50 / 73
四月のこと
終わりが来るまで少しでも(性描写有り)
しおりを挟む
翌日の放課後。今日は部活が無いからと、ブライアンの車に乗せてもらったカザネは、そのまま彼の家に上げてもらった。最近はだいたいおしゃべりだけでは済まないので、今日もベッドに連行されてたっぷり可愛がられたが、ブライアンはやはり最後まではしなかった。
ブライアンが行為を終えようとする気配を感じたカザネは
「ブライアンは最後までしなくていいの?」
「なんだ? 急に」
ジムとハンナの話をしようと思ったが、勝手に言うのは悪いと、
「……本当は最後までしたいのに、私のせいで我慢させちゃっているのかなって」
「……まぁ我慢していないと言うと嘘になる。お前は可愛いから、本当は丸ごと食っちまいたいよ」
ブライアンは恋しそうにカザネの頬に触れたが
「でもその顔を見ると、やっぱりまだ不安なんだろ? 俺もしたい気持ちはあるけど、お前があんまり小さいから、壊しそうでちょっと怖い」
そのまま慈しむようにカザネを見つめて
「だからカザネが自分からしたくなるのを待っている。多分こういうことを繰り返して、この先に進みたいとお前が思えたら、それが頃合いだろうから」
「でも、その前に日本に帰っちゃったら?」
その可能性はブライアンも考えていた。けっきょく一線は越えられないまま別れるかもしれないと。しかしそれでも
「時間が来る前になんて強引な奪い方はしたくないよ。体だけ自分のものにしても意味が無いから、お前の気持ちが追いつくまで待つ」
自分の欲を満たすために、まだ準備のできていないカザネから強引に奪うことはしたくなかった。それに別れが決まっているなら、自分ではなくずっと一緒に居られる人とするほうが、カザネにはいいのかもしれないという遠慮もあった。
ブライアンの真意を聞いたカザネは
「じゃあ、今がいい」
「えっ? 今って今か?」
半裸のカザネに真正面から抱きつかれたブライアンは少し戸惑いつつ
「俺を待たせまいとして焦ってない?」
「そうじゃなくて。ブライアンが本当に、私を大事にしてくれているのが分かるから。もっとブライアンに触って欲しい。時間が来るまで少しでも多く、ブライアンに抱かれたい」
刺激や快感が欲しいのではなく、ブライアンを少しでも多く自分の中に留めておきたかった。確実に近づく別れを想って泣きそうになるカザネに、ブライアンも同じように顔を歪めて
「……お前ってたまに大胆なことを言うよな。もう逃がしてやれないぞ」
それからブライアンはカザネの中を指で蕩かすと、狭い入り口に硬くなったものを押し当てて
「あっ、うぅ……。ぶ、ブライアンの大きい……」
「ゴメン。痛いよな?」
心配そうに頭を撫でるブライアンに、カザネは「ううん」と首を振って
「痛いけど嬉しい。幸せだからいいの」
一生懸命ブライアンの背中に腕を回すと、
「ブライアンと繋がれて嬉しい。ありがとう」
カザネの純粋な感謝に、ブライアンは胸の奥から愛しさがこみ上げるのを感じながら
「礼を言うのは俺のほうだよ。苦しいのに受け入れてくれてありがとな」
生まれてはじめて「愛している」と口にした。
無事に初体験を済ませた後も、2人は裸のままベッドの中で寄り添って
「体は大丈夫?」
「あそこ、ちょっと痛い」
苦笑いで答えるカザネに、ブライアンは「そうだよな」と自分も痛そうな顔をすると、
「ありがとな。痛いのに最後までがんばってくれて」
優しく頭を撫でられたカザネは照れたように微笑んで
「なんだか出産したみたいな褒められ方」
その何気ない一言にブライアンは
「……俺の子を産んでくれたら、もっと労わるよ?」
「えっ? 俺の子を産んでくれたらって?」
目を丸くするカザネに、ブライアンは失言を悟った。カザネと最後までできたのが嬉しくて、つい口が滑ってしまった。カザネが自分の子どもを産んでくれたらと思ったのは確かだが、6月で別れるのに子どもを産んでも何もないと、
「……ただのジョークだよ。責任も取れないのに、孕ませたりしない」
「そ、そうだよね……」
しかしカザネの残念そうな声に気付いて
「何? ちょっと残念?」
「いやいや残念なんてことは! ……ただブライアンの赤ちゃんなら、きっと可愛いだろうなって」
その言葉がどの程度本気なのか、ブライアンには分からなかった。でも嘘でも、自分との未来を望むようなことを言われたのが嬉しくて
「じゃあ、10年後も一緒だったら孕ませてやる」
「すごい宣言された」
「嫌?」
ブライアンの問いに、カザネはフルフルと首を振って
「10年後も一緒だったら、私もブライアンの赤ちゃん欲しい」
叶わないと知りつつ、本心ではそうしたいのだと答えた。10年後の話は、かえって2人に迫り来る別れを思わせて
「ぶ、ブライアン? どうしたの?」
「どうしたのって、お前がスイッチを入れたんじゃん」
ブライアンはカザネに再び覆いかぶさると胸に触れた。カザネは目を白黒させて
「えっ? えっ? またするの?」
「心配しなくても、もう痛いことはしないよ。舐めたり触ったり、気持ちいいことだけ」
欲情と言うよりは自分の中に少しでも、カザネの存在を刻み付けるように、ブライアンは彼女を求めた。
ブライアンが行為を終えようとする気配を感じたカザネは
「ブライアンは最後までしなくていいの?」
「なんだ? 急に」
ジムとハンナの話をしようと思ったが、勝手に言うのは悪いと、
「……本当は最後までしたいのに、私のせいで我慢させちゃっているのかなって」
「……まぁ我慢していないと言うと嘘になる。お前は可愛いから、本当は丸ごと食っちまいたいよ」
ブライアンは恋しそうにカザネの頬に触れたが
「でもその顔を見ると、やっぱりまだ不安なんだろ? 俺もしたい気持ちはあるけど、お前があんまり小さいから、壊しそうでちょっと怖い」
そのまま慈しむようにカザネを見つめて
「だからカザネが自分からしたくなるのを待っている。多分こういうことを繰り返して、この先に進みたいとお前が思えたら、それが頃合いだろうから」
「でも、その前に日本に帰っちゃったら?」
その可能性はブライアンも考えていた。けっきょく一線は越えられないまま別れるかもしれないと。しかしそれでも
「時間が来る前になんて強引な奪い方はしたくないよ。体だけ自分のものにしても意味が無いから、お前の気持ちが追いつくまで待つ」
自分の欲を満たすために、まだ準備のできていないカザネから強引に奪うことはしたくなかった。それに別れが決まっているなら、自分ではなくずっと一緒に居られる人とするほうが、カザネにはいいのかもしれないという遠慮もあった。
ブライアンの真意を聞いたカザネは
「じゃあ、今がいい」
「えっ? 今って今か?」
半裸のカザネに真正面から抱きつかれたブライアンは少し戸惑いつつ
「俺を待たせまいとして焦ってない?」
「そうじゃなくて。ブライアンが本当に、私を大事にしてくれているのが分かるから。もっとブライアンに触って欲しい。時間が来るまで少しでも多く、ブライアンに抱かれたい」
刺激や快感が欲しいのではなく、ブライアンを少しでも多く自分の中に留めておきたかった。確実に近づく別れを想って泣きそうになるカザネに、ブライアンも同じように顔を歪めて
「……お前ってたまに大胆なことを言うよな。もう逃がしてやれないぞ」
それからブライアンはカザネの中を指で蕩かすと、狭い入り口に硬くなったものを押し当てて
「あっ、うぅ……。ぶ、ブライアンの大きい……」
「ゴメン。痛いよな?」
心配そうに頭を撫でるブライアンに、カザネは「ううん」と首を振って
「痛いけど嬉しい。幸せだからいいの」
一生懸命ブライアンの背中に腕を回すと、
「ブライアンと繋がれて嬉しい。ありがとう」
カザネの純粋な感謝に、ブライアンは胸の奥から愛しさがこみ上げるのを感じながら
「礼を言うのは俺のほうだよ。苦しいのに受け入れてくれてありがとな」
生まれてはじめて「愛している」と口にした。
無事に初体験を済ませた後も、2人は裸のままベッドの中で寄り添って
「体は大丈夫?」
「あそこ、ちょっと痛い」
苦笑いで答えるカザネに、ブライアンは「そうだよな」と自分も痛そうな顔をすると、
「ありがとな。痛いのに最後までがんばってくれて」
優しく頭を撫でられたカザネは照れたように微笑んで
「なんだか出産したみたいな褒められ方」
その何気ない一言にブライアンは
「……俺の子を産んでくれたら、もっと労わるよ?」
「えっ? 俺の子を産んでくれたらって?」
目を丸くするカザネに、ブライアンは失言を悟った。カザネと最後までできたのが嬉しくて、つい口が滑ってしまった。カザネが自分の子どもを産んでくれたらと思ったのは確かだが、6月で別れるのに子どもを産んでも何もないと、
「……ただのジョークだよ。責任も取れないのに、孕ませたりしない」
「そ、そうだよね……」
しかしカザネの残念そうな声に気付いて
「何? ちょっと残念?」
「いやいや残念なんてことは! ……ただブライアンの赤ちゃんなら、きっと可愛いだろうなって」
その言葉がどの程度本気なのか、ブライアンには分からなかった。でも嘘でも、自分との未来を望むようなことを言われたのが嬉しくて
「じゃあ、10年後も一緒だったら孕ませてやる」
「すごい宣言された」
「嫌?」
ブライアンの問いに、カザネはフルフルと首を振って
「10年後も一緒だったら、私もブライアンの赤ちゃん欲しい」
叶わないと知りつつ、本心ではそうしたいのだと答えた。10年後の話は、かえって2人に迫り来る別れを思わせて
「ぶ、ブライアン? どうしたの?」
「どうしたのって、お前がスイッチを入れたんじゃん」
ブライアンはカザネに再び覆いかぶさると胸に触れた。カザネは目を白黒させて
「えっ? えっ? またするの?」
「心配しなくても、もう痛いことはしないよ。舐めたり触ったり、気持ちいいことだけ」
欲情と言うよりは自分の中に少しでも、カザネの存在を刻み付けるように、ブライアンは彼女を求めた。
0
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。
後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。
しかし、そこに香奈が現れる。
成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……
オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕!
※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。
「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。
【今後の大まかな流れ】
第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。
第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません!
本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに!
また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます!
※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。
少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる