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第4話・〇〇しないと出られない部屋レベル2
魅惑の風丸にゃんです
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「風丸はものすごく魅力的ですし、大好きですが、あなたが好きだからこそ体だけ欲しいとは思いません。心か体かくださるなら、むしろ心をいただきたいです」
しかし私の回答は逆に図々しかったようで、風丸はジト目になると
「体だけならともかく、心をあげちまったら全部だろ。意外と大胆だな、マスターちゃんは。俺の全部が欲しいだなんて」
「わー!? だって風丸が聞くから! でも強いて言うならの話で、本当に何ももらう気はありませんよ?」
慌てて弁解するも
「……俺はなんかマスターちゃんにしてやりたくなるけど」
「ほえ? してやりたくなるとは?」
風丸は自分でもうまく説明できないのか、歯がゆそうに顔を歪めて
「今までタダで助けられたことなんてねーんだよ。だからマスターちゃんが本当にタダで色々してくれるのが気持ち悪くて、借りばかり増えて行くのが気持ち悪いから何か返したい」
「二度も言うほど気持ち悪いんですか」
思ったより気持ち悪がられていたことに、軽くショックを受けつつ
「前にも言いましたが、風丸はただ居てくれるだけで、私に元気と幸せをくれているんですよ。望んでも得られないような特別な気持ちを、あなたは私にくれているんですから、借りがあるなんて思わないで。一緒に居る間は、本当に好きなだけ甘えてください」
もう十分幸せなんだと伝わるように、優しく頭を撫でながら言うと
「……マスターちゃんの言葉って、俺の知らない言語みたいだ」
「えっ!? 翻訳機能みたいなの、壊れてます!?」
こちらの世界に来てから、ずっと普通に会話していましたが、本来なら私たちの言語は違うはずです。まさかいきなり翻訳機能的なヤツが壊れたのかと慌てましたが
「言葉が分かんねーわけじゃねぇよ」
風丸は軽くムッとして、下から私の両頬をムニッと掴みました。しかしすぐに手を放すと、少し瞳を揺らしながら
「……さっきの好きなだけ甘えていいって本当?」
「私が未だかつて風丸に嘘を吐いたことがあるでしょうか!? もちろんいつでもウェルカムですとも!」
力強く答えても、風丸はどこか疑わしそうに
「言ったな? 後でダメって言っても撤回させねーから」
「ダメなんて言いません……って風丸!?」
風丸はスッと身を起こすと、いきなり私をベッドに押し倒しました。予想外の行動に瞠目する私に、風丸は珍しく真剣な表情で
「いくらでも甘えていいんだろ? 膝だけじゃ足りない。もっとくっつきたい」
18禁ゲームなら濡れ場に突入しそうな流れでしたが
「ふぇぇ、スリスリ可愛い。猫ちゃんでしょうか?」
風丸の「もっとくっつきたい」はそのままの意味で、猫が飼い主の愛情を欲するように全身でスリスリするだけでした。あまりの愛らしさに悶絶しながらもナデナデが止まらない私に、風丸はちょっとカチンと来た様子で
「へぇ? アンタは猫が好きなの? じゃあ、もっと猫っぽくしてやろうか?」
今度は私の首筋や耳をペロペロと舐めて来ました。普通にくすぐったいんですが、今はそれより
「ああ~。風丸にゃん可愛いです。ここが天国でしょうか?」
体よりも心が欲しいと言った気持ちはどこへやら。魅惑の風丸にゃんに魅了されて、まんまとギュッとしてしまいました。私の胸に抱きしめられた風丸は
「肌を舐められてもメロメロって。危機感が無いね、マスターちゃんは」
呆れたように言ったものの、力を抜いて私の胸に顔を埋めると
「……本当に嫌じゃないなら、しばらくこうしていていい?」
「永遠にしていてくれても、いいくらいですよ!」
やはり前のめりでウェルカムする私に、風丸は「永遠は流石に無理だけどさ」と苦笑すると
「アンタが居る間は、たまにこうさせてよ。アンタの体はフカフカで、干したての布団みたいに気持ちいいから」
干したてのお布団をほうふつとさせる肉厚ボディで良かったです。ダイエットからは目を背け、太ましく生きて来た自分に感謝しながら、誇りを持って、しばらく風丸のお布団を務めました。
しかし私の回答は逆に図々しかったようで、風丸はジト目になると
「体だけならともかく、心をあげちまったら全部だろ。意外と大胆だな、マスターちゃんは。俺の全部が欲しいだなんて」
「わー!? だって風丸が聞くから! でも強いて言うならの話で、本当に何ももらう気はありませんよ?」
慌てて弁解するも
「……俺はなんかマスターちゃんにしてやりたくなるけど」
「ほえ? してやりたくなるとは?」
風丸は自分でもうまく説明できないのか、歯がゆそうに顔を歪めて
「今までタダで助けられたことなんてねーんだよ。だからマスターちゃんが本当にタダで色々してくれるのが気持ち悪くて、借りばかり増えて行くのが気持ち悪いから何か返したい」
「二度も言うほど気持ち悪いんですか」
思ったより気持ち悪がられていたことに、軽くショックを受けつつ
「前にも言いましたが、風丸はただ居てくれるだけで、私に元気と幸せをくれているんですよ。望んでも得られないような特別な気持ちを、あなたは私にくれているんですから、借りがあるなんて思わないで。一緒に居る間は、本当に好きなだけ甘えてください」
もう十分幸せなんだと伝わるように、優しく頭を撫でながら言うと
「……マスターちゃんの言葉って、俺の知らない言語みたいだ」
「えっ!? 翻訳機能みたいなの、壊れてます!?」
こちらの世界に来てから、ずっと普通に会話していましたが、本来なら私たちの言語は違うはずです。まさかいきなり翻訳機能的なヤツが壊れたのかと慌てましたが
「言葉が分かんねーわけじゃねぇよ」
風丸は軽くムッとして、下から私の両頬をムニッと掴みました。しかしすぐに手を放すと、少し瞳を揺らしながら
「……さっきの好きなだけ甘えていいって本当?」
「私が未だかつて風丸に嘘を吐いたことがあるでしょうか!? もちろんいつでもウェルカムですとも!」
力強く答えても、風丸はどこか疑わしそうに
「言ったな? 後でダメって言っても撤回させねーから」
「ダメなんて言いません……って風丸!?」
風丸はスッと身を起こすと、いきなり私をベッドに押し倒しました。予想外の行動に瞠目する私に、風丸は珍しく真剣な表情で
「いくらでも甘えていいんだろ? 膝だけじゃ足りない。もっとくっつきたい」
18禁ゲームなら濡れ場に突入しそうな流れでしたが
「ふぇぇ、スリスリ可愛い。猫ちゃんでしょうか?」
風丸の「もっとくっつきたい」はそのままの意味で、猫が飼い主の愛情を欲するように全身でスリスリするだけでした。あまりの愛らしさに悶絶しながらもナデナデが止まらない私に、風丸はちょっとカチンと来た様子で
「へぇ? アンタは猫が好きなの? じゃあ、もっと猫っぽくしてやろうか?」
今度は私の首筋や耳をペロペロと舐めて来ました。普通にくすぐったいんですが、今はそれより
「ああ~。風丸にゃん可愛いです。ここが天国でしょうか?」
体よりも心が欲しいと言った気持ちはどこへやら。魅惑の風丸にゃんに魅了されて、まんまとギュッとしてしまいました。私の胸に抱きしめられた風丸は
「肌を舐められてもメロメロって。危機感が無いね、マスターちゃんは」
呆れたように言ったものの、力を抜いて私の胸に顔を埋めると
「……本当に嫌じゃないなら、しばらくこうしていていい?」
「永遠にしていてくれても、いいくらいですよ!」
やはり前のめりでウェルカムする私に、風丸は「永遠は流石に無理だけどさ」と苦笑すると
「アンタが居る間は、たまにこうさせてよ。アンタの体はフカフカで、干したての布団みたいに気持ちいいから」
干したてのお布団をほうふつとさせる肉厚ボディで良かったです。ダイエットからは目を背け、太ましく生きて来た自分に感謝しながら、誇りを持って、しばらく風丸のお布団を務めました。
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