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第6話・〇〇しないと出られない部屋レベル2

揉ませたりパフパフしたり(軽度の性描写有り)

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 その後。私たちは靴と防具を脱いで、服だけ着た状態でベッドの上で向き合うと

「じゃあ、触りますね?」

 ユエルは遠慮がちに私の胸に手を置いた。

 ちなみに私の胸はBカップで、導き手の中で最小サイズだ。神様の力で容姿を変えているらしいエバーシュタインさんや星月さんはともかく、ややぽっちゃりの由羽ちゃんも実はけっこう胸が大きい。

 ユエルにとって重要なのは、若さや胸の大きさよりも導き手としての能力なのだが、こうして胸を触らせる展開になると「若さも無いのに胸も無くてゴメン……」と申し訳なさに震える。

 ただでさえ控えめな胸に、ただ手を置いただけでは堪能したことにならないようで、クリアの反応は無かった。仕方ないので

「ただ触れるだけじゃダメみたいだから、両手で揉んでみてくれる?」

 更なる指示を出すと、ユエルは少し恥ずかしそうにしながらも

「こ、こうですか?」

 と従順に私の胸を両手で揉んだ。流石に両手で揉ませれば堪能したことになるかと思ったが、扉も宝箱も出て来ない。

「やっぱり直接触らなきゃダメなのかな?」
「えっ!? マスターの肌に直接触れるんですか!?」
「本当にゴメンね。君の手を汚してしまって」

 生乳なまちちを触らされるなんて本当に嫌だろうなと死にそうな気持ちで謝る。しかしユエルは痛ましそうな顔で

「なんで、いつも自分のほうが汚いみたいに……汚いのは僕のほうです。マスターのお身体が汚れてしまいます」
「いや、いいよ。私のことは気にしないで」

 普通ならとっくに経験している年齢だ。そんなに大事に考えてもらうようなことじゃないと苦笑いで返すと

「……ただ、いい齢してアレなんだけど、裸を見られるのは恥ずかしいから、目は閉じていてくれる?」

 けっきょく処女丸出しな要求をしてしまった。

 それから私はユエルに目を閉じてもらい、シャツと下着を脱いだ。目を閉じたままでも、衣擦れの音で服を脱いだのが分かるのだろう。ユエルは少し狼狽えながら

「ほ、本当にするんですか?」
「入っちゃったからには、お題を消化しないと。ここには水と寝る場所はあるけど、食べ物は無いみたいだし。悪いけど、餓死よりはマシだと思って欲しい」

 自分ではやりにくいだろうと、ユエルの手を取って胸に触らせる。触れた瞬間、ビクッと肩を跳ねさせたユエルに

「だ、大丈夫?」
「は、はい。滑らかで気持ちいいです」

 まさかの感想に私も驚いたが、ユエルも自分の失言に動揺して

「わっ、違!? すみません! 変なことを言ってしまって!」

 こんなに取り乱しているユエルははじめて見た。取りあえず嫌悪感は無いらしいことにホッとして

「嫌じゃないなら良かったよ。ただやっぱり触るだけじゃダメみたいだから、そのまま揉んでみてくれる?」
「は、はい……」

 ユエルは、ふにふにと私の胸を揉んだ。……ユエルじゃないけど、素肌に人の手が触れる感触ってヤバいな。しかも部屋が薄暗くて、照明がピンクなせいで余計に理性を奪われる気がする。クソ、いかがわしい雰囲気を出しやがってと、制作者に憤りが湧いて来る。

 わざと思考を明後日の方向に飛ばして、恥ずかしさに耐えていたが

「ドア、まだ出てないですよね? 後これ以上、何をすればいいんだろう?」

 ユエルの言うとおり、相変わらずクリアの兆しは見えなかった。もういいじゃん。充分じゃんと思うけど、生乳を揉ませたくらいじゃ、このゲームは満足してくれないらしい。

 この状況で他に何ができるか考える。胸を揉ませる以上に過激なこと……。

「……もしかしたら嫌かもしれないけど、ちょっと試してみていい?」
「試すって何を?」
「口ではちょっと……恥ずかしくて言えない……」
「そ、そうですか」

 私の羞恥が伝染したように、ユエルも気恥ずかしそうに相槌を返すと

「……僕はマスターになら何をされても平気です」

 すごく危険な台詞を言った。ユエルは本当に年下すぎるうえに、男なので注意しづらいが、もし同性だったら「そんな台詞は誤解を招くからダメだ」と強く言い聞かせていたところだ。

 「誤解って何が?」みたいな天然返しを食らいたくないので

「じゃあ、ゴメンね」

 ユエルの頭を引き寄せて自分の胸に埋めさせると

「ふぇっ!? えっ? マスター、これってもしかして……」
「ゴメン。聞かないで」
「す、すみません……」

 私の体もだいぶ熱いけど、ユエルの顔はもっと熱かった。胸に触れる顔面もさることながら、少し乱れた彼の吐息が肌に当たって、燃えるように熱い。それでもまだ宝箱とドアは出てくれず

「こ、これでもダメなのかな? もう結構すごいことをしているつもりなんだけど」
「ま、マスター。すみません。僕もう……」

 限界を告げるユエルの声。生々しい触れ合いを強要されて吐きそうなのかな?
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