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第6話・お題部屋でまさかのBLモードです
事件はお題部屋で起きている
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今日も今日とてダンジョンでレベル上げに勤しむ私たちは
「また特殊部屋か……」
前回の惨事を思い出したのか、げんなりと呟く風丸に、アルゼリオさんが
「お題部屋は避けるとしてもエリアボスとは戦おうぜ。最強装備を作るには、素材を集めなきゃいけないらしいし」
「それは俺も同感だけど、アンタは俺たちの班に加わった側なんだから、最強装備は俺が優先な」
風丸の主張に、アルゼリオさんは不服そうな顔をしつつも
「分かっているよ。相楽は圧倒的にお前贔屓だからな。でも、その代わりお前の最強装備を作ったら、俺の分の素材も集めろよ」
アルゼリオさんの要求はもっともですが
「そのつもりはあるんですが、今のペースで行くと最強装備を作る素材が2つ分しか揃わなそうなんですよね。ですから、お2人には武器か防具か選んでもらうことになりそうです」
私の説明に風丸は
「アルゼリオの旦那にも強くなってもらわなきゃ、俺だって困るからいいんだけどさ。できれば武器も防具も最強で揃えたかったよな」
そんな話をしてから、今度こそモンスター部屋に飛ぶボタンを押そうとすると
「ん? なんだ、これ?」
「どうしたんですか?」
「お題部屋のボタンの下に何か書かれている」
アルゼリオさんに言われて、私と風丸もボタンの下を見ました。そこには『最強装備の錬成用アイテムの出現率100%』と書いてありました。
宝箱を開けると、初回はレアな装備か錬成用の素材が必ず出ます。この確実にゲットできる錬成用素材だけでも、最強武器と防具が1つずつは作れる仕様です。
もっと作りたい場合は2回目以降、通常の消費アイテムに紛れてランダムに出現する錬成素材を獲得しなきゃいけません。でも素材の出現率は低めなので、風丸とアルゼリオさんで1つずつ装備を作ろうという話になっていました。しかし、もし錬成用の素材を100%獲得できるなら、どちらの装備もフルで揃えられます。
本当ならすごいことですが
「なんか話がうますぎて怪しいと言うか。そもそも、このダンジョンの宝箱がどういう仕組みで用意されているのか自体が謎だけど、リターンが大きい分、リスクも高くなっていそうだな」
慎重な意見を述べる風丸に、私も横で「確かに」と頷きながら
「前回のお題もかなり過激でしたし、仮に今回も2人でクリアしてくれるとしても、失うものが大きすぎるかもしれません」
「お前、お題を確認する前から、俺たちを犠牲にする気なのか?」
アルゼリオさんは人でなしと言いたげですが、同じ立場の風丸は
「まぁ、でも俺たちの世界で俺たちの装備なのに、よそ者のマスターちゃんに犠牲を強いるほうがおかしいだろ。やるなら可能な限り、俺とアンタでするべきじゃない?」
割り切った様子の風丸とは反対に、アルゼリオさんはちょっと顔を赤くして
「お、俺とお前でするのか? またあんな恥ずかしいことを?」
「ひぃっ!? なんですか、その満更でもなさそうな反応は!? まさか、この世界はBLにも対応しているんですか!?」
「そ、そういうんじゃねぇ! 普通に戸惑っていただけだろうが!」
ムキになるほど、かえって怪しく見えるアルゼリオさんに、風丸は鬱陶しそうな顔で
「男のくせに細かいことをグダグダ言うなよ。最強装備が手に入るなら、男と肌を合わせるくらいなんでもねーだろ」
「は、肌を合わせる!?」
「か、風丸~!? ダメですよ、自分を犠牲にしては!」
私は必死に止めようとしましたが、風丸は半ば自暴自棄な様子で
「心配してくれてんのに悪いけど、俺の体をどうしようが俺の勝手。マスターちゃんには迷惑をかけないから大目に見てよ」
言うが早いかボタンを押しました。
しかしお題部屋の壁に書かれていたのは
『おっぱいを堪能しないと出られない部屋』
お題を確認した私たちは、しばし固まると
「……おい、風丸。これは確実に、お前のマスターに迷惑がかかる案件じゃないのか?」
「わ、私の胸を揉むんですか? お2人のどちらかが?」
漫画やゲームなら「いいぞ、やれやれ」ですが、例によって心の通じ合っていない人に無理やりされるのは嫌です。しかし風丸は嫌な流れを断ち切るように
「いや、まだ諦めるのは早い」
「何も早くねーだろ。おっぱいと呼べるものは、ここではソイツしか持ってないんだぞ?」
瞬時にツッコむアルゼリオさん。しかし私はふとアルゼリオさんの剥き出しの胸筋を見て
「いやでもアルゼリオさんの胸筋も、それだけ立派でしたら雄っぱいと呼べるのでは?」
「はっ!? いきなり何を言ってんだ!?」
さっきまで平気で露出していたのに、指摘された途端に胸を庇うアルゼリオさん。隠す必要を感じたってことは、自分でも雄っぱいだと思ったのでは?
しかし風丸はあっけらかんとした声で
「そうだぜ、マスターちゃん。男の胸筋をおっぱいに見立てて揉むなんてあり得ねーよ」
「そ、そうですか? すみません。思考回路が変態で」
素直に謝罪する私を、アルゼリオさんは白い目で見ながら
「本当にどういう思考回路だよ。男の胸を雄っぱいとか言って……って、いだッ!?」
突如あがったアルゼリオさんの悲鳴。アルゼリオさんは首筋を手で押さえながら
「か、風丸。何を……」
意識を失う寸前。犯人である風丸を最後に睨んで、ドサッと床に倒れました。どうやら風丸が戦闘で使う睡眠針を、アルゼリオさんに刺したようです。突然の仲間割れに私は困惑しましたが、風丸の狙いは
「また特殊部屋か……」
前回の惨事を思い出したのか、げんなりと呟く風丸に、アルゼリオさんが
「お題部屋は避けるとしてもエリアボスとは戦おうぜ。最強装備を作るには、素材を集めなきゃいけないらしいし」
「それは俺も同感だけど、アンタは俺たちの班に加わった側なんだから、最強装備は俺が優先な」
風丸の主張に、アルゼリオさんは不服そうな顔をしつつも
「分かっているよ。相楽は圧倒的にお前贔屓だからな。でも、その代わりお前の最強装備を作ったら、俺の分の素材も集めろよ」
アルゼリオさんの要求はもっともですが
「そのつもりはあるんですが、今のペースで行くと最強装備を作る素材が2つ分しか揃わなそうなんですよね。ですから、お2人には武器か防具か選んでもらうことになりそうです」
私の説明に風丸は
「アルゼリオの旦那にも強くなってもらわなきゃ、俺だって困るからいいんだけどさ。できれば武器も防具も最強で揃えたかったよな」
そんな話をしてから、今度こそモンスター部屋に飛ぶボタンを押そうとすると
「ん? なんだ、これ?」
「どうしたんですか?」
「お題部屋のボタンの下に何か書かれている」
アルゼリオさんに言われて、私と風丸もボタンの下を見ました。そこには『最強装備の錬成用アイテムの出現率100%』と書いてありました。
宝箱を開けると、初回はレアな装備か錬成用の素材が必ず出ます。この確実にゲットできる錬成用素材だけでも、最強武器と防具が1つずつは作れる仕様です。
もっと作りたい場合は2回目以降、通常の消費アイテムに紛れてランダムに出現する錬成素材を獲得しなきゃいけません。でも素材の出現率は低めなので、風丸とアルゼリオさんで1つずつ装備を作ろうという話になっていました。しかし、もし錬成用の素材を100%獲得できるなら、どちらの装備もフルで揃えられます。
本当ならすごいことですが
「なんか話がうますぎて怪しいと言うか。そもそも、このダンジョンの宝箱がどういう仕組みで用意されているのか自体が謎だけど、リターンが大きい分、リスクも高くなっていそうだな」
慎重な意見を述べる風丸に、私も横で「確かに」と頷きながら
「前回のお題もかなり過激でしたし、仮に今回も2人でクリアしてくれるとしても、失うものが大きすぎるかもしれません」
「お前、お題を確認する前から、俺たちを犠牲にする気なのか?」
アルゼリオさんは人でなしと言いたげですが、同じ立場の風丸は
「まぁ、でも俺たちの世界で俺たちの装備なのに、よそ者のマスターちゃんに犠牲を強いるほうがおかしいだろ。やるなら可能な限り、俺とアンタでするべきじゃない?」
割り切った様子の風丸とは反対に、アルゼリオさんはちょっと顔を赤くして
「お、俺とお前でするのか? またあんな恥ずかしいことを?」
「ひぃっ!? なんですか、その満更でもなさそうな反応は!? まさか、この世界はBLにも対応しているんですか!?」
「そ、そういうんじゃねぇ! 普通に戸惑っていただけだろうが!」
ムキになるほど、かえって怪しく見えるアルゼリオさんに、風丸は鬱陶しそうな顔で
「男のくせに細かいことをグダグダ言うなよ。最強装備が手に入るなら、男と肌を合わせるくらいなんでもねーだろ」
「は、肌を合わせる!?」
「か、風丸~!? ダメですよ、自分を犠牲にしては!」
私は必死に止めようとしましたが、風丸は半ば自暴自棄な様子で
「心配してくれてんのに悪いけど、俺の体をどうしようが俺の勝手。マスターちゃんには迷惑をかけないから大目に見てよ」
言うが早いかボタンを押しました。
しかしお題部屋の壁に書かれていたのは
『おっぱいを堪能しないと出られない部屋』
お題を確認した私たちは、しばし固まると
「……おい、風丸。これは確実に、お前のマスターに迷惑がかかる案件じゃないのか?」
「わ、私の胸を揉むんですか? お2人のどちらかが?」
漫画やゲームなら「いいぞ、やれやれ」ですが、例によって心の通じ合っていない人に無理やりされるのは嫌です。しかし風丸は嫌な流れを断ち切るように
「いや、まだ諦めるのは早い」
「何も早くねーだろ。おっぱいと呼べるものは、ここではソイツしか持ってないんだぞ?」
瞬時にツッコむアルゼリオさん。しかし私はふとアルゼリオさんの剥き出しの胸筋を見て
「いやでもアルゼリオさんの胸筋も、それだけ立派でしたら雄っぱいと呼べるのでは?」
「はっ!? いきなり何を言ってんだ!?」
さっきまで平気で露出していたのに、指摘された途端に胸を庇うアルゼリオさん。隠す必要を感じたってことは、自分でも雄っぱいだと思ったのでは?
しかし風丸はあっけらかんとした声で
「そうだぜ、マスターちゃん。男の胸筋をおっぱいに見立てて揉むなんてあり得ねーよ」
「そ、そうですか? すみません。思考回路が変態で」
素直に謝罪する私を、アルゼリオさんは白い目で見ながら
「本当にどういう思考回路だよ。男の胸を雄っぱいとか言って……って、いだッ!?」
突如あがったアルゼリオさんの悲鳴。アルゼリオさんは首筋を手で押さえながら
「か、風丸。何を……」
意識を失う寸前。犯人である風丸を最後に睨んで、ドサッと床に倒れました。どうやら風丸が戦闘で使う睡眠針を、アルゼリオさんに刺したようです。突然の仲間割れに私は困惑しましたが、風丸の狙いは
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