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マリンカ姫の初めての戦い②
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砂漠で妖魔と人間との戦いを、静かに見守る夜の女王は月と星を光輝かせるように濃い闇を広げていく。
この砂漠で妖魔か人間のどちらかが倒れていれば朝日が昇るのが早い『亡者の砂丘』の場所は、妖魔でも人でも干からびる場所。
夜のあいだに相手を倒せば、立ち上がる気力を振り絞ってオアシスを求めてこの場所から離れることができる。
ジプシーと戦う意思のあるマリンカ。その背後には、遠くにいる爺と大叔父様。
マリンカから離れたジャンは、爺と大叔父様に近づいている森の妖魔とは別の森の妖魔に近づこうとしていた。
マリンカはジプシーに気付かれないにように、足音を立てずにジプシーの方に向かって歩きだした。
二つの森が動き出すのを、マリンカは見つめながら静かにしていた。
森に狙いを定めるマリンカは弓矢を引く。
『フム……』
ジプシーは何を思ったのか腰帯に飾っている物を見て光る物を引きちぎり、大叔父様と爺に向けて投げた。
真っ暗な中、光って見えたのが爆弾の火の色だった。
爆弾の衝撃の音が、私の所まで響いてきた。
砂嵐の場所が、大叔父様と爺がいた場所だった。
砂嵐に光る色を見て、私は身体中がゾワッとした。
「大叔父様、爺」
砂嵐の音が強くて、マリンカの声は二人に届いていなかった。
二人の無事を確認したい。こんな所で二人がいなくなるなんて嫌だ!
マリンカは父親譲りのフクロウの眼を使った。
フクロウの眼は夜中、人の姿を見かけても誰なのかが分かることができる目。爆弾で飛ばされた二人の姿は砂嵐で巻き込まれて、フクロウの眼を使っても姿が見えづらい。
失う人がこんなに早く来るなんて思いもしなかった。
マリンカは唇を震わせてジプシーのところに向かった。
爺と大叔父様を助ける。私が妖魔を倒す。絶対に!
砂漠の大嵐の影響で、さいわいなことに森同士がぶつかり合い、森から妖魔の姿に化した。
これが本当の姿ね。チャンス! いまだ。ひそかに練習してきた弓矢が当たりますように……マリンカは願った。父から教わった弓矢を何度も練習して、夜も弓矢の練習にはフクロウの眼を使って練習したのよ。
爺には言っていないけどね。
さっきより力を入れて弓を引き、矢を放した。
一本の矢がきれいに真っ直ぐ飛んでいく。
二匹の妖魔はぶつかったことなど気にもとめない様子でいた。
真っ直ぐ飛んでいった矢は妖魔達に命中した。
ジプシーは、まだ気づかない。
妖魔が森に化けていたなら遠慮しないわ。あと残り四匹の妖魔。
皮肉にも砂嵐のお陰で妖魔の足の周りが砂場が多いせいか固くなって動けていないように見えた。この時に、四匹の妖魔を倒すことができた。何て運がいいんだろう。
このやり方で森の姿から妖魔になった時に倒しましたよ。妖魔に気付かれずにね……
妖魔を全部倒した私は弓矢が当たってホッとしていた。
あとはジプシー一人だけ。
マリンカはジプシーに近づいた。
ジプシーが周りにいた妖魔の存在がいないのに気づき、後ろを振り向いたジプシーは、五十メートル先に私がいることに気付いた。
『お前、可愛い妖魔に何をした? 何をする。ヤメロ』
普段の私は平静さもあるけど、此処にいる妖魔に対しては怒りだけでは気がすまない。大叔父様と、爺にしたこと、ジプシーに対して妖魔が何をしていたか……退治するだけじゃで解決できない感情もある。
大叔父様の友人であるジプシーの身体を傷つけることになるけど、亡くなったジプシーには安らかな眠りを与えたい。今、弱い感情を見せたら私が妖魔に倒される。
マリンカはキリッとした表情と目力でジプシーを見つめた。
「人間が癒しと、くつろげる場所である森に、妖魔ごときが森の姿になって現れるなんてゆるせない!ジプシーと、大叔父様と爺の分よ。トドメよ」
マリンカはジプシーに向けて残りの弓矢を放した。
矢はジプシーに向かって飛んでいく。
ジプシーは二歩下がった時に、足場が動かなくなっていた。
数本の矢はジプシーの身体に命中した。
マリンカは泣きそうな目でジプシーを見つめて歩いた。
マリンカはジプシーを抱え小さい声で言った。
「ごめんなさい。痛かったよね。ごめんなさい」
マリンカは目からぽろぽろと涙がでてきた。
妖魔がジプシーの身体から離れようとした時、一瞬だけジプシーの唇から声が聞こえてきた。
かすかながら『ありがとう』
ジプシーの身体から抜け出した妖魔は、マリンカの前から逃げ出そうとしていた。
「逃がさない!待ちなさい」
大声でマリンカは妖魔に言うと、涼しい風が妖魔を襲ってきた。
風が妖魔の動きを止めた。
『何を……』
妖魔は何か言いたげだが、首筋を切られ倒れた。
「一体、何があったの?」
何が何だか分からないマリンカは今の風は何なのか? ジッと様子を見つめているだけだった。
夜風が静まると、一匹の小さい黒いモコモコ犬がマリンカの前にいた。
この砂漠で妖魔か人間のどちらかが倒れていれば朝日が昇るのが早い『亡者の砂丘』の場所は、妖魔でも人でも干からびる場所。
夜のあいだに相手を倒せば、立ち上がる気力を振り絞ってオアシスを求めてこの場所から離れることができる。
ジプシーと戦う意思のあるマリンカ。その背後には、遠くにいる爺と大叔父様。
マリンカから離れたジャンは、爺と大叔父様に近づいている森の妖魔とは別の森の妖魔に近づこうとしていた。
マリンカはジプシーに気付かれないにように、足音を立てずにジプシーの方に向かって歩きだした。
二つの森が動き出すのを、マリンカは見つめながら静かにしていた。
森に狙いを定めるマリンカは弓矢を引く。
『フム……』
ジプシーは何を思ったのか腰帯に飾っている物を見て光る物を引きちぎり、大叔父様と爺に向けて投げた。
真っ暗な中、光って見えたのが爆弾の火の色だった。
爆弾の衝撃の音が、私の所まで響いてきた。
砂嵐の場所が、大叔父様と爺がいた場所だった。
砂嵐に光る色を見て、私は身体中がゾワッとした。
「大叔父様、爺」
砂嵐の音が強くて、マリンカの声は二人に届いていなかった。
二人の無事を確認したい。こんな所で二人がいなくなるなんて嫌だ!
マリンカは父親譲りのフクロウの眼を使った。
フクロウの眼は夜中、人の姿を見かけても誰なのかが分かることができる目。爆弾で飛ばされた二人の姿は砂嵐で巻き込まれて、フクロウの眼を使っても姿が見えづらい。
失う人がこんなに早く来るなんて思いもしなかった。
マリンカは唇を震わせてジプシーのところに向かった。
爺と大叔父様を助ける。私が妖魔を倒す。絶対に!
砂漠の大嵐の影響で、さいわいなことに森同士がぶつかり合い、森から妖魔の姿に化した。
これが本当の姿ね。チャンス! いまだ。ひそかに練習してきた弓矢が当たりますように……マリンカは願った。父から教わった弓矢を何度も練習して、夜も弓矢の練習にはフクロウの眼を使って練習したのよ。
爺には言っていないけどね。
さっきより力を入れて弓を引き、矢を放した。
一本の矢がきれいに真っ直ぐ飛んでいく。
二匹の妖魔はぶつかったことなど気にもとめない様子でいた。
真っ直ぐ飛んでいった矢は妖魔達に命中した。
ジプシーは、まだ気づかない。
妖魔が森に化けていたなら遠慮しないわ。あと残り四匹の妖魔。
皮肉にも砂嵐のお陰で妖魔の足の周りが砂場が多いせいか固くなって動けていないように見えた。この時に、四匹の妖魔を倒すことができた。何て運がいいんだろう。
このやり方で森の姿から妖魔になった時に倒しましたよ。妖魔に気付かれずにね……
妖魔を全部倒した私は弓矢が当たってホッとしていた。
あとはジプシー一人だけ。
マリンカはジプシーに近づいた。
ジプシーが周りにいた妖魔の存在がいないのに気づき、後ろを振り向いたジプシーは、五十メートル先に私がいることに気付いた。
『お前、可愛い妖魔に何をした? 何をする。ヤメロ』
普段の私は平静さもあるけど、此処にいる妖魔に対しては怒りだけでは気がすまない。大叔父様と、爺にしたこと、ジプシーに対して妖魔が何をしていたか……退治するだけじゃで解決できない感情もある。
大叔父様の友人であるジプシーの身体を傷つけることになるけど、亡くなったジプシーには安らかな眠りを与えたい。今、弱い感情を見せたら私が妖魔に倒される。
マリンカはキリッとした表情と目力でジプシーを見つめた。
「人間が癒しと、くつろげる場所である森に、妖魔ごときが森の姿になって現れるなんてゆるせない!ジプシーと、大叔父様と爺の分よ。トドメよ」
マリンカはジプシーに向けて残りの弓矢を放した。
矢はジプシーに向かって飛んでいく。
ジプシーは二歩下がった時に、足場が動かなくなっていた。
数本の矢はジプシーの身体に命中した。
マリンカは泣きそうな目でジプシーを見つめて歩いた。
マリンカはジプシーを抱え小さい声で言った。
「ごめんなさい。痛かったよね。ごめんなさい」
マリンカは目からぽろぽろと涙がでてきた。
妖魔がジプシーの身体から離れようとした時、一瞬だけジプシーの唇から声が聞こえてきた。
かすかながら『ありがとう』
ジプシーの身体から抜け出した妖魔は、マリンカの前から逃げ出そうとしていた。
「逃がさない!待ちなさい」
大声でマリンカは妖魔に言うと、涼しい風が妖魔を襲ってきた。
風が妖魔の動きを止めた。
『何を……』
妖魔は何か言いたげだが、首筋を切られ倒れた。
「一体、何があったの?」
何が何だか分からないマリンカは今の風は何なのか? ジッと様子を見つめているだけだった。
夜風が静まると、一匹の小さい黒いモコモコ犬がマリンカの前にいた。
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