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職業少女
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でも、この土地は
公務員の妻(姓は変わっているが)名義だ。
それが元オーナー、その資金で
西の森コンビニを開店、変死。
呪いといえば、そうかもしれない。
狡猾な手段で、他人のものを
掠めたと言われても、言い返せないだろう。
贖罪の意味で、コンビニを開店した
とすれば、それが間違いだったと
云わざるを得ない。
悪事に手を染めるなら、半端に
善行をすると、命取りになるだろう。
この事例は、それを物語る。
悪い事をすれば、必ず周囲に知れ
他の悪い企みを持つ者が、利益を奪いに来る。
防御を細心にするべきなのだ。
もっとも、悪い事をしなければいいのだが。
丘の上の、教習コースへ午後、行って見ると
深町は、由香と友里恵を連れて
ご丁寧に試験の練習をしてあげていた。
職業少女のふたりは、仕事、というか
目標はきちんとこなす子だから
ドライブレッスンを、ボランティアで
教えてくれる深町を、労っていた。
懸命に練習しているせいなのか
脇目を振らずに、ハンドルを握っていた。
それでも、シトローエン・エクザンティアで
コースのそばに行くと
友里恵は、クラウンのリアシートから
手を振った。
愛くるしい、と云うのだろうか。
屈託のないその笑顔を見ていて
ふと、思う。
この子は、どうして自分を選んだのだろうか?
同年代は幼くてイヤだ、と云うが
それは理解できる。
同年代に限らず、周囲の男どもは
幼稚化しているように見える。
欲しか、動機にならない行動。
友里恵に求愛する男たちは皆
その根底に性的な欲があって近づくので
友里恵はそれを忌避したらしい。
しかし、自分は友里恵のどこに愛を感じたかと
言うと
正直なところ、だろうか。
感情を素直に表して、思いやりのある所は
最近、あまり見かけなくなった人の行動だ。
ふつう、感覚が鋭敏な子は
世の中の刺々しさに
摩滅してしまう。
友里恵はそうでなかった。
けれど、由香と一緒の時は
騒がしい、どこにでもいるJKに
なってしまうので(笑)
それは、たぶん
特別な時間だけ、そうなっているのだろう。
普段の騒がしい友里恵は、あまり
好みではないが(笑)
出逢った時から、二人きりの事が
多いアルバイト環境だったので
そのせいで、かわいらしい所
ばかりを見てきたような、そんな気もするから
それで、真っ直ぐな気持ちをぶつけられると
断れる訳もない。
人間、そういうものだ。
それを愛、と言うのなら
ふつう、言われる恋愛とは
ちょっと違う気もするけれど
でも、大切な人だと
今は思っている輝彦であった。
ただ、素直に感情を露わにする子、は
それが、快い感情な時は良いけれど
そうでない時は、困ってしまったりする。
友里恵の場合も、以前
思い悩んで瞼が腫れるまで
泣きはらした事があった。
感情を抑制するのが下手なのだろう。
かわいい、で済むうちは良いが
そうで無くなると、困っちゃうなぁ(笑)と
輝彦はふと、思ったりしたけど
まあ、時が経てば大人にもなるだろう。
と、楽観していた。
そうなった時、果たして
友里恵の気持ちが誰に向いているか?
は、今案じても仕方ないし
恋が醒めても、ずっと慈しんでいるのも
愛だろう、と輝彦は思った。
なぜ、深町も輝彦も
由香や、友里恵の免許取得、などと言う
個人の利益の為に
サービス(笑)しているのだろうかと
穿った見方をすれば、そう思われる
かもしれないけれど
それは自然な感情である。
困っている人が居れば、助けてあげるのは
当然なこと、である。
でも、今は、そういう気持ちのゆとりの
ある人が少ないので
親切でした事も、例えば若い女の子への
下心、などと曲解されたりも、する。
でもそれは、何より敏感に
彼女たちが感じ取るので
実際、変な男に引っかかる子は少ないのが
実状である(笑)。
面白いものだ。
「もう、試験のコースを走った方がいいな」と
深町は言う。
仮免許試験は、5つのコースがあり
その日のコースは毎回違うので、当日覚えなくては
ならない。
「うゎー地図ニガテ」と、友里恵は笑う。
「理系ダメだもんね」と、由香。
由香は、意外に理系も得意らしい。
見た目は、あんまり賢くみえない(笑)のになぁと
深町は思っていると、由香が
「あ、今バカにしたでしょ」と言うので
「そんなことないよ」と、深町は内心どきどき(笑)
どうして分かったんだろうか(笑)。
表情や、仕草などで
感情を思慮するのは、これは生物的感覚である。
言葉を持たない頃から、そうして交流を図ってきた。
しかし、言葉で意志を伝えるようになると
言葉に頼ってしまって、その機能は少し
退化してしまったようで
比喩されるように、男の方がやや理屈っぽいので
感覚分野は、女子の方が優れているのだろう。
由香や友里恵は、多感な時期でもある。
年齢と共に、先入観が増えるので
感じ取ろうとしなくなる傾向からも
今の由香は、とーっても鋭い(笑)のだろう。
それが、深町への恋なのかどうか、は
由香自身にも分からない(笑)
そんなものだし、定義する必要もない。
楽しくすごしてゆけるなら。
公務員の妻(姓は変わっているが)名義だ。
それが元オーナー、その資金で
西の森コンビニを開店、変死。
呪いといえば、そうかもしれない。
狡猾な手段で、他人のものを
掠めたと言われても、言い返せないだろう。
贖罪の意味で、コンビニを開店した
とすれば、それが間違いだったと
云わざるを得ない。
悪事に手を染めるなら、半端に
善行をすると、命取りになるだろう。
この事例は、それを物語る。
悪い事をすれば、必ず周囲に知れ
他の悪い企みを持つ者が、利益を奪いに来る。
防御を細心にするべきなのだ。
もっとも、悪い事をしなければいいのだが。
丘の上の、教習コースへ午後、行って見ると
深町は、由香と友里恵を連れて
ご丁寧に試験の練習をしてあげていた。
職業少女のふたりは、仕事、というか
目標はきちんとこなす子だから
ドライブレッスンを、ボランティアで
教えてくれる深町を、労っていた。
懸命に練習しているせいなのか
脇目を振らずに、ハンドルを握っていた。
それでも、シトローエン・エクザンティアで
コースのそばに行くと
友里恵は、クラウンのリアシートから
手を振った。
愛くるしい、と云うのだろうか。
屈託のないその笑顔を見ていて
ふと、思う。
この子は、どうして自分を選んだのだろうか?
同年代は幼くてイヤだ、と云うが
それは理解できる。
同年代に限らず、周囲の男どもは
幼稚化しているように見える。
欲しか、動機にならない行動。
友里恵に求愛する男たちは皆
その根底に性的な欲があって近づくので
友里恵はそれを忌避したらしい。
しかし、自分は友里恵のどこに愛を感じたかと
言うと
正直なところ、だろうか。
感情を素直に表して、思いやりのある所は
最近、あまり見かけなくなった人の行動だ。
ふつう、感覚が鋭敏な子は
世の中の刺々しさに
摩滅してしまう。
友里恵はそうでなかった。
けれど、由香と一緒の時は
騒がしい、どこにでもいるJKに
なってしまうので(笑)
それは、たぶん
特別な時間だけ、そうなっているのだろう。
普段の騒がしい友里恵は、あまり
好みではないが(笑)
出逢った時から、二人きりの事が
多いアルバイト環境だったので
そのせいで、かわいらしい所
ばかりを見てきたような、そんな気もするから
それで、真っ直ぐな気持ちをぶつけられると
断れる訳もない。
人間、そういうものだ。
それを愛、と言うのなら
ふつう、言われる恋愛とは
ちょっと違う気もするけれど
でも、大切な人だと
今は思っている輝彦であった。
ただ、素直に感情を露わにする子、は
それが、快い感情な時は良いけれど
そうでない時は、困ってしまったりする。
友里恵の場合も、以前
思い悩んで瞼が腫れるまで
泣きはらした事があった。
感情を抑制するのが下手なのだろう。
かわいい、で済むうちは良いが
そうで無くなると、困っちゃうなぁ(笑)と
輝彦はふと、思ったりしたけど
まあ、時が経てば大人にもなるだろう。
と、楽観していた。
そうなった時、果たして
友里恵の気持ちが誰に向いているか?
は、今案じても仕方ないし
恋が醒めても、ずっと慈しんでいるのも
愛だろう、と輝彦は思った。
なぜ、深町も輝彦も
由香や、友里恵の免許取得、などと言う
個人の利益の為に
サービス(笑)しているのだろうかと
穿った見方をすれば、そう思われる
かもしれないけれど
それは自然な感情である。
困っている人が居れば、助けてあげるのは
当然なこと、である。
でも、今は、そういう気持ちのゆとりの
ある人が少ないので
親切でした事も、例えば若い女の子への
下心、などと曲解されたりも、する。
でもそれは、何より敏感に
彼女たちが感じ取るので
実際、変な男に引っかかる子は少ないのが
実状である(笑)。
面白いものだ。
「もう、試験のコースを走った方がいいな」と
深町は言う。
仮免許試験は、5つのコースがあり
その日のコースは毎回違うので、当日覚えなくては
ならない。
「うゎー地図ニガテ」と、友里恵は笑う。
「理系ダメだもんね」と、由香。
由香は、意外に理系も得意らしい。
見た目は、あんまり賢くみえない(笑)のになぁと
深町は思っていると、由香が
「あ、今バカにしたでしょ」と言うので
「そんなことないよ」と、深町は内心どきどき(笑)
どうして分かったんだろうか(笑)。
表情や、仕草などで
感情を思慮するのは、これは生物的感覚である。
言葉を持たない頃から、そうして交流を図ってきた。
しかし、言葉で意志を伝えるようになると
言葉に頼ってしまって、その機能は少し
退化してしまったようで
比喩されるように、男の方がやや理屈っぽいので
感覚分野は、女子の方が優れているのだろう。
由香や友里恵は、多感な時期でもある。
年齢と共に、先入観が増えるので
感じ取ろうとしなくなる傾向からも
今の由香は、とーっても鋭い(笑)のだろう。
それが、深町への恋なのかどうか、は
由香自身にも分からない(笑)
そんなものだし、定義する必要もない。
楽しくすごしてゆけるなら。
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