ふたりのMeg

深町珠

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calen

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連絡船が、波に流されないように
碇で、海底に留められているのを見て

連想する、リサ。


「自由に海を行きたいでしょうね」なんて思うのは
リサのどこかに、生き物として自由に行動したい、なんて言う

気持が、たぶんあるから。


国鉄職員のおじいちゃん、エンジニアのお父さん。

割と、理詰めな感じの一家だった。


おじいちゃんは、列車ダイヤ、お父さんは理系のりくつ。


そういうのはもちろん、正しい。



知らず知らずに、リサのこころの奥底に
そういう「正しい」に従わなくては、と言う


気持が。


子供の頃から、記憶が積み重なって行って。


それで、あの夏に「レールに乗るのは嫌」と
咄嗟に反発してしまったけど....。



どこかしら、そういう気持もあったりする。




仕事って、生きる糧だから
それでいいんだけど、安定してれば。





でも、時々は解放されたくて


旅に出たり。



それは、やっぱり生き物って
自由にしたいところもあるから。





人間だって生き物だもの。




リサは、鎖につながれた船を見て

そんなふうに思ったりもする。






同じ船を見ても、「おおきーね」と
ちいさな子は、喜んでいたりする。


こころがクリアなの、っていいなと

リサは思う。


まだ18歳なのに。




「でも、仕事なんてそれでいいのかな」と
思ったりもする。



就職や進学で苦労するより。






小さなかばんひとつで、列車に乗って来てしまったのは
そういう閉塞感もあったり。


特待生、みたいな運命は
もちろんありがたい事。


国鉄、みたいな組織に埋まっていくのは
幸せな事なんだろうけど。



それが、外国のお金持ちに壊されかけたのも
やっぱり運命で


リサ自身にはどうしようもない、国同士の政治のおはなし。



それもまた、リサの目に映る

鎖に縛られた連絡船のような、運命、に見えて。



リサは、自由に生きられないのかな、なんて
思ったりもして。




それは、リサの記憶の中の、ひとつひとつが

主観


で、つながってしまっているから。



つながりを変えれば、気分も良くなる。




客観


現実


を、そのまま、記憶につなげば.....いいのだけど



悩みの最中の本人がそうするのは、難しい。(笑)
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