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自殺
しおりを挟むそれはそうだけど....前のオーナーは、だって自殺までして。と
思った輝彦だった。
自殺か、事故か。
動機も明らかではないんだ。
経営は、困難だったが....。
「捜査が行き詰ったら、まず現場に戻る。基本だよ。」と、友里恵が
テレビの刑事モノのような台詞を言うので、なんだか和やかに
輝彦は笑顔になった。
「そうだね。加賀野刑事。行こうか、現場」と、輝彦が真面目半分で言うと
「はい、ア・ナ・タ(^.^)」と、ユーモアたっぷりの友里恵に
ゆう子も喜んでいた。
ほんとうに、和やかなコンビニでよかったんだけどな、と
輝彦は、店を後にしながら思う。
シトロエン・エクザンティアに乗り込み
すぐそばの、片野駅に向かう。
途中は、のどかな田んぼ道だ。
でも、街灯もないから
深夜はちょっと怖い。早朝でもそうだけれど。
「こんな道を、よくひとりで通ってたな。」と輝彦が言うと
「あたし?スクーターだもん。」
友里恵は、ベージュのホンダ・クレア・スクーピーに乗っていた。
派手なステッカー、アパレルのブランドらしいけど
輝彦には見当が付かない(笑)
大きなそれを、テールに貼り付けて
アメリカ国旗のような、星の模様の
ヘルメットをかぶって。
来ていたのだけれども、今はあいにく友里恵の事じゃなくて(笑)
前オーナーの事。
「あ、そっかぁ。マルヒね」と、友里恵は楽しそうだ。
刑事と探偵は違う(笑)
どうも、友里恵と居ると和んでしまうが。
片野駅に近づくと、夜は気づかなかったが
パーク・アンド・ライド、と言って
自動車で通勤する人が、電車に乗り換えて通勤できるような
駐車場がたくさんあった。
「.....ここに置けば、深夜なら分からないな。」と、輝彦は独り言で。
「そうね。でも、二人で駅?電車も無い時間に。鉄道写真とか?
心霊スポット探訪?」と、突飛な発想の友里恵。
笑顔の輝彦は、和みながら推理をした。(笑)。
理由は別にして、タクシープールのある南口でなく
北口近くの駐車場に置いてしまえば、ふたりで駅に来るのは可能だ。
それで、列車に飛び込んだ後。
自動車で帰る。
できない話ではない。でも、動機?
「事件当日も、いつものように帰った。でも、送っていったか不明。
恋人だった大学生は、明くる朝、部屋で警察に遭遇。
警察が、入院を要請した。か...。」
「友里恵ちゃん、ふたりは仲良かった?」
「うーん..。最近はそうでもなかったみたい。でも、、ホラ、ケンタイ期もあるから。」
倦怠期ねぇ(笑)なんか夫婦みたいだと輝彦は笑った。
「アタシたちには来ないよね、そんなの。ずーーっとらぶらぶで居たいなーー。」と
友里恵は、途中で脱線して自分の話になる(笑)
それも、母に似てるかな。女ってみんなそうなんだろうか、と
輝彦は苦笑。
昼間なので、駅前のパーキングに停める。バスロータリー、交番。
まさか交番の目の前で事故が起こるとは、おまわりさんも思わなかっただろう。
それで、事故処理が早く済んだのかもしれないけれど。
深夜であれば、交番のおまわりさんも眠っていたかもしれない。
平和な田舎町だ。
よく見ると、24時間営業のスーパーマーケットもあるので
そこからの視線がある。
しかし、北口は住宅地で
パン工場の跡地が、がらん、と広がっている。
あとは、団地だ。
「ねえ、友里恵ちゃん、団地って夜、静か?」
「うん、音が響くから。話し声とかすると。」
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