12 / 28
新婚編
無責任に煽る霊たち(ほんのり性描写)
しおりを挟む
私が鬱になっていると
「だ、大丈夫だよ。女だって食事と同じさ。いくら好物でも毎日食ってりゃ、そのうち飽きるよ!」
「そうそう! 勢いがいい分、飽きるのも早いって!」
お姉さん方は布団お化けと化した私を一生懸命励ますと
「……だからアンタも声を我慢するのをやめて、もっと「好き」とか「気持ちいい」とか、ササグ君が喜ぶようなことを言ってみたらどうだい?」
「なんでわざわざ煽るような真似を?」
瞠目する私に、お姉さん方は
「だってアンタの目的は、さっさとササグ君に飽きられることだろ? だったら踏み止まろうとするより、さっさと堕ちちまって攻略完了って思わせたほうが良くないかい?」
「そうそう! いっそドロドロに溶けちまえば、それ以上蕩かそうって気にならないだろうし!」
「また新しい女を1から攻略したくなるよねぇ?」
言っていることはそれっぽいが、なぜかお姉さん方の目は泳いでいた。けれど攻略済みの女を、それ以上欲しがらない説は私も納得できたので
「……じゃあ、恥ずかしいけど、デレデレしたことを言ってみます」
その夜。私は早速お姉さん方のアドバイスに従って
「ササグ……」
「わっ? どうしたんですか?」
自分からササグの胸に飛び込むと、彼の目をジッと見つめて
「好きだから、くっつきたい」
「えっ!?」
「今日もいっぱいして? 早くササグが欲しい」
内心かなり恥じらいながら、たどたどしく誘ってみると
「~っ、ああ、もう! そんな可愛いこと!」
ササグは悶えながら、私をギュウッと抱きしめて
「ウラメ様が可愛すぎて、牽牛のようになりそうです。何もかも放り出して、ずっとあなたに触れていたい」
と絶え間なく口づけた。
牽牛とは七夕伝説の彦星のことだ。独身の時は男女ともに真面目な働き者だったのに結婚した途端に、仲がよすぎてダメになったというやつ。
子どもの頃は単に仲良しなんだなと思ったが、結婚した今は仕事に支障が出るほど『仲良し(意味深)』したせいで引き裂かれたのだと分かる。
そんな牽牛になりそうなほどエッチにハマってしまったらしいササグは、空が白むまで私を抱いた。
これまでは仕事に響かないように、多くても3回で済ませていたササグだが、私が煽るようになってからは完全に歯止めが壊れたようで、5、6回が平均になって来た。
しかもそれは夜の話で
「あれ? ササグ、どうしたの?」
昼間に離れに戻って来たので何かと思ったら
「今日は雨風が酷いので、仕事が中止になったんです」
「そうなんだ」
ササグは狩りや農作業など外でする仕事をしているので、天候によっては出られない日もある。
ただこれまでのササグは、私の指示を守り自分の仕事が無い時は、他の人の仕事を手伝って好感度を上げていた。
けれど今日は、なぜか少し緊張した様子で「あの」と口を開くと
「……今日はもう仕事が無いから、今からしちゃダメですか?」
とうとう夜だけでは飽き足らず、昼まで求めて来るようになった。
私は抱き潰されてもニートだからいいけど
「ササグ。体は平気なの?」
ある時そんな質問をすると、ササグはキョトンとしたが
「だってああいうことをするにも体力がいるでしょ? 睡眠時間だって減っちゃうし、体辛くない?」
心配する私に、ササグはほんわり笑いながら首を振って
「ウラメ様とした後はすごく幸せな気持ちで眠れるので、前より元気なくらいです。全く疲れません」
「そ、そうなんだ……」
お姉さん方が言うように、ササグは繊細そうな容姿に似合わず体力お化けのようだった。おかげで毎晩どころか、天候によっては朝からズコバコされる生活が続いている。
この事態を憂慮した私は、独自に束縛大作戦を決行した。恋愛に疎い私だが、束縛が激しいと嫌われるくらいは知っている。
「私以外と仲良くしちゃダメだからね。見るのも話すのもダメ」
とか無理を言い続ければ、流石に愛想を尽かすはずだ。
けれど実行したところ、ササグはなんだかソワソワして
「あの、それは焼きもちですか? 俺を他の人に取られたくないんですか?」
私はあえてムッと不機嫌そうな顔を作ると
「だってササグは私の物なんだから、他の女に取られたくない。だから私以外の女に絶対にデレデレしちゃダメ」
意図的に所有物扱いして人権を踏みにじるも、ササグはパーッと笑顔になって
「嫉妬してくれて嬉しいです。はい。俺はウラメ様の物なので、今日からはウラメ様以外の女性とは目も合わせないようにします。ただ無視されていると思ったら相手が傷つくでしょうから誤解されないように、村の人たちには予め事情を説明しておきますね」
ウキウキと言い放つササグに
「事情を説明するって……」
呆然とする私に、ササグはデレデレしながら
「ウラメ様が妬いちゃうので、今日から他の女性とは話せないし、目も合わせられませんって」
「ゴメン。嘘です。本当にやめて」
恥ずかしいからやめてくれと必死で縋る羽目になった。ササグは私を嫉妬させないための策として、前にも増して惜しみなく、私に愛を告げるようになった。
「だ、大丈夫だよ。女だって食事と同じさ。いくら好物でも毎日食ってりゃ、そのうち飽きるよ!」
「そうそう! 勢いがいい分、飽きるのも早いって!」
お姉さん方は布団お化けと化した私を一生懸命励ますと
「……だからアンタも声を我慢するのをやめて、もっと「好き」とか「気持ちいい」とか、ササグ君が喜ぶようなことを言ってみたらどうだい?」
「なんでわざわざ煽るような真似を?」
瞠目する私に、お姉さん方は
「だってアンタの目的は、さっさとササグ君に飽きられることだろ? だったら踏み止まろうとするより、さっさと堕ちちまって攻略完了って思わせたほうが良くないかい?」
「そうそう! いっそドロドロに溶けちまえば、それ以上蕩かそうって気にならないだろうし!」
「また新しい女を1から攻略したくなるよねぇ?」
言っていることはそれっぽいが、なぜかお姉さん方の目は泳いでいた。けれど攻略済みの女を、それ以上欲しがらない説は私も納得できたので
「……じゃあ、恥ずかしいけど、デレデレしたことを言ってみます」
その夜。私は早速お姉さん方のアドバイスに従って
「ササグ……」
「わっ? どうしたんですか?」
自分からササグの胸に飛び込むと、彼の目をジッと見つめて
「好きだから、くっつきたい」
「えっ!?」
「今日もいっぱいして? 早くササグが欲しい」
内心かなり恥じらいながら、たどたどしく誘ってみると
「~っ、ああ、もう! そんな可愛いこと!」
ササグは悶えながら、私をギュウッと抱きしめて
「ウラメ様が可愛すぎて、牽牛のようになりそうです。何もかも放り出して、ずっとあなたに触れていたい」
と絶え間なく口づけた。
牽牛とは七夕伝説の彦星のことだ。独身の時は男女ともに真面目な働き者だったのに結婚した途端に、仲がよすぎてダメになったというやつ。
子どもの頃は単に仲良しなんだなと思ったが、結婚した今は仕事に支障が出るほど『仲良し(意味深)』したせいで引き裂かれたのだと分かる。
そんな牽牛になりそうなほどエッチにハマってしまったらしいササグは、空が白むまで私を抱いた。
これまでは仕事に響かないように、多くても3回で済ませていたササグだが、私が煽るようになってからは完全に歯止めが壊れたようで、5、6回が平均になって来た。
しかもそれは夜の話で
「あれ? ササグ、どうしたの?」
昼間に離れに戻って来たので何かと思ったら
「今日は雨風が酷いので、仕事が中止になったんです」
「そうなんだ」
ササグは狩りや農作業など外でする仕事をしているので、天候によっては出られない日もある。
ただこれまでのササグは、私の指示を守り自分の仕事が無い時は、他の人の仕事を手伝って好感度を上げていた。
けれど今日は、なぜか少し緊張した様子で「あの」と口を開くと
「……今日はもう仕事が無いから、今からしちゃダメですか?」
とうとう夜だけでは飽き足らず、昼まで求めて来るようになった。
私は抱き潰されてもニートだからいいけど
「ササグ。体は平気なの?」
ある時そんな質問をすると、ササグはキョトンとしたが
「だってああいうことをするにも体力がいるでしょ? 睡眠時間だって減っちゃうし、体辛くない?」
心配する私に、ササグはほんわり笑いながら首を振って
「ウラメ様とした後はすごく幸せな気持ちで眠れるので、前より元気なくらいです。全く疲れません」
「そ、そうなんだ……」
お姉さん方が言うように、ササグは繊細そうな容姿に似合わず体力お化けのようだった。おかげで毎晩どころか、天候によっては朝からズコバコされる生活が続いている。
この事態を憂慮した私は、独自に束縛大作戦を決行した。恋愛に疎い私だが、束縛が激しいと嫌われるくらいは知っている。
「私以外と仲良くしちゃダメだからね。見るのも話すのもダメ」
とか無理を言い続ければ、流石に愛想を尽かすはずだ。
けれど実行したところ、ササグはなんだかソワソワして
「あの、それは焼きもちですか? 俺を他の人に取られたくないんですか?」
私はあえてムッと不機嫌そうな顔を作ると
「だってササグは私の物なんだから、他の女に取られたくない。だから私以外の女に絶対にデレデレしちゃダメ」
意図的に所有物扱いして人権を踏みにじるも、ササグはパーッと笑顔になって
「嫉妬してくれて嬉しいです。はい。俺はウラメ様の物なので、今日からはウラメ様以外の女性とは目も合わせないようにします。ただ無視されていると思ったら相手が傷つくでしょうから誤解されないように、村の人たちには予め事情を説明しておきますね」
ウキウキと言い放つササグに
「事情を説明するって……」
呆然とする私に、ササグはデレデレしながら
「ウラメ様が妬いちゃうので、今日から他の女性とは話せないし、目も合わせられませんって」
「ゴメン。嘘です。本当にやめて」
恥ずかしいからやめてくれと必死で縋る羽目になった。ササグは私を嫉妬させないための策として、前にも増して惜しみなく、私に愛を告げるようになった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!


【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる