359 / 502
railman and girl
しおりを挟む
国鉄の仕事、もちろん始発を運転する
事もあるから
朝早かったりする。
この日は、そういう日で
朝5時に出勤、と言う事は
3時頃起きて、職場に向かう。
なので、午後3時頃には帰宅できる。
終列車の時や、夜行の仕事は
夕方出掛けたりするので
年中、時差ぼけのような気分で
時折、神経が疲れる事もあった。
この日も、そんな感じ。
リサは元気で、スポーツをして
清々しい気持ちになって。
縁側から戻ってきた。
ラケットを持っていたから、テニスにでも
行ったのだろう。
「ただいまーあ」と、リサは
おじいちゃんにごあいさつして
縁側から上がった。
おじいちゃんは、疲れているので
短絡的に、リサに尋ねる。
進路の事。
家には、ミシェルがいるだけ。
でも、2階の部屋で
本でも読んでいるのか、静かだ。
[なに?おじいちゃん」と、リサは
楽しそうな、スポーツの昂揚醒めやらず。
おじいちゃんは、ぶっきらっぼうに「国鉄に来ないか」。
つい先日、おじいちゃん自らが
[大学を出てから」と言ったばかりなのに、と
リサは不審に思ったけど、仕事の後で
疲れてるのかな、と。
おじいちゃんを労い、でも
「大学出てから、って言ったじゃない」と
つい、スポーツのあとなので
言い方が雑になった。
その、言い方が
疲れてたおじいちゃんの神経に障ったらしく
おじいちゃんは苛立った。
この時、おじいちゃん自身は
健康を損ねていたので
ひょっとして、
リサの大学卒業まで、自分が
生きていられないかもしれない、そんな
予感を持っていて。
いまのうちに、技術を教えたい。
そんな焦りがあった。
おじいちゃんの息子は、3人いたが
長男は夭折、次男、つまり
リサのお父さんは、自動車のエンジニアになった。
3男は、国鉄には入ったが
機関車には向かず、車掌になったので
機関車乗りとしての後継ぎが、欲しくて。
タイミング悪く、リサは
「こないだ、おじいちゃんが言ったんだよね。大学出てから、って。
急にそんな事言われても。
わたしは、おじいちゃんの機関車じゃない。
急に行先変えないでよ、それじゃ
汽車だって脱線しちゃうよ」と
ユーモアを交えて言ったつもりが
鉄道職員にとって、冗談でも
脱線、は言ってはならない言葉だ。
脱線トリオ、転覆トリオと言う
お笑いさんが、国鉄には
絶対に呼ばれなかったのは有名な話である
(笑)。
それで、おじいちゃんは怒る。
疲れていたのだ。
リサも、18歳の女の子である。
「レールの上を行くなんて嫌よ。」と
心ならず、そんな言葉を言ったのは
勢いだ。
若いんだもの、そんな事はある。
事もあるから
朝早かったりする。
この日は、そういう日で
朝5時に出勤、と言う事は
3時頃起きて、職場に向かう。
なので、午後3時頃には帰宅できる。
終列車の時や、夜行の仕事は
夕方出掛けたりするので
年中、時差ぼけのような気分で
時折、神経が疲れる事もあった。
この日も、そんな感じ。
リサは元気で、スポーツをして
清々しい気持ちになって。
縁側から戻ってきた。
ラケットを持っていたから、テニスにでも
行ったのだろう。
「ただいまーあ」と、リサは
おじいちゃんにごあいさつして
縁側から上がった。
おじいちゃんは、疲れているので
短絡的に、リサに尋ねる。
進路の事。
家には、ミシェルがいるだけ。
でも、2階の部屋で
本でも読んでいるのか、静かだ。
[なに?おじいちゃん」と、リサは
楽しそうな、スポーツの昂揚醒めやらず。
おじいちゃんは、ぶっきらっぼうに「国鉄に来ないか」。
つい先日、おじいちゃん自らが
[大学を出てから」と言ったばかりなのに、と
リサは不審に思ったけど、仕事の後で
疲れてるのかな、と。
おじいちゃんを労い、でも
「大学出てから、って言ったじゃない」と
つい、スポーツのあとなので
言い方が雑になった。
その、言い方が
疲れてたおじいちゃんの神経に障ったらしく
おじいちゃんは苛立った。
この時、おじいちゃん自身は
健康を損ねていたので
ひょっとして、
リサの大学卒業まで、自分が
生きていられないかもしれない、そんな
予感を持っていて。
いまのうちに、技術を教えたい。
そんな焦りがあった。
おじいちゃんの息子は、3人いたが
長男は夭折、次男、つまり
リサのお父さんは、自動車のエンジニアになった。
3男は、国鉄には入ったが
機関車には向かず、車掌になったので
機関車乗りとしての後継ぎが、欲しくて。
タイミング悪く、リサは
「こないだ、おじいちゃんが言ったんだよね。大学出てから、って。
急にそんな事言われても。
わたしは、おじいちゃんの機関車じゃない。
急に行先変えないでよ、それじゃ
汽車だって脱線しちゃうよ」と
ユーモアを交えて言ったつもりが
鉄道職員にとって、冗談でも
脱線、は言ってはならない言葉だ。
脱線トリオ、転覆トリオと言う
お笑いさんが、国鉄には
絶対に呼ばれなかったのは有名な話である
(笑)。
それで、おじいちゃんは怒る。
疲れていたのだ。
リサも、18歳の女の子である。
「レールの上を行くなんて嫌よ。」と
心ならず、そんな言葉を言ったのは
勢いだ。
若いんだもの、そんな事はある。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
髪寄りな話~完全ノンフィクション
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
エッセイ・ノンフィクション
【これは……完全なる実話です】
10代の頃は髪の毛が多すぎて悩んでいたあの頃……今ではすっかり抜け毛に怯える日々。抜け毛を減らし、毛量を増やす為の日々を切実と綴らせて頂きます。
完全ノンフィクションなので、色々と突っ込みどころ満載かもしれません
※特に何か目新しいことや変化があった場合に投稿するので不定期更新になる予定です。ご了承下さい。
※他サイトでも投稿あり

セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました
今卓&
ファンタジー
その日、魔法学園女子寮に新しい寮母さんが就任しました、彼女は二人の養女を連れており、学園講師と共に女子寮を訪れます、その日からかしましい新たな女子寮の日常が紡がれ始めました。
美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます
今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。
アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて……
表紙 チルヲさん
出てくる料理は架空のものです
造語もあります11/9
参考にしている本
中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパを生きる
中世ヨーロッパの都市の生活
中世ヨーロッパの暮らし
中世ヨーロッパのレシピ
wikipediaなど
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

救世主パーティーを追放された愛弟子とともにはじめる辺境スローライフ
鈴木竜一
ファンタジー
「おまえを今日限りでパーティーから追放する」
魔族から世界を救う目的で集められた救世主パーティー【ヴェガリス】のリーダー・アルゴがそう言い放った相手は主力メンバー・デレクの愛弟子である見習い女剣士のミレインだった。
表向きは実力不足と言いながら、真の追放理由はしつこく言い寄っていたミレインにこっぴどく振られたからというしょうもないもの。
真相を知ったデレクはとても納得できるものじゃないと憤慨し、あとを追うようにパーティーを抜けると彼女を連れて故郷の田舎町へと戻った。
その後、農業をやりながら冒険者パーティーを結成。
趣味程度にのんびりやろうとしていたが、やがて彼らは新しい仲間とともに【真の救世主】として世界にその名を轟かせていくことになる。
一方、【ヴェガリス】ではアルゴが嫉妬に狂い始めていて……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる