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第6話・〇〇しないと出られない部屋レベル2

まずはベロチューしてみる(ほんのり性描写有り)

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 しゅんとする私を気の毒に思ったのか

「いえ、そんな。馬鹿にしたわけじゃなくて。マスターはとても綺麗で素敵な方だから、きっと男が放っておかないだろうと。だから意外で」

 ユエルはだいぶ言葉を選んでくれたが、実際は年齢的に意外だったのだろう。こちらの世界では、女性は16歳から20歳までが最盛期で、25歳までには出産しているのが普通のようだから。

「いちおう告白されたことはあるんだけど、ハッキリ好きだと思える人じゃないと付き合いたいと思えなくて、拒んでいるうちにこんな齢に」

 ムニャムニャと言い訳したが、要するに私は潔癖かつ理想が高いのだ。キスもそれ以上も、本当に好きな人じゃないと絶対に嫌だった。

「じゃあ、キスや特別な触れ合いは、全部僕がはじめてだったんですか?」
「うん、ゴメン。こんな行き遅れのファーストキスなんて、けったいなものを奪わせてしまって」

 こちらは逮捕案件とは言え、まさしく好きな人とキスできたのだからラッキーだ。好きと言っても恋ではないが、目的のために血の滲む努力をしながら、弱音も吐かず偉ぶりもしないユエルを心から尊敬している。だから肌を見られても、触れられても、汚らわしいとは感じない。

 しかしユエルにとっては損でしかないだろうと謝ると

「いえ、そんな……むしろ僕のほうこそすみません。ずっと大事にして来たものを、こんな形で奪ってしまって」

 年齢を重ねるほど処女は、美点ではなく汚点になっていく。好きでもない相手と、体を重ねるべきではないと思うから、そのとおりにした。それなのに26にもなって未経験で、潔癖すぎる自分をどこかで恥じていたから、ユエルが大切なもののように言ってくれて嬉しかった。

 だから私は状況にそぐわない微笑みで

「そんなことないよ。私は君で良かった」
「えっ?」
「君とどうこうなろうってわけじゃないけど、今まで出会った人の中で君がいちばん好きだし、そうやって大事にしてくれるから。はじめてキスしたり胸を触られたりしたのが、君で良かった」

 変なことを言っている自覚はあるので、少し恥じらいながら言うと

「ま、マスター。そんなことを言われたら……」
「な、何?」

 ユエルは何か言いかけたようだったが、なぜか言葉を飲み込んで

「……とにかくマスターがいいんでしたら、キスさせてもらいますね」

 私の肩に手を置くと、触れるだけの口づけをした。ユエルは意外とキスを待つのではなく、自分から動けるタイプなんだなと感心する。しばらくはベッドの上で、遠慮がちに唇を合わせていたが、だんだんと口をくっつけている時間が長くなり、次に顔が離れた時は

「……口を開けてもらえますか?」

 ユエルは私の顎に手をかけて、親指で唇に触れながら言った。いつもは穏やかな空色の瞳が、今は熱っぽく潤んでいる。私はどこを見ればいいのか戸惑いながら、躊躇いがちに口を開いた。

 唇を合わせると、ユエルの柔らかな舌がソッと侵入して来た。お互いの舌先が触れ合った瞬間、未知の感覚に私は身を震わせた。また無様な姿を見せてしまいそうで、逃げたくなる自分をなんとか抑える。

 ユエルは探るように、唇の裏や上顎に舌を這わせた。自分で口の中を舐めても何も感じないのに、人にされると性感帯なのだと実感する。

 してもらっているばかりじゃ悪いと、こちらからも舌を絡めると、キスはより激しくなった。いつの間にかお互いの背に腕を回して、はぁはぁと息を乱しながら夢中で舌を絡め合って

「マスター。キス、気持ちいいです……」
「ん……。私も気持ちいい……」

 陶然としながら言い合って「そろそろ下も触る?」と先を促した。一旦体を離してズボンを下げようと思ったが、ユエルは唇を合わせたまま片手で衣服を緩めはじめた。下手に離れると水を差してしまうかと、私もキスしながら下衣を緩めた。
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