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truelove
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「人間だって、恋する時間って短くて。
あとは、ずっと慈しみ、愛してあげる時間だもの。
それってさ、生物的な遺伝情報の共有は関係ないものね。
夫婦なんかそうでしょ?
子供もそうだと思うんだ。
自分の遺伝子を持ってる子供もいいけどさ、
その子が、自分を愛してくれるか否か、は別だし。」
と、ルーフィは、そんな事を言いながら
だから、と言う訳でもないけれど
見ず知らずの坊やの、落ち着く先を捜索していた。
Megは、まだ21歳だし、恋の経験もほとんどない。
なので、恋や愛が自分の中にある、と言う感覚も
はっきりとは分からず、希望も少しは含めて
考えている。
そこが、女の子っぽい愛らしさでもあるけれど。
恋も、愛も、自分の頭の中のhappy感覚で
恋人は、それを投影する為のもの。
もちろん、それが必要だから進化の過程で
得たのである。
すこし、ほんの少しずつ
環境の影響を受けて来たから
18世紀、ルーフィの居た頃なら
見ず知らずの子でも、幼い子なら
年上の子が面倒見るのはふつうだった。
生物はみんなそうで
霊長類ひと科の隣人、ゴリラなどは
年長のオスが年少のオスを教育したり、面倒をみたりすると
1980年代の観察結果、これも日本の京都大学霊長類研究所の
フィールドワークにある。
排他的な遺伝子、と言われる性質がもし真ならば
これは遺伝子ではなく、文化的な性質であろう。
年少のオスは、成長すれば年長のオスのライバルなので
それを育てるのはヘン、だと思うのが
排他的遺伝子仮説(たとえば、リチャード・ドーキンスのような)であるが
しかし、知性の高い生物、ゴリラくんたちは
助け合う事を知っている。
年少のオスたちが、群れの中で
やがてリーダーになっていき
そんな頃、年老いたオスを追い出したりはしないのが
高等類人猿あたりの知性。
同じ高等類人猿でも、ハヌマンラングールやチンパンジーの類とは
違う、と言うあたりも興味深いが
つまり、共助と謙譲は、隣人も知る文化なのである。
ひと科、ホモ・サピエンスも基本的にそうなのだが.....。
ここ数十年程、経済、と言う妙なものに影響されて
共助と謙譲より、闘争と排他、と言う地域的傾向もあったりする。
それはおかしなことで、文化的には退化を意味するが
生物的攻撃性を刺激する、経済活動の欲求が
人間の愛を、どこかに置き去りにさせてしまうようだ。
めぐとMegが、ルーフィにどこか惹かれる理由は
そんな、忘れ去られた愛を彼が、18世紀から連れてきたから。
めぐが「おじいちゃん」好きな子だったように
旧来はそうした男が多かったのである。
ひとの愛、神の愛。魔法使いの愛
そう、神様の愛も、魔法使いルーフィの愛も
人間の愛も、本質的にはあまり違いはないのだ。
慈しみあって、愛しあって生きる事は
複数の個体の間では基本である。
人間以外の生物でも、テリトリー、つまり
自分の生活を脅かさないなら、無用に
攻撃をしないものである。
つまり、農耕や牧畜などによって
社会、テリトリーのない生活をしている
人間なので
自らのテリトリーを守ろうとして
争いが起きたりする。
ルーフィと、ふたりのめぐ、Megとの間に
起きている事も、同様な理由で
偶然、時空間の歪みで
3人が出合ってしまったので
テリトリーが重複してしまった(笑)。
でも、年月が経てば
いずれ、テリトリーを共有して
社会のように生きられる。
ルーフィはそう思っている。
思いながら、坊やの行く先を探した。
坊やの体内にある、放射性同位体を探し
年代の特徴と照合して、地域性をも探し当てようとした。
例えば、兵器として放出された放射性物質や
原子力発電所の事故での同様な物質。
それらの崩壊過程は時系列に沿っているし
地域的な座標を推定できる。
ルーフィはそう思って、量子コンピュータの
放射能検出プローブを使おうと
考えた。
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