ふたりのMeg

深町珠

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summer place '76

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魔法使いになったのは偶然
ルーフィに出逢ったからだった。


めぐは、微かな胸の痛みと共に
ルーフィの境遇を思い起こす。


魔法で作られたひと。


魔法の為に。




そんなふうに、運命づけられた人生って

どんなものなんだろう?



人間、めぐには自由がある。
魔法ですら、使わない自由。


でも、それがない魔法使いルーフィは

でも、見た目そんなに不幸に感じられない。



生命ではないから、生きる為に
苦労する事もないけれど。


今のところ、彼のご主人様が
眠っているから
自由な事が出来ている。

それは、目覚めさせる方法を探す為に
自由にしていると言うだけなのだけれど。




目的が済んだら、自由は奪われる。


いったい、彼の人生は
なんのためにあるのだろう?






魔法の為にあるのだろうけれど。
彼自身の為、でない事は

たぶん、確かだ。




「めぐ、どしたの?」と
れーみぃ、気にして。




「時々こうなるの。秋ね」と
Naomiは、めぐの物思いを

秋のせいだと、オトメチックに(笑)



秋のせい、そうかもしれないけれど。

ふとしたキッカケで、気になる事ができて。
それが、心を捉えてしまうなんて事もある。

たいてい、それは
そのキッカケが、記憶にある出来事と関連があるからで

記憶、面白いもので

覚えた時の、気持や雰囲気、風の香りや
日のひかり。

そういうものも一緒に覚えてたりするのは
神経細胞がつながる時、一緒に、それらをつないでいるので


楽しい時、聞いていた音楽を聞くと、楽しかった思い出が蘇ったり
旅先で見た風景、それを写真で見ると
その時吹いてた風を思い出したり。

人間の記憶は複雑なもの。でも、時間の概念が正確でないのは

時間、と言うものに順応する必要がなかったからだ、と
進化生物学者は言う。




それは、そうかもしれない。

時間そのものが一定に流れていない、と言う考えは
例えば、アルバート・アインシュタインの説く
相対性理論でも主張されている。




もちろん、記憶に時系列の類別があったら
一瞬で連想できなくなってしまうのだけど(笑)。



そんな訳で、めぐはルーフィの事を
突然思い出したりした(笑)。





.....あの人は、どうしているのだろう?


まだ、あれからそんなに経ってないけれど。


夏の日の思い出は、遠く感じる。

それも、記憶の面白いところで



あまり使われない記憶は、遠く感じるもの。













「そろそろ帰ろうか」Naomi。

「ディズニーランド行く~ぅ」れーみぃ。


「ビール園も行けなかったね」めぐ。

「帰りは、SuperExpressで行こうか」と、リサ。




「え、乗れるの!」と、れーみぃ。



「うん、さっき聞いたら。わたしは、もう職員扱いなので
チケット貰えたの。自由席だけど。」と、リサ。



「みんなも、きょうは特別だって。.....国鉄に入社してくれたら、
ずっと乗れますって」


リサは、楽しい話をした。



「それじゃ、楽しい旅を!」と、Naomi。



気が付くと、もう、夕方が近くなっていて
秋の日暮れは早い。




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