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コーネンキの夫婦

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「音がこんなに反射するなら、
もしブレーキ音があれば、交番でも聞こえるだろうし。
ふたりで、駅のホームで喧嘩してたりしたら
南口のタクシープールとか、交番とか。
誰か声を聞きそうだね。」と、輝彦。

「黙ってケンカって、フツーないもんね。
コーネンキの夫婦ならともかく」と、友里恵は
おばさんキャラっぽい(笑)。

そういう事言うと、母上そっくり。と、輝彦は
友里恵の背後霊のように、母上の幻影を見て
ちょっと、どっきり。

「どーしたのぉ。」と、にこにこ、ふんにゃりしている
友里恵。

「....あ、ちょっと、キミの背後霊に母上が...。」


「おもしろ怖ーい。」と、友里恵はきゃはは、と笑う。

「それ、流行ってるの?おもしろ怖いって」と
輝彦が言うと

「いま、考えたの。」と、友里恵は、まだ笑いながら。


「でも、背後霊はともかく、呪いかどうかはわかんないね。
今のところ。」

と、友里恵は変な子(笑)。



「ま、たぶん事故かなぁ。その大学生が
お化け見た、とか言うならともかく。
病気直ったら、警察が調べるだろうけど」と、輝彦は冷静に。



「とりあえず、おまわりさんに聞いてみよっか、交番の。
タクシーの運転手さんとか」と、友里恵が言うので
輝彦も続く。

あんまり、教えてくれそうにないけど....と。輝彦。
警察でもないのに、なぜ聞くとか、いろいろ言われるのだ。



友里恵は、ぱたぱた、と交番に駆けて行き、お巡りさんにいろいろ聞いていた。

お巡りさんもにこにこと、いろいろ答えていた。

それから、タクシープールの運転手さんたち。


意外な展開に、呆気に取られる輝彦だったが
どうやら、若い女の子にはお巡りさんも弱いらしい(笑)

聞いてきたよー、と、友里恵が走ってきた。
歩いてもいいんだけど、やっぱりそこが
若いのかなぁ、って
輝彦はおっさん風の感想(笑)

「電車の音がうるさいから、普段から気にならないんだって。音。
それで、その日もね。寝ちゃってて
分からなかったけど。ブレーキの音は
聞こえなかったみたいだって。」

それは、警察も把握しているだろう。


「それでね、タクシーの運転手さんもね、夜は2時半頃
帰っちゃうんだって。電車来ないのに駅に居ても
仕事ないから、だって。」

そうすると、事件があった頃は
ここには人目もなく、事件性は低い。

そう警察も判断したんだろうと輝彦は思った。


「でもね、もし、もしよ。
恋人が死んじゃって、怖くなって逃げて。
ショックで心を病んだのに、自動車運転して帰れたって
変よね。」



そうか、と
輝彦は感心した。友里恵の捜査勘はすごい。

「さすが、加賀野刑事」(笑)とほめると

へへー、と、友里恵は舌をちょこっと出して。
子犬みたいだ。(笑)

「刑事になろーかな」なんて、気軽な友里恵である。

試験受ける?って輝彦は言うと


「しけんかー、べんきょーやだー」(笑)と
転げる友里恵。

ペットの学校は無試験なんだろうか(笑)



「ペット・スクールって勉強しないの?」と聞くと
友里恵は

「そーなんだよねー。それがナやみ。」って
変なイントネーション(笑)


トリミング、まあ、犬猫の床屋さんの他に
ペットの看護師資格も取れるらしい。

「でもまあ、ふつうに高校卒業したなら
大丈夫だろうけど」と、輝彦が言うと

「そーだよね。だいじょうぶだよ、たぶん。
あ、でも」と、友里恵は真面目な顔で

「奥さんがバカだと困る?」って(笑)


...奥さんねぇ(笑)。
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