38 / 39
集結するマリンカ達
しおりを挟む
マリンカとシャルドネはミヒの洞窟の方に力を注いだ。涙の洪水までにはならないように二人で力で抑えていた。
ミヒがいまだに泣き止まない。あの中に爺とレン大叔父様がいる。
マリンカとシャルドネは、前に歩き出す。セーラも足音を立てずにゆっくりと歩きだす。
シャルドネ様は大丈夫かしら?
マリンカはシャルドネの様子を伺った。
「私のことより、耳をすませなさい。キャンが、こっちにくるわ」
「キャン様が、ジャンを連れて来てくれるんですね」
シャルドネは、マリンカを見て頷いた。
マリンカの耳には、複数の足音が聞こえた。
暗い洞窟から、私のフクロウの眼が使えたら何かがわかるのに……使えないのは不便だわ。
「キャンは、カリムに遭遇したんだよ」
シャルドネは平然としていた。
「かリムさんと会っているって。何でシャルドネ様は、分かるんですか?」
大きい音が聞こえたけど、どうなっているのか気になるわ。
マリンカは耳すまして、足音が聞こえてくる方に気にしだした。
「キャンの気配なら、分かるわよ。姉弟だもの。」
洞窟の静けさから、遠くの方から声が聞こえた。
足音しか聞こえない。光って見えるのはわかった。
姿が見えてきた。誰? この人?
私達に向かって声をかけてきた。
「姉さん。マリンカ姫様。こっちだよ」
立ち止まった私達に気付き、青年が私達に向かって走っていく。
青年は息切らして走り、やっと二人の所に着いた。
「人の姿で、此処に来るのも結構疲れるね」
青年が私達の名前を言い安心した顔で、笑った。
弟のキャンだと知ったシャルドネは、言葉につまっていた。
誰なんだろう? マリンカは青年に近づこうとした。
知らない人に声をかけたくないけど。私達の事を知っているみたいだし。
マリンカは、青年に近づいた。
青年が、持っている光から彼の様子がわかる。
髪はボサボサだけと、顔と背丈は見たことかある。去年父と私が、小さな国に訪問した際にシンリ国からの使いとして来たジャン王子。この男はジャン王子に似ている!
マリンカは青年に言う。
「あなたは、ジャンなの。」
「違うよ、マリンカ姫様。この姿は、ジャンだけど、僕はキャンだよ。」
「キャン。どうしてこの姿なんだ!」
今まで知っているキャンとは、違う姿だけでもシャルドネは驚いていた。
「キャン様。何故この姿に?」
マリンカはキャン様が、ジャンの姿になっているのか分からなかった。
マリンカの問いに気まずい様子で答えるキャン。
「この姿になったのは、姉さんの洞窟まで、ちょっと無理かもって僕が判断したんだ。それと、巨大牛が僕の洞窟で草木を踏み潰して歩くし、真っ暗だから仕方ないけど。僕が強引に力を使って奴の中に入ったんだ。巨大牛を連れて行くって言ったのにごめんなさい」
「ジャンはどうなっているの?」
キャン様がジャンの姿を借りる時はジャンはどうなるんだろう。
マリンカはこの状況が良く理解できていなかった。
キャンはジャンのことを心配しているマリンカに安心させるように言った。
「ジャンの事は心配しなくても平気だよ姫様。僕はシャルドネ姉さん達を洞窟脱出させる為にこの姿になっただけで、ずっとこの姿ではないよ。カリムは僕の姿を見ているから追いかけてくるかもね。ミヒの洞窟に向かおう。僕が手伝うよ。」
二人の様子を見て、何故か焦りだすキャン。
「そうだよね。驚くよね。僕に気付くなんて、さすが姉さん! ジャンの身体に入ったら、こんな風になって戸惑っているよ。小さい牛が良かったんだけど」
いつものキャンだと分かりシャルドネは安心した。
キャンは何故、小さい牛の方がいいんだろう?
「小さい牛なら良かったのか?」
「うーん。巨大牛よりは、動きやすい気がするけどな。」
「よく、巨大牛を取り入れたな」
「僕の場合、巨大牛とは相性が悪いせいなのか。そのおかげで、取り入れることができたみたいだね」
「キャンにも、人に対して相性が良い、悪いがあるんだな」
「僕にも相手の好き、嫌いがあるんだって、ジャンと話して分かったよ」
キャンは苦笑いで答えた。
ミヒがいまだに泣き止まない。あの中に爺とレン大叔父様がいる。
マリンカとシャルドネは、前に歩き出す。セーラも足音を立てずにゆっくりと歩きだす。
シャルドネ様は大丈夫かしら?
マリンカはシャルドネの様子を伺った。
「私のことより、耳をすませなさい。キャンが、こっちにくるわ」
「キャン様が、ジャンを連れて来てくれるんですね」
シャルドネは、マリンカを見て頷いた。
マリンカの耳には、複数の足音が聞こえた。
暗い洞窟から、私のフクロウの眼が使えたら何かがわかるのに……使えないのは不便だわ。
「キャンは、カリムに遭遇したんだよ」
シャルドネは平然としていた。
「かリムさんと会っているって。何でシャルドネ様は、分かるんですか?」
大きい音が聞こえたけど、どうなっているのか気になるわ。
マリンカは耳すまして、足音が聞こえてくる方に気にしだした。
「キャンの気配なら、分かるわよ。姉弟だもの。」
洞窟の静けさから、遠くの方から声が聞こえた。
足音しか聞こえない。光って見えるのはわかった。
姿が見えてきた。誰? この人?
私達に向かって声をかけてきた。
「姉さん。マリンカ姫様。こっちだよ」
立ち止まった私達に気付き、青年が私達に向かって走っていく。
青年は息切らして走り、やっと二人の所に着いた。
「人の姿で、此処に来るのも結構疲れるね」
青年が私達の名前を言い安心した顔で、笑った。
弟のキャンだと知ったシャルドネは、言葉につまっていた。
誰なんだろう? マリンカは青年に近づこうとした。
知らない人に声をかけたくないけど。私達の事を知っているみたいだし。
マリンカは、青年に近づいた。
青年が、持っている光から彼の様子がわかる。
髪はボサボサだけと、顔と背丈は見たことかある。去年父と私が、小さな国に訪問した際にシンリ国からの使いとして来たジャン王子。この男はジャン王子に似ている!
マリンカは青年に言う。
「あなたは、ジャンなの。」
「違うよ、マリンカ姫様。この姿は、ジャンだけど、僕はキャンだよ。」
「キャン。どうしてこの姿なんだ!」
今まで知っているキャンとは、違う姿だけでもシャルドネは驚いていた。
「キャン様。何故この姿に?」
マリンカはキャン様が、ジャンの姿になっているのか分からなかった。
マリンカの問いに気まずい様子で答えるキャン。
「この姿になったのは、姉さんの洞窟まで、ちょっと無理かもって僕が判断したんだ。それと、巨大牛が僕の洞窟で草木を踏み潰して歩くし、真っ暗だから仕方ないけど。僕が強引に力を使って奴の中に入ったんだ。巨大牛を連れて行くって言ったのにごめんなさい」
「ジャンはどうなっているの?」
キャン様がジャンの姿を借りる時はジャンはどうなるんだろう。
マリンカはこの状況が良く理解できていなかった。
キャンはジャンのことを心配しているマリンカに安心させるように言った。
「ジャンの事は心配しなくても平気だよ姫様。僕はシャルドネ姉さん達を洞窟脱出させる為にこの姿になっただけで、ずっとこの姿ではないよ。カリムは僕の姿を見ているから追いかけてくるかもね。ミヒの洞窟に向かおう。僕が手伝うよ。」
二人の様子を見て、何故か焦りだすキャン。
「そうだよね。驚くよね。僕に気付くなんて、さすが姉さん! ジャンの身体に入ったら、こんな風になって戸惑っているよ。小さい牛が良かったんだけど」
いつものキャンだと分かりシャルドネは安心した。
キャンは何故、小さい牛の方がいいんだろう?
「小さい牛なら良かったのか?」
「うーん。巨大牛よりは、動きやすい気がするけどな。」
「よく、巨大牛を取り入れたな」
「僕の場合、巨大牛とは相性が悪いせいなのか。そのおかげで、取り入れることができたみたいだね」
「キャンにも、人に対して相性が良い、悪いがあるんだな」
「僕にも相手の好き、嫌いがあるんだって、ジャンと話して分かったよ」
キャンは苦笑いで答えた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる