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7話
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自身に飛び掛かる黒い靄を躱し、左手にある剣を大きく振るう。まるで此方の明確な敵意を感じ取るかのように、以前に戦った時よりずっと速く、隙なく攻撃を繰り出す"石"ーーーそれに向かって、セイは斬るというより叩くように振り下ろす。明らかに手慣れない動作で、十字架を振り回していた力そのままに、ぼうっと赤く揺らめく光を砕く。"石"は霧散して空気中に消え、バラバラになった鉱石のようなものだけが残る。これが核だと、先ほど教えてもらったばかりだ。息を吐く隙を見せたセイの背後を狙った別個体は、横からカズハに核を砕かれていた。
「すみません。背中をとられてしまって」
「十分だろ。ちゃんと戦えてるし。君を守るのが僕の役目だしね」
細い双剣を鞘にしまいながらカズハはへらへらと笑う。それに苦笑を返しながら、セイも剣をしまった。その動作にすら、まだ不慣れさが目立つ。
さすがに鉄パイプでは行かせられないとハヲから渡された剣は、銀装飾の施された美しいものだった。その価値は素人目にも理解出来たが、まるで頓着の無いハヲに押され、やむなく受け取った。昔持っていた十字架と重量自体はさほど変わらなかったが、思っていたよりずっと勝手が違って、二週間経った今でも使いこなせてはいない。核を砕くだけならば叩く型でも構わないと言われたものの、少しずつではあるがカズハに教えてもらいながら、日々核の回収に励んでいた。
「まだいける?」
「問題ありません」
「君、見かけによらず体力おばけなんだね」
「……褒められていると受け取っておきますね」
ブランクは間違いなくあり、前よりは確実に落ちた体力でも、夜な夜な足元の悪い山奥で異形と戦い続けていたセイにとって、カズハの助けありきの核の回収はさほど苦ではなかった。今は見えない木々の影の奥の奥、その屋敷で待つレンの為に自分が出来ることの中では間違いなく最高レベルだ。当のレンは毎回渋い顔をしているが。
「じゃ、もうちょっと頑張ろっか」
「はい。……カズハ、帰ったらまた稽古をつけてください」
「えぇー……面倒だなぁ。まぁ、帰ったらね」
「はい」
二人は更に奥、捨て場に近いところまで進む。黒い靄が、奥の影の中に蠢いていた。
**
あの後すぐ、二人は列車の運転手を訪ねた。見覚えのある男は変わらず歯が欠けていて、髪はボサボサで、人懐こい笑みを浮かべていた。名前を聞いたことは無かったが、彼で間違いない筈だった。
しかし彼は、二人に見覚えは無いとはっきり言った。それだけでなく、あの村のことも、人を乗せていたことも、何も知らないと。
『こんなイケメンと別嬪さん、一回見たら忘れないと思うけどなぁ?』
そう言って頭をぽりぽりと掻く男に、顔を見合わせる。レンの顔に包帯が無いから?セイとはほぼ面識がなかったから?私服だから?万が一にも二人の姿を忘れたからと言って、何度も荷物を運んでいる村のことを知らないというのは?
更に問おうとしたセイを制して、レンは男にお礼を言うと、その場を離れた。
『彼が嘘を吐く理由は無いよ』
『そうですが……』
『……一応、同僚の方にも話を聞いておこうか』
そう提案したレンの顔にも、流石に困惑が浮かんでいた。例えば彼に記憶が欠乏してしまうような症状が現れることは無いか、そっくりな別の人間が働いていないか、他に担当が変わっていないか……。しかしそのどれにも当てはまることは無かった。
屋敷に戻ると、大広間にハヲの姿を見つけた。椅子に座って何かを読んでいたが、二人が入室するのを一瞥し本を閉じる。カズハの姿は無かった。
『満足したか』
『信じていなかったわけではないんだよ。でも……どういうことだろう。俺たちは確かに、あの列車で此処に来た。半日以上かけて……』
あの黒光りするボディ、貨物を積む内装だって記憶そのままだった。間違いはない。ない筈なのに。
沈黙する二人に、ハヲは立ち上がって近寄ったかと思うと、何をするでもなくするりと横を抜け、扉に手を掛けた。
『調べるしかない。これから』
『……』
『先程話した役割分担は理解しているか』
『はい』
『なら明日から動く。今日お前達に出来ることは考えを巡らせる以外に無い』
レンがまだ異を唱えたそうな顔をしたが、それをセイが人差し指を口に当てて止める。ハヲが出ていくのと同じタイミングで、カズハがひょっこりと顔を出した。
『あ、僕が来たから逃げたな。二人とも、風呂の準備が出来たから行ってきなよ。色々疲れただろ?やること多いだろうけどさ、少しぐらい肩の力を抜いてくると良いよ』
『風呂……?』
『あっ、もしかして入浴する習慣が無い?元々居た場所では普通だったんだけど。ハヲくんに無理言って作らせた大浴場を久しぶりに動かしたんだよね。まぁまぁ気持ち良いから、行っておいでよ』
そう言って案内をしてくれるカズハの背を追う。
頭は絶えず回り続けて、何故どうしてを繰り返している。これからどうなるのか、生い立ちが何処へ繋がるのか、不透明だ。
けれど反面、やはり楽しんでもいた。未知の何かがあるのだろうか。自分達の知り及ばぬ何かが……そう思うと、好奇心が疼く。元々こういう性格なのだ。自分も、相手も。
そんな二人は、この少し後、風呂というとんでもなく素晴らしい習慣を知ることになる。
**
「それにしても不思議ですね」
「何が?」
ふとした呟きに、剣についた"石"の残骸を振り払いながらカズハが振り向いて問いかける。地に落ちた核の欠片を袋に詰めていたセイは、木々の間の陽光にその赤い塊をかざした。キラキラとまるで宝石のように光を反射しているそれは、不穏なオーラを纏ってはいるが、それさえ魅力に感じるような、人を惹きつける効力を持っているように思えた。
「核には触れても大丈夫なことがです」
「あー、確かにね」
「靄部分には触れてはならないけれど、これは拾えて持ち運べる。持ち去られるのを他の"石"たちが必死に邪魔してくるわけでもない。彼らにとって心臓のようなものだと思っていたのですが……」
今の森はしん、としている。人の住む場所から遠くとも、元々そこまで薄暗くない森だ。"石"さえ出なければ穏やかな風が枝を揺らし、葉が擦れる音がする。カズハはさほど興味は無いようで、しかし一応の言葉を返す。
「あいつらと意思疎通が図れるわけじゃないし、僕は文献を進んで読まないからわからないけど、多分僕たちと同じなんじゃない?」
「というと、」
「死にたいんじゃないかって。変な姿になって、人を襲って……でももし、あの中に人間だった時の理性があったら?斃してもらえるなら、心臓を止めてほしいと思っててもまぁ理解できるかなってさ」
「……」
「死は救済、なんて神職者だった君に言ったら怒られるかもだけど、イレギュラー状態の化け物からしたら、ね」
セイはそっと核をしまい、立ち上がる。「適当だけどね」と付け足すカズハの瞳には相変わらず光は無い。紫の、アメジストを彷彿とする瞳には空虚が在った。どんな顔をしていたのかセイ自身にはわからなかったが、カズハは肩を竦めて笑った。
「僕はハヲくんの方が不思議だよ」
「ハヲさんですか?確かによくわからない方ではありますが、貴方から見てもですか」
「まぁ、元々変な奴だけど。そもそも此処に住み着いたのだって最近……と言っても君たちからしたら結構経つかもだけど、此処のしがらみに僕らは関係無いって言っただろ?でもその核を利用して魔力を増幅出来るってどんな仕組みなんだろうね」
「まぁ……確かに……」
不思議なことが多すぎて考えが及ばなかった箇所だ。そういうもの、で済ませてしまえば終わりだが、カズハにもわからないものなのだろうか。帰路につきながら会話は続く。
「僕は魔法使いの類ではないから、魔力だなんだってさっぱりわからないんだよね。ハヲくんはハヲくんで教えてくれないし。もしかしたら最初からこの地の魔力が目当てで、コゲツくんの足掛かりになるんじゃないかと思ったから住み着いた……って考えてるけど、真相は闇の中」
「なんというか……本当に会話をしないんですね」
「昔はもっと話してた気がするんだけどねェ」
昔。そのワードが自分の思う遥か過去を示すことは、会話の中でなんとなく察していた。そんな中で、《死》を追うだけの口数の少ない二人の日々はどんなものだったのだろうか……。当の本人は何の気無しに続ける。
「今更気にしてはないけどさ。彼の人となりはもうそれなりに知ってるし。ハヲくんが屋敷を調べて、"石"の正体を知って、それが本当か僕が斬りにいった。そうしたら攻撃は通じたし、その核は使えた。此処で生きることが可能だとわかれば十分だし、必要な時は喋るしさ」
「そういえば、彼は戦わないのですか」
「いや、戦えるよ。なんなら僕より強い。魔法だけじゃなく、剣技も。銃だって使えるし、素手でだって戦える筈」
「では何故貴方ばかりが戦うのですか?」
「適材適所。僕は文献を読むのとか嫌だし。街に行くのも僕だから、森に入る回数も多い。戦う数が多いのは必然だろ?」
「そうかもしれませんが、」
陰鬱な影を纏ってはいるが、ハヲの方が身体は大きくしっかりしているように見えた。だから細身のカズハの方が戦うことを、セイは不思議に思っていた。それを言えば自分よりレンの方が身体つきは良いので何とも言えないが、自分たちよりずっと、ハヲとカズハには明らかな体格差があったのだ。
「言いたいことはわかるけど、僕たちは助け合う関係ではないからなぁ。それに僕は元々鉄砲玉だし、慣れてるから」
「鉄砲玉?」
「そう。軍の鉄砲玉。わかる?」
「いえ……。でも、貴方のジャケットが軍服らしいことはわかります」
セイの言葉に、あぁ、とカズハは腕章を見やった。ずいぶん傷んでいる。ジャケット自体もボロボロで、胸に恐らく刻まれていたであろう証も剥げてしまっている。新しい衣服の上に毎日羽織っているところを見るに、とても大切なものなのだろう。
「そうそう。僕は元々王国軍の特攻隊長。簡単に言うと、一番最初に敵に突っ込んでいく役目」
「だから、鉄砲玉」
「そう。自分の命より軍の勝利を重要視した役割」
「……」
「僕、それなりに有能だったのさ。そういう毒味みたいな立ち位置で生きてたから、あんまり気にしてなかった」
「……カズハが不老不死になったのは、その立場からですか」
「おっと鋭い。そういうこと」
セイはあからさまに眉を顰めた。不老不死にする、ということの工程がどのようなものかは皆目見当もつかないが、そうなった理由は思いついてしまった。そして、当たってしまったらしい。
カズハの剣技が、太刀筋が良いことの合点がいった。優秀な軍人ならばそうだろう。そして敵に一番に飛び込む優秀な兵が、もし『死ななかった』ら……とんでもない力になる。しかしそれは、人間がすることではない。非人徳の極みだ。たとえカズハが国や軍に従順で、合意の下だったとしても。
「当時の僕、可愛かったんだよ」
「え……」
「あ、見た目とかじゃなくて、思考が。国王様とか国自体にはそれほど思い入れは無かったんだけど、軍の総隊長に惚れ込んでて。その人の役に立つなら何でも良かったわけ」
「……」
「馬鹿だろ?国が傾いて、軍が解散して、置いて逝かれてからことの重大さに気づいたのさ」
「……恋人だったのですか」
「違う。僕の片恋だった。でもそれで良かったんだよ。生きてる時はね」
「……そんな」
「憐れだと思う?」
「思いません。思いません、けど……私なら、耐えられないと思います」
「……」
たとえば自分だけが死ななくなって、想い人も含め周りが老いて、いなくなってしまったら。レンを深く愛している今のセイだからこそ、考えるだけで辛かった。そんな時間をカズハは独りで生きているのか。……ハヲも、そうだろうか。セイは問う。
「ハヲさんとは、同僚ですか?」
「違うよ。あいつは国にも軍にも関係無い。なんなら、あいつが国を傾かせた」
「……え、」
カズハの顔を見る。顔色一つ変えてはいない。声音も変わっていない。しかし、僅かに怒気を感じた気がした。視線に気づいたカズハがセイに向かって笑みを浮かべる。
「正直、昔の僕に今もハヲくんと一緒にいるなんて言ったら、嫌な顔をするだろうなって」
「どういうことですか?敵側だったとか……?」
「ううん。国王が骨抜きにされちゃったんだよね」
「……は?骨抜き、」
セイがぽかんとして反芻すると、カズハは可笑しそうにケラケラと笑いながら手をヒラヒラさせた。
「信じられないだろ?僕にもまったくわからないんだけど、ハヲくんには一部の人を魅了する力があるみたいなんだよね」
「魅了……」
「よく言えば恋愛、直接的に言えば色欲。やたらとあいつにそういう感情を持つ奴が多かった。国王様も、王子も、一部のメイドや執事、隊員まで手玉にとって、もうハーレム状態だったよ」
「王ということは、女王がいた筈では……?それに、その他の人たちも、」
「うん。だからハヲくんの立場は誰が相手でも一貫して"愛人"だった。しかも、その誰もがそれを理解した上で傍にいて、結局最後まで誰も彼の本命になることはなかった」
「……うぇ、」
「ハヲくん自身には、誑かすつもりは無かったらしいけどね。断らないなら同罪というか」
一筋の嫌悪感がセイを襲った。人生でただ一人を愛しているセイにとって、到底理解できるものではなかった。ハヲも、その相手方も。それは聞く限り、恋愛というよりもはや洗脳や宗教に似たものに思える。彼が意図的か否かは知ったことではないが、とにかくセイの許容の範囲をはるかに超えていた。
「で、まぁそんな浮かれた状態で傾くのはそこそこ当然だったわけだ。そんな理由でお国が~なんて恥ずかしすぎて、色々改竄したけど。そこで僕のおつとめはおしまい」
屋敷が見えてきた。初めに此処に来た時、レンとハヲが立っていたバルコニーを見上げる。今は誰もおらず、小鳥が羽を休めていた。
「……次にハヲさんの顔を見る時、どうしたらいいでしょう」
「まぁ過去の話だから。ハヲくんもハヲくんで不老不死にされて、魔法使いだからって色々面倒くさいことに巻き込まれて、それなりに罰を受けてはいるからさ」
「……」
「あっ、でも気をつけた方が良いよ」
「私ですか?別に彼のことはなんとも……」
ハッとしてカズハを見る。カズハは意地悪そうに目を細めた。彼が言いたいことが、わかってしまった。
セイ自身はハヲに対して、何も惹かれるところはない。それどころか今の話で多少距離を置きたくなったところだ。
しかし、彼は……レンはどうだ?
レンは以前、ハヲを「気品のある人」だと言っていたし、やたらと良く言っていたような……。
「今もその魅了があるかは、僕はわからないけど。一応」
「……それ、彼らを二人きりにしておいて、今言いますか」
「ま、大丈夫だと思うんだけどさ。多分」
「……」
一抹の不安。いや、一抹どころではない。こんな話をされて、……しかし、さすがに……。
葛藤の末、セイは早足で、カズハを置いて屋敷に入っていった。駆け足で階段を上がる音が玄関に響き、やがて遠のく。
取り残されたカズハは、笑いを堪えるように口を手で覆った。
「面白いねェ。人を揶揄うのは」
嘘は言っていない。そう呟いて、一人ゆっくりと部屋へと戻っていった。
「すみません。背中をとられてしまって」
「十分だろ。ちゃんと戦えてるし。君を守るのが僕の役目だしね」
細い双剣を鞘にしまいながらカズハはへらへらと笑う。それに苦笑を返しながら、セイも剣をしまった。その動作にすら、まだ不慣れさが目立つ。
さすがに鉄パイプでは行かせられないとハヲから渡された剣は、銀装飾の施された美しいものだった。その価値は素人目にも理解出来たが、まるで頓着の無いハヲに押され、やむなく受け取った。昔持っていた十字架と重量自体はさほど変わらなかったが、思っていたよりずっと勝手が違って、二週間経った今でも使いこなせてはいない。核を砕くだけならば叩く型でも構わないと言われたものの、少しずつではあるがカズハに教えてもらいながら、日々核の回収に励んでいた。
「まだいける?」
「問題ありません」
「君、見かけによらず体力おばけなんだね」
「……褒められていると受け取っておきますね」
ブランクは間違いなくあり、前よりは確実に落ちた体力でも、夜な夜な足元の悪い山奥で異形と戦い続けていたセイにとって、カズハの助けありきの核の回収はさほど苦ではなかった。今は見えない木々の影の奥の奥、その屋敷で待つレンの為に自分が出来ることの中では間違いなく最高レベルだ。当のレンは毎回渋い顔をしているが。
「じゃ、もうちょっと頑張ろっか」
「はい。……カズハ、帰ったらまた稽古をつけてください」
「えぇー……面倒だなぁ。まぁ、帰ったらね」
「はい」
二人は更に奥、捨て場に近いところまで進む。黒い靄が、奥の影の中に蠢いていた。
**
あの後すぐ、二人は列車の運転手を訪ねた。見覚えのある男は変わらず歯が欠けていて、髪はボサボサで、人懐こい笑みを浮かべていた。名前を聞いたことは無かったが、彼で間違いない筈だった。
しかし彼は、二人に見覚えは無いとはっきり言った。それだけでなく、あの村のことも、人を乗せていたことも、何も知らないと。
『こんなイケメンと別嬪さん、一回見たら忘れないと思うけどなぁ?』
そう言って頭をぽりぽりと掻く男に、顔を見合わせる。レンの顔に包帯が無いから?セイとはほぼ面識がなかったから?私服だから?万が一にも二人の姿を忘れたからと言って、何度も荷物を運んでいる村のことを知らないというのは?
更に問おうとしたセイを制して、レンは男にお礼を言うと、その場を離れた。
『彼が嘘を吐く理由は無いよ』
『そうですが……』
『……一応、同僚の方にも話を聞いておこうか』
そう提案したレンの顔にも、流石に困惑が浮かんでいた。例えば彼に記憶が欠乏してしまうような症状が現れることは無いか、そっくりな別の人間が働いていないか、他に担当が変わっていないか……。しかしそのどれにも当てはまることは無かった。
屋敷に戻ると、大広間にハヲの姿を見つけた。椅子に座って何かを読んでいたが、二人が入室するのを一瞥し本を閉じる。カズハの姿は無かった。
『満足したか』
『信じていなかったわけではないんだよ。でも……どういうことだろう。俺たちは確かに、あの列車で此処に来た。半日以上かけて……』
あの黒光りするボディ、貨物を積む内装だって記憶そのままだった。間違いはない。ない筈なのに。
沈黙する二人に、ハヲは立ち上がって近寄ったかと思うと、何をするでもなくするりと横を抜け、扉に手を掛けた。
『調べるしかない。これから』
『……』
『先程話した役割分担は理解しているか』
『はい』
『なら明日から動く。今日お前達に出来ることは考えを巡らせる以外に無い』
レンがまだ異を唱えたそうな顔をしたが、それをセイが人差し指を口に当てて止める。ハヲが出ていくのと同じタイミングで、カズハがひょっこりと顔を出した。
『あ、僕が来たから逃げたな。二人とも、風呂の準備が出来たから行ってきなよ。色々疲れただろ?やること多いだろうけどさ、少しぐらい肩の力を抜いてくると良いよ』
『風呂……?』
『あっ、もしかして入浴する習慣が無い?元々居た場所では普通だったんだけど。ハヲくんに無理言って作らせた大浴場を久しぶりに動かしたんだよね。まぁまぁ気持ち良いから、行っておいでよ』
そう言って案内をしてくれるカズハの背を追う。
頭は絶えず回り続けて、何故どうしてを繰り返している。これからどうなるのか、生い立ちが何処へ繋がるのか、不透明だ。
けれど反面、やはり楽しんでもいた。未知の何かがあるのだろうか。自分達の知り及ばぬ何かが……そう思うと、好奇心が疼く。元々こういう性格なのだ。自分も、相手も。
そんな二人は、この少し後、風呂というとんでもなく素晴らしい習慣を知ることになる。
**
「それにしても不思議ですね」
「何が?」
ふとした呟きに、剣についた"石"の残骸を振り払いながらカズハが振り向いて問いかける。地に落ちた核の欠片を袋に詰めていたセイは、木々の間の陽光にその赤い塊をかざした。キラキラとまるで宝石のように光を反射しているそれは、不穏なオーラを纏ってはいるが、それさえ魅力に感じるような、人を惹きつける効力を持っているように思えた。
「核には触れても大丈夫なことがです」
「あー、確かにね」
「靄部分には触れてはならないけれど、これは拾えて持ち運べる。持ち去られるのを他の"石"たちが必死に邪魔してくるわけでもない。彼らにとって心臓のようなものだと思っていたのですが……」
今の森はしん、としている。人の住む場所から遠くとも、元々そこまで薄暗くない森だ。"石"さえ出なければ穏やかな風が枝を揺らし、葉が擦れる音がする。カズハはさほど興味は無いようで、しかし一応の言葉を返す。
「あいつらと意思疎通が図れるわけじゃないし、僕は文献を進んで読まないからわからないけど、多分僕たちと同じなんじゃない?」
「というと、」
「死にたいんじゃないかって。変な姿になって、人を襲って……でももし、あの中に人間だった時の理性があったら?斃してもらえるなら、心臓を止めてほしいと思っててもまぁ理解できるかなってさ」
「……」
「死は救済、なんて神職者だった君に言ったら怒られるかもだけど、イレギュラー状態の化け物からしたら、ね」
セイはそっと核をしまい、立ち上がる。「適当だけどね」と付け足すカズハの瞳には相変わらず光は無い。紫の、アメジストを彷彿とする瞳には空虚が在った。どんな顔をしていたのかセイ自身にはわからなかったが、カズハは肩を竦めて笑った。
「僕はハヲくんの方が不思議だよ」
「ハヲさんですか?確かによくわからない方ではありますが、貴方から見てもですか」
「まぁ、元々変な奴だけど。そもそも此処に住み着いたのだって最近……と言っても君たちからしたら結構経つかもだけど、此処のしがらみに僕らは関係無いって言っただろ?でもその核を利用して魔力を増幅出来るってどんな仕組みなんだろうね」
「まぁ……確かに……」
不思議なことが多すぎて考えが及ばなかった箇所だ。そういうもの、で済ませてしまえば終わりだが、カズハにもわからないものなのだろうか。帰路につきながら会話は続く。
「僕は魔法使いの類ではないから、魔力だなんだってさっぱりわからないんだよね。ハヲくんはハヲくんで教えてくれないし。もしかしたら最初からこの地の魔力が目当てで、コゲツくんの足掛かりになるんじゃないかと思ったから住み着いた……って考えてるけど、真相は闇の中」
「なんというか……本当に会話をしないんですね」
「昔はもっと話してた気がするんだけどねェ」
昔。そのワードが自分の思う遥か過去を示すことは、会話の中でなんとなく察していた。そんな中で、《死》を追うだけの口数の少ない二人の日々はどんなものだったのだろうか……。当の本人は何の気無しに続ける。
「今更気にしてはないけどさ。彼の人となりはもうそれなりに知ってるし。ハヲくんが屋敷を調べて、"石"の正体を知って、それが本当か僕が斬りにいった。そうしたら攻撃は通じたし、その核は使えた。此処で生きることが可能だとわかれば十分だし、必要な時は喋るしさ」
「そういえば、彼は戦わないのですか」
「いや、戦えるよ。なんなら僕より強い。魔法だけじゃなく、剣技も。銃だって使えるし、素手でだって戦える筈」
「では何故貴方ばかりが戦うのですか?」
「適材適所。僕は文献を読むのとか嫌だし。街に行くのも僕だから、森に入る回数も多い。戦う数が多いのは必然だろ?」
「そうかもしれませんが、」
陰鬱な影を纏ってはいるが、ハヲの方が身体は大きくしっかりしているように見えた。だから細身のカズハの方が戦うことを、セイは不思議に思っていた。それを言えば自分よりレンの方が身体つきは良いので何とも言えないが、自分たちよりずっと、ハヲとカズハには明らかな体格差があったのだ。
「言いたいことはわかるけど、僕たちは助け合う関係ではないからなぁ。それに僕は元々鉄砲玉だし、慣れてるから」
「鉄砲玉?」
「そう。軍の鉄砲玉。わかる?」
「いえ……。でも、貴方のジャケットが軍服らしいことはわかります」
セイの言葉に、あぁ、とカズハは腕章を見やった。ずいぶん傷んでいる。ジャケット自体もボロボロで、胸に恐らく刻まれていたであろう証も剥げてしまっている。新しい衣服の上に毎日羽織っているところを見るに、とても大切なものなのだろう。
「そうそう。僕は元々王国軍の特攻隊長。簡単に言うと、一番最初に敵に突っ込んでいく役目」
「だから、鉄砲玉」
「そう。自分の命より軍の勝利を重要視した役割」
「……」
「僕、それなりに有能だったのさ。そういう毒味みたいな立ち位置で生きてたから、あんまり気にしてなかった」
「……カズハが不老不死になったのは、その立場からですか」
「おっと鋭い。そういうこと」
セイはあからさまに眉を顰めた。不老不死にする、ということの工程がどのようなものかは皆目見当もつかないが、そうなった理由は思いついてしまった。そして、当たってしまったらしい。
カズハの剣技が、太刀筋が良いことの合点がいった。優秀な軍人ならばそうだろう。そして敵に一番に飛び込む優秀な兵が、もし『死ななかった』ら……とんでもない力になる。しかしそれは、人間がすることではない。非人徳の極みだ。たとえカズハが国や軍に従順で、合意の下だったとしても。
「当時の僕、可愛かったんだよ」
「え……」
「あ、見た目とかじゃなくて、思考が。国王様とか国自体にはそれほど思い入れは無かったんだけど、軍の総隊長に惚れ込んでて。その人の役に立つなら何でも良かったわけ」
「……」
「馬鹿だろ?国が傾いて、軍が解散して、置いて逝かれてからことの重大さに気づいたのさ」
「……恋人だったのですか」
「違う。僕の片恋だった。でもそれで良かったんだよ。生きてる時はね」
「……そんな」
「憐れだと思う?」
「思いません。思いません、けど……私なら、耐えられないと思います」
「……」
たとえば自分だけが死ななくなって、想い人も含め周りが老いて、いなくなってしまったら。レンを深く愛している今のセイだからこそ、考えるだけで辛かった。そんな時間をカズハは独りで生きているのか。……ハヲも、そうだろうか。セイは問う。
「ハヲさんとは、同僚ですか?」
「違うよ。あいつは国にも軍にも関係無い。なんなら、あいつが国を傾かせた」
「……え、」
カズハの顔を見る。顔色一つ変えてはいない。声音も変わっていない。しかし、僅かに怒気を感じた気がした。視線に気づいたカズハがセイに向かって笑みを浮かべる。
「正直、昔の僕に今もハヲくんと一緒にいるなんて言ったら、嫌な顔をするだろうなって」
「どういうことですか?敵側だったとか……?」
「ううん。国王が骨抜きにされちゃったんだよね」
「……は?骨抜き、」
セイがぽかんとして反芻すると、カズハは可笑しそうにケラケラと笑いながら手をヒラヒラさせた。
「信じられないだろ?僕にもまったくわからないんだけど、ハヲくんには一部の人を魅了する力があるみたいなんだよね」
「魅了……」
「よく言えば恋愛、直接的に言えば色欲。やたらとあいつにそういう感情を持つ奴が多かった。国王様も、王子も、一部のメイドや執事、隊員まで手玉にとって、もうハーレム状態だったよ」
「王ということは、女王がいた筈では……?それに、その他の人たちも、」
「うん。だからハヲくんの立場は誰が相手でも一貫して"愛人"だった。しかも、その誰もがそれを理解した上で傍にいて、結局最後まで誰も彼の本命になることはなかった」
「……うぇ、」
「ハヲくん自身には、誑かすつもりは無かったらしいけどね。断らないなら同罪というか」
一筋の嫌悪感がセイを襲った。人生でただ一人を愛しているセイにとって、到底理解できるものではなかった。ハヲも、その相手方も。それは聞く限り、恋愛というよりもはや洗脳や宗教に似たものに思える。彼が意図的か否かは知ったことではないが、とにかくセイの許容の範囲をはるかに超えていた。
「で、まぁそんな浮かれた状態で傾くのはそこそこ当然だったわけだ。そんな理由でお国が~なんて恥ずかしすぎて、色々改竄したけど。そこで僕のおつとめはおしまい」
屋敷が見えてきた。初めに此処に来た時、レンとハヲが立っていたバルコニーを見上げる。今は誰もおらず、小鳥が羽を休めていた。
「……次にハヲさんの顔を見る時、どうしたらいいでしょう」
「まぁ過去の話だから。ハヲくんもハヲくんで不老不死にされて、魔法使いだからって色々面倒くさいことに巻き込まれて、それなりに罰を受けてはいるからさ」
「……」
「あっ、でも気をつけた方が良いよ」
「私ですか?別に彼のことはなんとも……」
ハッとしてカズハを見る。カズハは意地悪そうに目を細めた。彼が言いたいことが、わかってしまった。
セイ自身はハヲに対して、何も惹かれるところはない。それどころか今の話で多少距離を置きたくなったところだ。
しかし、彼は……レンはどうだ?
レンは以前、ハヲを「気品のある人」だと言っていたし、やたらと良く言っていたような……。
「今もその魅了があるかは、僕はわからないけど。一応」
「……それ、彼らを二人きりにしておいて、今言いますか」
「ま、大丈夫だと思うんだけどさ。多分」
「……」
一抹の不安。いや、一抹どころではない。こんな話をされて、……しかし、さすがに……。
葛藤の末、セイは早足で、カズハを置いて屋敷に入っていった。駆け足で階段を上がる音が玄関に響き、やがて遠のく。
取り残されたカズハは、笑いを堪えるように口を手で覆った。
「面白いねェ。人を揶揄うのは」
嘘は言っていない。そう呟いて、一人ゆっくりと部屋へと戻っていった。
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冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
きっと、君は知らない
mahiro
BL
前世、というのだろうか。
俺は前、日本という国で暮らしていて、あの日は中学時代にお世話になった先輩の結婚式に参列していた。
大人になった先輩と綺麗な女性の幸せそうな姿に胸を痛めながら見つめていると二人の間に産まれたという女の子がひとりで車道に向かい歩いている姿が目に入った。
皆が主役の二人に夢中で子供の存在に気付いておらず、俺は慌ててその子供のもとへと向かった。
あと少しで追い付くというタイミングで大型の車がこちらに向かってくるのが見え、慌ててその子供の手を掴み、彼らのいる方へと突き飛ばした。
次の瞬間、俺は驚く先輩の目と合ったような気がするが、俺の意識はそこで途絶えてしまった。
次に目が覚めたのは見知らぬ世界で、聞いたことのない言葉が行き交っていた。
それから暫く様子を見ていたが、どうやら俺は異世界に転生したらしく………?
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!
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退会済ユーザのコメントです
感想ありがとうございます!
これからゆっくり書いていくので、また読んでいただけたら嬉しいです。