前に所持していた金額に追いつくだろう。
それは前の生活に、いつでも戻れることを示していた。
しかし理性の決定とは裏腹に、前の生活に戻るのを嫌がる自分が居た。
村の人たちに闇属性だと知られたら困る。けれど以前の暮らしは私にとって、決して快適なものでは無かった。
清潔な環境に慣れ過ぎてしまった。でも抵抗を感じるなら余計に、すぐにここを出ないと。
カイル君はここに留まれと言ってくれるが、家族でも無いのに永遠に居られるはずが無い。
この抵抗感が耐えがたくなるほど大きくなる前に、1人の生活を立て直さなければいけない。
カイル君の魔力は私の期待以上に質がよく、しかも膨大だった。
そのおかげで私は生まれてはじめて魔力がフルに満たされた。
この魔力をずっと溜めておければいいのだが、魔力とは要するに生命力だ。
例えば子どもは飛んだり走ったり無駄に動き回るが、あれは余剰な生命力の無意識の発散だ。
大人でも元気があり余っているとジッとしていられず、ほどよく疲れるまで家事・仕事・趣味などで余分なエネルギーを放出しようとする。
このように人は一定以上の生命力を溜めておけない。活動と休息を繰り返して、エネルギーを一定に保とうとする。
だから私がせっかく得た魔力も、どんなに留めようとがんばっても、なんらかの活動に変換される。
しかも人は元気いっぱいの状態では眠れないので、活動によって魔力を減らさなければ『不眠』による『疲労』を癒やすためにジワジワと削られる。
こんな膨大なエネルギーを浪費するのはもったいなさすぎる。
クォーツがあれば溜められるんだけどな。
クォーツとは宝石に似た結晶だ。しかし鉱物と違って山や川ではなく、生物の体内にあり、魔力を生成・蓄積している。
クォーツの大きさは持ち主の魔力の量に比例する。魔力が少ないほどクォーツも小さく、多いほど大きくなる。
クォーツは水晶のように透明な結晶だが、蓄積した魔力の属性に応じて様々な色に変わる。
命が絶たれると同時に、魂が解放されるがごとく、クォーツから魔力が抜け落ち空っぽになる。
空っぽになったクォーツは、魔力を蓄積するために使われる。魔法アイテム作りに必須の素材だ。
動物や一般人からは結晶化するほどのクォーツは取れない。
魔物を殺せば大なり小なり空っぽのクォーツが手に入る。
しかし生き物を殺すのは可哀想だ。
自分で手を下さなくても、クォーツを欲するなら殺したも同然だ。それでも自分の手で命を摘むことには、やはり抵抗がある。
街に行けばクォーツを買えるが、クォーツを買えるほどのお金が貯まる頃には、この魔力は尽きているだろう。
大きなクォーツに魔力を溜めてちびちび使えれば、精液を採集する頻度が減って助かるのだが、そううまくはいかないようだ。
せめて不眠という最悪な形で魔力を浪費しないように、その日は徹夜で『沈黙』を応用した防音札を作った。
カイル君のおかげで魔力がフル充填された翌日。
徹夜で防音札を作っていた割に、私は朝になっても元気だった。
ただこの元気は余剰な魔力が体力に変換されたせいだ。
せっかくのエネルギーが刻一刻と無意味に流れていっていると思うと、気分は全く優れない。
けれど、やはり体調的には
「驚いた。いつも顔色が冴えないのに、今日はとても肌艶がいいね?」
朝食の席に現れた私を見て、神父様は目を丸くした。
神父様の指摘どおり、今朝の私は軽く別人だった。
水気を失ったパサパサの黒髪と肌は艶々と潤い、眼つきこそ暗いものの、目の下の隈も消えた。
顔立ちは変わらないが、元の生きる屍状態とは雲泥の差だ。若い女は健康であるだけで、そこそこ美しい。
ただこの大変身は人の体液を魔力に変換する闇属性ならではの変化だ。
私が吸っているのは血ではなく精液だが、今回は11歳の少年を毒牙にかけてしまった。
闇属性がどうこうだけじゃなく、倫理的にもマズいので
「ここに来てから栄養のある食事を毎日食べているので。昨日は特によく眠れたし、そのせいかと」
よく眠れたどころか徹夜したくせに、しれっと嘘を吐く。
肌艶がよくなりそうな一般的な理由をあげると、幸い神父様は納得してくれた。
けれど何がきっかけで私が闇属性であるとバレるか分からない。それに村には他の人たちの目もある。
昨日夜なべしたおかげで、結構な数の防音札を作れた。これを部屋の壁などに貼ると、音を遮断できる。
騒音トラブルに悩んでいる人は多いので、意外とこれがいちばん売れ行きがよく悪用される危険も少ない。
これを売れば、私がここに来る前に所持していた金額に追いつくだろう。
それは前の生活に、いつでも戻れることを示していた。
しかし理性の決定とは裏腹に、前の生活に戻るのを嫌がる自分が居た。
村の人たちに闇属性だと知られたら困る。けれど以前の暮らしは私にとって、決して快適なものでは無かった。
清潔な環境に慣れ過ぎてしまった。でも抵抗を感じるなら余計に、すぐにここを出ないと。
カイル君はここに留まれと言ってくれるが、家族でも無いのに永遠に居られるはずが無い。
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