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急速に過保護になる子どもと完全拒絶お姉さん

教えてお姉さん(視点混合・薄っすら性描写)

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【カイル視点】

 あれから数時間後。夕食と入浴を済ませて自室のベッドに入ってからも、俺はずっと今日のことを考えていた。

 どうしてお姉さんはあんなにも頑なに、人の助けを拒むんだろう。

 「ずっと護らせて」については、確かに俺が考え無しだった。

 でもお姉さんが独りで生きていくことは、やっぱりどう考えても危ない。

 はじめて会った時だって、誰かに襲われてボロボロの恰好で、財布まで盗まれていた。

 今日なんて男たちに脱がされて裸を見られた。

 遠目に見たお姉さんは泣きも喚きもしなかったけど、石像のように身を硬くして、今にも壊れそうだった。

 思い出すだけで、胸が痛くなる光景。

 だけど思い出したのはいきどおりだけじゃなくて

(……お姉さん、痩せて顔色も悪いのに、おっぱい大きかった)

 たっぷりとした胸の肉と、先端を彩るピンクの飾り。少しアバラの浮いた薄いお腹とおへそ。俺が絶対に見るはずの無いもの。

 本当なら旦那さんしか見られない特別な姿が、頭から離れなくて

(……お姉さんの裸、綺麗だった。もっと見たかった)

 お姉さんの裸を思い出すと胸の奥が甘く痺れる。その感覚が気持ち良くて、いつの間にかお姉さんの裸ばかり考えている自分に気付き

(俺は何を考えているんだろう!? 護りたいとか言って、裸を見たがるなんてアイツらと同じだ!)

 一度は邪念じゃねんを振り払おうとしたが、頭は勝手にお姉さんの裸を思い描こうとする。すごく綺麗だったから、何度でも考えたくなる。

 しかし想像するうちに、なぜか股間が熱くなって、痛いくらいに疼いて来た。

 驚いて確認すると、普段はだらんと垂れたものが、芯を持ったように硬く反り返っている。

(えっ? 何これ。どうしちゃったんだろう? 怖い)

 ちんちんがこうなるのははじめてで、未知の反応に恐怖した。

 そう言えば昼間の男たちも、ここを腫らしていた。そして俺は追い払う時に、アイツらの股間を蹴った。

 まさかアイツらの股間を蹴ったから、病気がうつっちゃったのかな?

 父さんにも修行中によく

『怒りや快楽による力の行使こうしは、正義ではなく暴力だ。暴力には必ず、悪い結果が訪れる』

 と注意されている。

 それなのに俺は怒りのままに、おじさんたちを痛めつけた。

 それとも、もしかして俺がアイツらと同じように、お姉さんを変な目で見たから?

 どちらにしても、神様がバチを当てたのかもしれない。明日もちんちんがこのままだったら、絶対にすごく目立つ。悪いことをしたんだと、皆にバレてしまう。

(嫌だ。怖い。恥ずかしい)

 誰かに相談したかったけど、厳格な父さんにはとても言えなかった。暴力だけならまだしも、お姉さんの裸を想像してしまったなんて。

 俺は困った挙句あげくに。

【アニス視点】

 夜。そろそろ寝ようと思った頃、誰かが私の部屋のドアをノックした。

 この家には子どもと聖職者しか居ないので、特に警戒せずに開けると

「こんな夜中に、どうしたの?」

 廊下に立っていたのはカイル君だった。そもそも泣きそうな顔だったけど、声をかけた途端、とうとう耐えかねたように涙を零した。

 ただならぬ様子に、とりあえずカイル君を部屋に入れて事情を聞いた。

 ベッドに腰を下ろしたカイル君は、ひっくひっくとしゃくりあげながら

「なんかね、俺。体が変になっちゃって。どうしたらいいか分からなくて怖い……」
「体が変になったって? どこが変なの?」

 心配して先を促すと、カイル君は持っていた枕を退けて「……ここ」と問題の個所かしょを見せた。

 そこには実に見慣れた肉の搭が、ズボンの布を押し上げてそびえていた。

「今まで一度も、こんな風になったことないのに。急に腫れちゃって怖い……」

 本人は昼間の男たちを蹴ったから、病気がうつったのかもしれない。または怒りに任せて暴力をふるったから、神様がバチを当てたのかもと恐れていたが

「いや、それは蹴ったからってうつるものではないし、病気でも天罰でも無いから心配しなくていいよ」
「じゃあ、どうして俺のここは、いきなりこうなっちゃったの?」

 昼間はなんとか回避したのに、けっきょく性教育する流れになっている。

 私は遠い目になりつつ

「説明してもいいけど、そこを腫らしたままじゃ頭に入らないだろうから、取りあえず先に抜いちゃおうか」
「えっ!? 抜くって、ここを取っちゃうの!?」

 無知ゆえに、とんでもない誤解をするカイル君に

「いや、引っこ抜く的な意味じゃないから」

 冷静に否定すると、ズボンを下ろすように指示した。

「ず、ズボンを下ろすって……お姉さんにここを見せるの?」

 子どもでも異性に性器を見られるのは恥ずかしいのか、カイル君は赤くなった。

 しかし男性器を見慣れている私は、医者のような無感覚で

穿いたままでもできなくはないけど、下着を汚しちゃうから、できれば脱いだほうがいいよ」

 後始末が大変になるからと説明すると、カイル君は「わ、分かった」と了承した。
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