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第6話・〇〇しないと出られない部屋レベル2
7回処刑されてもまだ許されないこと
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先日。私たちはお題部屋で、ちょっとした事故を起こした。お互いに忘れよう。無かったことにしようと口では言い合ったものの、あんな黒歴史が脳内からそう都合よく消えてくれるはずもなく
「今日もその部屋に入るんですか? 昨日あんなことがあったばかりなのに?」
やっぱりトラウマになっていたようで、特殊部屋に入ろうとする私をユエルが止めたが
「私もできれば避けたいんだけど、戦力強化を考えると、経験値と宝箱は取り逃せないから。二度と押し間違えないように、十分気をつければいいかと思ったんだけど、ユエルが嫌ならやめておく?」
「やめておく?」と聞いたものの、通常は支援役のユエルを剣士として一人前にするには、経験値と高性能の装備の獲得は必須だ。無理強いはできないが、目的を考えれば避けられない。
それはユエルも分かっているようで
「すみません。昨日みたいなことにならないかと不安で、つい止めてしまいましたけど、マスターの言うとおり戦力強化は大事ですから。やっぱり続けてください」
同意は得たものの、私自身また押し間違えないか不安だ。万が一にもミスしないように、今後はユエルにも一緒に確認してもらうことになった。
2人がかりで念入りに確認したお陰で、今回はちゃんとモンスター部屋に転送された。飛ばされた先の異空間には、巨大な目玉と蜘蛛のような足を持つ馬鹿デカい化け物が居たが
「良かった!」
「ちゃんとモンスター部屋だ!」
中ボス級のモンスターを見て逆に安堵するなんて、きっと私たちくらいだろう。それからも必ず2人で確認してから、ボタンを押すようになった。
ところがトラウマも癒えて来た頃。
「えっ!?」
「な、なんで!? ちゃんとモンスター部屋のボタンを押したのに!」
またあの忌々しいピンク部屋に飛ばされた。けれど前回と違い、あれから私とユエルは2人がかりで慎重にボタンを確認してから押している。
1人ならともかく2人とも見間違えたとは考えられないので
「もしかして前回の押し間違いも、間違っていたのはマスターではなく、ボタンの表示のほうだったんじゃ?」
ユエルの推論が正しければ、前回の惨事は私のせいじゃなかったことになる反面。
「自分のミスならともかくボタンの表示が間違っている場合があるんだとしたら、どうやって回避したらいいのか分からないよ……」
途方に暮れる私をよそに、ユエルは建設的に
「取りあえず、お題を確認しましょうか? 今回は変なのじゃないといいですけど」
ユエルに促されて一緒にお題を確認する。今回、壁にデカデカと書かれていたのは
『ベロチューしながら手淫しないと出られない部屋』
「どういうことだよぉ!?」
ゲーム内では手厚く保護していた未成年に手を出させようとして来る世界に私は憤激した。
普段は静かな私がいきなり怒鳴ったので、ユエルはビクッとしながら
「ま、マスター、どうしたんですか? そんなに大変なお題なんですか?」
「君は大丈夫だけど、私のほうは7回処刑されてもまだ許されないことだよ……」
現代なら即逮捕な行為を強要されて震える私に、ユエルは深刻な表情で
「7回処刑されてもまだ許されない……? 生まれたばかりの赤子を、生きたまま引き裂いて食うとか?」
とんでもない想像をする教え子に、私はちょっと冷静になって
「いや、流石にそこまで極悪じゃないし、君なら許されるのはおかしい」
私のツッコミに、ユエルはすぐに「ですよね」と同意したものの
「でも、じゃあ、どんなことなんですか? 僕は大丈夫だけど、マスターはダメなことって」
推し(しかも未成年)に隠語を説明させられるって、私は前世で一体どんな大罪を犯したんだろうね。やや遠い目になりながら『ベロチュー』と『手淫』について説明すると
「今日もその部屋に入るんですか? 昨日あんなことがあったばかりなのに?」
やっぱりトラウマになっていたようで、特殊部屋に入ろうとする私をユエルが止めたが
「私もできれば避けたいんだけど、戦力強化を考えると、経験値と宝箱は取り逃せないから。二度と押し間違えないように、十分気をつければいいかと思ったんだけど、ユエルが嫌ならやめておく?」
「やめておく?」と聞いたものの、通常は支援役のユエルを剣士として一人前にするには、経験値と高性能の装備の獲得は必須だ。無理強いはできないが、目的を考えれば避けられない。
それはユエルも分かっているようで
「すみません。昨日みたいなことにならないかと不安で、つい止めてしまいましたけど、マスターの言うとおり戦力強化は大事ですから。やっぱり続けてください」
同意は得たものの、私自身また押し間違えないか不安だ。万が一にもミスしないように、今後はユエルにも一緒に確認してもらうことになった。
2人がかりで念入りに確認したお陰で、今回はちゃんとモンスター部屋に転送された。飛ばされた先の異空間には、巨大な目玉と蜘蛛のような足を持つ馬鹿デカい化け物が居たが
「良かった!」
「ちゃんとモンスター部屋だ!」
中ボス級のモンスターを見て逆に安堵するなんて、きっと私たちくらいだろう。それからも必ず2人で確認してから、ボタンを押すようになった。
ところがトラウマも癒えて来た頃。
「えっ!?」
「な、なんで!? ちゃんとモンスター部屋のボタンを押したのに!」
またあの忌々しいピンク部屋に飛ばされた。けれど前回と違い、あれから私とユエルは2人がかりで慎重にボタンを確認してから押している。
1人ならともかく2人とも見間違えたとは考えられないので
「もしかして前回の押し間違いも、間違っていたのはマスターではなく、ボタンの表示のほうだったんじゃ?」
ユエルの推論が正しければ、前回の惨事は私のせいじゃなかったことになる反面。
「自分のミスならともかくボタンの表示が間違っている場合があるんだとしたら、どうやって回避したらいいのか分からないよ……」
途方に暮れる私をよそに、ユエルは建設的に
「取りあえず、お題を確認しましょうか? 今回は変なのじゃないといいですけど」
ユエルに促されて一緒にお題を確認する。今回、壁にデカデカと書かれていたのは
『ベロチューしながら手淫しないと出られない部屋』
「どういうことだよぉ!?」
ゲーム内では手厚く保護していた未成年に手を出させようとして来る世界に私は憤激した。
普段は静かな私がいきなり怒鳴ったので、ユエルはビクッとしながら
「ま、マスター、どうしたんですか? そんなに大変なお題なんですか?」
「君は大丈夫だけど、私のほうは7回処刑されてもまだ許されないことだよ……」
現代なら即逮捕な行為を強要されて震える私に、ユエルは深刻な表情で
「7回処刑されてもまだ許されない……? 生まれたばかりの赤子を、生きたまま引き裂いて食うとか?」
とんでもない想像をする教え子に、私はちょっと冷静になって
「いや、流石にそこまで極悪じゃないし、君なら許されるのはおかしい」
私のツッコミに、ユエルはすぐに「ですよね」と同意したものの
「でも、じゃあ、どんなことなんですか? 僕は大丈夫だけど、マスターはダメなことって」
推し(しかも未成年)に隠語を説明させられるって、私は前世で一体どんな大罪を犯したんだろうね。やや遠い目になりながら『ベロチュー』と『手淫』について説明すると
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