ふたりのMeg

深町珠

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come in ,to especially

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その頃のリサはと言うと
SuperExpress-North-East lineの終点に近づき

車内アナウンスを聞いている頃だった。

車窓の右手には、静涼な海岸。
左手には、岩山。

列車は、地上を滑空するように300km/hで走っている。

カーブにさしかかると内側に傾くのが
鳥のようでもあり、飛行機のようでもあり

自然の摂理の共通性を思わせて、楽しくなる。
乗り物に乗ると、気分が変わっていい、と

リサは思う。


携帯電話を公共モードにしてあるので
鳴らなくていい。


ふつう、電車の中ではそうするものだけど、と
リサは国鉄マンの孫である、さすがに。



その「ふつう」の定義はひとそれぞれ、だけど。(笑)



昔はひとつだった。
それは、昔はこの国を建国し、列強に立ち向かうなんて
国だったので、とりあえず国の中は仲間。

外に仮想敵がいる、そういう想定だった。

今は、お金儲けで仲間を作っているひとが多いので

同じ国の中も、味方ばかりじゃないって

そういう妄想に浸るオトナが多かったり。


でも、それは妄想で。



リサのおじいちゃんたちは、みんな、昔のままの国鉄を
愛していた。

この国は変わらない。



それが......。



都会は変わっちゃった。


外国のお金持ちと仲間になって、国鉄を売るなんて。

(と、このときのリサはそう思っていた)。



田舎、Bluemorrisに行けば、温かな心のひとたちに会える。
そんなふうに、疲れたリサの心は思った、のだろう。



アナウンスが流れる。

----Ladies & Gentlemen, We're arrived at "New-BlueMorris" terminal  'bout 10 minutes. please leady truck , thank you .

と、軽快に明るく車掌のアナウンスが流れる。

この車両の担当は若い女性のようだ。


「このひとは、国鉄の民営化をどう思ってるのだろう」と
リサは、まだ思い込みの中にいる。



 

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